2022/11/14(月) - 00:17
3年ぶりの開催となったツール・ド・おきなわ。UCIレースとして行われた男子チャンピオンレースは、残り10kmからの登りで抜け出したベンジャミ・プラデス(チーム右京)が逃げ切って初優勝した。女子国際ロードレースは金子広美(イナーメ信濃山形・バイクサンド・R×L)が独走逃げ切りで2014年以来2度目の優勝を決めた。
2019年以来の開催となるツール・ド・おきなわ。ロードレースシーズンの最後を締めくくる大会として、「おきなわに来ないとシーズンが終わらない」という声もあるほど人気の大会だ。しかし男子チャンピオンレースに出場するチーム・選手にとっては、長いシーズンの最後に200kmオーバーのレースを走るためのモチベーションやコンディションを維持することが難しい大会でもある。
男子チャンピオンレースは2019年以前同様にUCI1.2クラスのワンデーレースとして行われたものの、他の国内UCIレース同様に海外チームの参加は見送られ、国内UCIコンチネンタル登録チームとクラブチーム、沖縄選抜チームをあわせた計14チーム68名が出走した。
未明から降り続いた大雨が小降りとなり、夜が明け始めた午前6時45分にパレードスタート。名護市街を抜けたところでリアルスタートが切られると、沖縄選抜チームが集団先頭に立ってペースを上げていく。およそ20kmにわたるアタック合戦の後、宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)が単独先行。バトムンク・マラル・エルデン(レバンテフジ静岡)が単独追走し、その後ろにメイン集団が続く。宮崎とバトムンクの差は2分。メイン集団との差はコース中盤で10分以上まで広がる。
宮崎の単独先行はおよそ100kmに及び、普久川ダムへの登りに設定された2回の山岳賞ポイントを共に先頭通過し、山岳賞を確定させる。その直後、バトムンクが宮崎に追いつき、代わって単独先行。しかし宮崎を吸収してペースを上げたメイン集団との差はその後一気に縮まり、残り50kmを切ったところで吸収される。
およそ半数の30名ほどまで絞られた集団は再びアタックが繰り返され、新城雄大(キナンレーシングチーム)、吉岡直哉(チーム右京)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、エンクタイヴァン・ボロー・エルデン(レバンテフジ静岡)の4名が先行。その中から、小野寺が単独で抜け出す。後続集団との差は1分まで広がるものの、チーム右京が中心となって追走し、残り10kmを前に吸収する。
最後の登り区間に入ると、石橋学(チーム右京)が一気に加速して集団を引き伸ばしていく。人数が絞られたところでベンジャミ・プラデス(チーム右京)がアタック。キナンレーシングチームの新城雄大と山本元喜が喰らいつくものの、プラデスの登りのペースに振り切られる。
単独先頭になったプラデスはそのままフィニッシュまで逃げ切り、ツール・ド・おきなわ初優勝。チーム右京復帰後1ヶ月足らずで早くも2勝目を挙げた。
ベンジャミ・プラデス コメント
「ツール・ド・おきなわには6回出場しているが、どれも惜しいところで優勝出来なかった。前回の2019年は3位だったし、このレースで優勝したかったから、今回優勝出来てとても嬉しい。残り10kmでアタックしたのは作戦通り。最後に逃げが吸収されて集団がひとつになると予想していた通りの展開になった」
金子広美が独走逃げ切りで優勝
100kmで行われた女子国際レース。「普久川ダムの登りで人数を絞りたかった」と言う金子広美(イナーメ信濃山形・バイクサンド・R×L)が仕掛けて5名まで絞る。その後単独となってフィニッシュまで逃げ切り、2位以下に3分以上の差をつけて優勝を決めた。前回優勝が2014年だったことを聞くと「よく覚えてなくて、そんなに前になるんですね」と少し驚いた様子の金子。「沖縄大好きなので、このレースで勝ちたいと思って毎年エントリーしてきた」と言う。
「今回はあまりプランを考えず、シーズン最後のレースなので集中して動けるところで動こうと思っていた。残り25kmあたりから1人になって逃げ切ることが出来たが、あまり考えすぎずにやれたことも良かったと思う。
10月の全日本の後、調子が一度落ちてしまって、ここまで維持するのがキツかった。3年ぶりのおきなわで勝てたことはとても意味のあることだし、何より沿道からの応援が『帰ってきた!』という感じてとても嬉しかった。今シーズンのレースはこれで終わるので、一度リセットして来年に向けてスタートしたい」と、語った。
2019年以来の開催となるツール・ド・おきなわ。ロードレースシーズンの最後を締めくくる大会として、「おきなわに来ないとシーズンが終わらない」という声もあるほど人気の大会だ。しかし男子チャンピオンレースに出場するチーム・選手にとっては、長いシーズンの最後に200kmオーバーのレースを走るためのモチベーションやコンディションを維持することが難しい大会でもある。
男子チャンピオンレースは2019年以前同様にUCI1.2クラスのワンデーレースとして行われたものの、他の国内UCIレース同様に海外チームの参加は見送られ、国内UCIコンチネンタル登録チームとクラブチーム、沖縄選抜チームをあわせた計14チーム68名が出走した。
