2021/10/31(日) - 15:39
CHAPTER2がローンチした新型ロードバイク"TOA"のデリバリーが開始された。そのタイミングでメディア向けプレゼンテーションと試乗会が開かれ、ブランド第5作目となるエアロ、快適性、スピードを追求したロードバイクが紹介された。
CHAPTER2 TOA
ニュージーランドのロードバイクブランド、CHAPTER2が夏に発表した新型モデルのTOA(トア)。かつてニールプライドのバイク部門を統括していたマイク・プライド氏が2017年に創業したブランドは、5作目となるロードバイクのデリバリーを開始している。
TOAはブランド第1弾のTERE、第2弾のREREに次ぐエアロダイナミクスに注力したマシンであり、第4弾のグラベルバイクAOのエッセンスを取り入れることで、どのような路面でも高いスピードを維持できるトラクション性能を獲得していることが特徴だ。
TEREのデビューより4年が経過した2021年にデビューした新作は、現在のトレンドを盛り込んだバイクへと進化を遂げている。まずはディスクブレーキ専用車となり、ハンドル周りのケーブルをすべて内装する仕様へと変更された。
新型のMANAハンドルバーによってケーブル類のフル内装を実現している
新型のMANAハンドルバーをチョイスすることができる
ステム一体型ハンドルバーの新型MANAもインテグレーテッド仕様となり、ハンドルの内部をケーブルが通り、ヘッドチューブからケーブル類がフレームへとインサートされる。コラムスペーサーは分割式とされているため、ハンドルバーの高さ調整なども行いやすくなっている。
フレームやフロントフォークもTEREのようなカムテールデザインで空力特性を確保しつつ、その形状をアップデート。その結果TEREと比較し、TOAはさらなるエアロダイナミクスを実現したという。
さらにヘッド周りはボトムブラケット周りと合わせてTEREと比較し剛性が強化されており、ライダーのダンシングでのパワーとペダリングパワーを受け止めるという。
フォークやダウンチューブはカムテールデザインとされている
シートステーはUCIルールが許す限り下方に設置された
また、カーボンを成形する際にラテックスのブラダーを使うこともポイントだ。この方式を採用することで余分なレジンを排除することができ、フレームを軽量化するとともに剛性強化に貢献している。
リアバック、シートステーはUCIルールが許す限りシートチューブとの接合部を下方に設定。これはリアトライアングルの衝撃吸収性とエアロダイナミクスを高めるデザインであり、特にグラベルバイクのAOのようなトラクション性を実現するキーポイントだ。TOAはヘッドとボトムブラケット周りは硬く、リアバックをフレキシブルに作り上げた1台となっている。
タイヤクリアランスは最大で32C。タイヤの選択次第で軽快なレースバイクとして、長距離を快適に走るグランフォンドバイクとしてキャラクターを変えることができるだろう。
クリアランスは最大32mmまでとされているため、グラベルなども対応できるだろう
ボトムブラケットはT47というスレッド規格が採用されている
ボトムブラケットはT47というスレッド式が採用された。アルミスリーブを挿入することによりプレスフィット方式に比べて少しの重量増はあるが、大口径化によるBB周辺の剛性向上によるたわみの減少、クランクのメーカーや種類を選ばない汎用性と高いメンテナンス性を兼ね備え、設計上ワイドリム&タイヤのホイールへの対応にも優れるといったメリットがある方式だ。
マイク・プライド氏曰く「(TOAは)私にぴったりな自転車」。常に自分が求める自転車をデザインするプライド氏らしいコンセプトであり、彼の走るエリアを想像することが自転車のキャラクターを理解することの役に立つはずだ。プライド氏は荒れた路面のニュージーランドを拠点としており、そこでスピードを重視して走るならば、エアロダイナミクスと快適性の両立を果たす必要があったのだ。
D型断面のシートポストによって快適性を確保した
日本のマーケットを担当するマイケル・ライス氏は「自動車が沢山通らない峠道は路面が荒れてることがあると思います。そういう所を走るならばTOAはベストチョイス。ハイスピードで走りたい方はTOAがあっているでしょう」という。
そんなTOAをメディアプレゼンテーションと同時に開催された試乗会で試す機会を得た。CW編集部の藤原のプチインプレッションをお届けしよう。
荒れた路面でもバイクが跳ねず、ロス無く進んでくれる
