スコット GENIUS　革新的なフレーム内装リアショックを採用した次世代オールマウンテンMTB

スコットのトレイルバイク"GENIUS"シリーズがフルモデルチェンジを果たす。一足先にリニューアルしたXCバイクのSPARKと同様のリアサス内装バイクとして、フルサスMTBと思えないクリーンなルックスと高性能を獲得した次世代機へと進化した。

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スコット GENIUSがフルモデルチェンジ (c)スコット・ジャパン
最先端のロードレーサーにとって、必須要件となったケーブルフル内装システム。余分なケーブル類が露出しないことによるエアロ効果、フューチャリスティックな雰囲気すら醸し出すクリーンなシルエットをもたらし、瞬く間にスタンダードとなった。

一方で、MTBの世界においては、インテグレーションの波が押し寄せているという状況には未だ無い。過酷な環境で走る車種ならではの耐久性や多様なフィールドに合わせたセッティング幅など、ロードバイクに比べると求められる要素が多いこと、平均速度が低く空力性能がそこまで重視されていないことなどがその要因として挙げられる。

スコット Genius 900 ST Tuned (c)スコット・ジャパン
だが、そんな中でも果敢に新たな技術へチャレンジするメーカーは存在している。言わずと知れたW杯常勝ブランド、スコットだ。同社は、以前よりリアショックの倒立レイアウトやトラニオンマウントの採用によってバイクの低重心化を図り、ライバルたちの一歩先を行く進歩的な姿勢を貫いてきた。

そんなスコットは、昨年発表した新型SPARKにおいてついにリアショックをフレーム内部に格納するという画期的な構造を採用。ニノ・シューターが駆り世界選手権を制覇し、新型SPARKはワールドチャンピオンバイクとして、決して奇抜なだけではない先進的な性能を有していることを証明してみせた。

リアショックは完全に内装される (c)スコット・ジャパン
そして今回、スコットはその技術を人気のオールマウンテンバイクであるGENIUSへと投入。フロント160mm：リア150mmトラベルのオールマウンテンバイクに合わせてさらにブラッシュアップされたインテグレーテッドサスペンションテクノロジーにより、登りも下りも更に楽しめる1台へと進化を果たした。

クリーンなルックス、極限の低重心、高いプロテクション性能をもたらす内装リアショック

クリーンなルックスのサスペンション周り (c)スコット・ジャパン
スコットが2019年に業務提携を発表したスイスのボールドサイクルに端を発するリアショック内装システムには、多くのメリットがある。一つはもちろんこれまでにないクリーンなルックス。外部からリアショックが見えないフレームワークは、どこかステルス機のようで、未来を感じさせる。

もう一つのメリットが、リアショックのマウント位置をBB周辺にまで下げられることによる低重心化。先述したとおり、スコットがフルサスバイクの開発に当たって非常に大きなウェイトを置いていた課題に対する理想的な答えを、ダウンチューブという制約を取り払うことで実現した。

大型ショックにも対応するクリアランスを確保。マウント位置は極限までBBに近づけられている (c)スコット・ジャパン
そして、フレームの内部にショックを内蔵することで、雨や泥などがショックにかかることを防いでくれる。ショックを汚れから守ることは、メンテナンス頻度も下がり、バイクの寿命を延ばすことにもつながるだろう。

一方、内装システムと聞いて心配するのはメンテナンス性だろう。スコットはこの点についても抜かりはない。サスセッティングの基本となるサグに関しては、シートステーのリンク部に設けられたインジケーターにより、視覚的に把握可能となっている。Oリングを用いていた既存のバイクよりも、より高精度なセッティングが出来るため、むしろ作業性は向上しているといっても良いだろう。

サグインジケーターが設置される (c)スコット・ジャパン
簡単にリアショックにアクセス可能 (c)スコット・ジャパン
エア圧の設定やダンパーの調整などでショック自体に触る必要がある時は、ダウンチューブ下部のカバーを外すことで簡単にアクセスできる。カバーの取り外しには工具も不要となっており、走行途中にセッティングを変更することも苦にならない。

また、リアショックだけではなくブレーキホースやシフトワイヤー、ドロッパーポストのコントローラーもフレームに内装される。ステム下からヘッドセットを介してフレーム内部へとケーブルが内装され、フロントブレーキホース以外はほぼケーブル露出のないバイクに仕上げられた。

ヘッドセットを経由してフレーム内部にケーブルが導かれる (c)スコット・ジャパン
ノーマルモデルと、より下り向けの"ST"モデルを用意

スコット Genius (c)スコット・ジャパン
スコットは、新型GENIUSに2つのモデルを用意する。一つがスタンダードな"GENIUS"、もう一つがより下り向けの"GENIUS ST"だ。ST、と言ってもショートトラベルではなく、（前作でロングトラベルのLTバージョンがあっただけにややこしいが）、「スーパートレイル」を意味している。

無印もSTもフレーム自体は共通で、セットアップによって味付けを調整されている。GENIUSは65度のヘッドアングルで、より軽量なショックと前後サスペンションを同時に3モードからコントロール出来るTwinROC2システムを搭載。登りと下り、それぞれの性能をバランスしたパッケージとなっている。

GENIUSはアルミフレームのみの設定で、フォークにフォックス 36 Float RhythmとシマノDeoreを組み合わせたGENIUS 930と、マルゾッキ Z2 Airとスラム SX EAGLEを採用したGENIUS 940を展開。

スコット Genius ST (c)スコット・ジャパン
一方で、GENIUS STは出荷時に64度のヘッドアングルに設定されている。リアショックには追加のエアチャンバーを備えた大型モデルを使用しつつ、リアサスのみをリモートでコントロールできるTracLocシステムを採用。フロントフォークは高速/低速コンプレッションと低速リバウンドを調整可能（GENIUS ST910）となっている。

HMFカーボンのフロントトライアングルにアルミ製のスイングアーム、オーリンズのRXF36 m.2Airを組み合わせたGENIUS ST910、アルミフレームにロックショックス Lyrikを採用したGENIUS ST920が用意される。

ケーブル類もステム下から内装される (c)スコット・ジャパン
ワンタッチでカバーを開閉可能。工具不要なのでトレイルでもダンピング調整が可能 (c)スコット・ジャパンシートチューブにはモデル名が印字される (c)スコット・ジャパン


価格はGENIUS ST910が1,155,000円、GENIUS ST920が748,000円、GENIUS 930が660,000円、GENIUS 940が550,000円（全て税込）。サイズはS、M、Lの3種類での展開だ。

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スコット GENIUS ST910
フレーム：Genius Carbon HMF Mainframe with Alloy 6061 Swingarm Integrated Suspension Technology Virtual 4 Link kinematic / Adjustable head angle Syncros Cable Integration System BB92 / UDH Interface / 12x148mm with 55mm Chainline
フォーク：Ohlins RXF36 m.2 Air / TTX-Technology HSC - LSC - LSR adjustable / 15x110mm Axle / 44mm offset / tapered steerer / 160mm travel
リアショック：FOX FLOAT X NUDE PE EVOL Piggy Back Trunnion SCOTT custom w. travel / geo adj. 3 modes: Climb-Traction Control-Descend Custom large Air volume / Comp & Reb. Adj. Travel 150-100-Climb / T185X55mm
リモートシステム：TracLoc Technology Rear Suspension & Dropper Remote 3 Rear Suspension modes
サイズ：S - M - L
重量：14.4 Kg (Tubeless setup)
価格：1,155,000円

スコット GENIUS ST920
フレーム：Genius Alloy 6061 Integrated Suspension Technology Virtual 4 Link kinematic / Adjustable head angle Syncros Cable Integration System BB92 / UDH Interface / 12x148mm with 55mm Chainline
フォーク：RockShox Lyrik Air Rush RC Damper 15x110mm Maxle Stealth 44mm offset / Tapered steerer Comp & Reb. Adj. / 160mm travel
リアショック：FOX FLOAT X NUDE PE EVOL Piggy Back Trunnion SCOTT custom w. travel / geo adj. 3 modes: Climb-Traction Control-Descend Custom large Air volume / Comp & Reb. Adj. Travel 150-100-Climb / T185X55mm
リモートシステム：TracLoc Technology Rear Suspension & Dropper Remote 3 Rear Suspension modes
サイズ：S - M - L
重量： 15.8Kg (Tubeless setup)
価格：748,000円

スコット GENIUS 930
フレーム：Genius Alloy 6061 Integrated Suspension Technology Virtual 4 Link kinematic / Adjustable head angle Syncros Cable Integration System BB92 / UDH Interface / 12x148mm with 55mm Chainline
フォーク：FOX 36 Float Rhythm Air Grip 3-Modes / 15x110mm QR axle / tapered steerer 44mm offset / Reb. Adj. / Lockout / 160mm travel
リアショック：FOX Float Custom EVOL Performace Trunnion 3 modes / Lockout- Trail-Descend DPS / Reb. Adj. Travel 150mm / T185X55mm
リモートシステム：SCOTT TwinLoc 2 Technology Suspension & Dropper Remote 3 Suspension modes
サイズ：S - M - L
重量：15.5Kg (Tubeless setup)
価格：660,000円

スコット GENIUS 940
フレーム：Genius Alloy 6061 Integrated Suspension Technology Virtual 4 Link kinematic / Adjustable head angle Syncros Cable Integration System BB92 / UDH Interface / 12x148mm with 55mm Chainline
フォーク：Marzocchi Z2 Air Rail 3-Modes / 15x110mm QR axle / tapered steerer 44mm offset / Reb. Adj. / Lockout / 150mm travel
リアショック：X-Fusion NUDE 5 RLX Trunnion SCOTT custom w. travel / geo adj. 3 modes: Lockout-Traction Control-Descend Reb. Adj. Travel 150-100-Lockout / T185X55mm
リモートシステム：SCOTT TwinLoc 2 Technology Suspension & Dropper Remote 3 Suspension modes
サイズ：S - M - L
重量：15.8Kg (Tubeless setup)
価格：550,000円