2022/08/26(金) - 13:01
前日のプロローグを終え、丘陵ステージで争われたドイツ・ツアー2日目。母国オーストラリア開催の世界選手権メンバーから落選したカレブ・ユアン(ロット・スーダル)が集団スプリントを制し、約4ヶ月振りとなる復活勝利を掴み取った。
ツール・ド・フランスで激闘を繰り広げた選手たちが多く集う第37回ドイツ・ツアー(UCIプロツアー)。ノーマルバイクで争われた初日のプロローグ(2.6km個人タイムトライアル)を経て、その舞台となったドイツ中部ヴァイマルを出発する第1ステージが行われた。
コースは文豪ゲーテも愛したという「テューリンゲンの森」を抜け、マイニンゲンに向かう171.1km。コース中盤の1級と2級山岳を立て続けに登り、終盤には2級山岳とボーナスタイムポイントが設定された丘(距離2.5km/平均6.2%)が設定されるタフなレイアウトだ。しかしその頂上からフィニッシュまでは約20kmの下りと平坦路が続くため、レースは登坂を耐えたスプリンターによるスピードバトルで決着することとなる。
地元ドイツのコンチネンタルチームに所属する4名の逃げグループが形成されたこの日、メイン集団はリーダーチームであるイネオス・グレナディアーズがコントロール。逃げ向きとも言えるレイアウトにもかかわらず、ワールドチームの選手が入らなかったため典型的なスプリントステージの展開となった。
逃げのヤコブ・ゲスナー(ドイツ、チームロット・ケルンハウス)が全てのカテゴリー山岳をトップで通過して山岳賞ジャージを獲得し、メイン集団ではエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がプロトンを牽引するシーンも。優勝候補であったファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)を登坂でふるい落としたメイン集団が残り13km地点で逃げを飲み込んだ。
アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)をエースに据えるアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオが先頭でトレインを組み、残り4kmでAG2Rシトロエンのグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)とミヒャエル・シェアー(スイス)が飛び出す。しかしユンボ・ヴィスマの下部チームに所属するラース・ボフェン(オランダ)が2人を引き戻すと、各チームのスプリントトレインが横並び状態で集団スプリントへとなだれ込んだ。
最終発射台のアンドレア・パスクアロン(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が残り200mでクリストフを発射。同時に腰を上げた194cmの21歳ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭に立ったものの、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)がその2人の間を縫うようにもがいてトップスピードに乗せ勝利を掴み取った。
「幾つかの山岳を越える簡単とは言えないステージだったものの、チームが完璧に僕を守ってくれた。勝利からしばらく遠ざかっていた中で掴んだ勝利は特別だ。僕は(そんな状況でも)自分を信じ続け、チームもサポートしてくれた。チームにドイツ・ツアーのステージ優勝をもたらすことができて本当に嬉しいよ」と4月のツアー・オブ・ターキー以来、約4ヶ月振りとなる勝利をユアンは喜んだ。
見事復活勝利を挙げたユアンだが、母国オーストラリア・ウロンゴンで開催されるロード世界選手権(9月25日)のメンバーから漏れたという報道がなされた。それに対しユアンは自身のインスタグラムで「世界選手権に出れないと判明した直後の勝利は本当に嬉しい。しかしそのニュースには”胸が張り裂けるほど悲しい”という言葉以外は言うことはない。国を代表して走ることができない。しかし僕自身では自分が出場するにふさわしい選手だと思っている」とコメントしている。
リーダージャージは先頭集団でフィニッシュしたフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)がキープ。翌日も低難易度のカテゴリー山岳が連続する丘陵ステージで、展開によれば再び集団スプリントの可能性がある。
ツール・ド・フランスで激闘を繰り広げた選手たちが多く集う第37回ドイツ・ツアー(UCIプロツアー)。ノーマルバイクで争われた初日のプロローグ(2.6km個人タイムトライアル)を経て、その舞台となったドイツ中部ヴァイマルを出発する第1ステージが行われた。
コースは文豪ゲーテも愛したという「テューリンゲンの森」を抜け、マイニンゲンに向かう171.1km。コース中盤の1級と2級山岳を立て続けに登り、終盤には2級山岳とボーナスタイムポイントが設定された丘(距離2.5km/平均6.2%)が設定されるタフなレイアウトだ。しかしその頂上からフィニッシュまでは約20kmの下りと平坦路が続くため、レースは登坂を耐えたスプリンターによるスピードバトルで決着することとなる。
地元ドイツのコンチネンタルチームに所属する4名の逃げグループが形成されたこの日、メイン集団はリーダーチームであるイネオス・グレナディアーズがコントロール。逃げ向きとも言えるレイアウトにもかかわらず、ワールドチームの選手が入らなかったため典型的なスプリントステージの展開となった。
逃げのヤコブ・ゲスナー(ドイツ、チームロット・ケルンハウス)が全てのカテゴリー山岳をトップで通過して山岳賞ジャージを獲得し、メイン集団ではエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がプロトンを牽引するシーンも。優勝候補であったファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)を登坂でふるい落としたメイン集団が残り13km地点で逃げを飲み込んだ。
アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)をエースに据えるアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオが先頭でトレインを組み、残り4kmでAG2Rシトロエンのグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)とミヒャエル・シェアー(スイス)が飛び出す。しかしユンボ・ヴィスマの下部チームに所属するラース・ボフェン(オランダ)が2人を引き戻すと、各チームのスプリントトレインが横並び状態で集団スプリントへとなだれ込んだ。
最終発射台のアンドレア・パスクアロン(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が残り200mでクリストフを発射。同時に腰を上げた194cmの21歳ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭に立ったものの、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)がその2人の間を縫うようにもがいてトップスピードに乗せ勝利を掴み取った。
「幾つかの山岳を越える簡単とは言えないステージだったものの、チームが完璧に僕を守ってくれた。勝利からしばらく遠ざかっていた中で掴んだ勝利は特別だ。僕は(そんな状況でも)自分を信じ続け、チームもサポートしてくれた。チームにドイツ・ツアーのステージ優勝をもたらすことができて本当に嬉しいよ」と4月のツアー・オブ・ターキー以来、約4ヶ月振りとなる勝利をユアンは喜んだ。
見事復活勝利を挙げたユアンだが、母国オーストラリア・ウロンゴンで開催されるロード世界選手権(9月25日)のメンバーから漏れたという報道がなされた。それに対しユアンは自身のインスタグラムで「世界選手権に出れないと判明した直後の勝利は本当に嬉しい。しかしそのニュースには”胸が張り裂けるほど悲しい”という言葉以外は言うことはない。国を代表して走ることができない。しかし僕自身では自分が出場するにふさわしい選手だと思っている」とコメントしている。
リーダージャージは先頭集団でフィニッシュしたフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)がキープ。翌日も低難易度のカテゴリー山岳が連続する丘陵ステージで、展開によれば再び集団スプリントの可能性がある。
ドイツ・ツアー2022第1ステージ結果
1位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | 4:01:54 |
2位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
3位 | マックス・カンター(ドイツ、モビスター) | |
4位 | フェリックス・グロース(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | |
5位 | フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
6位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
7位 | ジェレミー・ルクロック(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
8位 | ティム・トーン・トゥーテンベルク(レオパード・プロサイクリング) | |
9位 | オリヴェル・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン) | |
10位 | マリウス・マイヤーホーファー(ドイツ、チームDSM) |
個人総合成績
1位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 4:04:50 |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:02 |
3位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:03 |
4位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ミック・ファンダイケ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 0:05 |
6位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:06 |
7位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
8位 | トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) | |
9位 | キム・ハイドゥク(ドイツ、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | ラース・ボフェン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:07 |
その他の特別賞
ポイント賞 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) |
山岳賞 | ヤコブ・ゲスナー(ドイツ、チームロット・ケルンハウス) |
ヤングライダー賞 | ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) |
チーム総合成績 | EFエデュケーション・イージーポスト |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp