シチリア島を舞台にしたジロ・デ・シチリアが開幕。完璧なリードアウトを受けたフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が集団スプリントを制した。
シチリア出身のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
ジェームズ・ピッコリ(カナダ)とクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション) photo:CorVos
逃げるシャルルエティエンヌ・クレティエン(カナダ、ラリーサイクリング)たち photo:CorVos
イタリアで最も歴史が深いレースの1つであり、その中で最も開催回数が少ないレース。それが9月28日から9月1日までの4日間、シチリア島を舞台に開催されるジロ・デ・シチリア(UCI2.1)だ。今から100年以上前の1907年に初開催を迎え、1977年からの中断を経て2019年に復活、コロナ禍で2020年大会中止を挟んで今年24回目の開催となった。
世界選手権直後かつUCIカテゴリー1クラスのレースだが、シチリア出身の大スター、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)やブエルタ・ア・エスパーニャで鎖骨骨折に見舞われるも現役続行をアナウンスした復帰初戦のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)、ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)といった面々が地中海に浮かぶ火山島に顔を揃えた。
比較的平坦な島南部を走る初日は、中盤に標高600mオーバーのカテゴリー山岳が用意されているものの、その後は下りと平坦が続くスプリンターステージ。2019年にインタープロのメンバーとして走ったシャルルエティエンヌ・クレティエン(カナダ、ラリーサイクリング)を含む逃げは終盤に入って吸収され、集団スプリントに向けて各チームが準備を整えた。
シチリア島南部の沿岸地帯を進む photo:CorVos
ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)を交わし勝利したフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
ワールドチームによるポジション争いを経てUAEチームエミレーツが主導権を握り、残り1.5kmから単騎飛び出したヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)を射程圏内に捉えながら距離を消化。しかし「残り600m地点からタイトコーナーが続くことを分かっていた」というアルバネーゼはコーナーをクリアするたびにメイン集団との距離を広げていった。
逃げ切り確定かと思わせるロングスパートだったものの、タイミングを見計らったフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)の最終発射台、マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)が他スプリンターを置き去りにする加速を見せ、残り100mを切ってモラノにバトンタッチ。猛烈な勢いで加速し、圧倒的な速度差で「残り200mの時点で逃げ切った」と思ったと振り返るアルバネーゼをパス。完璧なチームワークの末にモラノが今季3勝目を掴んだ。
今季3勝目を挙げたフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
「コーナー連続区間の前にリードを取るべきだと分かっていたんだ。パーフェクトなフィニッシュだった。明日も僕向きのコースでチャンスがあるはずなので勝利数を2に伸ばしたいと思う」と、リーダージャージを獲得したモラノは話している。



イタリアで最も歴史が深いレースの1つであり、その中で最も開催回数が少ないレース。それが9月28日から9月1日までの4日間、シチリア島を舞台に開催されるジロ・デ・シチリア(UCI2.1)だ。今から100年以上前の1907年に初開催を迎え、1977年からの中断を経て2019年に復活、コロナ禍で2020年大会中止を挟んで今年24回目の開催となった。
世界選手権直後かつUCIカテゴリー1クラスのレースだが、シチリア出身の大スター、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)やブエルタ・ア・エスパーニャで鎖骨骨折に見舞われるも現役続行をアナウンスした復帰初戦のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)、ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)といった面々が地中海に浮かぶ火山島に顔を揃えた。
比較的平坦な島南部を走る初日は、中盤に標高600mオーバーのカテゴリー山岳が用意されているものの、その後は下りと平坦が続くスプリンターステージ。2019年にインタープロのメンバーとして走ったシャルルエティエンヌ・クレティエン(カナダ、ラリーサイクリング)を含む逃げは終盤に入って吸収され、集団スプリントに向けて各チームが準備を整えた。


ワールドチームによるポジション争いを経てUAEチームエミレーツが主導権を握り、残り1.5kmから単騎飛び出したヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)を射程圏内に捉えながら距離を消化。しかし「残り600m地点からタイトコーナーが続くことを分かっていた」というアルバネーゼはコーナーをクリアするたびにメイン集団との距離を広げていった。
逃げ切り確定かと思わせるロングスパートだったものの、タイミングを見計らったフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)の最終発射台、マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)が他スプリンターを置き去りにする加速を見せ、残り100mを切ってモラノにバトンタッチ。猛烈な勢いで加速し、圧倒的な速度差で「残り200mの時点で逃げ切った」と思ったと振り返るアルバネーゼをパス。完璧なチームワークの末にモラノが今季3勝目を掴んだ。

「コーナー連続区間の前にリードを取るべきだと分かっていたんだ。パーフェクトなフィニッシュだった。明日も僕向きのコースでチャンスがあるはずなので勝利数を2に伸ばしたいと思う」と、リーダージャージを獲得したモラノは話している。
ジロ・デ・シチリア2021第1ステージ結果
1位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 4:37:21 |
2位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | |
3位 | マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
5位 | フィリッポ・フィオレッリ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ) |
個人総合成績
1位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 4:37:21 |
2位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | |
3位 | マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | マッテオ・ズルロ(イタリア、ザルフ・ユーロモービル・フィオール) | |
5位 | シャルルエティエンヌ・クレティエン(カナダ、ラリーサイクリング) |
text:So Isobe
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