1時間の登りが好きなジャーナリストの小俣雄風太と、40秒間の間高出力が好きなフォトグラファーの辻啓。タイプの違う2人のライダーが、キャニオンのUltimate CFR カンパニョーロエディションに乗って飛騨の山中ライドを楽しんだ。写真を撮りながら走った一日を終えて、この日本専売バイクの立ち位置について語り合った。

キャニオンが誇る軽量モデル、Ultimate(アルティメット)。日本オリジナルの「カンパニョーロエディション」に乗り、バイクの魅力を確かめた photo:Kei Tsuji
現在、キャニオンがラインナップするロードモデルは、エアロレーサーのAeroad(エアロード)と軽量モデルのUltimate(アルティメイト)、そして長距離ライドのためのEndurace(エンデュレース)の3モデル。
ロード界の貴公子マチュー・ファンデルプール(オランダ)や、最強スプリンターのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)の活躍によって、「キャニオンといえばAeroad」という印象が強く根付いている。しかし、その前史である2010年のAeroadデビュー以前、そしてデビュー後もしばらくロード界の覇権を握っていたのは、むしろUltimateだった。フィリップ・ジルベールやカデル・エヴァンス、ナイロ・キンタナ、アレハンドロ・バルベルデの黄金期を支えたのもUltimateである。

2014年ジロ・デ・イタリアを制したナイロ・キンタナ photo:Kei Tsuji 
第2世代Ultimateで世界選手権を制したカデル・エヴァンス (c)Canyon

アレハンドロ・バルベルデのアルカンシエル獲得を支えたのもUltimateだった photo:Kei Tsuji
現在、Aeroadの台頭によってUltimateは「軽量クライミングバイク」と位置づけられている。しかし、その実力は純粋な山岳専用機にとどまらず、むしろ大多数のホビーレーサーにとって最適解であることを示している。
さらに今シーズンは、最上位グレードであるCFRフレームにカンパニョーロのホイールとシマノ105 Di2を組み合わせたジャパンオリジナルモデルがリリースされたタイミングでもある。本章では、そんなUltimateにフォーカスを当て、飛騨の山岳ライドを走った小俣雄風太と辻啓がその魅力に迫った。

飛騨の山岳コースで、小俣雄風太と辻啓がUltimate カンパニョーロエディションをテストした photo:Kei Tsuji
小俣:5月にこのバイクを借りて、岐阜の山岳地域をライドしました。飛騨の山深いエリアで、当然アップダウンが多いルートだったのだけど、いいロケーションでした。
辻:こういうライドができるロケーションでは、バイクの軽さが際立ちましたね。
小俣:乗ったバイクについて説明しておくと、キャニオンの「Ultimate」の最上位グレードである「CFR」のフレームに、カンパニョーロのホイールとシマノ105 Di2を組み込んだというジャパンオリジナルのアッセンブル。結構個性的な組み方ですが、そもそもこのフレームはカンパニョーロ組のリミテッドエディションとして特別なカラーを施されたもの。だから、カンパニョーロのホイールとのデザイン上のマッチングは当然よく、美しいです。
キャニオン Ultimate:孤高の山岳軽量モデル

現在、キャニオンがラインナップするロードモデルは、エアロレーサーのAeroad(エアロード)と軽量モデルのUltimate(アルティメイト)、そして長距離ライドのためのEndurace(エンデュレース)の3モデル。
ロード界の貴公子マチュー・ファンデルプール(オランダ)や、最強スプリンターのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)の活躍によって、「キャニオンといえばAeroad」という印象が強く根付いている。しかし、その前史である2010年のAeroadデビュー以前、そしてデビュー後もしばらくロード界の覇権を握っていたのは、むしろUltimateだった。フィリップ・ジルベールやカデル・エヴァンス、ナイロ・キンタナ、アレハンドロ・バルベルデの黄金期を支えたのもUltimateである。



現在、Aeroadの台頭によってUltimateは「軽量クライミングバイク」と位置づけられている。しかし、その実力は純粋な山岳専用機にとどまらず、むしろ大多数のホビーレーサーにとって最適解であることを示している。
さらに今シーズンは、最上位グレードであるCFRフレームにカンパニョーロのホイールとシマノ105 Di2を組み合わせたジャパンオリジナルモデルがリリースされたタイミングでもある。本章では、そんなUltimateにフォーカスを当て、飛騨の山岳ライドを走った小俣雄風太と辻啓がその魅力に迫った。
山岳ライドでUltimate カンパニョーロエディションをテスト

