2022年トラックCLが閉幕　僅差の男子スプリントでリチャードソンが総合優勝

ヨーロッパ各国を巡り全5ラウンドで争われた2022年UCIトラック・チャンピオンズリーグが閉幕。絶対王者ハリー・ラブレイセン（オランダ）と接戦を繰り広げたマシュー・リチャードソン（オーストラリア）が逆転で男子スプリント種目の総合優勝に輝いた。

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イギリス・ロンドンで行われたUCIトラック・チャンピオンズリーグ2022第4&5ラウンド photo:UCI
UCI（国際自転車競技連合）がトラック競技の更なる普及のため2021年にスタートさせたUCIトラック・チャンピオンズリーグ。その第2回大会の4、5ラウンドが12月2、3日にイギリス・ロンドンで開催され、男女エンデュランス種目とスプリント種目の総合優勝者が決定した。

12月2日：第4ラウンド

女子スプリント（第4ラウンド）：オレナ・スタリコワ（ウクライナ）に4連続勝利を阻まれたマチルド・グロ（フランス） photo:UCI
第4ラウンドでハイライトとなったのは初戦から熱戦を繰り広げている、男子スプリント種目のリーダージャージを着用するハリー・ラブレイセン（オランダ）とマシュー・リチャードソン（オーストラリア）の争いだった。

先に行われた男子ケイリン決勝では、残り1周の手前で番手を下げ4位に終わったラブレイセンに対しこの好機を逃すことなくリチャードソンが勝利して総合ポイントで逆転。続く男子スプリントはラブレイセンがリチャードソンを破り勝利したものの、第4ラウンドにしてリチャードソンが男子スプリント種目の総合首位に躍り出た。

男子スクラッチ（第4ラウンド）：母国イギリスのファンの前で優勝したウィリアム・ペレット（イギリス） photo:UCI
女子エリミネーションではアーチボルドが早々と脱落する波乱。女子エンデュランスのリーダージャージを着用しながらもここまで優勝のなかったジェニファー・ヴァレンテ（アメリカ）が初勝利を収め、総合で僅差のアーチボルドを引き離すことに成功している。一方の男子エンデュランスはセバスチャン・モラ（スペイン）がリーダージャージに袖を通している。

12月3日：第5ラウンド

女子スプリント（第5ラウンド）：5戦中4勝と圧倒的な強さを誇ったマチルド・グロ（フランス） photo:UCI
リーダージャージを着るヴァレンテとアーチボルドの一騎打ちとなった女子エンデュランス種目は、女子スクラッチでエミリー・ケイ（イギリス）が勝利し、アーチボルドは2位でポイントを加算する。そして最終種目となった女子エリミネーションでは早めの仕掛けを成功させたアーチボルドがヴァレンテ相手に嬉しい母国ファンの前で勝利。しかし3ポイント差で追い詰めたアーチボルドに対し、リードを守りきったヴァレンテが総合優勝を決めた。

ラウンド毎にリーダーの変わる大混戦の男子エンデュランス種目は、コツコツと上位入賞でポイントを積み重ねたクラウディオ・イムホフ（スイス）が総合優勝に輝いた。また女子ケイリンをマルタ・バヨナ（コロンビア）が制し、女子スプリントで4度目の優勝を挙げたマチルド・グロ（フランス）が女子スプリント種目の総合リーダーを守りきり、初制覇を達成している。

男子スプリント（第5ラウンド）：再逆転総合優勝にのぞみを繋げる勝利を掴んだハリー・ラブレイセン（オランダ） photo:UCI
男子ケイリン（第5ラウンド）：勝利と共に総合優勝も掴んだマシュー・リチャードソン（オーストラリア） photo:UCI女子スプリント（第5ラウンド）：マチルド・グロ（フランス）がリーダーの維持を見せ優勝した photo:UCI

前日とは逆に、先に行われた男子スプリント決勝。ラブレイセンが先行してリチャードソンの出方を伺いながら進行したレースは、先に腰を上げたラブレイセンが前を譲ることなく勝利を決めた。

そしてリチャードソンが1ポイントリードで迎えた男子ケイリンは、ここでもラブレイセンが先頭で積極的なレース運びを見せた。先行するラブレイセンにリチャードソンが迫るという男子スプリントと同じ展開に持ち込まれた勝負は、リチャードソンが差し切って勝利。昨年の総合優勝者を破り、リチャードソンが2代目総合優勝者に輝いた。

2022年UCIトラック・チャンピオンズリーグ総合優勝者 photo:UCI
出場した選手たちが表彰式に上がり閉幕した photo:UCI