2022/10/10(月) - 11:20
共に逃げ続けたダニエル・オス(イタリア)を振り切って、シクロクロス出身のロード選手、ジャンニ・フェルメールス(ベルギー)がグラベル世界選手権を制す。グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)とのスプリントを制したマチュー・ファンデルプール(オランダ)が3位銅メダル。男子45-49歳の高岡亮寛(RoppongiExpress)は6位に入った。
第1回グラベル世界選手権のトリを飾る男子エリートレース。コースは世界遺産であるヴィツェンツァをスタートし、パドヴァを経由してチッタデッラにフィニッシュするレイアウトだが、前日の女子コースにチッタデッラの周回コースが2周加えた総距離194km/獲得標高800mのフラットコースで同カテゴリー初の男子世界王者が決まった。
ヴィツェンツァのスタートラインに並んだのは、ラクラン・モートンやネイサン・ハース(共にオーストラリア)、アンバウンドグラベル覇者イヴァール・スリック(オランダ)といったグラベルスペシャリスト勢に加え、マチュー・ファンデルプール(オランダ)やペテル・サガン(スロバキア)、元シクロクロス世界王者のゼネク・スティバル(チェコ)、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)といったオフロード経験を持つトップロード選手たち。またミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)などロードのピュアクライマー、さらに現役引退しているニコラス・ロッシュ(アイルランド)や、51歳にして未だ現役続行中(今季で引退予定)のダヴィデ・レベリン(イタリア)といった、非常に華やかなメンバーが揃い踏みした。
MTB勢がレースを動かした前日女子レースと異なり、この日はロード選手たちがスタート直後から展開を掌握。スタート直後の登りでファーストアタックを決めたロペスとマグナス・コルト(デンマーク)が飛び出したが、暫く走ったのちに吸収。続いてダニエル・オス(イタリア)とジャンニ・フェルメールス(ベルギー)の2人逃げが決まった。
この2名を見送ったメイン集団はペースを落とし、タイム差は最大5分半超まで拡大。ロードレースで一般的な「10km(で)1分(を縮める)」に従って残り60kmから追走テンポを上げたものの、シングルトラックも含まれるコースでは、視界明瞭で逃げる2人とのタイム差は思うように縮まらなかった。
グラベルバイクではなく、ロードタイヤにグラベルタイヤを履かせたセッティングで臨んだ先頭2人(フェルメールス:キャニオン Ultimate、オス:スペシャライズド Roubaix)は、アタックで人数を減らしながら追うメイン集団を尻目にチッタデッラ周回コースの最終周に突入。テクニカルかつバンピーなセクションを味方につけたシクロクロスとロードの兼業選手であるフェルメールスがオスを引き離し、最終区間を独走してフィニッシュラインに飛び込んだ。
「最後のシングルトラック区間は今日のコースで一番得意な場所。全速力で突っ込んで、ダニエルに対して1m、また1mとリードを奪うことができた。そこからフィニッシュまでは全力だったよ。ずっとオフィシャルバイクがタイム差を教えてくれていたけど、イタリア語だったからダニエルに教えてもらっていたんだ。5分差がついた時点でかなりチャンスがあると感じていたよ。最後は男と男の勝負だった。フィニッシュ手前のレイアウトも僕向きだったけれど、後ろが猛然と迫っていたし、リードを維持する意味でも早めに仕掛けて逃げたんだ。(世界チャンピオンだなんて)クレイジーだよ。僕が世界王者になる最大のチャンスだと思っていた。家にアルカンシエルを持ち帰るなんて本当に嬉しい」と、まさに自身の持ち味を発揮して勝利したフェルメールスは言う。フィニッシュ後には、ファンアーヴェルマートとのスプリントで3位に食い込んだ普段のチームメイト、ファンデルプールの祝福を受けた。
負けこそしたものの、2位銀メダルを獲得したオスは「勝てなかったけれど、僕たちは新しい世界、新しい自転車の楽しみ方を知るためにここに来たんだ。レースがどうなるかも分からなかったし、だからこそ早めにアタックした。調子も良かったし、このチャンスを許してくれたチーム代表のジャンルネ(ベルノドー)や、機材サプライヤーにも感謝したい。多分人生で一番長い逃げだったしジャンニはすごく強かった。アタックを決められた時は路面もひどかったし、頭もぼーっとしていたんだ。でも結果に満足しているし、何より新しいメッセージを発信できたことが本当に嬉しいんだ」と満足げに話している。
フェルメールスとオス、そしてファンデルプールがそれぞれ金、銀、銅メダルと表彰台を獲得。コルトやスティバル、ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)といったプロロード選手がトップ10を占め、サガンは14位だった。
なお男子45-49歳のカテゴリーに出走した高岡亮寛(RoppongiExpress)は優勝者から22秒遅れの6位でフィニッシュ。「すごいレースだった。出し尽くした。無事に完走出来てホント嬉しい」と自身のSNSに綴っている。
第1回グラベル世界選手権のトリを飾る男子エリートレース。コースは世界遺産であるヴィツェンツァをスタートし、パドヴァを経由してチッタデッラにフィニッシュするレイアウトだが、前日の女子コースにチッタデッラの周回コースが2周加えた総距離194km/獲得標高800mのフラットコースで同カテゴリー初の男子世界王者が決まった。