小俣:5月にこのバイクを借りて、岐阜の山岳地域をライドしました。飛騨の山深いエリアで、当然アップダウンが多いルートだったのだけど、いいロケーションでした。
辻:こういうライドができるロケーションでは、バイクの軽さが際立ちましたね。
小俣:乗ったバイクについて説明しておくと、キャニオンの「Ultimate」の最上位グレードである「CFR」のフレームに、カンパニョーロのホイールとシマノ105 Di2を組み込んだというジャパンオリジナルのアッセンブル。結構個性的な組み方ですが、そもそもこのフレームはカンパニョーロ組のリミテッドエディションとして特別なカラーを施されたもの。だから、カンパニョーロのホイールとのデザイン上のマッチングは当然よく、美しいです。
辻:アルミホイールでローハイトのゾンダと、カーボンホイールのシャマル・デュアルプロファイルを装着した2つのパッケージでの販売。それぞれ税込みで599,000円と789,000円。価格帯としては安くないけど、CFRにシャマルがついてこの値段はお買い得だと思う。
小俣:シャマル・デュアルプロファイルはスタイリングもいい。ザ・カンパニョーロというデザインだし、リムハイトが40〜45mmで重量が前後で1480gというオールラウンドホイールはとにかく使いやすいね。2025年発売のこの最新ホイールの価格が343,200円で、別に設定されるUltimateのフレームセット売りが399,900円だから、ほとんど他のパーツ代がかかっていないことになる……このあたりは極めてキャニオンぽい価格設定というか。
辻:どちらもタイヤはピレリのP ZERO Race RSだし、足回りの設定がいいよね。
それに、「ある程度自転車をわかっているユーザー」が手に入れることを踏まえれば、きちんとフレームセットが展開されていることも良いね。プロ選手も満足させるCFRグレードで、Mサイズ780gという軽さは一級品。それでいてしっかり剛性も担保されている。
日本オリジナル仕様として、STIレバーやブレーキが付属しない、キャニオンの本国サイトでは入手できないパッケージが選べるのも魅力的。ステム角度(-6°/-17°)や長さ(70〜140mm)を追加費用なしで選択できるからフィッティング自由度もかなり高いし、できるだけコストを抑えつつ、ハイエンドの性能を味わいたい人にとってはかなりいいパッケージだと思う。

タイヤはピレリのハイエンドモデル、P ZERO Race RSの30Cが付属する photo:Kei Tsuji
小俣:のっけからお金の話ばかりになってるけど、P ZERO Race RSもハイエンドタイヤで一本13,500円しますからね……。足回りは妥協できないというこだわりが感じられます。しかも太さが30Cというのがいい。好きです、30C。
辻:好きです。
小俣:どちらのホイールもリム内幅23mmなので、30Cタイヤとの相性もいい。コンポーネントも105のDi2ということで、電動・ディスク・太タイヤ・チューブレス……といわゆる2025年現在のロードバイクのトレンドはすべて取り込んだパッケージになっていると言えそうです。

トーク内容はUltimateのユーザー層に。山岳ライドで見えた本質的な魅力とは? photo:Kei Tsuji
小俣:乗ってみての感想はまたあとで話すとして、ここまでパッケージについて見てきたこのバイクを、誰におすすめできるか考えたいと思います。
辻:ロードバイク最初の1台を探している人、ではないよね。価格的にも。すでにロードバイクに乗っている人で、リムブレーキのバイクから買い替えを考えている人にオススメしたい。バイクが軽いので、リムブレーキのバイクからディスクに乗り換えても重量増のネガは感じにくいと思うし、太いタイヤを履いたロードバイクの気持ちよさも味わえると思う。
小俣:軽量なクライミングバイクという位置づけで語られるUltimate CFRですが、実はそのデビュー時にはグラベルの世界選手権でも使われて、しかも勝ったという歴史もあります。メーカーの推奨外の使い方だったので、あまり表立って謳っていないけど、それなりに太いタイヤも飲み込める懐の深さがある。メーカーとしては上限タイヤ幅32mmとしています。
辻:フレームが軽量だから、のちのちさらなる軽量バイクにカスタムもしていけるしね。走る場所としては、やっぱり登坂を含むコースに向いていると思う。今回走った飛騨エリアはどんぴしゃ。週末に山を走るのが好きな人だったり、短い時間でも登坂を含むコースをキビキビ走りたい人に向いているバイクじゃないかな。

登りの比重が高いライドにピッタリ。峠道に似合うバイクだ photo:Kei Tsuji 
「週末に山を走るのが好きな人だったり、短い時間でも登坂を含むコースをキビキビ走りたい人に向いている」 photo:Kei Tsuji

