2022/07/30(土) - 10:36
優勝候補のロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)が下りで落車したツール・ド・フランス ファム6日目。リードアウトを組んだトレックを退けたマイヨジョーヌのマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が今大会2勝目をマーク。翌日から始まる山岳決戦を前に2位とのリードを拡大している。
本格山岳2連戦を翌日に控えたツール・ド・フランス ファム(UCIワールドツアー)第6ステージに舞台は、サン・ディエ・デ・ヴォージュから丘陵地帯を西進しロスハイムを目指す128.6km。難易度の低い4つのカテゴリー山岳とボーナスポイントの丘を越え、一度フィニッシュ地点を通過後、4級山岳をクリアして下り基調のフィニッシュを迎える。
コースの大部分は平坦路だが、細かくアップダウンを繰り返す地形は逃げ向き。スプリンターにとっては実質的にラストチャンスとなるこの日の鍵は、フィニッシュ手前11km地点から始まる4級山岳ボーエシュ峠(距離2km/平均4.4%)がポイントとなる。そしてその予想通り、逃げ集団とスプリンターチームとの駆け引きが好レースを作った。
まだ今大会勝利のないトレック・セガフレードやバイクエクスチェンジ・ジェイコが中心となった逃げ集団は14名。しかし集団スプリントを目指すチームDSMが抑え役としてフランシスカ・コッホ(ドイツ)を送り込み、メイン集団側もを逃げに選手を送り込めなかったUAEチームADQが徹底コントロールを行ったため、タイム差が2分を上回ることはなかった。
UAEチームADQに加えてバルカー・トラベル&サービスもプロトン牽引に合流し、逃げ集団ではジョセリン・ローデン(イギリス、ウノエックス・プロサイクリングチーム)が積極的に山岳ポイントを加算。登坂適性を見せる34歳の前アワーレコードホルダーは、これにより山岳賞ランキングで2位浮上に成功している。
残り距離を順調に消化していくにつれ徐々に緊張感も高まる。レースが動きを見せたのは残り28km地点のボーナスポイントの丘だった。FDJ・スエズ・フチュロスコープが登りで加速するとメイン集団が分裂。しかしマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)はもちろん前日勝者のロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)、エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)らをふるい落とすまでには至らなかった。
しかし急激にペースアップしたまま突入した下りでウィーベスとロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)が落車する事態に。コペッキーが問題なくプロトンに復帰した一方で、ウィーベスは無事完走を果たしたものの、擦過傷に加え右肘を縫う怪我を負ってしまった。
この日一番の優勝候補が脱落したプロトンが1度目のフィニッシュ地点を通過する。ウィーベスを失ったドイツ王者のリアヌ・リッパート(チームDSM)がペースアップを図ったものの影響はなく、集団はひと塊で最終4級山岳を越えていった。
フィニッシュまで下り区間に入り、欧州王者のエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)が前日に続いて先頭へ。逃げから飛び出し最後まで粘ったマリー・ルネット(フランス、FDJスエズ・フチュロスコープ)をプロトンが飲み込むと、各チームがトレインを組んで集団スプリントになだれこんだ。
ファンダイクを先頭にフラムルージュ(残り1km)をくぐり、牽引を引き継いだトレック・セガフレードのエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)の背後から残り150mでバルサモがスプリントを開始する。しかしバルサモは伸びず、反対に横に並んだフォスがフェンス右側でコペッキーを抑え込みながら踏み続ける。フォスはマルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)とコペッキーに前を譲ることなく、マイヨジョーヌを着て今大会2勝目を掴み取った。
「ファンタスティックとしか言えない勝利。いまだこの現実が信じられない。バルサモが加速したのが見えたので、私も同時に踏み込んだ。すると私の方がスピードで上回っているのを感じた。あれ以上の速度は出せなかったので、そのまま先頭でフィニッシュできることを祈っていた。チームワークに勝利で報いることができて本当に嬉しい」。マイヨジョーヌを着て挙げた勝利をフォスはそう喜んだ。
ボーナスタイム-10秒を加えたフォスは、総合2位のシルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス)とのタイム差を30秒まで拡大。しかし第7、8ステージと1級山岳が連続する山岳決戦が幕開けるため、マイヨジョーヌの行方は分からなくなりそうだ。
首位と30秒差の総合3位につけ、総合優勝候補の1人に挙げられるカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)は「明日のステージは1つ目の山岳が最も厳しく、調子が良さそうに見えるファンフルーテンが仕掛けても驚かない」とコメント。現在アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)は1分28秒遅れの総合8位と出遅れているが、この後の巻き返しに注目が集まっている。
本格山岳2連戦を翌日に控えたツール・ド・フランス ファム(UCIワールドツアー)第6ステージに舞台は、サン・ディエ・デ・ヴォージュから丘陵地帯を西進しロスハイムを目指す128.6km。難易度の低い4つのカテゴリー山岳とボーナスポイントの丘を越え、一度フィニッシュ地点を通過後、4級山岳をクリアして下り基調のフィニッシュを迎える。
コースの大部分は平坦路だが、細かくアップダウンを繰り返す地形は逃げ向き。スプリンターにとっては実質的にラストチャンスとなるこの日の鍵は、フィニッシュ手前11km地点から始まる4級山岳ボーエシュ峠(距離2km/平均4.4%)がポイントとなる。そしてその予想通り、逃げ集団とスプリンターチームとの駆け引きが好レースを作った。
まだ今大会勝利のないトレック・セガフレードやバイクエクスチェンジ・ジェイコが中心となった逃げ集団は14名。しかし集団スプリントを目指すチームDSMが抑え役としてフランシスカ・コッホ(ドイツ)を送り込み、メイン集団側もを逃げに選手を送り込めなかったUAEチームADQが徹底コントロールを行ったため、タイム差が2分を上回ることはなかった。
UAEチームADQに加えてバルカー・トラベル&サービスもプロトン牽引に合流し、逃げ集団ではジョセリン・ローデン(イギリス、ウノエックス・プロサイクリングチーム)が積極的に山岳ポイントを加算。登坂適性を見せる34歳の前アワーレコードホルダーは、これにより山岳賞ランキングで2位浮上に成功している。
残り距離を順調に消化していくにつれ徐々に緊張感も高まる。レースが動きを見せたのは残り28km地点のボーナスポイントの丘だった。FDJ・スエズ・フチュロスコープが登りで加速するとメイン集団が分裂。しかしマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)はもちろん前日勝者のロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)、エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)らをふるい落とすまでには至らなかった。