未明から降り続いた大雨が小降りとなり、夜が明け始めた午前6時45分にパレードスタート。名護市街を抜けたところでリアルスタートが切られると、沖縄選抜チームが集団先頭に立ってペースを上げていく。およそ20kmにわたるアタック合戦の後、宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)が単独先行。バトムンク・マラル・エルデン(レバンテフジ静岡)が単独追走し、その後ろにメイン集団が続く。宮崎とバトムンクの差は2分。メイン集団との差はコース中盤で10分以上まで広がる。
宮崎の単独先行はおよそ100kmに及び、普久川ダムへの登りに設定された2回の山岳賞ポイントを共に先頭通過し、山岳賞を確定させる。その直後、バトムンクが宮崎に追いつき、代わって単独先行。しかし宮崎を吸収してペースを上げたメイン集団との差はその後一気に縮まり、残り50kmを切ったところで吸収される。
およそ半数の30名ほどまで絞られた集団は再びアタックが繰り返され、新城雄大(キナンレーシングチーム)、吉岡直哉(チーム右京)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、エンクタイヴァン・ボロー・エルデン(レバンテフジ静岡)の4名が先行。その中から、小野寺が単独で抜け出す。後続集団との差は1分まで広がるものの、チーム右京が中心となって追走し、残り10kmを前に吸収する。
最後の登り区間に入ると、石橋学(チーム右京)が一気に加速して集団を引き伸ばしていく。人数が絞られたところでベンジャミ・プラデス(チーム右京)がアタック。キナンレーシングチームの新城雄大と山本元喜が喰らいつくものの、プラデスの登りのペースに振り切られる。
単独先頭になったプラデスはそのままフィニッシュまで逃げ切り、ツール・ド・おきなわ初優勝。チーム右京復帰後1ヶ月足らずで早くも2勝目を挙げた。
ベンジャミ・プラデス コメント
「ツール・ド・おきなわには6回出場しているが、どれも惜しいところで優勝出来なかった。前回の2019年は3位だったし、このレースで優勝したかったから、今回優勝出来てとても嬉しい。残り10kmでアタックしたのは作戦通り。最後に逃げが吸収されて集団がひとつになると予想していた通りの展開になった」
金子広美が独走逃げ切りで優勝
100kmで行われた女子国際レース。「普久川ダムの登りで人数を絞りたかった」と言う金子広美(イナーメ信濃山形・バイクサンド・R×L)が仕掛けて5名まで絞る。その後単独となってフィニッシュまで逃げ切り、2位以下に3分以上の差をつけて優勝を決めた。前回優勝が2014年だったことを聞くと「よく覚えてなくて、そんなに前になるんですね」と少し驚いた様子の金子。「沖縄大好きなので、このレースで勝ちたいと思って毎年エントリーしてきた」と言う。
「今回はあまりプランを考えず、シーズン最後のレースなので集中して動けるところで動こうと思っていた。残り25kmあたりから1人になって逃げ切ることが出来たが、あまり考えすぎずにやれたことも良かったと思う。
10月の全日本の後、調子が一度落ちてしまって、ここまで維持するのがキツかった。3年ぶりのおきなわで勝てたことはとても意味のあることだし、何より沿道からの応援が『帰ってきた!』という感じてとても嬉しかった。今シーズンのレースはこれで終わるので、一度リセットして来年に向けてスタートしたい」と、語った。
ツール・ド・おきなわ 男子チャンピオンレース 結果(UCI1.2 210km)
1位 | ベンジャミ・プラデス(チーム右京、スペイン) | 5時間13分37秒 |
2位 | 山本元喜(キナンレーシングチーム) | +29秒 |
3位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン) | +35秒 |
4位 | ⻄尾勇人(那須ブラーゼン) | +41秒 |
5位 | 孫崎大樹(スパークル大分レーシングチーム) | +51秒 |
6位 | 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) | |
7位 | 小森亮平 (マトリックスパワータグ) | |
8位 | 沢田 時 (チームブリヂストンサイクリング) | |
9位 | 阿曽圭佑(ヴィクトワール広島) | |
10位 | 風間翔眞(シマノレーシングチーム) |
女子国際ロードレース 結果(100km)
1位 | 金子広美(イナーメ信濃山形・バイクサンド・R×L) | 3時間7分18秒 |
2位 | 手塚悦子(IMEレーシング) | +3分39秒 |
3位 | 大堀博美(MOPS) | |
4位 | 渡部春雅(明治大学/Liv) | +5分26秒 |
5位 | 植竹海貴(Y'sRoad) | |
6位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +5分27秒 |
text:Satoru Kato
photo:Makoto AYANO,Satoru Kato
photo:Makoto AYANO,Satoru Kato
フォトギャラリー
Amazon.co.jp