「山岳ライドでの軽さは、やっぱり正義」 photo:Kei Tsuji
小俣:キャニオンの現行ライナップ中、最軽量のフレームでもあるということで、やっぱり登りの比重が大きいライドで乗りたくなりますね。今年初めて富士ヒルクライムを走って、その人気ぶりに今更ながら驚かされたんですが、富士ヒルを目標にしているサイクリストにも向いていると思いました。タイムとしては1時間30分の壁を目指す層がハマる気がします。
辻:1時間15分のシルバー以上狙いになってくるとAeroadの方が恩恵があるだろうし、そもそもその層はもうバイクのセットアップも煮詰めているだろうしね。これから富士ヒルで頑張って年々タイムを縮めていきたい、なんて人の乗り換えバイクとしてこのUltimate CFRは確かに良さそう。
小俣:ヒルクライムレースを目標にしたら、当然普段のライドや練習も登りの比率が増えると思うんですが、そういうときに軽量なバイクに乗っている多幸感ってあるんですよ。僕も普段はいわゆる軽量バイクに乗っていて、エアロ性能は決して高くないんですが、住んでいる地域が山岳地帯ということもあり、毎回乗るたびに軽いバイクは正義……! と思わされてます。
辻:このパッケージのシャマル組で7kgフラットだから、パーツを変えていったら簡単に超軽量バイクになるね。フレームセットがMサイズで1100gを切るのか……軽いな。

プロ選手が好むAeroadと、どう違い、どう選び分けるのがいいのか。その点を分析した photo:Kei Tsuji
小俣:しかしキャニオンにはAeroadという看板バイクがありますね。今年のツールでは「クライミングバイク」が姿を消し、どのチームも、山岳ステージであってもエアロバイクを採用したことが話題になりました。キャニオンのバイクに乗っているアルペシン・ドゥクーニンクとモビスターも、今年のツールは全ステージでAeroadを使用していました。昨年まではちらほらとUltimateを選ぶ選手もいたんですが。
辻:そもそもツールを走るような選手の速度域では登りであってもエアロバイクの方がメリットがあるというのもあるし、ツールという高速レースでは、平坦だけでなく、下りでの空力のアドバンテージが大きい。純粋な登り性能だけではなく、総合的にみてエアロバイクが選ばれているという理由がある。
小俣:そうなるとエアロバイクでいいじゃないか、という気もしてきますね。最新型のAeroad、私も発表時にプレスキャンプで乗らせてもらいましたが、かなり良くて驚きました。ピュアレースバイクなのに、乗りやすい。そしてわかりやすく速い。速いんだけれど、もっと速く走らせるにはライダー側のアジャストが必要なのは間違いないところですが。

最大タイヤ幅は32mm。グラベル世界選手権で優勝した経歴も持つバイクだ photo:Kei Tsuji
辻:Aeroadはリムブレーキ時代のしなりを活かした剛性感が大好きでした。いいバイクですよね。Ultimateの方が踏んだときにしならず、キビキビと進むイメージ。Aeroadは新しくなるにつれて、きれいな円運動のペダリングに最適化されてきている印象がある。
小俣:先にAeroadでアジャストが必要と言ったのはまさにそこで。前乗りできれいにペダリングができているとスーーッとどこまでも進んでいくんですが、そのポジションを保持するのがなかなか大変で……、上半身の筋力が必要だなと痛感しました。一方でUltimateの方が、乱暴な言い方になるけれど雑なペダリングでも前に進ませてくれる印象。ニュートラルな優等生感がある。
辻:そう、尖っていないとも言えるけど、けなしどころもない(笑)
小俣:知り合いの元プロ選手はAeroadとUltimateを乗り比べてみて、Ultimateの方が好みと言っていました。だいぶ性格の違うバイクなので、できれば乗り比べしたいですね。キャニオンも試乗会を積極的にやっていますし。
小俣:シャマル・デュアルプロファイルはスタイリングもいい。ザ・カンパニョーロというデザインだし、リムハイトが40〜45mmで重量が前後で1480gというオールラウンドホイールはとにかく使いやすいね。2025年発売のこの最新ホイールの価格が343,200円で、別に設定されるUltimateのフレームセット売りが399,900円だから、ほとんど他のパーツ代がかかっていないことになる……このあたりは極めてキャニオンぽい価格設定というか。
辻:どちらもタイヤはピレリのP ZERO Race RSだし、足回りの設定がいいよね。
それに、「ある程度自転車をわかっているユーザー」が手に入れることを踏まえれば、きちんとフレームセットが展開されていることも良いね。プロ選手も満足させるCFRグレードで、Mサイズ780gという軽さは一級品。それでいてしっかり剛性も担保されている。
日本オリジナル仕様として、STIレバーやブレーキが付属しない、キャニオンの本国サイトでは入手できないパッケージが選べるのも魅力的。ステム角度(-6°/-17°)や長さ(70〜140mm)を追加費用なしで選択できるからフィッティング自由度もかなり高いし、できるだけコストを抑えつつ、ハイエンドの性能を味わいたい人にとってはかなりいいパッケージだと思う。

