大雨が選手たちを襲ったツアー・オブ・ブリテン第3ステージ。悪天候の中逃げ切ったカミエル・ボヌー(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)が勝利し、ボーナスタイムを加算したベンジャミン・ペリー(カナダ、WiVサンゴッド)が首位浮上した。



初日勝者でリーダージャージを着るコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)初日勝者でリーダージャージを着るコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) photo:AJ Bell Tour of Britain
開催中のイギリス最大かつ最古のステージロードレースであるツアー・オブ・ブリテン(2.Pro)。第3ステージはスコットランドからイングランド北部ダラムから北海に免ずるサンダーランドまでの163.6kmで、序盤に1級山岳を越えるもののその後2級、3級と徐々に難易度が下がっていくため、この日も集団スプリントが予想された。

スタートから繰り広げられた激しいアタック合戦の末、50kmで逃げグループを形成したのは来年ロット・スーダル入りが決まっているマティス・パースヘンス(オランダ、ビンゴール・パウェルスソースWB)を含む4名。それをイネオス・グレナディアーズが先頭にしたプロトンが順調にタイムを縮めていったが、突然の雨が番狂わせを生み出した。

スタートから50kmを過ぎて形成された4名による逃げグループスタートから50kmを過ぎて形成された4名による逃げグループ photo:AJ Bell Tour of Britain
この日もプロトンを牽引するイスラエル・プレミアテックこの日もプロトンを牽引するイスラエル・プレミアテック photo:AJ Bell Tour of Britain
小集団スプリントを制したカミエル・ボヌー(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)小集団スプリントを制したカミエル・ボヌー(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) photo:CorVos
残り45km地点で降り出した雨は徐々に強まり、最大5分まで許したタイム差がなかなか縮まらない。プロトンの牽引にはリーダーチームのイスラエル・プレミアテックや前日に勝利を掴んだチームDSMも力を貸したものの、4名の逃げ切りが確定。逃げグループで争われた勝負は、残り150mから飛び出したカミエル・ボヌー(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)が迫るプロトンを振り切り勝利を挙げた。

「悪天候でのレースは得意で、今日はそれがアドバンテージとなってくれた。地元ベルギーならば誰も外に出ない天候にもかかわらず、ここでは多くが沿道に詰めかけ応援してくれた。僕らは小さいチームでそれほど沢山勝利を挙げないなか、この素晴らしいレースで勝利できて最高の気分だよ」と、23歳の若手クライマーであるボヌーはプロ2勝目を喜んだ。

7秒遅れでやってきたメイン集団はジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)が先頭でフィニッシュ。また逃げに乗ったベンジャミン・ペリー(カナダ、WiVサンゴッド)がりボーナスタイムを加算し、リーダージャージを獲得している。

チームメイトと勝利を喜ぶカミエル・ボヌー(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)チームメイトと勝利を喜ぶカミエル・ボヌー(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) photo:AJ Bell Tour of Britain
リーダージャージを獲得したベンジャミン・ペリー(カナダ、WiVサンゴッド)リーダージャージを獲得したベンジャミン・ペリー(カナダ、WiVサンゴッド) photo:CorVos
ツアー・オブ・ブリテン2022第3ステージ結果
1位 カミエル・ボヌー(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) 4:05:33
2位 ベンジャミン・ペリー(カナダ、WiVサンゴッド)
3位 アレクサンダー・リチャードソン(イギリス、セイント・ピラン) 0:02
4位 マティス・パースヘンス(オランダ、ビンゴール・パウェルスソースWB) 0:04
5位 ジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) 0:07
個人総合成績
1位 ベンジャミン・ペリー(カナダ、WiVサンゴッド) 12:50:31
2位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) 0:07
3位 マティス・パースヘンス(オランダ、ビンゴール・パウェルスソースWB) 0:11
4位 ジェイク・スチュワート(イギリス、グレートブリテン) 0:15
5位 オマル・フライレ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)
その他の特別賞
ポイント賞 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)
山岳賞 ジェイコブ・スコット(イギリス、WiVサンゴッド)
チーム総合成績 スポートフラーンデレン・バロワーズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos