1月12日にオーストラリア国内選手権個人タイムトライアルが開催され、男子はローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)が2位に1分差以上つける圧勝で4度目の優勝。女子はグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)がナショナル王者ジャージに袖を通した。



新チームキットの初披露となったローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)新チームキットの初披露となったローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
ロードシーズンの開幕に先立ち、1月12日にオーストラリア南東に位置するバララットで開幕したオーストラリアナショナル選手権。エリート男子はオーストラリア連邦大学内を2周する総距離37.5kmで争われ、20名と少数ながらハイレベルな戦いが繰り広げられた。

今年イネオス・グレナディアーズに加入した前回王者ルーク・プラップがコロナウイルス感染者と濃厚接触したため王者不在となった今大会。新しくユンボ・ヴィスマのジャージを着るデニスが、2位のルーク・ダーブリッジ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)に1分13秒をつける45分34秒(平均時速49.378km)で優勝した。

2018年以来4度目の国内王者に輝いたデニスは「世界選手権を制した2019年に(国内選手権の)優勝を逃したことからもわかるように、ここでの勝利は簡単じゃない。どれだけコンディションを整えられるかが勝負を分け、皆が1月にピーク持ってくるためオーストラリアで最も難しいレースの1つなんだ」とコメント。「(落車なく)無傷で走り切れただけで嬉しいよ。(コロナ禍で)家族に会えなかった2年間は長く、寂しさを感じていた。いまはヨーロッパが拠点であるとはいえ、僕にとってオーストラリアはとても大事な場所なんだ」と、昨年は出場さえ叶わなかったレースでの勝利を喜んだ。

またチーム右京相模原に所属するベンジャミン・ダイボールは3分44秒遅れの8位に入っている。

2位に1分以上の差をつけ勝利したローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)2位に1分以上の差をつけ勝利したローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
2018年大会以来、4年振りに国内個人TTを制したローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)2018年大会以来、4年振りに国内個人TTを制したローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) (c)AusCycling
女子エリートでも前回王者サラ・ジガンテ(モビスターチーム・ウィメン)が体調不良で欠場するなか、28.6kmのコースを制したのは東京五輪個人TT4位のグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)だった。

序盤からハイスピードでマージンを得たブラウンは後半は風の影響で速度が落ちるもののリードを守り、41分28秒(平均時速41.37km)で2019年以来2度目となる勝利。「どうしてもこのチャンピオンジャージをFDJに届けたかった。多くが私の勝利を期待するなか、その期待に応えられて嬉しい。優勝できたのはチームの手厚いサポートのおかげだし、何よりもシーズン最初の勝利をプレゼントしたかった」と、ブラウンはインタビューで喜びを語った。

エリート女子で優勝したグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)エリート女子で優勝したグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) (c)FDJ Nouvelle-Aquitaine Futuroscope
数少ないプロ選手としての実力を発揮し優勝したグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)数少ないプロ選手としての実力を発揮し優勝したグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) (c)FDJ Nouvelle-Aquitaine Futuroscope
なお、男女エリートのロードレースは1月16日に行われる。
オーストラリア選手権男子エリート結果(37.5km)
1位 ローハン・デニス(ユンボ・ヴィスマ) 0:45:34
2位 ルーク・ダーブリッジ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 1:13
3位 コナー・リー匕 1:48
DNS ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)
オーストラリア選手権女子エリート結果(28.6km)
1位 グレース・ブラウン(FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) 0:41:29
2位 アンバー・ペイト 1:01
3位 リサ・ジェイコブス 1:12
text:Sotaro.Arakawa

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