2022/04/08(金) - 10:08
前日に続きクライマーによるスプリント勝負に持ち込まれたバスク一周4日目。最終コーナー直前で飛び出しリードを奪ったダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)を下し、総合成績も3位まで上げている。
バスク州の州都ビトリア=ガステイスからビスケー湾に面するザムディオにフィニッシュする185.6kmコースで行われたイツリア・バスクカントリー第4ステージ。最大の難所は残り26km地点に登場するカテゴリーなき距離2.2km/平均勾配10.6%の丘と、フィニッシュラインを1度通過した直後に現れる2級山岳ヴィヴェロ峠(距離6km/平均6.2%)で、獲得標高差は2,703mの丘陵ステージは13名の逃げ集団が先行する展開で始まった。
前日に長時間に渡り集団牽引を担ったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)やダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、オスカル・ロドリゲス(スペイン、モビスター)といったトップ選手を含む逃げ集団。リーダージャージのユンボ・ヴィスマが牽引するメイン集団と最大3分半の差をつけながら、バスクらしい細かな急坂を越えていった。
1度目のフィニッシュライン(残り30km地点)を通過する頃に逃げ集団は9名まで人数が減り、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が牽引するプロトンから2分半のリードで2.2km(平均勾配10.6%)の登坂を開始。ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス)がダンシングでペースを上げると、トーマスやフォルモロらを引き離していった。
一方で、1分半後方のメイン集団から最初に動いたのは総合10位(28秒遅れ)のジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)だった。積極的に牽引するチームが現れず、道幅いっぱいに広がるライバルたちを側溝から抜いたアラフィリップが、追随したダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)とヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)と共にリードを奪う。しかしモビスターによってこの3名は引き戻された。
1分差で2級山岳ヴィヴェロ峠の頂上を通過したラフェは、逃げ切り勝利を決めた昨年のジロ・デ・イタリア第8ステージの再現を狙うべく快調に飛ばす。レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)や2日連続勝利を狙うバーレーン・ヴィクトリアスを先頭にダウンヒルを時速80km/hで駆け下りるなか、ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー)が落車するシーンも(擦過傷のみで完走を果たすも、直後に棄権が発表された)。
ザムディオの街に入ったメイン集団は、ラフェから遅れたトーマスたちを吸収。ディエゴ・ウリッシ(イタリア)でスプリント勝利を狙いたいUAEチームエミレーツがプロトンのペースを上げ、再び牽引をはじめたエヴェネプールがラフェをフラムルージュ(残り1km)捉えると、勝負は集団スプリントへとなだれ込んだ。
残り150mの最終コーナー直前で早駆けしたマルティネスが、最短距離のイン側のラインを取って先頭に立つ。その背後についたウリッシとアラフィリップが飛び出し横並びになるが、マルティネスは先頭を譲ることなくフィニッシュラインに先着した。
「残り200mで集団のスピードが落ちるコーナーがあると分かっていたので、その手前で飛び出したんだ。最後の登りで仕掛けようと思ったが、集団に人数が揃っていたので最後のスプリントのために脚を残していた。チームの強さを示すことができた。総合でアダムと僕は良い順位にいるので、このまま残りの難しいステージも頑張りたい」。今年2月に個人TT国内王者に輝き、ロードレースで移籍後初勝利を挙げたマルティネスはそう振り返る。またマルティネスはボーナスタイム-10秒を獲得したことで、総合でも3位にジャンプアップしている。
総合首位はスプリントに参加し、4位に入ったログリッチがキープ。翌日から本格化する山岳2連戦に向けて「脚の調子は良いので、有力選手たちの集団で戦うことができるだろう。このリーダージャージを守るために、可能な限りの手を尽くすつもりだ」と意気込みを語っている。
バスク州の州都ビトリア=ガステイスからビスケー湾に面するザムディオにフィニッシュする185.6kmコースで行われたイツリア・バスクカントリー第4ステージ。最大の難所は残り26km地点に登場するカテゴリーなき距離2.2km/平均勾配10.6%の丘と、フィニッシュラインを1度通過した直後に現れる2級山岳ヴィヴェロ峠(距離6km/平均6.2%)で、獲得標高差は2,703mの丘陵ステージは13名の逃げ集団が先行する展開で始まった。
前日に長時間に渡り集団牽引を担ったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)やダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、オスカル・ロドリゲス(スペイン、モビスター)といったトップ選手を含む逃げ集団。リーダージャージのユンボ・ヴィスマが牽引するメイン集団と最大3分半の差をつけながら、バスクらしい細かな急坂を越えていった。
1度目のフィニッシュライン(残り30km地点)を通過する頃に逃げ集団は9名まで人数が減り、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が牽引するプロトンから2分半のリードで2.2km(平均勾配10.6%)の登坂を開始。ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス)がダンシングでペースを上げると、トーマスやフォルモロらを引き離していった。
一方で、1分半後方のメイン集団から最初に動いたのは総合10位(28秒遅れ)のジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)だった。積極的に牽引するチームが現れず、道幅いっぱいに広がるライバルたちを側溝から抜いたアラフィリップが、追随したダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)とヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)と共にリードを奪う。しかしモビスターによってこの3名は引き戻された。
1分差で2級山岳ヴィヴェロ峠の頂上を通過したラフェは、逃げ切り勝利を決めた昨年のジロ・デ・イタリア第8ステージの再現を狙うべく快調に飛ばす。レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)や2日連続勝利を狙うバーレーン・ヴィクトリアスを先頭にダウンヒルを時速80km/hで駆け下りるなか、ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー)が落車するシーンも(擦過傷のみで完走を果たすも、直後に棄権が発表された)。
ザムディオの街に入ったメイン集団は、ラフェから遅れたトーマスたちを吸収。ディエゴ・ウリッシ(イタリア)でスプリント勝利を狙いたいUAEチームエミレーツがプロトンのペースを上げ、再び牽引をはじめたエヴェネプールがラフェをフラムルージュ(残り1km)捉えると、勝負は集団スプリントへとなだれ込んだ。
残り150mの最終コーナー直前で早駆けしたマルティネスが、最短距離のイン側のラインを取って先頭に立つ。その背後についたウリッシとアラフィリップが飛び出し横並びになるが、マルティネスは先頭を譲ることなくフィニッシュラインに先着した。
「残り200mで集団のスピードが落ちるコーナーがあると分かっていたので、その手前で飛び出したんだ。最後の登りで仕掛けようと思ったが、集団に人数が揃っていたので最後のスプリントのために脚を残していた。チームの強さを示すことができた。総合でアダムと僕は良い順位にいるので、このまま残りの難しいステージも頑張りたい」。今年2月に個人TT国内王者に輝き、ロードレースで移籍後初勝利を挙げたマルティネスはそう振り返る。またマルティネスはボーナスタイム-10秒を獲得したことで、総合でも3位にジャンプアップしている。
総合首位はスプリントに参加し、4位に入ったログリッチがキープ。翌日から本格化する山岳2連戦に向けて「脚の調子は良いので、有力選手たちの集団で戦うことができるだろう。このリーダージャージを守るために、可能な限りの手を尽くすつもりだ」と意気込みを語っている。
イツリア・バスクカントリー2022第4ステージ結果
1位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 4:15:23 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
3位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
5位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | オールイス・アウラール(ベネズエラ、カハルラル・セグロスRGA) | |
7位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
8位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) | |
9位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 14:05:10 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 0:05 |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:11 |
4位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:14 |
5位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:18 |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:19 |
7位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | |
8位 | ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) | 0:20 |
9位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 0:22 |
10位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) | 0:32 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) |
山岳賞 | クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、トタルエネルジー) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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