強豪選手が多数参加した豪ロードナショナル選手権で、イネオス・グレナディアーズに新加入したルーク・プラップが勝利。個人TTのU23世界選手権で2位に入った21歳がその才能を証明している。



レースを活性化させるクリス・ハーパー(ユンボ・ヴィズマ)レースを活性化させるクリス・ハーパー(ユンボ・ヴィズマ) photo:AusCycling
1月12日に開催された個人タイムトライアル選手権から3日を挟み、真夏を迎えているオーストラリアで1月16日(日)にロードレースの国内選手権が開催。バイクエクスチェンジ・ジェイコが屈強なメンバーを揃えてレースを掌握するのが通例だが、今年は3名(ダーブリッジ、スコットソン、マイヤー)しか送り込まなかったため、他選手/チームにチャンスのあるオープンなレースとなった。

TT選手権で勝利したローハン・デニス(ユンボ・ヴィスマ)やクリス・ハミルトン(チームDSM)、チーム右京相模原のベンジャミン・ダイボールとネイサン・アールも参戦した185.6kmのレースは、中盤から有力選手たちが小集団を作っては抜け出す展開に。その中から飛び出し、独走に持ち込んだのは2022年のワールドツアー契約が取れず、起死回生の結果を求めて臨んだジェームズ・ウィーラン(ブリッジレーン/昨年までEFエデュケーションNIPPO)だった。

「フィニッシュまで距離を残していたけれど、全力で踏み込んだ。感傷的ではなくモチベーションに溢れていた」と言うウィーランだったが、活性化する追走グループからはイネオス・グレナディアーズに新加入したばかりのルーク・プラップが抜け出し、ひとりでウィーランとの差を埋め、パス。昨年のオーストラリアTT選手権で勝利し、個人TT世界選手権U23で銀メダルを射止めた独走力でフィニッシュラインまで逃げ切った。

追走グループから飛び出してウィーランを抜き、フィニッシュを目指すルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)追走グループから飛び出してウィーランを抜き、フィニッシュを目指すルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ) photo:AusCycling
オーストラリア選手権男子エリート表彰台オーストラリア選手権男子エリート表彰台 photo:AusCycling
新型コロナウイルスの濃厚接触者となり、隔離によって目標としていたTT選手権に不参加となったプラップは、最良の形で悔しさを晴らす形に。「TTを走れなかったのは残念だけど、これ以上ない結果を得ることができた。長いこと夢見ていたことを成し遂げたし、とても楽しむことができた」と、チャンピオンジャージに袖を通したプラップは言う。昨年のダウンアンダー代替レースとして開催されたサントスフェスティバルで、区間1勝+総合2位に入った勢いそのままにイネオス入りした21歳が、その才能を遺憾無く発揮してみせた。

「まだワールドツアー復帰を夢見ている。この結果が交渉の役に立ってくれるはず」と言うウィーランが2位に入り、バイクエクスチェンジ勢はダーブリッジの7位が最高順位。追走グループ内で展開したダイボールが10位に入っている。

女子エリートレースを制したニコール・フライン(ロックスソルト・リブ)女子エリートレースを制したニコール・フライン(ロックスソルト・リブ) photo:AusCycling
オーストラリア選手権女子エリート表彰台オーストラリア選手権女子エリート表彰台 photo:AusCycling
オーストラリア選手権男子エリート結果(185.6km)
1位 ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ) 4:52:04
2位 ジェームズ・ウィーラン(ブリッジレーン) +0:45
3位 ブレンダン・ジョンストン +1:50
10位 ベンジャミン・ダイボール(チーム右京相模原) +3:19
DNF ネイサン・アール(チーム右京相模原)
オーストラリア選手権女子エリート結果(104.4km)
1位 ニコール・フライン(ロックスソルト・リブ) 3:00:44
2位 グレース・ブラウン(FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) +0:04
3位 アリッサ・ポライツ +0:04
text:Sotaro.Arakawa

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