2010/07/06(火) - 13:41
雨によって落車が多発したツール・ド・フランス第2ステージ。独走勝利を達成したシャヴァネルやジャージを失ったカンチェラーラ、その他有力選手たちのコメント。
シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)
「ベルギー国内でベルギーチームに勝利をもたらし、そしてマイヨジョーヌを着て明日フランスに入国するなんて、本当に夢のようだ。まだ自分が何を達成したのか実感が無い。今シーズンは過去最悪と言っていいほど辛い時間を過ごして来た。特にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでの酷い落車以降、ずっと沈んでいたんだ。この勝利でこれまでの苦しみが全て報われたよ」。
「後続の集団の中で落車が多発していたことは、ゴールしてから知らされた。とにかく下りはかなり慎重に走って、あとはペダリングに集中した。フィニッシュラインまでただ踏み続けたんだ」。
「このジャージ(マイヨジョーヌ)は出来る限り手放したくない。これから数日はスプリンター向きのステージなので、チームメイトたちのサポートを受けながらジャージを着続けたいと思う」。
ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)
「シルヴァンと僕にとって素晴らしいレースになった。シルヴァンはただステージ優勝を飾っただけじゃなくて、上りで僕を献身的にサポートしてくれたんだ。今年のジロ・デ・イタリアでチームはステージ2勝。そのうちの1勝は自分で、しかも数日間レッドジャージを着ることが出来た。このツールでも歴史が繰り返されている。むしろチームの活躍はジロ以上だ」。
イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)
「右の膝を地面に打ち付け、擦過傷や打撲を負ってしまった。レースを続行出来ないような怪我にならなくて良かったよ。落車は歓迎されるものじゃない。最初の2ステージを終えて、ここまで冷静に走ることが出来ている。とにかくこれ以上リスキーなコースが登場しないことを願っている」。
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)
「落車が発生したとき、真っ先にアンディとフランクのことが気になった。彼らはチームのキャプテンなんだ。自分のジャージを失っても構わないので、チームの連帯やリスペクト、忠誠を示すためにも、彼らを待つことにした」。
トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
「今日はフラストレーションの貯まるレースだった。前半からチームは集団コントロールに力を尽くし、ステージ優勝のチャンスがあったのに。(集団のペースを弱める選手間の合意が)我々からチャンスを奪った。集団スプリントをしない理由なんて無かった。どの選手もスプリントしない紳士協定に合意したけど、そのおかげでステージ優勝のチャンスとポイント獲得のチャンスが奪われてしまった」。
ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)
「滑りやすい何かが路面に塗られていたような感じ。ただバイクに跨がっていることすら困難だった。あんな状況は初めての経験だ。バイクに跨がって再スタートを切っても、更にあちこちで落車が起きていた。少し有り得ない状況だった。路面を滑ったので擦過傷を負ったけど、走りにはそれほど影響しない。今日のようなレースを見ていると、どうしてビーチを抜け出した(現役に復帰した)のか不思議に思う」。
リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)
「本当に馬鹿げたステージだった。特にコート・ド・ストックの下りは落車の連続。ライダーがあちこちで転んでいたし、モーターバイクも転倒していた。本当に混沌とした状況だった。まるで全ての選手が落車したような状況。無線情報が途切れたのでチーム監督も状況が分からず、他のチームメイトがどこを走っているのか分からない。何が何だか分からない状況のまま走り始めたけど、その時点でステージを争う雰囲気は無かった。ツール・ド・フランスの第1週は決まって落車が多い。選手たちがフレッシュで、そしてナーバスだから。今日のようなコースでは常に集団前方に位置しないといけない。レース主催者が見たいのは、選手たちが血を流すレースなのだろうか。まさにストレスフルなサバイバルレースだった」。
トニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
「落車に巻き込まれなくてラッキーだった。明日もう一日厳しいレースが待っている。落車が発生した場合は臨機応変に対応しないといけない。今日のようなトラブルが起こらず、平穏にゴール勝負に持ち込まれるよう願っているよ。今日のゴールはプロテストではない。シュレク兄弟は集団復帰に時間がかかっていたし、他の有力選手たちも大きく遅れていた。すでにシャヴァネルが3分差で逃げていたし、わざわざリスクを背負ってまで2位を狙う必要は無かった」。
リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)
「あれはストライキなんかじゃない。ゆっくりと横に並んでゴールすることで、落車の被害者たちに対する連帯感を示したかったんだ」。
クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
「明日スタート出来ないのが残念でならない。コート・ド・ストックの突入前に、目の前で転倒した選手を避けきれずに落車した。その時点ではカラダに問題は無く、バイクに跨がって集団に復帰。するとまた目の前の選手がコントロールを失って転倒したんだ。避けきれず、沿道に投げ出されるように落車した。棒のようなものにぶつかったのだと思う。目からは出血するし、カラダのあちこちが痛んだ。アンディ・シュレクらと集団に何とか復帰したけど、痛みに耐えかねて千切れてしまった」。
デーヴィッド・ブレールスフォード監督(チームスカイ)
「コート・ド・ストックの下りはまるでアイスリンク。バイクと選手が散乱している様は戦場のようだった。濡れた路面はスーパースリッピーで、どの選手も同じ場所で転倒していた。転倒したカメラバイクがまき散らしたオイルか、故意に撒かれたものなのかは分からない。とにかくアイスリンクのようだった。
選手コメントは現地取材、ならびに各チーム公式サイトより抜粋。
