2022/09/23(金) - 13:09
開幕から続いた晴天から一転、雨の中行われたロード世界選手権男子ジュニアロードレース。急勾配マウント・プレサントを含む周回レースはサバイバルな展開に持ち込まれ、アントニオ・モルガド(ポルトガル)とのマッチスプリントをエミール・ヘルツォーク(ドイツ)が制した。藤村一磨は57位、鎌田晃輝はDNFだった。
17.1kmコースを8周回する135.6kmで争われた男子ジュニアロードレース photo:UCI
2022年ロード世界選手権のロードレースは男子ジュニアから始まる。コースはウロンゴン市内に設定された個人タイムトライアルのコースをベースに、マウント・プレサント(距離1.1km/平均7.7%)を加えた1周17.1kmを8周するレイアウト。長い登りはないものの、総距離135.6kmの獲得標高差は2,016mと易しくない。
気温は初日から変わらず18度前後だが、大会初日から続いた晴天は消え、厚い雨雲が空を覆った。前回大会を制したノルウェーと2位フランスを先頭に、日本の藤村一磨と鎌田晃輝を含む106名の選手たちが午前8時15分にスタート。直後のラウンドアバウトで約9名が落車し、3日前のTTで優勝したジョシュア・ターリング(イギリス)や2位ハミッシュ・マッケンジー(オーストラリア)も巻き込まれた。
ターリングは右半身を打ちつけながらもレース復帰を果たしたが、4周回でリタイア。優勝候補筆頭が去ったレースは激しいアタック合戦の末、アメリカの2名を含む計6名が逃げグループを形成した。
スタート直後に落車し、途中リタイアしたTT王者のジョシュア・ターリング(イギリス) photo:UCI
数回のアタックの末に独走態勢を築いたアントニオ・モルガド(ポルトガル) photo:UCI
数々の有力選手を輩出するハーゲンスベルマン・アクセオンへの加入が決まっているアルテム・シュミット(アメリカ)を中心に、逃げ集団は1分差で順調に周回を重ねる。それを追うプロトンではアタックが繰り返されるハイペースに、前日にイネオス・グレナディアーズへの移籍が発表された18歳のマイケル・レオナルド(カナダ)などが遅れていった。
止んでいた雨が再び路面を濡らすなか残り43km地点で逃げが吸収され、最後から2回目のマウント・プレサントでメノー・ハーシン(オランダ)がペースアップ。これによりプロトンは20名弱まで数を減らし、この年代屈指のクライマーであるアントニオ・モルガド(ポルトガル)がアタックするものの決まらない。だがモルガドは最終回に入る直前の平坦区間で再び飛び出し、独走態勢を築いた。
アントニオ・モルガド(ポルトガル)とのマッチスプリントを制したエミール・ヘルツォーク(ドイツ) photo:UCI
20秒のリードで最後のマウント・プレサントをクリアしたモルガドに対し、追走集団からドイツのジュニアロード王者エミール・ヘルツォークが飛び出す。懸命に逃げるモルガドだったが、的確なラインで下ったヘルツォークは残り2.8kmで合流。フラムルージュ(残り1km)を通過時点で後続とは1分までタイム差が拡がったため、勝負は2人の一騎打ちに持ち込まれた。残り200mから先にスプリントを開始したのはモルガド。その動きを見たヘルツォークは冷静に腰を上げ、両者横並びとなったスプリントをヘルツォークが制した。
「いまだこの勝利が信じられないし、今日は全てが上手く行った。これで僕がワールドチャンピオンになった。現実とは思えないほど嬉しい」とレース直後に興奮気味で語ったヘルツォーク。これでドイツに男子ジュニアロードレースでは2014年以来となるアルカンシエルをもたらした。
3位表彰台を争い行われた追走集団のスプリントは、チームDSMの下部チームに所属するヴラド・ファンメクレン(ベルギー)が先着。また藤村一磨は57位(11分55秒遅れ)でフィニッシュし、鎌田晃輝はDNFで雨降るサバイバルレースを終えている。
3位スプリントはヴラド・ファンメクレン(ベルギー)が先着 photo:CorVos
フィニッシュ直後に健闘を称え合うエミール・ヘルツォーク(ドイツ)とアントニオ・モルガド(ポルトガル) photo:CorVos
2位アントニオ・モルガド(ポルトガル)、1位エミール・ヘルツォーク(ドイツ)、3位ヴラド・ファンメクレン(ベルギー) photo:CorVos
(※)9月23日12時53分追記
記事公開時に藤村一磨選手をDNFと表記しましたが、57位(11分55秒遅れ)の誤りでした。お詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。
![17.1kmコースを8周回する135.6kmで争われた男子ジュニアロードレース](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/09/23/fdtavacacaa0yzz.jpeg)
2022年ロード世界選手権のロードレースは男子ジュニアから始まる。コースはウロンゴン市内に設定された個人タイムトライアルのコースをベースに、マウント・プレサント(距離1.1km/平均7.7%)を加えた1周17.1kmを8周するレイアウト。長い登りはないものの、総距離135.6kmの獲得標高差は2,016mと易しくない。
気温は初日から変わらず18度前後だが、大会初日から続いた晴天は消え、厚い雨雲が空を覆った。前回大会を制したノルウェーと2位フランスを先頭に、日本の藤村一磨と鎌田晃輝を含む106名の選手たちが午前8時15分にスタート。直後のラウンドアバウトで約9名が落車し、3日前のTTで優勝したジョシュア・ターリング(イギリス)や2位ハミッシュ・マッケンジー(オーストラリア)も巻き込まれた。
