イル・ロンバルディアの前哨戦にあたるトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ(1.Pro)。有力選手たちによるアタック合戦から飛び出したアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)が、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)とのスプリント勝負を制した。
イル・ロンバルディアに挑む選手たちで臨んだUAEチームエミレーツ photo:CorVos
トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ2021コースマップ photo:www.trevallivaresine.it1919年に第1回大会が開催され、今年で第100回を迎えるイタリア伝統のワンデーレースが「トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ(1.Pro)」。北イタリアのロンバルディア州での開催であり、直近に迫ったイル・ロンバルディアに照準を定めるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)やヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)など有力選手たちが集結した。
ブスト・アルシーツィオを出発するレースは、2008年のロード世界選手権で使われたヴァレーゼ市街の12.5kmコースを10周する196.7km。標高のある登りは登場しないものの、モンテッロ(距離1.7/平均5.5%)など細かなアップダウンがフィニッシュまで160kmも続くタフなレイアウトだ。
レースは2020年のツアー・ダウンアンダーで名を上げたマシュー・ホームズ(イギリス、ロット・スーダル)を含む4名がエスケープ。メイン集団と3分半差のリードでヴァレーゼの周回コースに突入し、2周回を終える頃にはスタートから空を覆う曇り空が雨へと変わり、メイン集団では早くも動きが現れた。
フィニッシュまで120kmを残し、プロトンから飛び出したのは「脚の調子を確かめたかった。ここ最近のレースでは長い距離のアタックが多く、ファンをワクワクさせる走りがしたかった」と語るポガチャル。この動きにはティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が反応し、優勝候補の2人がそのまま逃げ集団へと合流することに。
残り120kmから仕掛けたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
テクニカルな下りと濡れた路面が逃げ集団のスムーズな先頭交代を阻み、40秒差まで縮めたメイン集団からはダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が飛び出した。この動きにリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)やネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)、ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が続き、先頭に残ったポガチャルを含む強力な5名による先行集団が形成された。
残り44kmでポガチャルがパンクして30秒差で追うメイン集団に吸収されると、ここから逃げグループから選手が遅れてはメイン集団から飛び出した選手が加わる”入れ替わり”がしばらく続いていった。この混沌とした展開から、先頭集団に加わったデマルキが残り10kmの下りでアタックに成功。激しい展開と雨に体力を削られる選手たちの中で、唯一フォルモロだけが反応でき、勝負はこの2人に絞られた。
フィニッシュラインまで300m地点でほぼ同時に腰を上げたフォルモロとデマルキ。「スプリントを続ける脚が残っていなかった」と振り返るフォルモロを、デマルキが1車身の差をつけて先着。2018年のジロ・デッレミリア以来3年振りとなる勝利を飾った。
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)をスプリントで下したアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション) photo:CorVos
3年振りの勝利を喜ぶアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション) photo:CorVos
「僕の時代は終わったと言う人たちを黙らせるこの勝利が本当に嬉しい。今日は僕を年寄り扱いする人々へのリベンジのようなレースになったし、僕にはまだ力があることを証明できた。多くの選手ができるだけ賢く、力を溜めようと走っていたが、今日は勇気と自分を信じる心の強さが勝負を分けた」と、プロ11年目を迎えた35歳のデマルキは語った。
集団スプリントとなった3位争いはブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)を退けたポガチャルが先着。パンクの不運に見舞われたポガチャルだったが、本日6日に開催されるミラノ〜トリノを挟み、ワールドツアー最終戦であるイル・ロンバルディアに向けて弾みをつけている。


ブスト・アルシーツィオを出発するレースは、2008年のロード世界選手権で使われたヴァレーゼ市街の12.5kmコースを10周する196.7km。標高のある登りは登場しないものの、モンテッロ(距離1.7/平均5.5%)など細かなアップダウンがフィニッシュまで160kmも続くタフなレイアウトだ。
レースは2020年のツアー・ダウンアンダーで名を上げたマシュー・ホームズ(イギリス、ロット・スーダル)を含む4名がエスケープ。メイン集団と3分半差のリードでヴァレーゼの周回コースに突入し、2周回を終える頃にはスタートから空を覆う曇り空が雨へと変わり、メイン集団では早くも動きが現れた。
フィニッシュまで120kmを残し、プロトンから飛び出したのは「脚の調子を確かめたかった。ここ最近のレースでは長い距離のアタックが多く、ファンをワクワクさせる走りがしたかった」と語るポガチャル。この動きにはティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が反応し、優勝候補の2人がそのまま逃げ集団へと合流することに。

テクニカルな下りと濡れた路面が逃げ集団のスムーズな先頭交代を阻み、40秒差まで縮めたメイン集団からはダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が飛び出した。この動きにリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)やネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)、ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が続き、先頭に残ったポガチャルを含む強力な5名による先行集団が形成された。
残り44kmでポガチャルがパンクして30秒差で追うメイン集団に吸収されると、ここから逃げグループから選手が遅れてはメイン集団から飛び出した選手が加わる”入れ替わり”がしばらく続いていった。この混沌とした展開から、先頭集団に加わったデマルキが残り10kmの下りでアタックに成功。激しい展開と雨に体力を削られる選手たちの中で、唯一フォルモロだけが反応でき、勝負はこの2人に絞られた。
フィニッシュラインまで300m地点でほぼ同時に腰を上げたフォルモロとデマルキ。「スプリントを続ける脚が残っていなかった」と振り返るフォルモロを、デマルキが1車身の差をつけて先着。2018年のジロ・デッレミリア以来3年振りとなる勝利を飾った。


「僕の時代は終わったと言う人たちを黙らせるこの勝利が本当に嬉しい。今日は僕を年寄り扱いする人々へのリベンジのようなレースになったし、僕にはまだ力があることを証明できた。多くの選手ができるだけ賢く、力を溜めようと走っていたが、今日は勇気と自分を信じる心の強さが勝負を分けた」と、プロ11年目を迎えた35歳のデマルキは語った。
集団スプリントとなった3位争いはブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)を退けたポガチャルが先着。パンクの不運に見舞われたポガチャルだったが、本日6日に開催されるミラノ〜トリノを挟み、ワールドツアー最終戦であるイル・ロンバルディアに向けて弾みをつけている。
トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ2021結果
1位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション) | 4:47:04 |
2位 | ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:38 |
4位 | ブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン) | |
5位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) | |
6位 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) | |
7位 | ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
8位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | |
9位 | アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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