2022/07/20(水) - 17:00
関東近郊でのフレーム補修の相談を可能にするため、カーボンドライジャパンが4月に東京都世田谷区に開いた「CDJ TOKYO」を訪問。検査精度を格段に向上させた赤外線検査装置など、店舗の様子やサービスを紹介していく。
自転車や自動車、オートバイなどのカーボン加工を得意とするカーボンドライジャパン。これまで同社はカーボンフレームの検査や補修サービスを展開し、近年はカーボン製ビックプーリーなど物販もスタート。カスタムペイントや洗車、コーティングなどを幅広く手掛けることで一般サイクリストから親しまれてきた。
同社は愛知県日進市に本拠地を置いているが、関東圏のサイクリストが同社のサービスを利用しやすくするため、東京オフィスとして東京都世田谷区新町に「CDJ TOKYO」が2022年4月3日からオープンしている。最寄り駅は田園都市線の桜新町駅と駒澤大学駅の中間地点で、どちらからも徒歩10分とアクセスしやすい。
CDJ TOKYOで展開されるサービスは、破損したカーボンフレームの超音波診断や修理、洗車サービスやハドラスコーティング、カスタムペイント、保険の加入手続きなどなど。さらに、CDJビッグプーリーの販売と取付も(農業用のカーボン製の草刈り鎌も!)行われている。
カーボンドライジャパンは今回の東京進出にあたり、更にパワーアップを果たすことに。これまでフレーム内の目に見えないクラックを発見する際に使用してきた超音波診断システムに加え、新たに赤外線を使用する診断システムを導入。2つのシステムを組み合わせることで、より高精度かつ高効率でフレームを検査できる体制を整えたという。
約10年前からカーボンフレームの修理を開始し、何千本のカーボンフレームの検査をしてきたという同社によれば、カーボンは表面の傷が内部まで影響を及ぼしているのかどうか、判断が非常に難しい。これまではフレームやフォークに超音波を当て、その波形を見ながら判断していくという検査方法を取っていたが、波形の意味するものが依頼ユーザーに伝わりにくくかったという。
新たな検査装置を探す中で出会ったのが、ドイツメーカーの赤外線検査システムだった。去年の6月に実際にフレームを持ちこんでみたところ、検査結果も良好、かつ視覚的にもわかりやすいということで導入に至ったという。
赤外線検査システムは4つのハロゲンランプから被検体(カーボンフレーム)に対して熱を当て、赤外線カメラで内部状況を探っていくシステム。ランプで温められた対象物が冷えていく過程を赤外線カメラで連続撮影し、約600枚の画像を記録することで温度の変化を視覚化。その中で変化の度合いが異常な箇所を見つけ出していくという。
自転車のフレームは平面ではなく曲面であるため、あらゆる角度からも検査していく。さらに、幅広い面を一気に検査できるため、外傷がなくともクラックを発見できるという。
これまでの超音波検査では超音波を出す検査機の先端という狭い範囲で検査しており、広域を検査するには向いていなかったという。これが、赤外線検査を使用することで一度に全体を検査できるようになった。超音波検査のような熟練度による検査結果のばらつきも抑えられ(愛知本社の検査員は場数を踏んでいるため高い技量を有している)、作業効率自体も上がっているという。
価格は1カットで16,500円で、左右全体なら33,000円となる。同じ診断箇所を角度を変えて検査した場合も測定回数毎に16,500円(価格は全て税込)となる。事前に問い合わせれば、当日対応も可能だという。
カーボンドライジャパンの早川代表によれば、同社がこうしたサービスを展開しているのは「カーボンフレームを直すという選択肢を提供したい」という同氏の思いによるもの。当初は批判もあったというが、現在取引ショップは950にものぼる。早川代表の真摯な思いが形になった数字と言えるだろう。
CDJ TOKYOは定休日の木曜日を除き、平日は11:00から20:00まで、土・日・祝日は10:00から19:00までオープンしている。フレーム破損を抱えたユーザーだけではなく、物販や洗車サービスだけでも気軽に足を運んでみてはいかがだろうか。
CDJ TOKYO
住所:〒154-0014 東京都世田谷区新町2-2-22 NIビル1階
TEL:03-6413-7275
FAX:03-6413-7274
text:Michinari TAKAGI
photo:Naoki Yasuoka&Michinari TAKAGI
自転車や自動車、オートバイなどのカーボン加工を得意とするカーボンドライジャパン。これまで同社はカーボンフレームの検査や補修サービスを展開し、近年はカーボン製ビックプーリーなど物販もスタート。カスタムペイントや洗車、コーティングなどを幅広く手掛けることで一般サイクリストから親しまれてきた。
同社は愛知県日進市に本拠地を置いているが、関東圏のサイクリストが同社のサービスを利用しやすくするため、東京オフィスとして東京都世田谷区新町に「CDJ TOKYO」が2022年4月3日からオープンしている。最寄り駅は田園都市線の桜新町駅と駒澤大学駅の中間地点で、どちらからも徒歩10分とアクセスしやすい。
CDJ TOKYOで展開されるサービスは、破損したカーボンフレームの超音波診断や修理、洗車サービスやハドラスコーティング、カスタムペイント、保険の加入手続きなどなど。さらに、CDJビッグプーリーの販売と取付も(農業用のカーボン製の草刈り鎌も!)行われている。
カーボンドライジャパンは今回の東京進出にあたり、更にパワーアップを果たすことに。これまでフレーム内の目に見えないクラックを発見する際に使用してきた超音波診断システムに加え、新たに赤外線を使用する診断システムを導入。2つのシステムを組み合わせることで、より高精度かつ高効率でフレームを検査できる体制を整えたという。
約10年前からカーボンフレームの修理を開始し、何千本のカーボンフレームの検査をしてきたという同社によれば、カーボンは表面の傷が内部まで影響を及ぼしているのかどうか、判断が非常に難しい。これまではフレームやフォークに超音波を当て、その波形を見ながら判断していくという検査方法を取っていたが、波形の意味するものが依頼ユーザーに伝わりにくくかったという。
新たな検査装置を探す中で出会ったのが、ドイツメーカーの赤外線検査システムだった。去年の6月に実際にフレームを持ちこんでみたところ、検査結果も良好、かつ視覚的にもわかりやすいということで導入に至ったという。
赤外線検査システムは4つのハロゲンランプから被検体(カーボンフレーム)に対して熱を当て、赤外線カメラで内部状況を探っていくシステム。ランプで温められた対象物が冷えていく過程を赤外線カメラで連続撮影し、約600枚の画像を記録することで温度の変化を視覚化。その中で変化の度合いが異常な箇所を見つけ出していくという。
自転車のフレームは平面ではなく曲面であるため、あらゆる角度からも検査していく。さらに、幅広い面を一気に検査できるため、外傷がなくともクラックを発見できるという。
これまでの超音波検査では超音波を出す検査機の先端という狭い範囲で検査しており、広域を検査するには向いていなかったという。これが、赤外線検査を使用することで一度に全体を検査できるようになった。超音波検査のような熟練度による検査結果のばらつきも抑えられ(愛知本社の検査員は場数を踏んでいるため高い技量を有している)、作業効率自体も上がっているという。
価格は1カットで16,500円で、左右全体なら33,000円となる。同じ診断箇所を角度を変えて検査した場合も測定回数毎に16,500円(価格は全て税込)となる。事前に問い合わせれば、当日対応も可能だという。
カーボンドライジャパンの早川代表によれば、同社がこうしたサービスを展開しているのは「カーボンフレームを直すという選択肢を提供したい」という同氏の思いによるもの。当初は批判もあったというが、現在取引ショップは950にものぼる。早川代表の真摯な思いが形になった数字と言えるだろう。
CDJ TOKYOは定休日の木曜日を除き、平日は11:00から20:00まで、土・日・祝日は10:00から19:00までオープンしている。フレーム破損を抱えたユーザーだけではなく、物販や洗車サービスだけでも気軽に足を運んでみてはいかがだろうか。
CDJ TOKYO
住所:〒154-0014 東京都世田谷区新町2-2-22 NIビル1階
TEL:03-6413-7275
FAX:03-6413-7274
text:Michinari TAKAGI
photo:Naoki Yasuoka&Michinari TAKAGI
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