軽量バイクでも、ピュアなエアロロードでもない立ち位置のTOA。ブランドのカテゴライズではレーシングとして振り分けられ、走行性能にフォーカスされて開発されたことが窺える1台だ。ただ同時にタイヤクリアランスを考えると舗装路だけを走るピュアなロードレーサーとも異なり、対応できる路面は幅広いオールロード的でもある。
メディアプレゼンテーションの会場となったジプシーカフェの近くにある緩斜面の登り下り、ドーナッツ路面の登り下り、グラベルの登り下りで自転車を試してみた。
ボトルケージ用のボルトは3つ備えられており、位置調整することが可能
TOAの第一印象はスタビリティが高く、バイクの挙動が自然なマシンだった。ボトムブラケット部からヘッド部は剛性の高さを感じるものの、一枚岩のような一つの構造体としての硬さではなく、それぞれのパーツが硬いという印象。
ボトムブラケット部は若干のしなりがありながら、ヘッド部分の高い剛性がパワーを受け止めるよう。世界最高峰のレースで活躍する自転車はホビーライダーでは踏み切れないと感じることがあるが、TOAの場合は硬さを感じるのものの、扱いきれないということはない。
若干ベンドしたフロントフォークとされている
TOAが得意とするのはハイケイデンスで軽快なペダリングではなく、ある程度トルクをかけるペダリングだ。トルクを掛けたペダリングではどこまでもスピードが伸びていくような印象があり、そこからダンシングでのスプリントでもフレームがパワーをスポイルすること無くスピードへ変換してくれる。
そして大きな特徴としては、グラベルの登りでシッティングのまま荒くペダリングをしてもトラクションが抜けにくい点。リアバックの快適性がトラクション性能にもなってくれるため、ひび割れた路面のヒルクライムなどでバイクが跳ねて進まないということはなさそう。
シートステーはボックス形状とされている
舗装路の下りではハンドル周りの剛性が効き、ハイスピードでコーナーに侵入する状況やハードなブレーキングを行うシチュエーションでも不安感は一切ない。非常に安定感が高く、下りでもハイスピードをキープしたままサイクリングを楽しめるだろう。
マイク・プライド氏の言うニュージーランドの荒れた路面をハイスピードで駆け抜けるというコンセプトは実現されていると感じる。路面状況に関わらず突き進みたいサイクリストにはぴったりの1台だ。
CHAPTER2 TOA
フレームサイズ:XS, S, M, L & XL
フレーム重量:1105g Size M
フォーク重量:425g
シートポスト重量:135g
MANAハンドルセット重量:395g (100-420mm)
スルーアクスル:FR 12x100mm, RR 12x142mm(E-Thru M12x1.5mm)
価格:309,000~340,000円
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ニュージーランドのロードバイクブランド、CHAPTER2が夏に発表した新型モデルのTOA(トア)。かつてニールプライドのバイク部門を統括していたマイク・プライド氏が2017年に創業したブランドは、5作目となるロードバイクのデリバリーを開始している。
TOAはブランド第1弾のTERE、第2弾のREREに次ぐエアロダイナミクスに注力したマシンであり、第4弾のグラベルバイクAOのエッセンスを取り入れることで、どのような路面でも高いスピードを維持できるトラクション性能を獲得していることが特徴だ。
TEREのデビューより4年が経過した2021年にデビューした新作は、現在のトレンドを盛り込んだバイクへと進化を遂げている。まずはディスクブレーキ専用車となり、ハンドル周りのケーブルをすべて内装する仕様へと変更された。
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ステム一体型ハンドルバーの新型MANAもインテグレーテッド仕様となり、ハンドルの内部をケーブルが通り、ヘッドチューブからケーブル類がフレームへとインサートされる。コラムスペーサーは分割式とされているため、ハンドルバーの高さ調整なども行いやすくなっている。
フレームやフロントフォークもTEREのようなカムテールデザインで空力特性を確保しつつ、その形状をアップデート。その結果TEREと比較し、TOAはさらなるエアロダイナミクスを実現したという。
さらにヘッド周りはボトムブラケット周りと合わせてTEREと比較し剛性が強化されており、ライダーのダンシングでのパワーとペダリングパワーを受け止めるという。
