2021/09/05(日) - 12:02
アルデンヌを駆けるベネルクスツアーの6日目にバーレーン・ヴィクトリアスのチーム力が炸裂。ソンニ・コルブレッリ(イタリア)が25kmに渡る独走勝利を挙げ、マテイ・モホリッチ(スロベニア)とともに総合ワンツー体制を築きあげた。
僅差の総合争いが続くベネルクスツアー(UCIワールドツアー)もいよいよ佳境に入った。オティニー=ルヴァン=ラ=ヌーヴからウッファリーズまで、ベルギーのワロン地域を駆け巡る第6ステージの後半には合計10箇所の登坂区間が用意され、獲得標高は3,000mを優に超える。前日よりも一つ一つの登坂が長く、そして険しくなった同地方らしいコースレイアウトで、各チームの戦略が激しくぶつかりあった。
比較的平坦な道が続く序盤区間で逃げを打ったのはゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とジョナス・リカールト(ベルギー、アルペシン・フェニックス)の2人。24kmに渡るアタック合戦から抜け出し、およそ7分のリードを得て巡航したものの、僅差ゆえ中間ボーナスタイムを狙うメイン集団を引き離すには至らなかった。
「(逃げることは)今日の予定にはなかったけれど、それでも楽しむことができた。ベルギーレースで先頭を走ること、つまりプロトンにいないことはいつだって素晴らしいこと」と振り返るトーマスは、逃げの終盤にリカールトを引き離して独走していたものの、登坂区間が4箇所組み込まれた周回コース(x2周)に入ると活性化したメイン集団に飲み込まれた。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ名物のコート・ド・サンロッシュを越え、2つ目のコート・ボワ・デ・モワン(登坂距離12.km/平均勾配8%/最大勾配13%)でトーマスは吸収。ここからマテイ・モホリッチ(スロベニア)とソンニ・コルブレッリ(イタリア)を擁するバーレーン・ヴィクトリアスが本格的なアタックに打って出る。モホリッチのアタックにはマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)とコルブレッリが続き、総合首位シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)たちを引き離して15〜20秒のリードを築いた。
キュングにとっては総合14秒遅れのコルブレッリと16秒遅れの同6位モホリッチを逃すわけにはいかない。メイン集団はドゥクーニンク・クイックステップとグルパマFDJが牽引し、一時50秒程度まで開いた差をほぼゼロにまで縮めて最終周回に入ったものの、すぐさま現れた2度目のコート・ド・サンロッシュでコルブレッリが再加速。トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)がモホリッチとヒルシを捉えるのを尻目に、単独になったコルブレッリはアタックを続行する。
モホリッチから入る追走グループの状況を無線で聞きながら、誰よりも速いペースで連続登坂をこなすコルブレッリ。合計3箇所の中間ボーナスを全て1位通過し、合計9秒を稼ぎながらイタリアチャンピオンが独走した。アシストを使い果たし、登りで苦しむキュングは大きく遅れ、この日総合成績を4位まで落とすことになる。
「フィニッシュまで独走できるとは思っていなかったけれど、常に良いリズムを刻み、決して振り返ることはしなかった」と言うコルブレッリは、アタック合戦を続けながら追う追走グループとの差を広げ続け、42秒差でウッファリーズのフィニッシュラインに到達。力強いガッツポーズとともに総合首位浮上、さらに後続グループのスプリントをモホリッチが制し、2人がステージと総合成績のワンツー浮上を叶えた。
「おそらく人生で最もキツいレースだった。マテイと逃げてからはお互いにアタックを仕掛けあうことで同意したんだ。僕の番になった時、タイミングが早かったので逃げ切れるとは思わなかった。途轍もないことを成し遂げることができたので本当に嬉しい。今後僕の競技人生でこんな勝ち方は起こらないだろう。体力を使ったので明日の回復具合が気がかりだけど、もし僕がダメでもマテイがいる」と、モホリッチに51秒、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ)に53秒リードを積み上げたコルブレッリは話している。
2日間のアルデンヌステージを終え、ベネルクスツアーは世界選手権の予行演習となるフランドル地方で最終日を迎える。石畳の急勾配登坂、ボスベルグやミュール・カペルミュールが登場する周回コースが最終総合成績の行方を決める。
僅差の総合争いが続くベネルクスツアー(UCIワールドツアー)もいよいよ佳境に入った。オティニー=ルヴァン=ラ=ヌーヴからウッファリーズまで、ベルギーのワロン地域を駆け巡る第6ステージの後半には合計10箇所の登坂区間が用意され、獲得標高は3,000mを優に超える。前日よりも一つ一つの登坂が長く、そして険しくなった同地方らしいコースレイアウトで、各チームの戦略が激しくぶつかりあった。
比較的平坦な道が続く序盤区間で逃げを打ったのはゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とジョナス・リカールト(ベルギー、アルペシン・フェニックス)の2人。24kmに渡るアタック合戦から抜け出し、およそ7分のリードを得て巡航したものの、僅差ゆえ中間ボーナスタイムを狙うメイン集団を引き離すには至らなかった。
