ファンフルーテン「女子ツールの更なる発展を願って」フォス「これ以上の結果は望めない」

「初代王者になることができ光栄に思う」とマイヨジョーヌを着てラ・プランシュにフィニッシュしたアネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター）は喜んだ。総合2位と山岳賞に輝いたフォレリングやマイヨヴェールのフォスなど、第1回大会を終えた選手たちの言葉を紹介します。

---

区間優勝＆総合優勝　アネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター）

ベルフィーユを制し、総合優勝を決めたアネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター） photo:CorVos
レース直後インタビュー

マイヨジョーヌを着て山頂にフィニッシュすることは私の夢だった。もちろん今日は簡単なステージではなく、この１週間も決して楽ではなかった。まるでジェットコースターのような大会だったが、最後はマイヨジョーヌを着ての独走勝利。理想的な締めくくりとなった。女性版ツール・ド・フランスの最初の総合優勝者になることができ、光栄に感じている。この大会が今後更に発展していくことを心から願っている。

昨日は信じられない形で勝利を収めることができたが、今日のステージが控えていたため喜び過ぎることはしなかった。そして今日、ようやく心から勝利を祝うことができる。ようやくアイスクリームやピザが食べられる！今夜はチームと一緒にお祝いしたい。なんたって今夜は翌日のレースについて考える必要がないのだからね！

マイヨジョーヌを射止めたアネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター） photo:CorVos
優勝者スピーチ

これほど大勢のファンがいるラ・プランシュで勝てたなんて信じられない。”ツール・ド・フランス・ファムはここにあり”と証明できたほど、この8日間のレースは素晴らしかった。この大会をレースカレンダーに復活させてくれたレース主催者に感謝したい。また沿道に詰めかけたファンはこのレースを更に素晴らしいものにしてくれ、TVの前で観戦してくれた人たちにも感謝を伝えたい。本当にありがとう。

この頂上に登り詰める時に鳥肌が立った。またこのマイヨジョーヌを着てフィニッシュできて本当に特別な瞬間となった。これが何年も続くツール・ド・フランス・ファムの始まりであることを祈っている。

総合2位＆マイヨアポワ（山岳賞）　デミ・フォレリング（オランダ、SDワークス）

総合2位と共にマイヨアポワを手に入れたデミ・フォレリング（オランダ、SDワークス） photo:Team SD Worx
前日の第7ステージについて

下りでファンフルーテンにプレッシャーを与えたかったので頂上から加速した。（だが追いつかれ、1級山岳プラッツァーヴァーゼルの登りで）もう少し長く食らいつくことはできたものの、結果的に遅れてしまった。彼女の加速力は凄まじく、そこで自分の最大出力に達していた。また自分に余力は感じていたものの、ファンフルーテンは更にそこから加速を見せたのでダンシングに切り替えた。

すると脚が疲労で完璧に終わり、”今日は厳しく長い1日になるな”と悟った。そこからは永遠に終わりの来ないとも思えるレースが始まった。タンクの中身が空っぽのままペダルを踏み続けるしか、自分にできることはなかった。

大会後コメント

前日のステージで自分が持つ全ての記録を上回ることができた。つまり私はいま人生でトップレベルのコンディションにあるのだろう。調子はよく、脚に力も感じていたので後悔はない。自分の走りにとても満足している。力を尽くして戦ったので私たちに後悔はない。来年、マイヨジョーヌを目指して戻ってくる。

総合3位　カタジナ・ニエウィアドーマ（ポーランド、キャニオン・スラム）

総合３位とチーム総合でもトップに輝いたカタジナ・ニエウィアドーマ（ポーランド、キャニオン・スラム） photo:CorVos
総合で3位という結果はとても嬉しい。（総合表彰台に上がることが）チームとしての目標であり、私個人としての目標でもあった。それを達成することができ満足感に満ち溢れている。チームメイトとチームに感謝を伝えたい。正直、いまだ実感はないのだけどね。だがこの大会が行われると発表してから夢見ていた目標を達成することができ、まるで天にも昇る心地がしている。

最初の2日感はレースを楽しみ、その後は私の好きな爆発力を求められる登りがあったのでそこでも楽しみながら走ることができた。だが、最後の2ステージはもっとサバイバルなレースだった。

選手キャリアの大半を、短い時間で爆発力のある走りを高めるために費やしてきた。それはクラシックで良い成績を残すため。そして自分にその能力がないと思い込んでいたこともあり、いままで（今大会に登場したような）距離の長い登りには取り組んでこなかった。

私たちが走った中で今回のツールが最も厳しいレースだったと言える。特に昨日の（第7ステージ）は厳しかった。でも適切な準備をすれば、改善できるという希望も抱くことができた。

マイヨヴェール（ポイント賞）　マリアンヌ・フォス（オランダ、ユンボ・ヴィスマ）

区間2勝を挙げ、マイヨヴェールに輝いたマリアンヌ・フォス（オランダ、ユンボ・ヴィスマ） photo:CorVos
とても美しい一週間となった。チームとしてステージ優勝を狙い、その目標を2度も叶えることができた。また更にマイヨジョーヌを5日間着用し、マイヨヴェールを獲得することができた。本当に嬉しい。私を毎ステージ助けてくれたチームに感謝したい。これ以上は望むことのできない第1回ツール・ド・フランス・ファムになった。

マイヨブラン（ヤングライダー賞）　シリン・ファンアンローイ（オランダ、トレック・セガフレード）

23歳以下の選手に与えられるマイヨブランを獲得したシリン・ファンアンローイ（オランダ、トレック・セガフレード） photo:CorVos
今日はとても厳しいステージで、脚の調子もよくなかった。頂上までたどり着くのに必死だった。今日はこのマイヨブランを守ることだけを考え、それを達成することができて本当に嬉しい。

このツール・ド・フランスが私にとって初めてとなる（1週間以上の）ステージレースだった。チームのために走り、エリーザ（ロンゴボルギーニ）という偉大な選手と一緒に走ることができて嬉しかった。このツールを通して多くを学び、いまだかつてないほど自分を追い込むことができた。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos