ポルトガルを舞台に2月16〜20日の5日間で行われるヴォルタ・アン・アルガルヴェが開幕。初日の集団スプリントで圧巻のリードアウトから発進したファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)が勝利を掴んだ。
リゾート地でもあるポルティマンを出発する第1ステージ photo:CorVos
ポルトガル本土の最南端、アルガルヴェ地方を舞台とする第48回ヴォルタ・アン・アルガルヴェ(2.Pro)が2月16日に開幕した。今年も例年通り、平坦と山頂フィニッシュのコースが2つずつ、そして個人タイムトライアルが1とバランスの良いステージ構成だ。温暖かつ雨が少ない地域として知られるこの地に、クラシックやグランツールを狙うビッグネームたちを擁する12のワールドチームが集結した。
2022年大会の出場メンバーにはヤコブセンやブライアン・コカール(フランス、コフィディス)、ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)など有力スプリンターに加え、過去に2度総合優勝しているゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)や2020年大会覇者レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)らも含まれている。
第1ステージはセーリングの街として知られるポルティマンからラゴスまで199kmを進む平坦コース。レース中盤に登場した3級山岳はフレッシュなスプリンターを苦しめるに至らず、大方の予想通り勝負は集団スプリントに持ち込まれた。
残り35kmまで逃げた4名による集団 photo:CorVos
温暖な気候のアルガルヴェ地方を行くプロトン photo:CorVos
残り38km地点を過ぎ、横風の吹く地帯に入ったプロトンでは集団前方に出たい選手たちによる位置取り争いが激化する。それにより集団中央で落車が発生し、この日の優勝候補の1人でもあったフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が頭を打ちつけ、脳震盪の可能性がある選手をリタイアさせるプロトコルに従い棄権した。
落車直後に逃げを吸収したプロトンは、緊張感を保ちながら距離を消化していく。残り13km地点から再度登場した横風区間でアルペシン・フェニックスが速度を上げると、エシュロン(横風分断)ではなく再び大規模の落車が発生。その結果、先頭集団は落車の影響を受けなかったスプリンターチームと総合エースを擁するチームによる40名程度飲みに絞り込まれた。
横風が追い風に変わり、残り2km地点からはエヴェネプールがイックステップトレインを牽引する。先頭がベルト・ファンレルベルフ(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)にスイッチした盤石のリードアウトから、ラスト150mでヤコブセンがスプリントを開始。そのスリップストリームから飛び出したコカールや、行き場を無くしたアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)を並ばせることなく、ヤコブセンが圧巻の勝利を挙げた。
スプリンターを擁するアルペシン・フェニックスが集団の速度を引き上げる photo:CorVos
集団スプリントはファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)が制す photo:CorVos
「完璧な日になった。この勝利は素晴らしい仕事をしてくれた彼らのものでもある。僕は勝利に向かってラスト200mを踏み切るだけだった。リーダージャージも獲得し、沢山の観客が見守るなか掴んだ勝利は特別だよ」。今シーズン6戦3勝とここまで高い勝率を見せるヤコブセンは語った。
ここまでシーズン2勝とこちらも好調なコカールが2位、3位にはクリストフが入った。総合優勝も狙うエヴェネプールはリードアウトを担いながらも7位でフィニッシュ。また1月30日にシクロクロス世界選手権を制したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)もロードの開幕レースを同タイムの13位で終えている。
また、2番手でフィニッシュしたジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)はクリストフへの幅寄せによって先頭グループ内の最下位に降格処分を受けた。フェンスに寄せられたクリストフは肩を観客と接触させながら落車せず、怪我もなかったと言う。
今季3勝目をアピールするファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos

ポルトガル本土の最南端、アルガルヴェ地方を舞台とする第48回ヴォルタ・アン・アルガルヴェ(2.Pro)が2月16日に開幕した。今年も例年通り、平坦と山頂フィニッシュのコースが2つずつ、そして個人タイムトライアルが1とバランスの良いステージ構成だ。温暖かつ雨が少ない地域として知られるこの地に、クラシックやグランツールを狙うビッグネームたちを擁する12のワールドチームが集結した。
2022年大会の出場メンバーにはヤコブセンやブライアン・コカール(フランス、コフィディス)、ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)など有力スプリンターに加え、過去に2度総合優勝しているゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)や2020年大会覇者レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)らも含まれている。
第1ステージはセーリングの街として知られるポルティマンからラゴスまで199kmを進む平坦コース。レース中盤に登場した3級山岳はフレッシュなスプリンターを苦しめるに至らず、大方の予想通り勝負は集団スプリントに持ち込まれた。


残り38km地点を過ぎ、横風の吹く地帯に入ったプロトンでは集団前方に出たい選手たちによる位置取り争いが激化する。それにより集団中央で落車が発生し、この日の優勝候補の1人でもあったフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が頭を打ちつけ、脳震盪の可能性がある選手をリタイアさせるプロトコルに従い棄権した。
落車直後に逃げを吸収したプロトンは、緊張感を保ちながら距離を消化していく。残り13km地点から再度登場した横風区間でアルペシン・フェニックスが速度を上げると、エシュロン(横風分断)ではなく再び大規模の落車が発生。その結果、先頭集団は落車の影響を受けなかったスプリンターチームと総合エースを擁するチームによる40名程度飲みに絞り込まれた。
横風が追い風に変わり、残り2km地点からはエヴェネプールがイックステップトレインを牽引する。先頭がベルト・ファンレルベルフ(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)にスイッチした盤石のリードアウトから、ラスト150mでヤコブセンがスプリントを開始。そのスリップストリームから飛び出したコカールや、行き場を無くしたアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)を並ばせることなく、ヤコブセンが圧巻の勝利を挙げた。


「完璧な日になった。この勝利は素晴らしい仕事をしてくれた彼らのものでもある。僕は勝利に向かってラスト200mを踏み切るだけだった。リーダージャージも獲得し、沢山の観客が見守るなか掴んだ勝利は特別だよ」。今シーズン6戦3勝とここまで高い勝率を見せるヤコブセンは語った。
ここまでシーズン2勝とこちらも好調なコカールが2位、3位にはクリストフが入った。総合優勝も狙うエヴェネプールはリードアウトを担いながらも7位でフィニッシュ。また1月30日にシクロクロス世界選手権を制したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)もロードの開幕レースを同タイムの13位で終えている。
また、2番手でフィニッシュしたジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)はクリストフへの幅寄せによって先頭グループ内の最下位に降格処分を受けた。フェンスに寄せられたクリストフは肩を観客と接触させながら落車せず、怪我もなかったと言う。

ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2022第1ステージ結果
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル) | 4:56:29 |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | |
3位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
4位 | ミケーレ・ガッツォーリ(イタリア、アスタナカザフスタン) | |
5位 | ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ベルト・ファンレルベルフ(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
7位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
8位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) |
個人総合成績
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル) | 4:56:29 |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | |
3位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
4位 | ミケーレ・ガッツォーリ(イタリア、アスタナカザフスタン) | |
5位 | ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ベルト・ファンレルベルフ(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
7位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
8位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) |
その他特別賞
ポイント賞 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル) |
山岳賞 | ジョアン・マティアス(タブフィール・モルターグア・オヴォス・マティナドス) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
チーム総合成績 | クイックステップ・アルファヴィニル |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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