小俣:のっけからお金の話ばかりになってるけど、P ZERO Race RSもハイエンドタイヤで一本13,500円しますからね……。足回りは妥協できないというこだわりが感じられます。しかも太さが30Cというのがいい。好きです、30C。
辻:好きです。
小俣:どちらのホイールもリム内幅23mmなので、30Cタイヤとの相性もいい。コンポーネントも105のDi2ということで、電動・ディスク・太タイヤ・チューブレス……といわゆる2025年現在のロードバイクのトレンドはすべて取り込んだパッケージになっていると言えそうです。
Ultimateは誰のためのバイクなのか?

小俣:乗ってみての感想はまたあとで話すとして、ここまでパッケージについて見てきたこのバイクを、誰におすすめできるか考えたいと思います。
辻:ロードバイク最初の1台を探している人、ではないよね。価格的にも。すでにロードバイクに乗っている人で、リムブレーキのバイクから買い替えを考えている人にオススメしたい。バイクが軽いので、リムブレーキのバイクからディスクに乗り換えても重量増のネガは感じにくいと思うし、太いタイヤを履いたロードバイクの気持ちよさも味わえると思う。
小俣:軽量なクライミングバイクという位置づけで語られるUltimate CFRですが、実はそのデビュー時にはグラベルの世界選手権でも使われて、しかも勝ったという歴史もあります。メーカーの推奨外の使い方だったので、あまり表立って謳っていないけど、それなりに太いタイヤも飲み込める懐の深さがある。メーカーとしては上限タイヤ幅32mmとしています。
辻:フレームが軽量だから、のちのちさらなる軽量バイクにカスタムもしていけるしね。走る場所としては、やっぱり登坂を含むコースに向いていると思う。今回走った飛騨エリアはどんぴしゃ。週末に山を走るのが好きな人だったり、短い時間でも登坂を含むコースをキビキビ走りたい人に向いているバイクじゃないかな。



小俣:キャニオンの現行ライナップ中、最軽量のフレームでもあるということで、やっぱり登りの比重が大きいライドで乗りたくなりますね。今年初めて富士ヒルクライムを走って、その人気ぶりに今更ながら驚かされたんですが、富士ヒルを目標にしているサイクリストにも向いていると思いました。タイムとしては1時間30分の壁を目指す層がハマる気がします。
辻:1時間15分のシルバー以上狙いになってくるとAeroadの方が恩恵があるだろうし、そもそもその層はもうバイクのセットアップも煮詰めているだろうしね。これから富士ヒルで頑張って年々タイムを縮めていきたい、なんて人の乗り換えバイクとしてこのUltimate CFRは確かに良さそう。
小俣:ヒルクライムレースを目標にしたら、当然普段のライドや練習も登りの比率が増えると思うんですが、そういうときに軽量なバイクに乗っている多幸感ってあるんですよ。僕も普段はいわゆる軽量バイクに乗っていて、エアロ性能は決して高くないんですが、住んでいる地域が山岳地帯ということもあり、毎回乗るたびに軽いバイクは正義……! と思わされてます。
辻:このパッケージのシャマル組で7kgフラットだから、パーツを変えていったら簡単に超軽量バイクになるね。フレームセットがMサイズで1100gを切るのか……軽いな。
Aeroadとの競合問題

小俣:しかしキャニオンにはAeroadという看板バイクがありますね。今年のツールでは「クライミングバイク」が姿を消し、どのチームも、山岳ステージであってもエアロバイクを採用したことが話題になりました。キャニオンのバイクに乗っているアルペシン・ドゥクーニンクとモビスターも、今年のツールは全ステージでAeroadを使用していました。昨年まではちらほらとUltimateを選ぶ選手もいたんですが。
辻:そもそもツールを走るような選手の速度域では登りであってもエアロバイクの方がメリットがあるというのもあるし、ツールという高速レースでは、平坦だけでなく、下りでの空力のアドバンテージが大きい。純粋な登り性能だけではなく、総合的にみてエアロバイクが選ばれているという理由がある。
小俣:そうなるとエアロバイクでいいじゃないか、という気もしてきますね。最新型のAeroad、私も発表時にプレスキャンプで乗らせてもらいましたが、かなり良くて驚きました。ピュアレースバイクなのに、乗りやすい。そしてわかりやすく速い。速いんだけれど、もっと速く走らせるにはライダー側のアジャストが必要なのは間違いないところですが。

