昨年9月に外腸骨動脈の手術を受けた與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)の復帰戦となったGPウーティンゲン(1.1)。圧巻のリードアウトからロレーナ・ウィーベス(オランダ)が集団スプリントを制した。



スタートを待つロレーナ・ウィーベス(オランダ)ら選手たちスタートを待つロレーナ・ウィーベス(オランダ)ら選手たち photo:CorVos
昨年初回大会が行われた第2回GPウーティンゲンが、3月9日にベルギー・ブリュッセルに程近いウーティンゲンで開催された。コースは平坦基調ながらも、石畳区間と距離0.5km/平均勾配6.5%の登りが設定された12kmの周回コースを9周するフランドル地方らしいワンデーレース。昨年9月に外腸骨動脈の手術を受けた與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)の復帰戦であり、移籍後初レースとなった。

序盤から逃げと吸収を繰り返す展開を経て、最終周回に入ると今年新設されたウノエックス・プロサイクリングチームが集団前方でペースを作る。最後の登坂区間で今度はプラントール・プラがスピードを上げると、20名程度による集団スプリントに持ち込まれた。

残り1kmのバナーを通過し、今年チームに新加入したシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)のリードアウトから22歳ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)がスプリントを開始する。それを追うマリアジュリア・コンファロニエーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング)やキアラ・コンソンニ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス)たちを寄せ付けることなく、ウィーベスがフィニッシュで余裕のガッツポーズを決めた。

他を圧倒するスピードで勝利したロレーナ・ウィーベス(オランダ)他を圧倒するスピードで勝利したロレーナ・ウィーベス(オランダ) photo:CorVos
今季初勝利を挙げたロレーナ・ウィーベス(オランダ)今季初勝利を挙げたロレーナ・ウィーベス(オランダ) photo:CorVos
「レースを終始コントロールすることができた。ファイファー(ジョルジ)がアタックを潰し、シャーロッテ(コール)によるリードアウトは初めてだったけど、上手く行って本当に良かった。チームで掴んだこの勝利を誇りに思うし、次のレースでも今日のような勝利が欲しい」と、チームに今季初勝利をもたらしたウィーベスは喜んだ。

また、與那嶺はトップから39秒遅れの59位でフィニッシュした。レース後「約6ヶ月ぶりのレースでしたが、レース勘や位置取りは鈍っておらずホッとしました。約2カ月間のスペイン合宿ではベーストレーニングのみ行ってきたので、これからレースごとに高い負荷を体に与えてコンディションを丁寧に上げていきます」とコメント。今後の予定については「レースカレンダーはアルデンヌ・クラシックへの出場が確定しているので、4月中旬から始まるそれらのレースで高いパフォーマンスを出すことを目標に準備を進めます」と答えている。

新しいチームでのジャージ姿で初レースとなった與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)新しいチームでのジャージ姿で初レースとなった與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス) photo:Eri Yonamine
GPウーティンゲン2022結果
1位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) 3:30:19
2位 マリアジュリア・コンファロニエーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
3位 キアラ・コンソンニ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス)
4位 ルーシー・ジュニエ(フランス、アルケア・プロサイクリングチーム)
5位 アリアナ・フィダンツァ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
59位 與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス) 0:39
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos