2022/09/03(土) - 08:59
登坂スプリントで決したブエルタ第13ステージ。早駆けしたパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)に唯一追従し、軽々と抜き去ったマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)がキャリア初のブエルタ区間優勝を射止めた。
9月2日(金)第13ステージ
ロンダ〜モンティリャ 168.4km(平坦)
前日に引き続き、アンダルシア州を舞台にした第77回ブエルタ・ア・エスパーニャの第13ステージは、ロンダからモンティリャを目指して北上する168.4kmの平坦ステージ。スプリンター向けではあるものの、残り14.6kmの中間スプリントでマイヨプントスを争う前哨戦を経て挑む最終局面はモンティリャ市街地を駆け上がる登り勾配が待ち受ける。
登坂力に長けるパンチャー系スプリンター、つまりマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)向きのファイナルレイアウトに向けて、前日から一人のDNSもいない147名がスタートを切った。
週末の山岳2連戦を控えるこの日はジュリアス・ファンデンベルグ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)を含む3名がエスケープ。やや風が吹き付けるコンディションだったものの、翌日からの激しいコースレイアウトを踏まえてか特にレース展開をひっくり返そうというチームは現れず。少数の逃げグループをスプリンターチームが追いかける、平穏な一日を過ごすこととなる。
逃げグループを形成した3名
ジュリアス・ファンデンベルグ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
アンデル・オカミカ(ブルゴスBH、スペイン)
ジョアン・ボウ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
逃げグループは少ないチャンスを掴むべくレース開始後1時間を平均45km/h以上で駆け抜けたものの、バイクエクスチェンジ・ジェイコやコフィディス、トレック・セガフレードといったチームはタイム差を3〜4分程度でガッチリとコントロール。マイヨロホのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)擁するクイックステップ・アルファヴィニルはペースメイクを他チームに任せ、翌日からの山岳決戦に備えることに。
大きなトラブル無く、オリーブ畑が広がる丘陵地帯をハイペースで駆け抜ける2グループ。終盤に入ると「今日はライバルチームにプレッシャーをかける狙いがあった」とピーダスンが振り返るように、トレック・セガフレードが組織的なペースアップを開始した。見る間に逃げグループとの差を詰め、残り10kmを切ったタイミングで最後まで粘り続けていたオカミカとボウをキャッチした。
向かい風の終盤戦。ラストグランツールのヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)も集団牽引に加わり、丘の頂上にあるモンティリャ市街地に向けて徐々に勾配が上がるコースを駆け上がる。総合トップ10に2人を送り込むイネオス・グレナディアーズも強力な牽引を行い、続いてプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)を引き連れたユンボ・ヴィスマが残り1kmを切って先頭奪取。残り800mの右コーナーを曲がって勾配が6%に達する中、ライアン・ミューレン(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)がパワフルな牽引を披露した。
しかしミューレンとダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)の連携は取れず、「フィニッシュまでの目測を誤って早駆けしすぎてしまった」と言うパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)が頭一つ抜け出して先行。大勢のライバルたちが出遅れる中、唯一ピーダスンだけがアッカーマンの背中を捉えた。
「パスカルの加速に合わせてスプリント。すごく長い330mの全力スプリントだった」と振り返るマイヨプントスは、アッカーマンの失速を確認するとフル加速体制に入って先頭に躍り出る。出遅れたブライアン・コカール(フランス、コフィディス)が急激に追い上げたものの、すでに大リードを築いていたピーダスンには届かない。元世界王者がついに今大会1勝目を掴み取った。
「アレックス(キルシュ)が最高の位置まで届けてくれたけれど、そこからフィニッシュまでは800m。ユンボ・ヴィスマがペースメイクしてくれたのが良かった。今日は最高に僕向きのフィニッシュレイアウトだと分かっていたし、そのためにレース中は100%の集中力を切らさなかった。この勝利がただただ幸せだ。チームメイトの素晴らしい働きに報いる結果を出せて本当に嬉しい」と語るピーダスン。これまでジロ・デ・イタリアに2回、ツール・ド・フランスに3回出場しているが、意外にもブエルタ出場は今年が初。今回の勝利によって、今年のツールと合わせて2つのグランツールでステージ優勝を挙げたこととなる。
第2ステージから第4ステージまで2位が続き、その後のスプリントステージでも9位&5位と勝利まで手が届いていなかったピーダスンは、「2位が続いたからって僕は気にしない。僕たちはステージ優勝のために参戦したけれど、今はすでに手に入れることができた。選手だけじゃなくチームで掴み取った結果。その差が1cmだろうが50mだろうが勝ちは勝ち。本当に嬉しいよ」とも加えている。
総合上位陣は同タイムでフィニッシュしたため順位に変動はなし。レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が総合2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)に対して2分41秒差で山岳2連戦に挑むこととなった。この差を維持、あるいは広げることができればキャリア初のグランツール総合優勝は大きく近づくはずだ。
9月2日(金)第13ステージ
ロンダ〜モンティリャ 168.4km(平坦)
前日に引き続き、アンダルシア州を舞台にした第77回ブエルタ・ア・エスパーニャの第13ステージは、ロンダからモンティリャを目指して北上する168.4kmの平坦ステージ。スプリンター向けではあるものの、残り14.6kmの中間スプリントでマイヨプントスを争う前哨戦を経て挑む最終局面はモンティリャ市街地を駆け上がる登り勾配が待ち受ける。
登坂力に長けるパンチャー系スプリンター、つまりマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)向きのファイナルレイアウトに向けて、前日から一人のDNSもいない147名がスタートを切った。
週末の山岳2連戦を控えるこの日はジュリアス・ファンデンベルグ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)を含む3名がエスケープ。やや風が吹き付けるコンディションだったものの、翌日からの激しいコースレイアウトを踏まえてか特にレース展開をひっくり返そうというチームは現れず。少数の逃げグループをスプリンターチームが追いかける、平穏な一日を過ごすこととなる。
逃げグループを形成した3名
ジュリアス・ファンデンベルグ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
アンデル・オカミカ(ブルゴスBH、スペイン)
ジョアン・ボウ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
逃げグループは少ないチャンスを掴むべくレース開始後1時間を平均45km/h以上で駆け抜けたものの、バイクエクスチェンジ・ジェイコやコフィディス、トレック・セガフレードといったチームはタイム差を3〜4分程度でガッチリとコントロール。マイヨロホのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)擁するクイックステップ・アルファヴィニルはペースメイクを他チームに任せ、翌日からの山岳決戦に備えることに。
大きなトラブル無く、オリーブ畑が広がる丘陵地帯をハイペースで駆け抜ける2グループ。終盤に入ると「今日はライバルチームにプレッシャーをかける狙いがあった」とピーダスンが振り返るように、トレック・セガフレードが組織的なペースアップを開始した。見る間に逃げグループとの差を詰め、残り10kmを切ったタイミングで最後まで粘り続けていたオカミカとボウをキャッチした。
向かい風の終盤戦。ラストグランツールのヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)も集団牽引に加わり、丘の頂上にあるモンティリャ市街地に向けて徐々に勾配が上がるコースを駆け上がる。総合トップ10に2人を送り込むイネオス・グレナディアーズも強力な牽引を行い、続いてプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)を引き連れたユンボ・ヴィスマが残り1kmを切って先頭奪取。残り800mの右コーナーを曲がって勾配が6%に達する中、ライアン・ミューレン(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)がパワフルな牽引を披露した。
しかしミューレンとダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)の連携は取れず、「フィニッシュまでの目測を誤って早駆けしすぎてしまった」と言うパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)が頭一つ抜け出して先行。大勢のライバルたちが出遅れる中、唯一ピーダスンだけがアッカーマンの背中を捉えた。
「パスカルの加速に合わせてスプリント。すごく長い330mの全力スプリントだった」と振り返るマイヨプントスは、アッカーマンの失速を確認するとフル加速体制に入って先頭に躍り出る。出遅れたブライアン・コカール(フランス、コフィディス)が急激に追い上げたものの、すでに大リードを築いていたピーダスンには届かない。元世界王者がついに今大会1勝目を掴み取った。
「アレックス(キルシュ)が最高の位置まで届けてくれたけれど、そこからフィニッシュまでは800m。ユンボ・ヴィスマがペースメイクしてくれたのが良かった。今日は最高に僕向きのフィニッシュレイアウトだと分かっていたし、そのためにレース中は100%の集中力を切らさなかった。この勝利がただただ幸せだ。チームメイトの素晴らしい働きに報いる結果を出せて本当に嬉しい」と語るピーダスン。これまでジロ・デ・イタリアに2回、ツール・ド・フランスに3回出場しているが、意外にもブエルタ出場は今年が初。今回の勝利によって、今年のツールと合わせて2つのグランツールでステージ優勝を挙げたこととなる。
第2ステージから第4ステージまで2位が続き、その後のスプリントステージでも9位&5位と勝利まで手が届いていなかったピーダスンは、「2位が続いたからって僕は気にしない。僕たちはステージ優勝のために参戦したけれど、今はすでに手に入れることができた。選手だけじゃなくチームで掴み取った結果。その差が1cmだろうが50mだろうが勝ちは勝ち。本当に嬉しいよ」とも加えている。
総合上位陣は同タイムでフィニッシュしたため順位に変動はなし。レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が総合2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)に対して2分41秒差で山岳2連戦に挑むこととなった。この差を維持、あるいは広げることができればキャリア初のグランツール総合優勝は大きく近づくはずだ。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2022第13ステージ結果
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 3:46:01 |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | ダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | クィンティン・パシェ(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | ヘスス・エスケラ(スペイン、ブルゴスBH) | |
8位 | マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
9位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
10位 | ウルコ・ベラーデ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) |
マイヨロホ 個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 48:11:10 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +2:41 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +3:03 |
4位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +4:06 |
5位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +4:53 |
6位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | +6:28 |
7位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン) | +6:56 |
8位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +7:18 |
9位 | ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | +8:00 |
10位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +8:05 |
マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 247pts |
2位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | 96pts |
3位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 96pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 40pts |
2位 | ロバート・スタナード(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 21pts |
3位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | 20pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 48:11:10 |
2位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +4:06 |
3位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +4:53 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 143:46:02 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | 6:59 |
3位 | EFエデュケーション・イージーポスト | 22:33 |
text:So Isobe
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
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