text:Kei Tsuji
シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)
「ベルギー国内でベルギーチームに勝利をもたらし、そしてマイヨジョーヌを着て明日フランスに入国するなんて、本当に夢のようだ。まだ自分が何を達成したのか実感が無い。今シーズンは過去最悪と言っていいほど辛い時間を過ごして来た。特にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでの酷い落車以降、ずっと沈んでいたんだ。この勝利でこれまでの苦しみが全て報われたよ」。
「後続の集団の中で落車が多発していたことは、ゴールしてから知らされた。とにかく下りはかなり慎重に走って、あとはペダリングに集中した。フィニッシュラインまでただ踏み続けたんだ」。
「このジャージ(マイヨジョーヌ)は出来る限り手放したくない。これから数日はスプリンター向きのステージなので、チームメイトたちのサポートを受けながらジャージを着続けたいと思う」。
ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)
「シルヴァンと僕にとって素晴らしいレースになった。シルヴァンはただステージ優勝を飾っただけじゃなくて、上りで僕を献身的にサポートしてくれたんだ。今年のジロ・デ・イタリアでチームはステージ2勝。そのうちの1勝は自分で、しかも数日間レッドジャージを着ることが出来た。このツールでも歴史が繰り返されている。むしろチームの活躍はジロ以上だ」。
イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)
「右の膝を地面に打ち付け、擦過傷や打撲を負ってしまった。レースを続行出来ないような怪我にならなくて良かったよ。落車は歓迎されるものじゃない。最初の2ステージを終えて、ここまで冷静に走ることが出来ている。とにかくこれ以上リスキーなコースが登場しないことを願っている」。
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)
「落車が発生したとき、真っ先にアンディとフランクのことが気になった。彼らはチームのキャプテンなんだ。自分のジャージを失っても構わないので、チームの連帯やリスペクト、忠誠を示すためにも、彼らを待つことにした」。
トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
「今日はフラストレーションの貯まるレースだった。前半からチームは集団コントロールに力を尽くし、ステージ優勝のチャンスがあったのに。(集団のペースを弱める選手間の合意が)我々からチャンスを奪った。集団スプリントをしない理由なんて無かった。どの選手もスプリントしない紳士協定に合意したけど、そのおかげでステージ優勝のチャンスとポイント獲得のチャンスが奪われてしまった」。
ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)
「滑りやすい何かが路面に塗られていたような感じ。ただバイクに跨がっていることすら困難だった。あんな状況は初めての経験だ。バイクに跨がって再スタートを切っても、更にあちこちで落車が起きていた。少し有り得ない状況だった。路面を滑ったので擦過傷を負ったけど、走りにはそれほど影響しない。今日のようなレースを見ていると、どうしてビーチを抜け出した(現役に復帰した)のか不思議に思う」。
リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)
「本当に馬鹿げたステージだった。特にコート・ド・ストックの下りは落車の連続。ライダーがあちこちで転んでいたし、モーターバイクも転倒していた。本当に混沌とした状況だった。まるで全ての選手が落車したような状況。無線情報が途切れたのでチーム監督も状況が分からず、他のチームメイトがどこを走っているのか分からない。何が何だか分からない状況のまま走り始めたけど、その時点でステージを争う雰囲気は無かった。ツール・ド・フランスの第1週は決まって落車が多い。選手たちがフレッシュで、そしてナーバスだから。今日のようなコースでは常に集団前方に位置しないといけない。レース主催者が見たいのは、選手たちが血を流すレースなのだろうか。まさにストレスフルなサバイバルレースだった」。
トニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
「落車に巻き込まれなくてラッキーだった。明日もう一日厳しいレースが待っている。落車が発生した場合は臨機応変に対応しないといけない。今日のようなトラブルが起こらず、平穏にゴール勝負に持ち込まれるよう願っているよ。今日のゴールはプロテストではない。シュレク兄弟は集団復帰に時間がかかっていたし、他の有力選手たちも大きく遅れていた。すでにシャヴァネルが3分差で逃げていたし、わざわざリスクを背負ってまで2位を狙う必要は無かった」。
リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)
「あれはストライキなんかじゃない。ゆっくりと横に並んでゴールすることで、落車の被害者たちに対する連帯感を示したかったんだ」。
クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
「明日スタート出来ないのが残念でならない。コート・ド・ストックの突入前に、目の前で転倒した選手を避けきれずに落車した。その時点ではカラダに問題は無く、バイクに跨がって集団に復帰。するとまた目の前の選手がコントロールを失って転倒したんだ。避けきれず、沿道に投げ出されるように落車した。棒のようなものにぶつかったのだと思う。目からは出血するし、カラダのあちこちが痛んだ。アンディ・シュレクらと集団に何とか復帰したけど、痛みに耐えかねて千切れてしまった」。
デーヴィッド・ブレールスフォード監督(チームスカイ)
「コート・ド・ストックの下りはまるでアイスリンク。バイクと選手が散乱している様は戦場のようだった。濡れた路面はスーパースリッピーで、どの選手も同じ場所で転倒していた。転倒したカメラバイクがまき散らしたオイルか、故意に撒かれたものなのかは分からない。とにかくアイスリンクのようだった。
選手コメントは現地取材、ならびに各チーム公式サイトより抜粋。
text:Kei Tsuji
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