2022/07/30(土) - 18:06
ツール・ド・フランスでステージ6勝を挙げ、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)の総合初優勝とワウト・ファンアールト(ベルギー)のマイヨヴェールを獲得したユンボ・ヴィスマの使用機材にフォーカス。チームカラーに塗られたサーヴェロの新型S5やR5、そしてP5を紹介する。
各賞を総ナメにしたユンボ・ヴィスマの駆るサーヴェロ S5 photo:Makoto AYANO
ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)とプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)を総合ダブルエースに据え、ワウト・ファンアールト(ベルギー)やステフェン・クライスヴァイク(オランダ)、セップ・クス(アメリカ)といった超強力な布陣でツールに臨んだユンボ・ヴィスマ。
序盤のパヴェステージではログリッチが落車に見舞われるなど、トラブルが降りかかったオランダチームだったが、蓋を開けてみればヴィンゲゴーが総合優勝&山岳賞&ステージ2勝、ファンアールトがポイント賞&ステージ3勝、クリストフ・ラポルト(フランス)がステージ1勝と、完勝と形容すべき結果を収めた3週間となった。
平坦ステージで使われたサーヴェロ S5 photo:Makoto AYANO
パヴェステージではR5を使用する選手が多かったが、セップ・クス(アメリカ)はサーヴェロがモダンロードと称するCaledonia-5を使用 photo:Makoto AYANO
比類なき登坂力を見せたヴィンゲゴーと、一人で何役をもこなすマルチタレントのファンアールトにより、平坦、山岳、TTとステージの種類を問わず、常にプロトンを支配し続けてきたユンボ・ヴィスマ。その走りを支えてきたのは、昨年に引き続きサーヴェロだ。
平坦ステージではエアロモデルの新型S5、山岳ステージでは軽量モデルのR5と2つのディスクブレーキモデルを乗り分ける。中でも象徴的だったのは、ファンアールトがガリビエ峠頂上目前でR5からS5にスイッチしたシーンだろう。バイクチェンジのタイムロスを差し引いてもそれぞれのバイクが得意分野で生み出すアドバンテージの大きさが窺い知れる瞬間だった。今年はS5がフルモデルチェンジを受け、UCIルールの緩和に対応した設計により更なる性能向上を果たしていたことも、その選択を後押ししたと言えるはず。
R9200系DURA-ACEで揃えられたドライブトレイン photo:Makoto AYANO
ヴィンゲゴーはFSAのMETRON 5Dを使用 photo:Makoto AYANO
ワウト・ファンアールトはMETRON 4D FLATを使用 photo:Makoto AYANO
第5ステージではCORSA CONTROLを使用する選手も photo:Makoto AYANO
コンポーネントはシマノの新型DURA-ACE DI2を採用。昨年、S5とR5で使い分けていたディスクブレーキローターも、R9200系化に伴い両車種ともにRT-MT900に統一されていた。
ホイールも今年は新型DURA-ACEシリーズで統一。山岳ではC36を、平坦ステージではC50を主に用いており、昨年見られたようなスポンサー外のホイールの姿はロードステージでは見られなかった。なおTTステージでは、サーヴェロがサンタクルズと共同開発するホイールブランド、リザーブ製のディスクホイールを使用していた。これは、シマノがディスクブレーキ対応のディスクホイールをラインアップしていないためだと思われる。
TTバイクはP5を使用 photo:Makoto AYANO
リザーブのディスクホイールを使用。ローターはSM-RT900だ photo:Makoto AYANO
DI2のシフトスイッチが内蔵されたDHバー photo:Makoto AYANO
タイヤはヴィットリアのCORSAシリーズ。チューブレスとチューブラーを選手の好みによって使い分けているほか、石畳の第5ステージでは、よりハイグリップかつ悪路に向いたCORSA CONTROLを使用する姿も見られた。
コックピットはS5は専用モデルとなるが、R5ではヴィジョンの5D(ログリッチ)や6D、FSAのK-FORCE(ファンアールト)など、選手の好みで選択が分かれている。コンピューターはガーミンのEDGE 830。その他ボトルやボトルケージはタックスで、サドルはフィジーク。バーテープはFSAだ。
text:Naoki Yasuoka

ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)とプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)を総合ダブルエースに据え、ワウト・ファンアールト(ベルギー)やステフェン・クライスヴァイク(オランダ)、セップ・クス(アメリカ)といった超強力な布陣でツールに臨んだユンボ・ヴィスマ。
序盤のパヴェステージではログリッチが落車に見舞われるなど、トラブルが降りかかったオランダチームだったが、蓋を開けてみればヴィンゲゴーが総合優勝&山岳賞&ステージ2勝、ファンアールトがポイント賞&ステージ3勝、クリストフ・ラポルト(フランス)がステージ1勝と、完勝と形容すべき結果を収めた3週間となった。


比類なき登坂力を見せたヴィンゲゴーと、一人で何役をもこなすマルチタレントのファンアールトにより、平坦、山岳、TTとステージの種類を問わず、常にプロトンを支配し続けてきたユンボ・ヴィスマ。その走りを支えてきたのは、昨年に引き続きサーヴェロだ。
平坦ステージではエアロモデルの新型S5、山岳ステージでは軽量モデルのR5と2つのディスクブレーキモデルを乗り分ける。中でも象徴的だったのは、ファンアールトがガリビエ峠頂上目前でR5からS5にスイッチしたシーンだろう。バイクチェンジのタイムロスを差し引いてもそれぞれのバイクが得意分野で生み出すアドバンテージの大きさが窺い知れる瞬間だった。今年はS5がフルモデルチェンジを受け、UCIルールの緩和に対応した設計により更なる性能向上を果たしていたことも、その選択を後押ししたと言えるはず。




コンポーネントはシマノの新型DURA-ACE DI2を採用。昨年、S5とR5で使い分けていたディスクブレーキローターも、R9200系化に伴い両車種ともにRT-MT900に統一されていた。
ホイールも今年は新型DURA-ACEシリーズで統一。山岳ではC36を、平坦ステージではC50を主に用いており、昨年見られたようなスポンサー外のホイールの姿はロードステージでは見られなかった。なおTTステージでは、サーヴェロがサンタクルズと共同開発するホイールブランド、リザーブ製のディスクホイールを使用していた。これは、シマノがディスクブレーキ対応のディスクホイールをラインアップしていないためだと思われる。



タイヤはヴィットリアのCORSAシリーズ。チューブレスとチューブラーを選手の好みによって使い分けているほか、石畳の第5ステージでは、よりハイグリップかつ悪路に向いたCORSA CONTROLを使用する姿も見られた。
コックピットはS5は専用モデルとなるが、R5ではヴィジョンの5D(ログリッチ)や6D、FSAのK-FORCE(ファンアールト)など、選手の好みで選択が分かれている。コンピューターはガーミンのEDGE 830。その他ボトルやボトルケージはタックスで、サドルはフィジーク。バーテープはFSAだ。
text:Naoki Yasuoka
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