ワロン地方の石畳クラシックレース「ル・サミン」が開催。積極的にレースを作ったマッテオ・トレンティン(イタリアUAEチームエミレーツ)が小集団スプリントを制している。
ワロンのスター選手、フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
クールネを制したばかりのファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
ベルギー南部のワロン地方を舞台に、石畳クラシックシーズンの序盤平日に開催されるレースがル・サミン(UCI1.1)。1969年に落車事故で急逝した第一回覇者ジョゼ・サミンの名を冠したワンデーレースであり、クールネ〜ブリュッセル〜クールネの2日後に開催されることが通例だ。
フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)を輩出したワロン地方のロードレース開幕戦であり、荒れた石畳が多いためパリ〜ルーベとフランドルクラシックの「あいのこ」も言えるこのレース。中盤からは石畳セクター「ベル・ヴュ」や、石畳+急坂「コート・ド・ラ・ロケット(登坂距離550m/平均勾配2%)」など石畳と登坂区間が矢継ぎ早に5ヶ所登場する周回コースを3周回する。
毎年雨、低温、石畳、強風という要素が複雑に絡む「ミニ・パリ〜ルーベ」には12のUCIワールドチームが参加し、クールネを制したばかりのファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)や昨年覇者ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)、マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)といった強豪勢が集結。この日はベルギー勢を中心とした6名が逃げ、強豪チーム率いるメイン集団が追いかける形で距離を消化した。
逃げグループ先頭でハイペースを保つヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
石畳でペースを上げるマッテオ・トレンティン(イタリアUAEチームエミレーツ) photo:CorVos
残り100kmを切り、ウノエックス・プロサイクリングがペースを上げるメイン集団は集団落車などを起こしつつも逃げグループとの差を縮め、残り50km地点から各チームのサブエース級選手たちが動き始める。連続する石畳や登坂区間でペースアップが図られ、やがてトレンティンやメルリール、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)、ロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)を含む20名弱が飛び出した。
先頭グループはオンループで2回のパンクと落車を喫しながら5位入賞したカンペナールツの積極的な牽引によってメイン集団を引き離し、一時緩んだ際もトレンティンが流れを作り続ける。牽制によるグループ分割でメルリールたちが遅れてもなお、トレンティンやカンペナールツ、ヴリーヘンといった強力8名が逃げを継続。優勝争いは、最終的に45秒以上の差を稼ぎ出した先頭グループに委ねられた。
ウノエックスのアシストがほぼ一人で牽くメイン集団を尻目に、先頭8名はタイムリードをたっぷりと使いながら牽制し、バリケードが用意されたホームストレートに到達。全員による厳しい監視を振り払ってスプリントし、2020年覇者ユーゴ・オフステテール(フランス、アルケア・サムシック)の猛追を抑え込んだトレンティンが先着した。
8名によるスプリントを制したマッテオ・トレンティン(イタリアUAEチームエミレーツ) photo:CorVos
ル・サミン2022表彰台 photo:CorVos
「スタートからフィニッシュまでエクストリームに厳しくハードな良いレースだった。良いスプリンターが揃っているのでチームとして集団ゴールには持ち込みたくなかった。今日はついて行くだけではなく、自らレースを作ったことがいい結果に繋がった」と、オンループで7位、クールネでは9位と、ロンド・ファン・フラーンデレンやミラノ〜サンレモに向けて調子を上げる中で結果を出したトレンティンは話している。
女子レースの集団スプリントを制したエマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) photo:CorVos
女子表彰台:2位コンソンニ、1位ノルスゴー、3位グアッツィーニ photo:CorVos
また、男子レースに先駆けて行われた女子レースは、消耗戦の末に行われた25名弱のスプリントでエマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)が勝利。モビスターが通算勝利数を1001に伸ばしている。


