最終日前のクロ・レース第5ステージでヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)の登坂力が再び炸裂。急勾配&石畳フィニッシュで大会2勝目を挙げ、総合でも首位に躍り出た。



イル・ロンバルディアに向けて順調な仕上がりを見せているヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)イル・ロンバルディアに向けて順調な仕上がりを見せているヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
クロアチアを舞台にしたクロ・レース(UCI2.1)5日目は、5つのカテゴリー山岳を越えるクイーンステージ。レース序盤に1級ポクロン(距離16km/平均6%)を越え、フィニッシュ地点は細かな石畳が敷かれた距離1.8km/平均5.5%の登りの先にある。

翌日が平坦であるため、逃げ切り勝利を目指す選手や、総合上位勢を含む約20名が先行グループを形成。そこには総合首位ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が入ることができなかった一方で、10秒差で総合2位につけるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)や3位のマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)、4位のオスカル・オンレー(イギリス、チームDSM)などが入ったため、メイン集団は決死の追走を強いられた。

オパティヤからラビンまでの154kmで争われたクロ・レース5日目オパティヤからラビンまでの154kmで争われたクロ・レース5日目 photo:CRO Race
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)ら総合上位勢を含む約20名の先行集団が形成されたマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)ら総合上位勢を含む約20名の先行集団が形成された photo:CRO Race
先行グループとプロトンの差はカテゴリー山岳が登場する毎にその差が拡がっていき、タイムフィニッシュラインが引かれたラビンの街に突入する頃にその差は10分。勝利が確定した先行グループは選手を複数人送ったチームDSMやイネオス・グレナディアーズのペースアップにより分裂し、力あるヴィンゲゴーやモホリッチなど10名に絞られた。

散発的なアタックから前日勝者のアクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM)が飛び出し、それをオンレーのためにクリス・ハミルトン(オーストラリア、チームDSM)が先頭で追いかける。ローランスは先頭のままフィニッシュラインが引かれた登坂区間に突入したものの、残り500m地点でオンレーとヴィンゲゴーがキャッチ。一騎打ちに持ち込まれた急勾配の登坂勝負をヴィンゲゴーが制した。

ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)に追従するオスカル・オンレー(イギリス、チームDSM)ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)に追従するオスカル・オンレー(イギリス、チームDSM) photo:CRO Race
オスカル・オンレー(イギリス、チームDSM)を下したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)オスカル・オンレー(イギリス、チームDSM)を下したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:CRO Race
「コンディショニングは良くなく(ローランスに)追いつけるかは賭けだった。最後は彼を捉え、勝利できて本当に嬉しいよ」と第3ステージに続く勝利を振り返ったヴィンゲゴー。リーダージャージを着たミランが10分23秒遅れでフィニッシュしたため総合首位に浮上したヴィンゲゴーは「2位のモホリッチとあまり秒数がないため、明日フィニッシュするまでは喜べない。でもイル・ロンバルディアに向けて良い準備ができている」と語っている。

翌日は158kmの平坦ステージ。最後は3級山岳を含む周回コースを2周するものの、距離0.5km/平均6.6%と難易度は低いため集団スプリントが予想される。

総合首位浮上でリーダージャージを獲得したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)総合首位浮上でリーダージャージを獲得したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
クロ・レース2022第5ステージ結果
1位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) 3:46:04
2位 オスカル・オンレー(イギリス、チームDSM)
3位 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) 0:02
4位 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) 0:03
5位 ブランドン・リベラ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)
個人総合成績
1位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) 21:38:15
2位 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) 0:08
3位 オスカル・オンレー(イギリス、チームDSM)
4位 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) 0:24
5位 アクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM) 0:25
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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