連日スプリント勝負が繰り広げられるターキー3日目の勝者はヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)。3度目の正直で総合成績も首位にジャンプアップさせている。



荘厳なモスクを横目に平坦路を走る荘厳なモスクを横目に平坦路を走る photo:CorVos
ツアー・オブ・ターキー(UCI2.Pro)3日目は、エーゲ海に面した海岸線を走るフラットステージ。距離は117.9kmと短く、序盤の4級山岳(登坂距離2km弱)を越えて以降はずっと平坦路が続くザ・スプリンター向けレイアウトだ。

青い海と青い空、そして赤屋根の白い建物が連なる街。風光明媚を絵に描いたような景色の中、この日は前日逃げて山岳賞ジャージを得たノア・グラニガン(アメリカ、ワイルドファイヤージェネレーション・プロサイクリング)を含む5名がエスケープ。メイン集団ではバイクエクスチェンジ・ジェイコを筆頭にスプリンターチームのアシスト勢がコントロールを担い、逃げとのタイム差をコントロールしながらイージーモードで距離を消化した。

メイン集団を牽引するトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)メイン集団を牽引するトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
この日は特に大きな集団落車が起きることもなかった。逃げグループは残り15km地点で吸収され、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が牽引する集団は散発的なアタックを引き戻しつつスプリント体勢を整えていった。

片側3車線の幹線道路を、各チームが横いっぱいに広がってトレインをぶつけ合う。位置取りの遅れを挽回しようとコーナーを攻めたカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が落車して勝負権を失う一方、バイクエクスチェンジ・ジェイコとの横並びの我慢比べを制したチームDSMが先頭に立ち、最終アシストがケース・ボル(オランダ、チームDSM)を引き連れてラスト200m。ボルの加速に合わせ、その背後からカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)とヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が一気に加速した。

グローブスやマクレーを下したヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)グローブスやマクレーを下したヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) photo:Tour of Türkiye
リーダージャージに袖を通したヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)リーダージャージに袖を通したヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) photo:Tour of Türkiye
2連勝に向けて最大1240ワット、時速77.9km/h(STRAVAデータより)で踏むグローブスを、最後の最後まで勢いを維持したフィリプセンが追い抜き、そのまま先頭でフィニッシュラインを駆け抜ける。最終盤の落車でアシスト勢を失っていたフィリプセンが、2日連続2位に甘んじたリベンジを達成した。

ボーナスタイムを稼いだフィリプセンは総合首位浮上に成功したが、明日は大会最初の山頂フィニッシュが待ち受ける。ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)たちによる登坂勝負に期待がかかる。
ツアー・オブ・ターキー2022第3ステージ結果
1位 ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) 2:35:19
2位 カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
3位 ミゲルアンヘル・フェルナンデス(スペイン、グローバル6サイクリング)
4位 ダニエル・マクレー(イギリス、アルケア・サムシック)
5位 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)
個人総合成績
1位 ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) 11:15:23
2位 カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) +0:02
3位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) +0:12
4位 ミゲルアンヘル・フェルナンデス(スペイン、グローバル6サイクリング) +0:18
5位 スコット・マクギル(アメリカ、ワイルドファイヤージェネレーション・プロサイクリング) +0:19
その他の特別賞
ポイント賞 ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
山岳賞 ノア・グラニガン(アメリカ、ワイルドファイヤージェネレーション・プロサイクリング)
チーム総合成績 イスラエル・プレミアテック
text:So Isobe
photo:CorVos