「(逃げることは)今日の予定にはなかったけれど、それでも楽しむことができた。ベルギーレースで先頭を走ること、つまりプロトンにいないことはいつだって素晴らしいこと」と振り返るトーマスは、逃げの終盤にリカールトを引き離して独走していたものの、登坂区間が4箇所組み込まれた周回コース(x2周)に入ると活性化したメイン集団に飲み込まれた。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ名物のコート・ド・サンロッシュを越え、2つ目のコート・ボワ・デ・モワン(登坂距離12.km/平均勾配8%/最大勾配13%)でトーマスは吸収。ここからマテイ・モホリッチ(スロベニア)とソンニ・コルブレッリ(イタリア)を擁するバーレーン・ヴィクトリアスが本格的なアタックに打って出る。モホリッチのアタックにはマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)とコルブレッリが続き、総合首位シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)たちを引き離して15〜20秒のリードを築いた。
キュングにとっては総合14秒遅れのコルブレッリと16秒遅れの同6位モホリッチを逃すわけにはいかない。メイン集団はドゥクーニンク・クイックステップとグルパマFDJが牽引し、一時50秒程度まで開いた差をほぼゼロにまで縮めて最終周回に入ったものの、すぐさま現れた2度目のコート・ド・サンロッシュでコルブレッリが再加速。トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)がモホリッチとヒルシを捉えるのを尻目に、単独になったコルブレッリはアタックを続行する。
モホリッチから入る追走グループの状況を無線で聞きながら、誰よりも速いペースで連続登坂をこなすコルブレッリ。合計3箇所の中間ボーナスを全て1位通過し、合計9秒を稼ぎながらイタリアチャンピオンが独走した。アシストを使い果たし、登りで苦しむキュングは大きく遅れ、この日総合成績を4位まで落とすことになる。
「フィニッシュまで独走できるとは思っていなかったけれど、常に良いリズムを刻み、決して振り返ることはしなかった」と言うコルブレッリは、アタック合戦を続けながら追う追走グループとの差を広げ続け、42秒差でウッファリーズのフィニッシュラインに到達。力強いガッツポーズとともに総合首位浮上、さらに後続グループのスプリントをモホリッチが制し、2人がステージと総合成績のワンツー浮上を叶えた。
「おそらく人生で最もキツいレースだった。マテイと逃げてからはお互いにアタックを仕掛けあうことで同意したんだ。僕の番になった時、タイミングが早かったので逃げ切れるとは思わなかった。途轍もないことを成し遂げることができたので本当に嬉しい。今後僕の競技人生でこんな勝ち方は起こらないだろう。体力を使ったので明日の回復具合が気がかりだけど、もし僕がダメでもマテイがいる」と、モホリッチに51秒、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ)に53秒リードを積み上げたコルブレッリは話している。
2日間のアルデンヌステージを終え、ベネルクスツアーは世界選手権の予行演習となるフランドル地方で最終日を迎える。石畳の急勾配登坂、ボスベルグやミュール・カペルミュールが登場する周回コースが最終総合成績の行方を決める。
ベネルクスツアー2021第6ステージ結果
1位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 4:55:27 |
2位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:42 |
3位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
4位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM) | |
5位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ) | |
6位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
7位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
9位 | ニキアス・アルント(ドイツ、チームDSM) | 1:02 |
10位 | ジャンニ・フェルメルシュ(ベルギー、アルペシン・フェニックス) |
個人総合成績
1位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 20:23:30 |
2位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:51 |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ) | 0:53 |
4位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 1:07 |
5位 | ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 1:09 |
6位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 1:09 |
7位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | 1:16 |
8位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM) | 1:33 |
9位 | マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 1:40 |
10位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1:42 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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