ヴィツェンツァのスタートラインに並んだのは、ラクラン・モートンやネイサン・ハース(共にオーストラリア)、アンバウンドグラベル覇者イヴァール・スリック(オランダ)といったグラベルスペシャリスト勢に加え、マチュー・ファンデルプール(オランダ)やペテル・サガン(スロバキア)、元シクロクロス世界王者のゼネク・スティバル(チェコ)、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)といったオフロード経験を持つトップロード選手たち。またミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)などロードのピュアクライマー、さらに現役引退しているニコラス・ロッシュ(アイルランド)や、51歳にして未だ現役続行中(今季で引退予定)のダヴィデ・レベリン(イタリア)といった、非常に華やかなメンバーが揃い踏みした。
MTB勢がレースを動かした前日女子レースと異なり、この日はロード選手たちがスタート直後から展開を掌握。スタート直後の登りでファーストアタックを決めたロペスとマグナス・コルト(デンマーク)が飛び出したが、暫く走ったのちに吸収。続いてダニエル・オス(イタリア)とジャンニ・フェルメールス(ベルギー)の2人逃げが決まった。
この2名を見送ったメイン集団はペースを落とし、タイム差は最大5分半超まで拡大。ロードレースで一般的な「10km(で)1分(を縮める)」に従って残り60kmから追走テンポを上げたものの、シングルトラックも含まれるコースでは、視界明瞭で逃げる2人とのタイム差は思うように縮まらなかった。
グラベルバイクではなく、ロードタイヤにグラベルタイヤを履かせたセッティングで臨んだ先頭2人(フェルメールス:キャニオン Ultimate、オス:スペシャライズド Roubaix)は、アタックで人数を減らしながら追うメイン集団を尻目にチッタデッラ周回コースの最終周に突入。テクニカルかつバンピーなセクションを味方につけたシクロクロスとロードの兼業選手であるフェルメールスがオスを引き離し、最終区間を独走してフィニッシュラインに飛び込んだ。
「最後のシングルトラック区間は今日のコースで一番得意な場所。全速力で突っ込んで、ダニエルに対して1m、また1mとリードを奪うことができた。そこからフィニッシュまでは全力だったよ。ずっとオフィシャルバイクがタイム差を教えてくれていたけど、イタリア語だったからダニエルに教えてもらっていたんだ。5分差がついた時点でかなりチャンスがあると感じていたよ。最後は男と男の勝負だった。フィニッシュ手前のレイアウトも僕向きだったけれど、後ろが猛然と迫っていたし、リードを維持する意味でも早めに仕掛けて逃げたんだ。(世界チャンピオンだなんて)クレイジーだよ。僕が世界王者になる最大のチャンスだと思っていた。家にアルカンシエルを持ち帰るなんて本当に嬉しい」と、まさに自身の持ち味を発揮して勝利したフェルメールスは言う。フィニッシュ後には、ファンアーヴェルマートとのスプリントで3位に食い込んだ普段のチームメイト、ファンデルプールの祝福を受けた。
負けこそしたものの、2位銀メダルを獲得したオスは「勝てなかったけれど、僕たちは新しい世界、新しい自転車の楽しみ方を知るためにここに来たんだ。レースがどうなるかも分からなかったし、だからこそ早めにアタックした。調子も良かったし、このチャンスを許してくれたチーム代表のジャンルネ(ベルノドー)や、機材サプライヤーにも感謝したい。多分人生で一番長い逃げだったしジャンニはすごく強かった。アタックを決められた時は路面もひどかったし、頭もぼーっとしていたんだ。でも結果に満足しているし、何より新しいメッセージを発信できたことが本当に嬉しいんだ」と満足げに話している。
フェルメールスとオス、そしてファンデルプールがそれぞれ金、銀、銅メダルと表彰台を獲得。コルトやスティバル、ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)といったプロロード選手がトップ10を占め、サガンは14位だった。
なお男子45-49歳のカテゴリーに出走した高岡亮寛(RoppongiExpress)は優勝者から22秒遅れの6位でフィニッシュ。「すごいレースだった。出し尽くした。無事に完走出来てホント嬉しい」と自身のSNSに綴っている。
グラベル世界選手権2022男子レース
1位 | ジャンニ・フェルメールス(ベルギー) | 5:10:40 |
2位 | ダニエル・オス(イタリア) | +0:43 |
3位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ) | +1:28 |
4位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー) | +1:29 |
5位 | イェフゲニー・フェドロフ(カザフスタン) | +1:39 |
6位 | マグナス・コルト(デンマーク) | |
7位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア) | +1:40 |
8位 | ゼネク・スティバル(チェコ) | +1:46 |
9位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア) | +1:53 |
10位 | アンドレアス・ストクブロ(デンマーク) | +2:43 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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