しかし急激にペースアップしたまま突入した下りでウィーベスとロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)が落車する事態に。コペッキーが問題なくプロトンに復帰した一方で、ウィーベスは無事完走を果たしたものの、擦過傷に加え右肘を縫う怪我を負ってしまった。
この日一番の優勝候補が脱落したプロトンが1度目のフィニッシュ地点を通過する。ウィーベスを失ったドイツ王者のリアヌ・リッパート(チームDSM)がペースアップを図ったものの影響はなく、集団はひと塊で最終4級山岳を越えていった。
フィニッシュまで下り区間に入り、欧州王者のエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)が前日に続いて先頭へ。逃げから飛び出し最後まで粘ったマリー・ルネット(フランス、FDJスエズ・フチュロスコープ)をプロトンが飲み込むと、各チームがトレインを組んで集団スプリントになだれこんだ。
ファンダイクを先頭にフラムルージュ(残り1km)をくぐり、牽引を引き継いだトレック・セガフレードのエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)の背後から残り150mでバルサモがスプリントを開始する。しかしバルサモは伸びず、反対に横に並んだフォスがフェンス右側でコペッキーを抑え込みながら踏み続ける。フォスはマルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)とコペッキーに前を譲ることなく、マイヨジョーヌを着て今大会2勝目を掴み取った。
「ファンタスティックとしか言えない勝利。いまだこの現実が信じられない。バルサモが加速したのが見えたので、私も同時に踏み込んだ。すると私の方がスピードで上回っているのを感じた。あれ以上の速度は出せなかったので、そのまま先頭でフィニッシュできることを祈っていた。チームワークに勝利で報いることができて本当に嬉しい」。マイヨジョーヌを着て挙げた勝利をフォスはそう喜んだ。
ボーナスタイム-10秒を加えたフォスは、総合2位のシルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス)とのタイム差を30秒まで拡大。しかし第7、8ステージと1級山岳が連続する山岳決戦が幕開けるため、マイヨジョーヌの行方は分からなくなりそうだ。
首位と30秒差の総合3位につけ、総合優勝候補の1人に挙げられるカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)は「明日のステージは1つ目の山岳が最も厳しく、調子が良さそうに見えるファンフルーテンが仕掛けても驚かない」とコメント。現在アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)は1分28秒遅れの総合8位と出遅れているが、この後の巻き返しに注目が集まっている。
ツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト2022第6ステージ結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 3:09:26 |
2位 | マルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ) | |
3位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | |
4位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
5位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | |
6位 | マリアジュリア・コンファロニエーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | |
7位 | ヴィットリア・グアジーニ(イタリア、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) | |
8位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
9位 | ラケーレ・バルビエーリ(イタリア、リブレーシング・エクストラ) | |
10位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 19:30:14 |
2位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | +0:30 |
3位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
4位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:35 |
5位 | アシュリー・モールマン(南アフリカ、SDワークス) | +1:05 |
6位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | +1:11 |
7位 | ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM) | +1:19 |
8位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | +1:28 |
9位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) | +2:02 |
10位 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) | +2:34 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 267pts |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) | 191pts |
3位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 164pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | フェムケ・ジェリッツ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク) | 9pts |
2位 | ジョセリン・ローデン(イギリス、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | 5pts |
3位 | ラウラ・アセンシオ(フランス、セラティツィットWNTローター) | 5pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | ジュリア・ボルグストローム(スウェーデン、AGインシュランス・NXTGチーム) | 19:35:12 |
2位 | ジュリー・デウェルド(ベルギー、プラントゥール・プラ) | +0:14 |
3位 | ミーシャ・ブレッドウォルド(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク) | +1:35 |
チーム総合成績
1位 | SDワークス | 58:36:13 |
2位 | キャニオン・スラム | +0:56 |
3位 | トレック・セガフレード | +3:44 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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