UAEチームエミレーツは8月6日、19歳の若手クライマーであるフアン・アユソ(スペイン)との契約延長を発表。プロトン最長となる2028年までの6年となった。またEFエデュケーション・イージーポストはドローンホッパーから若手2人の即時加入を明らかにした。



直近のシルクイト・デ・ゲチョでプロ初勝利を挙げたフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)直近のシルクイト・デ・ゲチョでプロ初勝利を挙げたフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
UAEチームエミレーツと6年の長期契約を交わしたフアン・アユソは、2002年9月16日生まれの19歳。2020年に当時最年少となる17歳でプロ契約(5年)を結ぶと、2021年のU23版ジロ・デ・イタリア(現ジロ・デ・イタリア・ジョバニ)で区間3勝という圧倒的な強さで総合優勝に輝いた。

プロツアー本格参戦となった今年はドローム・クラシックを皮切りにシングルリザルトを連発すると、ワールドツアーであるボルタ・ア・カタルーニャ第3ステージで強豪相手に2位に入る活躍を見せた。そして7月31日、母国スペインで行われたシルクイト・デ・ゲチョ(UCI.1.1)でウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)らを小集団スプリントで下し、プロ初勝利を収めた。

アユソが結んだ2028年までの契約は、同チームのタデイ・ポガチャル(スロベニア)や、イネオス・グレナディアーズのトーマス・ピドコック(イギリス)とフィリッポ・ガンナ(イタリア)の2027年を超える最長だ。今年のアユソはグランツールデビューはせず、次戦は9月9日のグランプリ・シクリスト・ド・ケベックと11日のグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(共にUCIワールドツアー)を予定している。

EFはモートンとハウズがロードチームから離脱

EFエデュケーション・イージーポストに加入した21歳のアンドレア・ピッコロ(イタリア)EFエデュケーション・イージーポストに加入した21歳のアンドレア・ピッコロ(イタリア) photo:EF Education-EasyPost
UAEが若手選手に期待を寄せるなか、EFエデュケーション・イージーポストも2名の若手選手の即時加入を発表した。獲得したのは共にドローンホッパー・アンドローニジョカトリから24歳のエクアドル人クライマーであるジェフェルソン・セペダオルティスと、21歳のアンドレア・ピッコロ(イタリア)だ。

ピッコロは2019年にイタリア選手権と欧州選手権のジュニア個人TTを制したTTスペシャリスト。また前述のアユソがプロ初勝利を挙げたシルクイト・デ・ゲチョでは2位に入るロードの強さも見せている。

セペダオルティスと共に2024年までの契約を掴んだピッコロは、2021年にアスタナ・プレミアテック(当時)と契約するとシーズン途中の6月1日にガスプロム・ルスヴェロへ移籍。しかしチームが活動停止に追い込まれると、6月24日より加入したドローンホッパー・アンドローニジョカトリを経て、EFと2年半の契約を結んだ。

「EFへの加入を大きな名誉と感じている」と移籍の喜びを語ったピッコロ。それに対しチームのCEOであるジョナサン・ヴォーターズ氏は「アンドレア(ピッコロ)はイタリア随一の才能ある選手。彼に対する期待はかなり高く、残りのシーズンでプロ初勝利を挙げ、周りにショックを与えても僕は驚かない」と、ピッコロへの期待を語っている。

今年6月のアンバウンド・グラベルでCWのインタビューに答えたアレックス・ハウズとラクラン・モートン今年6月のアンバウンド・グラベルでCWのインタビューに答えたアレックス・ハウズとラクラン・モートン photo:Makoto AYANO
この若手2名の加入により、ラクラン・モートン(オーストラリア)とアレックス・ハウズ(アメリカ)がEFの選手リストから外れることに。2人はシーズン序盤のロードレースに参戦したものの、以降はLifeTime Grand Prixというオフロードシリーズなどを転戦。今後もEFのサポートを受けつつ、世界各国で開催されるオフロードレースへの出場を予定している。

text:Sotaro.Arakawa