2022/08/21(日) - 15:22
EFエデュケーション・イージーポストをサポートするPOC(ポック)。ヘルメットの中核モデルVentralは、エアロダイナミクスと通気性に優れ、選手たちが愛用するオールラウンドモデルだ。多岐にわたる製品が展開されるVentralシリーズのラインアップを紹介しよう。
POC Ventralシリーズ(手前:Ventral、右:Ventral LITE、左:Ventral AIR、奥:Ventral TEMPUS)
中根英登(EFエデュケーション・イージーポスト)が着用することでお馴染みのPOCのヘルメットとサングラス。レースの集団においても存在感を放つほど独自性の高いデザインが特徴のブランドであり、気になっていた方も少なくないはずだ。
POCは2005年にスウェーデンで創業した比較的若いブランドながら、素材の研究者、デザイナー、脳神経科医、脊椎損傷の研究者が所属する研究所を持ち、サイクリングやスノースポーツなどそれぞれの分野でのR&Dを行っていることが特徴のブランドだ。
「最新技術を駆使し、全力を尽くして重大事故からアスリートを守ること」をミッションに掲げるPOCは、研究開発時における数値上の性能を追求するだけでなく、アスリートが求める最大のパフォーマンスを実現するために、トップアスリートによる実地テストも行い製品を生み出している。
アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)もPOCのVentral LITEを着用する photo:CorVos
そんなPOCがサイクリング用ヘルメットの中核プロダクトとして用意するのが、Ventral(ベントラル)シリーズだ。先述したEFエデュケーションの選手たちが着用するのはこのシリーズであり、レースファンであれば目にしたことのある方も多いはずだ。
Ventralは一つのプロダクトの名称ではなく、ロードレース用のエアロオールラウンドモデルの総称と捉えて良いほど、多岐に渡る派生モデルが用意されていることが特徴。日本国内にPOCを紹介するフルマークスのブランドページによると、Ventralという名称が与えられたヘルメットは5種類が用意されている。
それぞれのヘルメットは基本設計を共通としながらも、細部をアレンジすることで用途、安全技術、フィット性が異なるモデルに作り分けている。ベーシックモデルはVentralで、通気性を強化したモデルVentral AIR、軽量性を追求したVentral LITE、エアロモデルのVentral TEMPUSという4種類が展開し、それぞれにMIPSやWF(ワイドフィット)、NFCなど仕様が異なる製品が用意されている。現在のフルマークスのHPに記載されているラインアップは以下。
・Ventral MIPS
・Ventral LITE WF
・Ventral AIR WF MIPS
・Ventral AIR MIPS NFC
・Ventral TEMPUS MIPS
シリーズのベースモデルVentral
POC Ventral MIPS(Fluorescent Orange AVIP)
前頭部には開口部が設けられるが、中央は閉じられている
中央部分をシェルで覆うことでエアロ性能を高めている
各モデルの基本となるのはVentral MIPSだ。空力性能、通気性、安全性をハイレベルで融合させたヘルメットであり、前方と後方にはベンチレーションホールを設けるが、中間部分をシェルで閉じることで優れたエアロダイナミクスを実現したモデルだ。
エアロダイナミクスの追求はそれだけではなく、ヘルメットに沿って流れる風がヘルメットから離れる時まで考慮。ヘルメット後端のトレーリングエッジを22°に設定することで、乱流の発生を抑制していると言う。これらの設計はCFDを用いて徹底した開発が行われているため、性能には期待できそうだ。
エアチャンネルはベンチュリ効果にインスパイアされた設計だという
トレーリングエッジまで計算されてシェルが開発されている
後頭部には前頭部から繋がれた大きな排気口が設けられている
通気性についてはサイズの大きな前後のベンチレーションホールが、エアフローチャンネルによって接続された設計によって確保されている。つまり、前方から入り込んだ風は邪魔されることなく一直線で排気されるため、ヘルメット内に熱が留まらないということ。シェル中間部に開口部が設けられずとも、優れた通気性を確保しているという。
エアフローのための溝は非常に深く作られており、風の流れやすさをイメージさせるのと同時に、溝を隔てる壁(インナーシェル)が非常に肉厚なことから、高い安全性も期待させる。そのシェル全体をポリカーボネートで覆うことで優れた強度も実現させ、ヨーロッパの安全基準をクリアしている。
回転衝撃に対応する安全技術 SPINとMIPS
シリコン素材を採用することで回転衝撃に対応するSPINテクノロジー
通常のパッドよりも柔軟性と弾性に富むクッション素材が採用されたMIPS INTEGRA
POCが採用するMIPSはINTEGRAというパッドモデルだ
さらにPOCは回転衝撃に対する安全技術のMIPS、もしくはSPINのどちらかをVentralに与えている。どちらも回転衝撃を受けた際に、脳へと到達する衝撃を逃し、脳を保護するテクノロジーだ。MIPSは非常に多くのブランドが採用しているため、ご存知の方も多いはず。POCで採用するMIPS integraは厚みのあるパッドが衝撃を受けた時にスライドするように作られている。
対してSPINはPOCが独自開発した技術であり、インナーパッドにシリコン素材を入れることで、垂直方向と回転方向の衝撃を和らげることを狙っている。MIPSの場合は構造体を追加することがポピュラーな方法だが、SPINはパッドそのもののため、フィット性や通気性を犠牲にせず、衝撃への対処が行えることが特徴だ。
これらの安全技術はベースモデルのVentralだけではなく、これから紹介するモデルにも採用されており、製品名に用いられた安全技術が記載されているため、都度チェックしてもらいたい。
通気性を高めたVentral Air
POC Ventral Air WF MIPS(Uranium Black Matt)
続いて紹介するモデルはVentral AIR。Airと言う名称から想像できるように、基本的なフォルムはVentralを踏襲しつつ、ベンチレーションホールの数を大胆に増やし、通気性を最大限引き出したモデルだ。
とはいえVentalの開口部を増やしただけではなく、AIRは開口部の形状やエアチャンネル、シェル外側の造形も独自に設計されている。どの角度から受けた風もヘルメット内に入り込み、エアチャンネルを通り、ヘルメット後方から排気される意図を与えられており、ヒルクライム中など低速で走行している時にAirのベンチレーション設計は効果を発揮するはずだ。
非常に多くのベンチレーションホールが備えられたAirモデル
ヘルメット中央部にも開口部が設けられたAir
先述したようにVentralのフォルムを引き継いでいるため、CFD解析を経て導き出された形状によるエアロダイナミクスにも期待できるだろう。安全性も同様に肉厚のシェルによって確保されている。
エアロダイナミクスを追求した派生モデル Ventral TEMPUS
POC Ventral TEMPUS MIPS(Fluorescent Orange AVIP)
Ventral Airのシェル外側前方にエアロカバーを備えたモデルがVentral TEMPUSだ。風が最初に当たる前頭部を覆うことで、風が乱れずに後方へと流れるため、優れたエアロダイナミクスを期待できるモデルだ。
高速走行が求められる平坦レースや、寒さや風雨と戦う北のクラシックなどで用いられるモデルであり、着用しているEFエデュケーションの選手たちを見たことある方もいるだろう。
内側の設計はVentral Airと同様だ
シェル外側で開いている開口部は側頭部と後頭部のみだが、額部分のチャンネルから入り込んだ風は、エアフローを考慮して設計した溝を駆け抜けて排出されるため、ある程度の通気性も備えていそうだ。
無駄を削ぎ落とした軽量モデル Ventral LITE
POC Ventral Lite WF(Granite Grey Matt)
エアロオールラウンドのVentral、通気性のVentral Air、エアロダイナミクスのVentral TEMPUSと続き、最後に紹介するのは軽量モデルのVentral LITEだ。Ventral Airをベースにシェルを洗練させることで軽さを手に入れたヘルメットだ。
こちらのモデルもパッと見ただけではベースモデルと似ていると感じるが、細部を見比べてみると徹底的にアレンジが加えられていることがわかる。最もわかりやすいのは、ポリカーボネート製のアウターシェルが覆う面積が縮小している。
【左LITE、右AIR】側頭部のデザインが異なることがわかるだろう
LITEに用いられる素材が記載されている
さらにEPSフォームのインナーシェル自体も開口部のデザインが少し異なり、印象としては開口部のエッジが落とされているようだ。もちろん安全性を犠牲にしているわけではなく、安全基準をクリアするプロテクション性能は維持されていると言う。
パーツ類も軽量なものばかりが装着されている。例えば頭を囲うアジャスターは非常に細いワイヤーを巻き取るタイプに変更され、顎紐の前後をまとめるパーツは省略された。その結果、肉厚シェルのワイドフィットのSサイズで213gを達成。ちなみにワイドフィットのAirは244gだ。
Ventral LITEは213g
Ventral Airは244g
いくつかのモデルに設定されたワイドモデル
ここまでで紹介したVentral AIRとVentral LITEの製品名にWFという文字が追加されたモデルがあった。このWFはWide Fitの略であり、横幅を広げることで丸形頭に合わせた設計のモデルだ。これまでPOCはユーロフィットで合わなかったと方もぜひ試してもらいたい。
左のワイドフィットの方が若干幅が広い。右はユーロフィット
シクロワイアードでは後日Ventral AIR WFとVentral LITE WFのインプレッションを掲載する予定だが、ここでも簡単にフィット感を紹介しよう。今回試着したのはカブトであればS/Mサイズが最適な頭周58cmの藤原。