ベルギー南部のワロン地方を舞台に、石畳クラシックシーズンの序盤平日に開催されるレースがル・サミン(UCI1.1)。1969年に落車事故で急逝した第一回覇者ジョゼ・サミンの名を冠したワンデーレースであり、クールネ〜ブリュッセル〜クールネの2日後に開催されることが通例だ。
フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)を輩出したワロン地方のロードレース開幕戦であり、荒れた石畳が多いためパリ〜ルーベとフランドルクラシックの「あいのこ」も言えるこのレース。中盤からは石畳セクター「ベル・ヴュ」や、石畳+急坂「コート・ド・ラ・ロケット(登坂距離550m/平均勾配2%)」など石畳と登坂区間が矢継ぎ早に5ヶ所登場する周回コースを3周回する。
毎年雨、低温、石畳、強風という要素が複雑に絡む「ミニ・パリ〜ルーベ」には12のUCIワールドチームが参加し、クールネを制したばかりのファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)や昨年覇者ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)、マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)といった強豪勢が集結。この日はベルギー勢を中心とした6名が逃げ、強豪チーム率いるメイン集団が追いかける形で距離を消化した。


残り100kmを切り、ウノエックス・プロサイクリングがペースを上げるメイン集団は集団落車などを起こしつつも逃げグループとの差を縮め、残り50km地点から各チームのサブエース級選手たちが動き始める。連続する石畳や登坂区間でペースアップが図られ、やがてトレンティンやメルリール、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)、ロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)を含む20名弱が飛び出した。
先頭グループはオンループで2回のパンクと落車を喫しながら5位入賞したカンペナールツの積極的な牽引によってメイン集団を引き離し、一時緩んだ際もトレンティンが流れを作り続ける。牽制によるグループ分割でメルリールたちが遅れてもなお、トレンティンやカンペナールツ、ヴリーヘンといった強力8名が逃げを継続。優勝争いは、最終的に45秒以上の差を稼ぎ出した先頭グループに委ねられた。
ウノエックスのアシストがほぼ一人で牽くメイン集団を尻目に、先頭8名はタイムリードをたっぷりと使いながら牽制し、バリケードが用意されたホームストレートに到達。全員による厳しい監視を振り払ってスプリントし、2020年覇者ユーゴ・オフステテール(フランス、アルケア・サムシック)の猛追を抑え込んだトレンティンが先着した。


「スタートからフィニッシュまでエクストリームに厳しくハードな良いレースだった。良いスプリンターが揃っているのでチームとして集団ゴールには持ち込みたくなかった。今日はついて行くだけではなく、自らレースを作ったことがいい結果に繋がった」と、オンループで7位、クールネでは9位と、ロンド・ファン・フラーンデレンやミラノ〜サンレモに向けて調子を上げる中で結果を出したトレンティンは話している。


また、男子レースに先駆けて行われた女子レースは、消耗戦の末に行われた25名弱のスプリントでエマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)が勝利。モビスターが通算勝利数を1001に伸ばしている。
ル・サミン2022結果
1位 | マッテオ・トレンティン(イタリアUAEチームエミレーツ) | 4:49:29 |
2位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、アルケア・サムシック) | |
3位 | ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
4位 | スタン・デウルフ(ベルギー、AG2Rシトロエン) | |
5位 | ロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
6位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) | |
7位 | ドリス・ファンゲステル(ベルギー、トタルエネルジー) | |
8位 | ベルト・ファンレルベルフ(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
9位 | ラスムス・ティレル(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング) | +0:04 |
10位 | アルノー・デリー(ベルギー、ロット・スーダル) |
ル・サミン2022女子結果
1位 | エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) | 2:36:17 |
2位 | キアラ・コンソンニ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス) | |
3位 | ヴィットリア・グアッツィーニ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | |
4位 | スザンヌ・アンデルセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング) | |
5位 | クララ・コッポニ(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | |
6位 | マリョレイン・ファントフルーフ(オランダ、ルコル・ワフー) | |
7位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
8位 | アリス・バーンズ(イギリス、キャニオン・スラム) | |
9位 | シャリ・ボサイト(ベルギー、キャニオン・スラム) | |
10位 | ラウラ・トマージ(イタリア、UAEチームADQ) |
text:So Isobe
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