ターリングは右半身を打ちつけながらもレース復帰を果たしたが、4周回でリタイア。優勝候補筆頭が去ったレースは激しいアタック合戦の末、アメリカの2名を含む計6名が逃げグループを形成した。
![スタート直後に落車し、途中リタイアしたTT王者のジョシュア・ターリング(イギリス)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/09/23/fdta6reakaateb4.jpeg)
![数回のアタックの末に独走態勢を築いたアントニオ・モルガド(ポルトガル)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/09/23/fdtvmqkamaaijmj.jpeg)
数々の有力選手を輩出するハーゲンスベルマン・アクセオンへの加入が決まっているアルテム・シュミット(アメリカ)を中心に、逃げ集団は1分差で順調に周回を重ねる。それを追うプロトンではアタックが繰り返されるハイペースに、前日にイネオス・グレナディアーズへの移籍が発表された18歳のマイケル・レオナルド(カナダ)などが遅れていった。
止んでいた雨が再び路面を濡らすなか残り43km地点で逃げが吸収され、最後から2回目のマウント・プレサントでメノー・ハーシン(オランダ)がペースアップ。これによりプロトンは20名弱まで数を減らし、この年代屈指のクライマーであるアントニオ・モルガド(ポルトガル)がアタックするものの決まらない。だがモルガドは最終回に入る直前の平坦区間で再び飛び出し、独走態勢を築いた。
![アントニオ・モルガド(ポルトガル)とのマッチスプリントを制したエミール・ヘルツォーク(ドイツ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/09/23/fdtb9kgveaa8ndf.jpeg)
20秒のリードで最後のマウント・プレサントをクリアしたモルガドに対し、追走集団からドイツのジュニアロード王者エミール・ヘルツォークが飛び出す。懸命に逃げるモルガドだったが、的確なラインで下ったヘルツォークは残り2.8kmで合流。フラムルージュ(残り1km)を通過時点で後続とは1分までタイム差が拡がったため、勝負は2人の一騎打ちに持ち込まれた。残り200mから先にスプリントを開始したのはモルガド。その動きを見たヘルツォークは冷静に腰を上げ、両者横並びとなったスプリントをヘルツォークが制した。
「いまだこの勝利が信じられないし、今日は全てが上手く行った。これで僕がワールドチャンピオンになった。現実とは思えないほど嬉しい」とレース直後に興奮気味で語ったヘルツォーク。これでドイツに男子ジュニアロードレースでは2014年以来となるアルカンシエルをもたらした。
3位表彰台を争い行われた追走集団のスプリントは、チームDSMの下部チームに所属するヴラド・ファンメクレン(ベルギー)が先着。また藤村一磨は57位(11分55秒遅れ)でフィニッシュし、鎌田晃輝はDNFで雨降るサバイバルレースを終えている。
![3位スプリントはヴラド・ファンメクレン(ベルギー)が先着](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/09/23/corvos00034761-010.jpeg)
![フィニッシュ直後に健闘を称え合うエミール・ヘルツォーク(ドイツ)とアントニオ・モルガド(ポルトガル)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/09/23/corvos00034761-004.jpeg)
![2位アントニオ・モルガド(ポルトガル)、1位エミール・ヘルツォーク(ドイツ)、3位ヴラド・ファンメクレン(ベルギー)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/09/23/corvos00034761-022.jpeg)
(※)9月23日12時53分追記
記事公開時に藤村一磨選手をDNFと表記しましたが、57位(11分55秒遅れ)の誤りでした。お詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。
ロード世界選手権2022男子ジュニアロードレース
1位 | エミール・ヘルツォーク(ドイツ) | 3:11:07 |
2位 | アントニオ・モルガド(ポルトガル) | |
3位 | ヴラド・ファンメクレン(ベルギー) | +0:55 |
4位 | ポール・マニエ(フランス) | |
5位 | アルテム・シュミット(アメリカ) | |
6位 | メノー・ハーシン(オランダ) | |
7位 | ティボー・グリュー(フランス) | |
8位 | フランク・アーロンラギロ(エストニア) | |
9位 | ザカリー・ウォーカー(イギリス) | |
10位 | パヴェル・ノヴァク(チェコ) | |
57位 | 藤村一磨 | +11:55 |
DNF | 鎌田晃輝 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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