POCのWFはSとMどちらもフィットしたことに驚いてしまった。どちらもシェル形状由来の痛みやアンマッチ感はなく実用上は問題なさそう。店頭でじっくりと悩みたいと感じるくらいどちらも心地よいフィット感を得られた。8月18日よりポップアップストアが全国各地を巡るため、お近くに訪れた際は是非足を運んでフィット感を試してもらいたい。ポップアップストアの詳細はこちら(CWインフォメーション記事)
ヘルメットに情報を保存できるtwICEmeに対応したNFCモデル
NFCモデルはtwICEmeというアプリに対応している
POCのヘルメットにはNFC(近距離無線通信規格の一つ)が搭載されたモデルが存在している。これらのヘルメットはtwICEmeというサービスに対応していることが特徴で、スマホを近づけるだけで情報を読み取れるというもの。
着用者の氏名、緊急連絡先、医療情報、パスポートナンバーなどを保存することができ、アクシデント時に必要な情報を外部の人が確認できるようになっている。山奥でライドすることもあるサイクリストにとっては、あれば嬉しい機能だろう。
以上がVentralシリーズの紹介だ。各モデルのラインアップや価格は下記一覧をチェクしてもらいたい。
POC Ventral MIPS
サイズ:S 51-54cm、M 55-58cm、L 59-62cm
カラー:Hydrogen White、Hydrogen White Matt、Uranium Black、Uranium Black Matt、Prismane Red Matt、Garnet Red Matt、Lead Blue Matt、Fluorescent Orange AVIP、Epidote Green Metallic / Matt
価格:47,300円(税込)
POC Ventral Air WF MIPS
サイズ:S 55-58cm、M 59-61cm
カラー:Hydrogen White、Uranium Black Matt、Lead Blue Matt、Fluorescent Orange AVIP
価格:36,300円(税込)
POC Ventral Air MIPS NFC
サイズ:S 51-54cm、M 55-58cm、L 59-62cm
カラー:Uranium Black / Hydrogen White Matt
価格:44,000円(税込)
POC Ventral Lite WF
サイズ:S 55-58cm、M 59-62cm
重量:S 210g、M 230g
カラー:Uranium Black Matt、Uranium Black / Hydrogen White Matt、Granite Grey Matt
価格:38,500円(税込)
POC Ventral TEMPUS MIPS
サイズ:S 51-54cm、M 55-58cm、L 59-62cm
カラー:Fluorescent Orange AVIP
価格:41,800円(税込)
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中根英登(EFエデュケーション・イージーポスト)が着用することでお馴染みのPOCのヘルメットとサングラス。レースの集団においても存在感を放つほど独自性の高いデザインが特徴のブランドであり、気になっていた方も少なくないはずだ。
POCは2005年にスウェーデンで創業した比較的若いブランドながら、素材の研究者、デザイナー、脳神経科医、脊椎損傷の研究者が所属する研究所を持ち、サイクリングやスノースポーツなどそれぞれの分野でのR&Dを行っていることが特徴のブランドだ。
「最新技術を駆使し、全力を尽くして重大事故からアスリートを守ること」をミッションに掲げるPOCは、研究開発時における数値上の性能を追求するだけでなく、アスリートが求める最大のパフォーマンスを実現するために、トップアスリートによる実地テストも行い製品を生み出している。
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そんなPOCがサイクリング用ヘルメットの中核プロダクトとして用意するのが、Ventral(ベントラル)シリーズだ。先述したEFエデュケーションの選手たちが着用するのはこのシリーズであり、レースファンであれば目にしたことのある方も多いはずだ。
Ventralは一つのプロダクトの名称ではなく、ロードレース用のエアロオールラウンドモデルの総称と捉えて良いほど、多岐に渡る派生モデルが用意されていることが特徴。日本国内にPOCを紹介するフルマークスのブランドページによると、Ventralという名称が与えられたヘルメットは5種類が用意されている。
それぞれのヘルメットは基本設計を共通としながらも、細部をアレンジすることで用途、安全技術、フィット性が異なるモデルに作り分けている。ベーシックモデルはVentralで、通気性を強化したモデルVentral AIR、軽量性を追求したVentral LITE、エアロモデルのVentral TEMPUSという4種類が展開し、それぞれにMIPSやWF(ワイドフィット)、NFCなど仕様が異なる製品が用意されている。現在のフルマークスのHPに記載されているラインアップは以下。
・Ventral MIPS
・Ventral LITE WF
・Ventral AIR WF MIPS
・Ventral AIR MIPS NFC
・Ventral TEMPUS MIPS
シリーズのベースモデルVentral
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各モデルの基本となるのはVentral MIPSだ。空力性能、通気性、安全性をハイレベルで融合させたヘルメットであり、前方と後方にはベンチレーションホールを設けるが、中間部分をシェルで閉じることで優れたエアロダイナミクスを実現したモデルだ。
エアロダイナミクスの追求はそれだけではなく、ヘルメットに沿って流れる風がヘルメットから離れる時まで考慮。ヘルメット後端のトレーリングエッジを22°に設定することで、乱流の発生を抑制していると言う。これらの設計はCFDを用いて徹底した開発が行われているため、性能には期待できそうだ。
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通気性についてはサイズの大きな前後のベンチレーションホールが、エアフローチャンネルによって接続された設計によって確保されている。つまり、前方から入り込んだ風は邪魔されることなく一直線で排気されるため、ヘルメット内に熱が留まらないということ。シェル中間部に開口部が設けられずとも、優れた通気性を確保しているという。
エアフローのための溝は非常に深く作られており、風の流れやすさをイメージさせるのと同時に、溝を隔てる壁(インナーシェル)が非常に肉厚なことから、高い安全性も期待させる。そのシェル全体をポリカーボネートで覆うことで優れた強度も実現させ、ヨーロッパの安全基準をクリアしている。
回転衝撃に対応する安全技術 SPINとMIPS
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対してSPINはPOCが独自開発した技術であり、インナーパッドにシリコン素材を入れることで、垂直方向と回転方向の衝撃を和らげることを狙っている。MIPSの場合は構造体を追加することがポピュラーな方法だが、SPINはパッドそのもののため、フィット性や通気性を犠牲にせず、衝撃への対処が行えることが特徴だ。
これらの安全技術はベースモデルのVentralだけではなく、これから紹介するモデルにも採用されており、製品名に用いられた安全技術が記載されているため、都度チェックしてもらいたい。
通気性を高めたVentral Air
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続いて紹介するモデルはVentral AIR。Airと言う名称から想像できるように、基本的なフォルムはVentralを踏襲しつつ、ベンチレーションホールの数を大胆に増やし、通気性を最大限引き出したモデルだ。
とはいえVentalの開口部を増やしただけではなく、AIRは開口部の形状やエアチャンネル、シェル外側の造形も独自に設計されている。どの角度から受けた風もヘルメット内に入り込み、エアチャンネルを通り、ヘルメット後方から排気される意図を与えられており、ヒルクライム中など低速で走行している時にAirのベンチレーション設計は効果を発揮するはずだ。
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先述したようにVentralのフォルムを引き継いでいるため、CFD解析を経て導き出された形状によるエアロダイナミクスにも期待できるだろう。安全性も同様に肉厚のシェルによって確保されている。
エアロダイナミクスを追求した派生モデル Ventral TEMPUS
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Ventral Airのシェル外側前方にエアロカバーを備えたモデルがVentral TEMPUSだ。風が最初に当たる前頭部を覆うことで、風が乱れずに後方へと流れるため、優れたエアロダイナミクスを期待できるモデルだ。
高速走行が求められる平坦レースや、寒さや風雨と戦う北のクラシックなどで用いられるモデルであり、着用しているEFエデュケーションの選手たちを見たことある方もいるだろう。
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シェル外側で開いている開口部は側頭部と後頭部のみだが、額部分のチャンネルから入り込んだ風は、エアフローを考慮して設計した溝を駆け抜けて排出されるため、ある程度の通気性も備えていそうだ。
無駄を削ぎ落とした軽量モデル Ventral LITE
