2021/09/23(木) - 08:35
ロード世界選手権タイムトライアル競技の締めくくりとなるタイムトライアル・ミックスリレーでドイツが勝利。トニ・マルティンが現役最終レースでアルカンシエルに袖を通した。
トップバッターのUCIワールドサイクリングセンター(WCC)チームがスタートを切る photo:UCI
2019年に続く2度目の開催となったタイムトライアル・ミックスリレー。2018年まで開催されていたトレードチームによるチームタイムトライアルとは異なり、男女3名ずつ、合計6名によるリレー形式の国別対抗戦だ。
北海に面したクノックヘイストから内陸部のブルージュを目指す基本的なレイアウトはこれまでの個人タイムトライアル同様。まずは男子3名が隊列を組んでブルージュまでの22.5kmを走り、2番目の選手がフィニッシュラインを通過したタイミングで女子3名がスタート。22kmの周回コースを走り終え、男子同様に2番目の選手がフィニッシュした時間がその国の成績となる。
コース周辺でトレーニングを行なっていたオーストリアの女子ジュニア選手がバスと衝突して病院に運ばれるというショッキングなニュースが流れたこの日、競技は14時にUCIワールドサイクリングセンター(WCC)チームを先頭にスタート。13カ国が3つのグループに分かれ、好記録が次々と飛び出す名勝負が繰り広げられた。
男子パートでトップタイムを叩き出したイタリア photo:UCI
男子パートを全体の7位で終えたオランダ photo:UCI
現役最終レースのトニー・マルティンを悪魔おじさんが見守る photo:CorVos
第1グループの中では54分12秒で走ったポーランドが暫定首位に立ったものの、その後はTTスペシャリストを揃えたアメリカやイギリス、そしてスイスが記録を上書きしていく。ヴィクトール・カンペナールツやロッテ・コペッキーを擁するベルギーは大声援に後押しされて走ったものの、最終的に7位止まりだった。
デンマーク、ドイツ、イタリア、そしてオランダ。強豪揃いの第3グループはバーチャルで抜きつ抜かれつの戦いを繰り広げた。現役最終レースのトニー・マルティンとマキシミリアン・ヴァルシャイド、ニキアス・アルントで構成されたドイツ男子チームは序盤から飛ばしに飛ばし、それまで男子パートで最速だったベルギーを37秒上回って女子にバトンタッチ。しかしその後、個人TT新世界チャンピオンに輝いたばかりのフィリッポ・ガンナ率いるイタリア男子がドイツを約19秒上回った。
ドイツから19秒リードでバトンを引き継いだイタリア女子チームだったが、ここからリサ・ブレナウアーとリサ・クライン、そしてミーク・クローガー擁するドイツと、男子パートを全体の7位で終えながら、オリンピックTT王者アネミエク・ファンフルーテンと新個人TT新世界王者エレン・ファンダイク、そしてリアンヌ・マークスという世界最強メンバーで走ったオランダチームが一気に挽回。TTスペシャリスト揃いとは言えないメンバーで臨んだイタリアは苦しい走りを強いられた。
神妙な面持ちで女子チームの追い上げを見守るオランダ男子チーム photo:UCI
オランダ女子がフィニッシュ。怒涛の追い上げもドイツまでは届かなかった photo:CorVos
優勝確定に歓喜するマルティンたち photo:UCI
個々の力よりも、均等なチームワークが鍵を握るミックスリレーでドイツは優位に進めた。その後ろからは女子パート最速タイムを叩き出しながらオランダが追い上げたものの、男子パートの遅れを全て挽回するには至らない。50分49秒でドイツが暫定トップタイムフィニッシュし、イタリアはタイムを落としながらも僅か0.05秒スイスを上回りメダルを確定。そしてオランダのファンフルーテンとファンダイクはドイツに12秒届かず51分01秒でフィニッシュ。手に汗握る接戦の末、ドイツが第2回目のチームTTミックスリレー世界チャンピオンに輝いた。
引退記念の「Thank you TONY」メッセージが入った特別なドイツナショナルジャージを着て女子パートのフィニッシュを待ち続けたマルティンたちがアルカンシエルを獲得。「ベストな終わり方だよ。金メダルと共にキャリアを終えるだなんて夢であり、想像する中でも最良の形だ。チーム全体、特にメダルの決定打となる走りをした女子チームに感謝したい。狙っていた金メダルが現実になった」と、マルティンはインタビューに答えている。
2位オランダ、1位ドイツ、3位イタリア photo:UCI
アルカンシエルを獲得したドイツチーム photo:UCI
その走りからパンツァーワーゲン(戦車)と呼ばれ、タイムトライアルに愛を注ぎ続けてきたマルティンが、自身最後のレースでアルカンシエルを獲得。ベルギー国王フィリップから直々に祝福されたマルティンが、大歓声を受けながらチームメイトと共に表彰台頂上に登った。
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2019年に続く2度目の開催となったタイムトライアル・ミックスリレー。2018年まで開催されていたトレードチームによるチームタイムトライアルとは異なり、男女3名ずつ、合計6名によるリレー形式の国別対抗戦だ。
北海に面したクノックヘイストから内陸部のブルージュを目指す基本的なレイアウトはこれまでの個人タイムトライアル同様。まずは男子3名が隊列を組んでブルージュまでの22.5kmを走り、2番目の選手がフィニッシュラインを通過したタイミングで女子3名がスタート。22kmの周回コースを走り終え、男子同様に2番目の選手がフィニッシュした時間がその国の成績となる。
コース周辺でトレーニングを行なっていたオーストリアの女子ジュニア選手がバスと衝突して病院に運ばれるというショッキングなニュースが流れたこの日、競技は14時にUCIワールドサイクリングセンター(WCC)チームを先頭にスタート。13カ国が3つのグループに分かれ、好記録が次々と飛び出す名勝負が繰り広げられた。
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第1グループの中では54分12秒で走ったポーランドが暫定首位に立ったものの、その後はTTスペシャリストを揃えたアメリカやイギリス、そしてスイスが記録を上書きしていく。ヴィクトール・カンペナールツやロッテ・コペッキーを擁するベルギーは大声援に後押しされて走ったものの、最終的に7位止まりだった。
デンマーク、ドイツ、イタリア、そしてオランダ。強豪揃いの第3グループはバーチャルで抜きつ抜かれつの戦いを繰り広げた。現役最終レースのトニー・マルティンとマキシミリアン・ヴァルシャイド、ニキアス・アルントで構成されたドイツ男子チームは序盤から飛ばしに飛ばし、それまで男子パートで最速だったベルギーを37秒上回って女子にバトンタッチ。しかしその後、個人TT新世界チャンピオンに輝いたばかりのフィリッポ・ガンナ率いるイタリア男子がドイツを約19秒上回った。
ドイツから19秒リードでバトンを引き継いだイタリア女子チームだったが、ここからリサ・ブレナウアーとリサ・クライン、そしてミーク・クローガー擁するドイツと、男子パートを全体の7位で終えながら、オリンピックTT王者アネミエク・ファンフルーテンと新個人TT新世界王者エレン・ファンダイク、そしてリアンヌ・マークスという世界最強メンバーで走ったオランダチームが一気に挽回。TTスペシャリスト揃いとは言えないメンバーで臨んだイタリアは苦しい走りを強いられた。
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個々の力よりも、均等なチームワークが鍵を握るミックスリレーでドイツは優位に進めた。その後ろからは女子パート最速タイムを叩き出しながらオランダが追い上げたものの、男子パートの遅れを全て挽回するには至らない。50分49秒でドイツが暫定トップタイムフィニッシュし、イタリアはタイムを落としながらも僅か0.05秒スイスを上回りメダルを確定。そしてオランダのファンフルーテンとファンダイクはドイツに12秒届かず51分01秒でフィニッシュ。手に汗握る接戦の末、ドイツが第2回目のチームTTミックスリレー世界チャンピオンに輝いた。
引退記念の「Thank you TONY」メッセージが入った特別なドイツナショナルジャージを着て女子パートのフィニッシュを待ち続けたマルティンたちがアルカンシエルを獲得。「ベストな終わり方だよ。金メダルと共にキャリアを終えるだなんて夢であり、想像する中でも最良の形だ。チーム全体、特にメダルの決定打となる走りをした女子チームに感謝したい。狙っていた金メダルが現実になった」と、マルティンはインタビューに答えている。
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その走りからパンツァーワーゲン(戦車)と呼ばれ、タイムトライアルに愛を注ぎ続けてきたマルティンが、自身最後のレースでアルカンシエルを獲得。ベルギー国王フィリップから直々に祝福されたマルティンが、大歓声を受けながらチームメイトと共に表彰台頂上に登った。
ロード世界選手権2021タイムトライアル・ミックスリレー結果
タイム | 平均スピード | ||
---|---|---|---|
1位 | ドイツ | 50:49.10 | 52.540km/h |
2位 | オランダ | 51:01.89 | 52.321km/h |
3位 | イタリア | 51:26.84 | 51.898km/h |
4位 | スイス | 51:26.89 | 51.897km/h |
5位 | イギリス | 51:44.09 | 51.609km/h |
6位 | デンマーク | 51:44.09 | 51.260km/h |
7位 | ベルギー | 52:10.13 | 51.180km/h |
8位 | アメリカ | 52:58.78 | 50.397km/h |
9位 | フランス | 53:40.89 | 49.738km/h |
10位 | ポーランド | 54:12.28 | 49.258km/h |
text:So Isobe
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