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また、カーボンを成形する際にラテックスのブラダーを使うこともポイントだ。この方式を採用することで余分なレジンを排除することができ、フレームを軽量化するとともに剛性強化に貢献している。
リアバック、シートステーはUCIルールが許す限りシートチューブとの接合部を下方に設定。これはリアトライアングルの衝撃吸収性とエアロダイナミクスを高めるデザインであり、特にグラベルバイクのAOのようなトラクション性を実現するキーポイントだ。TOAはヘッドとボトムブラケット周りは硬く、リアバックをフレキシブルに作り上げた1台となっている。
タイヤクリアランスは最大で32C。タイヤの選択次第で軽快なレースバイクとして、長距離を快適に走るグランフォンドバイクとしてキャラクターを変えることができるだろう。
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マイク・プライド氏曰く「(TOAは)私にぴったりな自転車」。常に自分が求める自転車をデザインするプライド氏らしいコンセプトであり、彼の走るエリアを想像することが自転車のキャラクターを理解することの役に立つはずだ。プライド氏は荒れた路面のニュージーランドを拠点としており、そこでスピードを重視して走るならば、エアロダイナミクスと快適性の両立を果たす必要があったのだ。
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そんなTOAをメディアプレゼンテーションと同時に開催された試乗会で試す機会を得た。CW編集部の藤原のプチインプレッションをお届けしよう。
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軽量バイクでも、ピュアなエアロロードでもない立ち位置のTOA。ブランドのカテゴライズではレーシングとして振り分けられ、走行性能にフォーカスされて開発されたことが窺える1台だ。ただ同時にタイヤクリアランスを考えると舗装路だけを走るピュアなロードレーサーとも異なり、対応できる路面は幅広いオールロード的でもある。
メディアプレゼンテーションの会場となったジプシーカフェの近くにある緩斜面の登り下り、ドーナッツ路面の登り下り、グラベルの登り下りで自転車を試してみた。
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ボトムブラケット部は若干のしなりがありながら、ヘッド部分の高い剛性がパワーを受け止めるよう。世界最高峰のレースで活躍する自転車はホビーライダーでは踏み切れないと感じることがあるが、TOAの場合は硬さを感じるのものの、扱いきれないということはない。
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TOAが得意とするのはハイケイデンスで軽快なペダリングではなく、ある程度トルクをかけるペダリングだ。トルクを掛けたペダリングではどこまでもスピードが伸びていくような印象があり、そこからダンシングでのスプリントでもフレームがパワーをスポイルすること無くスピードへ変換してくれる。
そして大きな特徴としては、グラベルの登りでシッティングのまま荒くペダリングをしてもトラクションが抜けにくい点。リアバックの快適性がトラクション性能にもなってくれるため、ひび割れた路面のヒルクライムなどでバイクが跳ねて進まないということはなさそう。
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舗装路の下りではハンドル周りの剛性が効き、ハイスピードでコーナーに侵入する状況やハードなブレーキングを行うシチュエーションでも不安感は一切ない。非常に安定感が高く、下りでもハイスピードをキープしたままサイクリングを楽しめるだろう。
マイク・プライド氏の言うニュージーランドの荒れた路面をハイスピードで駆け抜けるというコンセプトは実現されていると感じる。路面状況に関わらず突き進みたいサイクリストにはぴったりの1台だ。
CHAPTER2 TOA
フレームサイズ:XS, S, M, L & XL
フレーム重量:1105g Size M
フォーク重量:425g
シートポスト重量:135g
MANAハンドルセット重量:395g (100-420mm)
スルーアクスル:FR 12x100mm, RR 12x142mm(E-Thru M12x1.5mm)
価格:309,000~340,000円
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