辻:Aeroadはリムブレーキ時代のしなりを活かした剛性感が大好きでした。いいバイクですよね。Ultimateの方が踏んだときにしならず、キビキビと進むイメージ。Aeroadは新しくなるにつれて、きれいな円運動のペダリングに最適化されてきている印象がある。
小俣:先にAeroadでアジャストが必要と言ったのはまさにそこで。前乗りできれいにペダリングができているとスーーッとどこまでも進んでいくんですが、そのポジションを保持するのがなかなか大変で……、上半身の筋力が必要だなと痛感しました。一方でUltimateの方が、乱暴な言い方になるけれど雑なペダリングでも前に進ませてくれる印象。ニュートラルな優等生感がある。
辻:そう、尖っていないとも言えるけど、けなしどころもない(笑)
小俣:知り合いの元プロ選手はAeroadとUltimateを乗り比べてみて、Ultimateの方が好みと言っていました。だいぶ性格の違うバイクなので、できれば乗り比べしたいですね。キャニオンも試乗会を積極的にやっていますし。
自分のポジションが出せる魅力
辻:最初に言ったけど、これはやっぱりある程度ロードバイクに乗った人の2台目、3台目に選ぶべきバイクだと思う。クランクの長さも変えられるんだもんね?小俣:クランクの長さが160-165-170-172.5-175mmから選べるだけじゃなくて、ステム長が70mm-130mmまで、角度も−6°と−17°から選べるということで。これはかなりポジションが決まっている人のためのオプションですよね。最初の一台じゃない。

辻:一体型ハンドルだけど、キャニオンはハンドル幅も可変(※)だからポジションの設定幅は広いね。
※XS・Sサイズに付属のハンドルは370-390-410mm、M・Lサイズに付属のハンドルは390-410-430mmの3段階で調整可能
小俣:ショートクランクは今年ブームになりましたが、まだ自分のものにしている人はそう多くないだろうと思います。次のバイクでは使ってみたいと思う人のためのオプションをちゃんと用意しているあたりは好感が持てます。うーん、来年の富士ヒル、このバイクで出てみたくなってきました……!
走った人、語った人

小俣雄風太
ジャーナリスト・編集者として自転車メディアで執筆を行う傍ら、J SPORTSではレースの実況も担当する。サイクリストとしては山岳ロングライドが好みのスタイル。今年初めて富士ヒルクライムに参加し、来年はもう少し頑張りたいと気持ちを新たにした。
辻啓
フォトグラファー。J SPORTSではレースの解説も担当する。サイクリストとしてはロードからグラベルまで、誰も走らない道を開拓することに喜びを覚える。短距離高強度が得意。
キャニオン東京テストセンターで試乗・相談可能
東京・八王子にあるキャニオン東京テストセンターでは、今回紹介したUltimate カンパニョーロエディションを試乗することが可能。現在は10月11日(土)、12日(日)、25日(土)、26日(日)の8:00から13:00の枠で試乗予約を受けている。

【開催日】
・10月11日(土)、12日(日)08:00–13:00
・10月25日(土)、26日(日)08:00–13:00
参加を希望する場合は、以下の予約ページより事前申込を行うこと。
https://miniapp.line.me/2005791014-54LyjlVd
また、Ultimate購入者限定のサービスとして、ボトルケージやボトル、サイクルコンピューターマウントなどの追加購入に使える「購入者限定クーポンコード」を発行するサービスも開催中。ギア購入時の通常配送が無料となりなるお得なプランで、12月31日まで一人一回限りで注文できる。この機会をお見逃しなく。
本企画はcanyon.comではなく、キャニオンジャパン公式ストアでの受注となるため注意のこと。
キャニオン東京テストセンター
〒192-0362 東京都八王子市松木51-7
・京王相模原線「京王堀之内駅」から徒歩約12分(約1km)
・多摩ニュータウン通り沿い
・南多摩尾根幹線道路(通称:尾根幹)「ぐりーんうぉーく多摩」の交差点から約2km
提供:キャニオンジャパン text:Yufta Omata、photo:Kei Tsuji