2022/05/23(月) - 00:16
集団でのスプリント勝負に持ち込まれたツアー・オブ・ジャパン最終ステージは、チーム右京のレイモンド・クレダーが優勝。ネイサン・アールの個人総合優勝に花を添えた。
4日間に渡り開催されたツアー・オブ・ジャパン最終ステージは東京の品川区と大田区に跨がる大井埠頭。ほぼフラットな1周7kmの周回コースを16周する112kmのレースでフィナーレを迎える。
個人総合首位のネイサン・アール(チーム右京)、山岳賞の小林海(マトリックスパワータグ)、新人賞の宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)は、完走さえすれば各賞が確定する。一方ポイント賞は僅差の争い。3回の中間スプリントポイントとフィニッシュのポイントを合わせれば、下位からの大逆転も可能な状態だ。
また、ここまでハードなステージを耐えてきたスプリンターにとっては、最初で最後のステージ優勝のチャンス。各チームはスプリンターを勝たせるための作戦を練って臨む。
今回は、東京都の小池百合子知事が2019年以来となる表彰式プレゼンターとして登壇した。小池知事は、レインボーブリッジを走る自転車イベントを今年11月の開催に向け準備していることと、来年以降に多摩地域での新たなイベントを企画していることを明らかにした。7月に特設サイトがオープンするそうで、期待がふくらむ。
前日の大雨から一転、夏を感じさせる青空が広がった東京都内。来賓を交えたパレード走行ののちリアルスタートが切られると、アタック合戦が始まる。序盤に8名の先頭集団が形成されたものの長くは続かず集団が吸収。ポイント賞争いに絡む動きもあって神経質な展開が続いていく。
7周目、ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ)、門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)、西尾憲人(那須ブラーゼン)の3名が先行。これを追って入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、山田拓海(日本ナショナルチーム)、新城雄大(キナンレーシングチーム)の3名が追走集団を形成し、9周目に合流。6名の先頭集団が形成される。
1分20秒前後の差をつけられたメイン集団は、チーム右京、チームブリヂストンサイクリング、愛三工業レーシングチーム、宇都宮ブリッツェンなどが強調して牽引。終盤に向けて徐々に差を縮めていく。
残り2周となる15周目、先行する6名とメイン集団との差は20秒を切り、直線でお互いの姿を確認できる距離まで縮まる。そして最終周回に入ったところで集団が6名を吸収すると、スプリント勝負に向けて各チームの争いが始まっていく。
残り200mのホームストレート、陽炎の向こうでスプリントが始まり、沢田桂太郎(スパークルおおいた)が伸びてくる。しかし残り100m、集団の右サイドから伸びてきたレイモンド・クレダー(チーム右京)が一気にまくり、先頭でフィニッシュラインを超えた。
クレダーは、「昨日まではチームメイトの個人総合優勝のためにアシストしてきたが、今日は僕のスプリントのためにチームメイトが働いてくれた。プレッシャーはあったけれど、勝ててとても嬉しい」と、表彰式でステージ優勝の喜びを語った。
チーム右京はネイサンアールの個人総合優勝に加え、全4ステージ中3勝、チーム総合優勝と、他を圧倒。他チームのつけ入る隙を見せない強さを見せた。この勢いは次週の「ツール・ド・熊野」でも見られるか?
チーム右京のワンサイドゲームの中、ポイント賞をキンテロ、山岳賞を小林海と、マトリックスパワータグの2人がもぎ取って見せた。小林は「自分達が目指していたものではない」という言葉をしきりに口にしていたが、富士山での小林の走りを見るにつけ、第1ステージでの遅れが無ければ状況は変わっていたかもしれない。
一方、第3ステージでの岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)の優勝や、新人賞を獲得した宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)の活躍も今大会のトピックと言えよう。特に宮崎の今後には大きく期待したい。
そして何よりも、2019年以来となった有観客での開催は、改めて観客の有無による大きな差を感じせた。次回は本来のツアー・オブ・ジャパンの姿である8日間の開催を期待したいところだが、合わせて各ステージでの観客の盛り上がりが見られる大会になって欲しいと願う。
4日間に渡り開催されたツアー・オブ・ジャパン最終ステージは東京の品川区と大田区に跨がる大井埠頭。ほぼフラットな1周7kmの周回コースを16周する112kmのレースでフィナーレを迎える。
個人総合首位のネイサン・アール(チーム右京)、山岳賞の小林海(マトリックスパワータグ)、新人賞の宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)は、完走さえすれば各賞が確定する。一方ポイント賞は僅差の争い。3回の中間スプリントポイントとフィニッシュのポイントを合わせれば、下位からの大逆転も可能な状態だ。
また、ここまでハードなステージを耐えてきたスプリンターにとっては、最初で最後のステージ優勝のチャンス。各チームはスプリンターを勝たせるための作戦を練って臨む。
今回は、東京都の小池百合子知事が2019年以来となる表彰式プレゼンターとして登壇した。小池知事は、レインボーブリッジを走る自転車イベントを今年11月の開催に向け準備していることと、来年以降に多摩地域での新たなイベントを企画していることを明らかにした。7月に特設サイトがオープンするそうで、期待がふくらむ。
前日の大雨から一転、夏を感じさせる青空が広がった東京都内。来賓を交えたパレード走行ののちリアルスタートが切られると、アタック合戦が始まる。序盤に8名の先頭集団が形成されたものの長くは続かず集団が吸収。ポイント賞争いに絡む動きもあって神経質な展開が続いていく。
