Jプロツアー第9戦「石川サイクルロードレース」は、山本大喜(キナンレーシングチーム)が小林海(マトリックスパワータグ)とのスプリント勝負を制して優勝した。最終周回で先頭から遅れた山本だが、そこには作戦があった。
福島県でのJプロツアー3連戦2日目は、石川サイクルロードレース。今年20回目の開催を迎え、Jプロツアーでは定番となったレースだ。
アップダウンとカーブが繰り返される1周13.6kmのコースは、夏の湿度と暑さが加わってよりハードなレースとなることが多い。今回は雨予報が見事に外れ、誰もが予想しなかった青空の下でのレースとなった。
予定より約1時間遅れでスタート photo:Satoru Kato
Jプロツアーのレースは10周136kmで行われる予定だったが、直前に行われていたレースでの落車と後処理のためにスタート時間が1時間ほど遅れ、7周95.2kmに短縮されて行われることになった。
スタート直後からハイペースで周回が進む。3周目にチームブリヂストンサイクリングが集団コントロールを試みるもののアタックを抑えきれず、どのチームも主導権を握れない状況が続く。
3周目 チームブリヂストンサイクリングがコントロールするも集団を掌握できず photo:Satoru Kato
5周目 3名が先行 photo:Satoru Kato
5周目、山本大喜(キナンレーシングチーム)、レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)の3名が先行するも、チームブリヂストンサイクリングと愛三工業レーシングチームがペースアップさせた集団によりほどなく吸収する。
5周目後半から集団コントロールを開始したキナンレーシングチーム photo:Satoru Kato
「このままブリヂストンと愛三工業がコントロールしていったらスプリント勝負に持ち込まれるから、キナンとしてはそれは避けたかった」と山本が振り返るように、5周目終盤からキナンレーシングチームが集団先頭に集まってペースアップ。「各チームのエース級だけに絞り込めるように攻撃に出た」と言う通り、6周目に入ると先頭集団は一気に10名ほどまで絞られた。
6周目 小林海(マトリックスパワータグ)が先頭集団を牽引 photo:Satoru Kato
4名が先行して最終周回へ photo:Satoru Kato
さらに小林海(マトリックスパワータグ)とトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)が、10名をふるいにかけるようにペースアップ。小林、キンテロ、ルバ、山本の4名が残って最終周回に入る。
コース序盤の登りでキンテロが遅れて3名に。山本も遅れて小林とルバの2名が先行する。しかし遅れた山本には作戦があった。
最終周回 小林海(マトリックスパワータグ)とトマ・ルバ(キナンレーシングチーム) photo:Satoru Kato
最終周回 残り6kmで山本大喜(キナンレーシングチーム)が追いつく photo:Satoru Kato
「キンテロ選手が遅れたけれど数百mのところにいたから(小林)海さんが前を引かない素振りを見せた。自分が後ろに下がれば海さんとトマ(・ルバ)さんの2人になって(先頭交代を)回すだろうと考え、距離が十分開いたら登りで踏んでブリッヂをかけて合流するつもりだった」
山本の狙い通り、小林はルバと先頭交代を始める。山本はキンテロを引き離し、残り6km付近で再び小林とルバに合流した。
先行した小林海(マトリックスパワータグ)に山本大喜(キナンレーシングチーム)が並ぶ photo:Satoru Kato
山本大喜が優勝 photo:Satoru Kato
そして残り2kmからは小林と山本の2人となり、勝負はスプリントへ。先行した小林に山本が並びかけ、ほぼ同時にフィニッシュライン上でハンドルを投げ合う。映像判定になるほどの僅差の勝負となったが、山本の先着が確認されて優勝が確定した。
表彰式 photo:Satoru Kato
「序盤から動いていたので脚にダメージがあってギリギリだった。トマさんも動きまくっていたのにアシストに回ってくれたので、何としても勝ちたかった。Jプロツアーでは海さんがずば抜けて強いことは知っていたので、今日は力勝負をしたいと思っていたので、勝てて本当に良かった。明日の古殿ロードレースもサバイバルなレースになりそうなコースなので、チームが得意とする展開にしたい」と、山本は語った。
福島県でのJプロツアー3連戦2日目は、石川サイクルロードレース。今年20回目の開催を迎え、Jプロツアーでは定番となったレースだ。
アップダウンとカーブが繰り返される1周13.6kmのコースは、夏の湿度と暑さが加わってよりハードなレースとなることが多い。今回は雨予報が見事に外れ、誰もが予想しなかった青空の下でのレースとなった。

Jプロツアーのレースは10周136kmで行われる予定だったが、直前に行われていたレースでの落車と後処理のためにスタート時間が1時間ほど遅れ、7周95.2kmに短縮されて行われることになった。
スタート直後からハイペースで周回が進む。3周目にチームブリヂストンサイクリングが集団コントロールを試みるもののアタックを抑えきれず、どのチームも主導権を握れない状況が続く。


5周目、山本大喜(キナンレーシングチーム)、レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)の3名が先行するも、チームブリヂストンサイクリングと愛三工業レーシングチームがペースアップさせた集団によりほどなく吸収する。

「このままブリヂストンと愛三工業がコントロールしていったらスプリント勝負に持ち込まれるから、キナンとしてはそれは避けたかった」と山本が振り返るように、5周目終盤からキナンレーシングチームが集団先頭に集まってペースアップ。「各チームのエース級だけに絞り込めるように攻撃に出た」と言う通り、6周目に入ると先頭集団は一気に10名ほどまで絞られた。


さらに小林海(マトリックスパワータグ)とトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)が、10名をふるいにかけるようにペースアップ。小林、キンテロ、ルバ、山本の4名が残って最終周回に入る。
コース序盤の登りでキンテロが遅れて3名に。山本も遅れて小林とルバの2名が先行する。しかし遅れた山本には作戦があった。


「キンテロ選手が遅れたけれど数百mのところにいたから(小林)海さんが前を引かない素振りを見せた。自分が後ろに下がれば海さんとトマ(・ルバ)さんの2人になって(先頭交代を)回すだろうと考え、距離が十分開いたら登りで踏んでブリッヂをかけて合流するつもりだった」
山本の狙い通り、小林はルバと先頭交代を始める。山本はキンテロを引き離し、残り6km付近で再び小林とルバに合流した。


そして残り2kmからは小林と山本の2人となり、勝負はスプリントへ。先行した小林に山本が並びかけ、ほぼ同時にフィニッシュライン上でハンドルを投げ合う。映像判定になるほどの僅差の勝負となったが、山本の先着が確認されて優勝が確定した。

「序盤から動いていたので脚にダメージがあってギリギリだった。トマさんも動きまくっていたのにアシストに回ってくれたので、何としても勝ちたかった。Jプロツアーでは海さんがずば抜けて強いことは知っていたので、今日は力勝負をしたいと思っていたので、勝てて本当に良かった。明日の古殿ロードレースもサバイバルなレースになりそうなコースなので、チームが得意とする展開にしたい」と、山本は語った。
石川サイクルロードレース 結果(95.2km)
1位 | 山本大喜(KINAN Racing Team) | 2時間19分3秒 |
2位 | 小林 海(マトリックスパワータグ) | +0秒 |
3位 | トマ・ルバ(KINAN Racing Team) | +6秒 |
4位 | 安原大貴(マトリックスパワータグ) | +46秒 |
5位 | 入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +54秒 |
6位 | レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ) | +1分4秒 |
スプリント賞 安原大貴(マトリックスパワータグ)
敢闘賞 該当者なし
Jプロツアーリーダー 小林 海(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)
女子 金子広美が優勝
女子 再三の金子広美(イナーメ信濃山形-F)のペースアップに植竹海貴(Y's Road)が遅れていく photo:Satoru Kato
女子 金子広美(イナーメ信濃山形-F)が大堀博美(MOPS)を下して優勝 photo:Satoru Kato
女子のレースは4周54km。スタート直後から金子広美(イナーメ信濃山形-F)と植竹海貴(Y's Road)がペースアップして人数を絞っていく。登りで何度もペースアップする金子に対し、植竹は2周目に入る前に遅れてしまう。その後は金子と大堀広美(MOPS)の勝負となり、最後はスプリントで金子が大堀を下して優勝した。
敢闘賞 該当者なし
Jプロツアーリーダー 小林 海(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)
女子 金子広美が優勝


女子のレースは4周54km。スタート直後から金子広美(イナーメ信濃山形-F)と植竹海貴(Y's Road)がペースアップして人数を絞っていく。登りで何度もペースアップする金子に対し、植竹は2周目に入る前に遅れてしまう。その後は金子と大堀広美(MOPS)の勝負となり、最後はスプリントで金子が大堀を下して優勝した。
女子 結果(54km)
1位 | 金子広美(イナーメ信濃山形-F) | 1時間40分2秒 |
2位 | 大堀博美(MOPS) | +0秒 |
3位 | 植竹海貴(Y's Road) | +1分58秒 |
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