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エアロオールラウンドのVentral、通気性のVentral Air、エアロダイナミクスのVentral TEMPUSと続き、最後に紹介するのは軽量モデルのVentral LITEだ。Ventral Airをベースにシェルを洗練させることで軽さを手に入れたヘルメットだ。
こちらのモデルもパッと見ただけではベースモデルと似ていると感じるが、細部を見比べてみると徹底的にアレンジが加えられていることがわかる。最もわかりやすいのは、ポリカーボネート製のアウターシェルが覆う面積が縮小している。
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パーツ類も軽量なものばかりが装着されている。例えば頭を囲うアジャスターは非常に細いワイヤーを巻き取るタイプに変更され、顎紐の前後をまとめるパーツは省略された。その結果、肉厚シェルのワイドフィットのSサイズで213gを達成。ちなみにワイドフィットのAirは244gだ。
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いくつかのモデルに設定されたワイドモデル
ここまでで紹介したVentral AIRとVentral LITEの製品名にWFという文字が追加されたモデルがあった。このWFはWide Fitの略であり、横幅を広げることで丸形頭に合わせた設計のモデルだ。これまでPOCはユーロフィットで合わなかったと方もぜひ試してもらいたい。
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シクロワイアードでは後日Ventral AIR WFとVentral LITE WFのインプレッションを掲載する予定だが、ここでも簡単にフィット感を紹介しよう。今回試着したのはカブトであればS/Mサイズが最適な頭周58cmの藤原。
POCのWFはSとMどちらもフィットしたことに驚いてしまった。どちらもシェル形状由来の痛みやアンマッチ感はなく実用上は問題なさそう。店頭でじっくりと悩みたいと感じるくらいどちらも心地よいフィット感を得られた。8月18日よりポップアップストアが全国各地を巡るため、お近くに訪れた際は是非足を運んでフィット感を試してもらいたい。ポップアップストアの詳細はこちら(CWインフォメーション記事)
ヘルメットに情報を保存できるtwICEmeに対応したNFCモデル
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POCのヘルメットにはNFC(近距離無線通信規格の一つ)が搭載されたモデルが存在している。これらのヘルメットはtwICEmeというサービスに対応していることが特徴で、スマホを近づけるだけで情報を読み取れるというもの。
着用者の氏名、緊急連絡先、医療情報、パスポートナンバーなどを保存することができ、アクシデント時に必要な情報を外部の人が確認できるようになっている。山奥でライドすることもあるサイクリストにとっては、あれば嬉しい機能だろう。
以上がVentralシリーズの紹介だ。各モデルのラインアップや価格は下記一覧をチェクしてもらいたい。
POC Ventral MIPS
サイズ:S 51-54cm、M 55-58cm、L 59-62cm
カラー:Hydrogen White、Hydrogen White Matt、Uranium Black、Uranium Black Matt、Prismane Red Matt、Garnet Red Matt、Lead Blue Matt、Fluorescent Orange AVIP、Epidote Green Metallic / Matt
価格:47,300円(税込)
POC Ventral Air WF MIPS
サイズ:S 55-58cm、M 59-61cm
カラー:Hydrogen White、Uranium Black Matt、Lead Blue Matt、Fluorescent Orange AVIP
価格:36,300円(税込)
POC Ventral Air MIPS NFC
サイズ:S 51-54cm、M 55-58cm、L 59-62cm
カラー:Uranium Black / Hydrogen White Matt
価格:44,000円(税込)
POC Ventral Lite WF
サイズ:S 55-58cm、M 59-62cm
重量:S 210g、M 230g
カラー:Uranium Black Matt、Uranium Black / Hydrogen White Matt、Granite Grey Matt
価格:38,500円(税込)
POC Ventral TEMPUS MIPS
サイズ:S 51-54cm、M 55-58cm、L 59-62cm
カラー:Fluorescent Orange AVIP
価格:41,800円(税込)
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