2022/11/28(月) - 10:25
オランダ開催のUCIシクロクロスワールドカップ第7戦でマチュー・ファンデルプール(オランダ)が復帰戦勝利。女子レースでもパック・ピーテルス(オランダ)が2連勝を挙げ、アルペシン・ドゥクーニンク勢が男女エリートレースを制圧した。
オランダ、フルストで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第7戦。W杯サーキット随一の高低差を誇る急角度キャンバーが名物の難コースで、いよいよマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がシクロクロス初参戦を果たした。
女子エリート:ピーテルスがW杯2連勝をマーク
雨の女子エリートレース。ブルーシグナルを待つ photo:UCI
オランダの若手3人衆が参戦し、代わって前日のX2Oトロフェー勝者マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が不出場を選んだ女子エリートレース。テクニックはもちろん、スリッピーな下りキャンバーに対する自信のほども如実に成績に表れるレースとなった。
スタートしてすぐにフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が抜け出して先頭パックを形成。2人のW杯ランキングリーダー(エリート/U23)が逃げてライバル勢を置き去りにすると、間髪入れずピーテルスが抜け出しを図った。
序盤からパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がレースを引っ張る photo:UCI
落車とメカトラに泣いたフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:UCI
シケインをバニーホップで越え、完璧なキャンバー処理を披露するピーテルスが逃げ、脚力で勝るファンエンペルが追いかける。両者の差は5周回中の3周目にゼロになったものの、ファンエンペルはコースで一番難しい下りキャンバーで転倒してしまう。ハンドルが曲がり、駆動系にもダメージを負ったため、ファンエンペルはそこからピットまでの長い距離をランニングでこなさなければならなかった。
突如リードを得たピーテルスは残る周回を快調にこなしてW杯2連続勝利。バイク交換以降もリズムを取り戻せなかったファンエンペルが2位、セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とのバトルを制したシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が3位に入り、2002年生まれの20歳トリオが再び表彰台を独占する形となった。
W杯2連勝をマークしたパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:UCI
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第6戦 女子エリート表彰台 photo:UCI
「登りでは私よりフェムの方が強かったのでラッキーだった」と、2連勝を決めたピーテルスは言う。「私たち3人が表彰台に立てたのは良いこと。お互いにいいライバルとして高め合っていけるから」とも。2位に甘んじたファンエンペルは「落車からピットまで遠かったけれど闘志を燃やして2位を確保できた」とアクシデントを振り返っている。
男子エリート:復帰戦のファンデルプールが独走 ピドコックはホイール破損リタイア
ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が得意のスタートダッシュを決めて動き出した1時間の戦い。ファンデルプールは保有ポイントが少ないため4列目スタートだったものの、他選手を飛び石のように使い、あえて重馬場のラインを踏み倒してあっという間に先頭争いへと浮上してみせた。
ダッシュを決めたラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) photo:UCI
激下りを駆け降りるトップグループ photo:UCI
スリッピーで、所々柔らかく重たい泥にまみれたフルストのコース。「状況的には僕有利だけど、最初に前に上がるのは簡単ではない」と言うレース前コメントを自ら覆したファンデルプールだったが、やはりレース慣れしていないためキャンバー区間でミスを連発してしまう。何度か転倒したため、ペースを上げるのではなく一度ライバル勢の後ろで様子を窺う作戦に切り替えた。
ファンデルハールとW杯ランキングリーダーのエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)はキャンバーでのミスが響いてやや遅れ、代わって前日土曜日に勝利したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と今季絶好調のローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)が先頭に立つ。ファンデルプールはこの2人としばらく先頭グループを組んだのち、およそ30分が過ぎたタイミングで先頭に出た。
トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の背後につけるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:UCI
独走体制を敷くマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:UCI
世界王者返り咲きを目指してシーズンインしたファンデルプールが先行。スウェークは遅れ、ピドコックが唯一10秒差で拮抗したペースを刻み追走する。ファンデルプールのワンミスで詰まる差だったものの、最終周回に入ってピドコックはリアタイヤをフェンスに当て破損させてしまう。しばらくランニングでコースを走っていたがリタイアを選択した。
こうしてファンデルプールが確固たるリードを得てフィニッシュラインへ。2021年1月31日に4度目のシクロクロス世界チャンピオンに輝いて以来の勝利を飾った。2位はスウェーク、粘り強く追走していたイゼルビットがファンデルハールを振り切って3位表彰台を掴んでいる。
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第7戦 男子エリート表彰台 photo:UCI
「シクロクロスの優勝は久々だから嬉しいよ。ただまだテクニック面での慣れと練習が足りてない。何度かミスしたけれど、初戦ということを考えれば普通のこと。これからトレーニングをしっかり積んでいきたい」とファンデルプールは話している。
オランダ、フルストで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第7戦。W杯サーキット随一の高低差を誇る急角度キャンバーが名物の難コースで、いよいよマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がシクロクロス初参戦を果たした。
女子エリート:ピーテルスがW杯2連勝をマーク
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オランダの若手3人衆が参戦し、代わって前日のX2Oトロフェー勝者マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が不出場を選んだ女子エリートレース。テクニックはもちろん、スリッピーな下りキャンバーに対する自信のほども如実に成績に表れるレースとなった。
スタートしてすぐにフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が抜け出して先頭パックを形成。2人のW杯ランキングリーダー(エリート/U23)が逃げてライバル勢を置き去りにすると、間髪入れずピーテルスが抜け出しを図った。