7周目、ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ)、門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)、西尾憲人(那須ブラーゼン)の3名が先行。これを追って入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、山田拓海(日本ナショナルチーム)、新城雄大(キナンレーシングチーム)の3名が追走集団を形成し、9周目に合流。6名の先頭集団が形成される。
1分20秒前後の差をつけられたメイン集団は、チーム右京、チームブリヂストンサイクリング、愛三工業レーシングチーム、宇都宮ブリッツェンなどが強調して牽引。終盤に向けて徐々に差を縮めていく。
残り2周となる15周目、先行する6名とメイン集団との差は20秒を切り、直線でお互いの姿を確認できる距離まで縮まる。そして最終周回に入ったところで集団が6名を吸収すると、スプリント勝負に向けて各チームの争いが始まっていく。
残り200mのホームストレート、陽炎の向こうでスプリントが始まり、沢田桂太郎(スパークルおおいた)が伸びてくる。しかし残り100m、集団の右サイドから伸びてきたレイモンド・クレダー(チーム右京)が一気にまくり、先頭でフィニッシュラインを超えた。
クレダーは、「昨日まではチームメイトの個人総合優勝のためにアシストしてきたが、今日は僕のスプリントのためにチームメイトが働いてくれた。プレッシャーはあったけれど、勝ててとても嬉しい」と、表彰式でステージ優勝の喜びを語った。
チーム右京はネイサンアールの個人総合優勝に加え、全4ステージ中3勝、チーム総合優勝と、他を圧倒。他チームのつけ入る隙を見せない強さを見せた。この勢いは次週の「ツール・ド・熊野」でも見られるか?
チーム右京のワンサイドゲームの中、ポイント賞をキンテロ、山岳賞を小林海と、マトリックスパワータグの2人がもぎ取って見せた。小林は「自分達が目指していたものではない」という言葉をしきりに口にしていたが、富士山での小林の走りを見るにつけ、第1ステージでの遅れが無ければ状況は変わっていたかもしれない。
一方、第3ステージでの岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)の優勝や、新人賞を獲得した宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)の活躍も今大会のトピックと言えよう。特に宮崎の今後には大きく期待したい。
そして何よりも、2019年以来となった有観客での開催は、改めて観客の有無による大きな差を感じせた。次回は本来のツアー・オブ・ジャパンの姿である8日間の開催を期待したいところだが、合わせて各ステージでの観客の盛り上がりが見られる大会になって欲しいと願う。
ツアー・オブ・ジャパン 第4ステージ 東京 結果(112.0km)
1位 | レイモンド・クレダー(チーム右京、オランダ) | 2時間17分22秒 |
2位 | 沢田桂太郎(スパークルおおいた、日本) | +0秒 |
3位 | 黑枝咲哉(スパークルおおいた、日本) | |
4位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ(マトリックスパワータグ、ベネズエラ) | |
5位 | 岡 篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、日本) | |
6位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング、日本) | |
7位 | 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング、日本) | |
8位 | 香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム、日本) | |
9位 | 織田 聖(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、日本) | |
10位 | 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン、日本) |
個人総合成績(第4ステージ終了時)
1位 | ネイサン・アール (チーム右京、オーストラリア) | 10時間31分40秒 |
2位 | ベンジャミン・ダイボール (チーム右京、オーストラリア) | +8秒 |
3位 | トマ・ルバ (キナンレーシングチーム、フランス) | +1分37秒 |
4位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン、日本) | +2分42秒 |
5位 | 小林 海(マトリックスパワータグ、日本) | 3分12秒 |
6位 | フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ、スペイン) | +3分21秒 |
ポイント賞、山岳賞、チーム順位(第4ステージ終了時)
ポイント賞 | ||
1位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ(マトリックスパワータグ、ベネズエラ) | 45p |
2位 | 岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) | 40p |
3位 | レイモンド・クレダー(チーム右京、オランダ) | 30p |
山岳賞 | ||
1位 | 小林 海(マトリックスパワータグ、日本) | 23p |
2位 | ベンジャミン・ダイボール (チーム右京、オーストラリア) | 22p |
3位 | トマ・ルバ (キナンレーシングチーム、フランス) | 15p |
チーム順位 | ||
1位 | チーム右京 | 31時間40分57秒 |
2位 | キナンレーシングチーム | +6分10秒 |
3位 | マトリックスパワータグ | +6分26秒 |
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, Kensaku SAKAI
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