スポンサー探しに難航するクベカ・ネクストハッシュに対し、UCI(国際自転車競技連合)が来季ワールドチームのライセンス継続を拒否した。これにより来季ワールドツアーへの参戦が事実上不可能となった。



今年のブエルタ・ア・エスパーニャでチースタッフとともに完走を喜ぶファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ)今年のブエルタ・ア・エスパーニャでチースタッフとともに完走を喜ぶファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ) photo:CorVos
UCIは12月9日、2022年シーズンの男女ワールドチームおよび男子プロチームのライセンス継続チームを発表。18チームが男子ワールドチームとして登録されたものの、UCIはいまだタイトルスポンサーの見つからないクベカ・ネクストハッシュのライセンス継続を拒否した。

この決定を受けクベカ・ネクストハッシュはSNSに「我々はこれからも自転車で人々の人生を変える活動を続けていきます。現時点においてこれ以上のコメントは控えさせていただきます」と投稿。プロチームでの活動の可能性などは残されているものの、ワールドチーム存続はほぼ不可能となってしまった。

今年6月にグローバル企業であるネクストハッシュとスポンサー契約を結んだ同チームだったが、給与の未払いなどその内実は芳しく無く、10月には所属選手に他チームとの移籍交渉を認める旨を通達した。その後もダグ・ライダーGMの元に吉報が届くことはなく、昨年同様の状況で救いの手を差し伸べたスイスのサイクリングアパレル「アソス」も、再びのタイトルスポンサー就任はないと語っている。

ツール・ド・フランスをマスクで盛り上げたカルロス・バルベロ(スペイン、クベカ・ネクストハッシュ)も来季の移籍先が未定だツール・ド・フランスをマスクで盛り上げたカルロス・バルベロ(スペイン、クベカ・ネクストハッシュ)も来季の移籍先が未定だ photo:Kei Tsuji
今季クベカ・ネクストハッシュに所属する選手は27名。そのうちファビオ・アルとマッテオ・ペルッキ(共にイタリア)が現役引退を発表し、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)がロット・スーダルへ、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)がイスラエル・スタートアップネイションに加入するなど、12人の選手が来季の移籍先を決めている。

その一方でセルヒオルイス・エナオ(コロンビア)やロブ・パワー(オーストラリア)など13人のチームはいまだ未定で、38歳のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)は「引退のリスクも承知の上で、あくまでもクベカに残るつもりでいる」とインタビューに答えている。

text:Sotaro.Arakawa

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