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シケインをバニーホップで越え、完璧なキャンバー処理を披露するピーテルスが逃げ、脚力で勝るファンエンペルが追いかける。両者の差は5周回中の3周目にゼロになったものの、ファンエンペルはコースで一番難しい下りキャンバーで転倒してしまう。ハンドルが曲がり、駆動系にもダメージを負ったため、ファンエンペルはそこからピットまでの長い距離をランニングでこなさなければならなかった。
突如リードを得たピーテルスは残る周回を快調にこなしてW杯2連続勝利。バイク交換以降もリズムを取り戻せなかったファンエンペルが2位、セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とのバトルを制したシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が3位に入り、2002年生まれの20歳トリオが再び表彰台を独占する形となった。
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「登りでは私よりフェムの方が強かったのでラッキーだった」と、2連勝を決めたピーテルスは言う。「私たち3人が表彰台に立てたのは良いこと。お互いにいいライバルとして高め合っていけるから」とも。2位に甘んじたファンエンペルは「落車からピットまで遠かったけれど闘志を燃やして2位を確保できた」とアクシデントを振り返っている。
男子エリート:復帰戦のファンデルプールが独走 ピドコックはホイール破損リタイア
ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が得意のスタートダッシュを決めて動き出した1時間の戦い。ファンデルプールは保有ポイントが少ないため4列目スタートだったものの、他選手を飛び石のように使い、あえて重馬場のラインを踏み倒してあっという間に先頭争いへと浮上してみせた。
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スリッピーで、所々柔らかく重たい泥にまみれたフルストのコース。「状況的には僕有利だけど、最初に前に上がるのは簡単ではない」と言うレース前コメントを自ら覆したファンデルプールだったが、やはりレース慣れしていないためキャンバー区間でミスを連発してしまう。何度か転倒したため、ペースを上げるのではなく一度ライバル勢の後ろで様子を窺う作戦に切り替えた。
ファンデルハールとW杯ランキングリーダーのエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)はキャンバーでのミスが響いてやや遅れ、代わって前日土曜日に勝利したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と今季絶好調のローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)が先頭に立つ。ファンデルプールはこの2人としばらく先頭グループを組んだのち、およそ30分が過ぎたタイミングで先頭に出た。
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世界王者返り咲きを目指してシーズンインしたファンデルプールが先行。スウェークは遅れ、ピドコックが唯一10秒差で拮抗したペースを刻み追走する。ファンデルプールのワンミスで詰まる差だったものの、最終周回に入ってピドコックはリアタイヤをフェンスに当て破損させてしまう。しばらくランニングでコースを走っていたがリタイアを選択した。
こうしてファンデルプールが確固たるリードを得てフィニッシュラインへ。2021年1月31日に4度目のシクロクロス世界チャンピオンに輝いて以来の勝利を飾った。2位はスウェーク、粘り強く追走していたイゼルビットがファンデルハールを振り切って3位表彰台を掴んでいる。
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「シクロクロスの優勝は久々だから嬉しいよ。ただまだテクニック面での慣れと練習が足りてない。何度かミスしたけれど、初戦ということを考えれば普通のこと。これからトレーニングをしっかり積んでいきたい」とファンデルプールは話している。
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第7戦 男子エリート結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 57:09 |
2位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +0:15 |
3位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:22 |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:30 |
5位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:49 |
6位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:31 |
7位 | フェリペ・オルツ(スペイン、ブルゴスBH) | +1:44 |
8位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +1:50 |
9位 | トーン・ファンデボッシュ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:11 |
10位 | ケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム) | +2:18 |
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第6戦 女子エリート結果
1位 | パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 46:31 |
2位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:42 |
3位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:47 |
4位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:06 |
5位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:12 |
6位 | マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +2:32 |
7位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス、ASバイクレーシング) | +3:01 |
8位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) | +3:09 |
9位 | リヌ・ブルキエ(フランス、キャニオン・コレクティブ) | +3:14 |
10位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) | +3:33 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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