2021/09/04(土) - 11:14
ベネルクスツアーは丘陵地帯に突入。アタック合戦を耐えたカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)がツールでの落車リタイア後初勝利を飾り、シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)が総合首位に浮上した。
これまで平坦ステージが続いたベネルクスツアー(UCIワールドツアー)は後半戦の丘陵ステージへと場所を移した。ベルギー、リンブルグ州の丘陵地帯を駆け巡る192kmの第5ステージにはまんべんなく登坂が散りばめられており、カテゴライズされているものだけで15箇所を数える。一つ一つの難易度は高くないものの、これをチャンスと読んだパンチャーたちが総合成績ジャンプアップを狙ってアタックを繰り出した。
アムステルゴールドレースなど、アルデンヌクラシックの開催地である同地方を駆けるこの日は、胃腸トラブルを抱えながら走っていたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がスタートせず。143名に減ったプロトンからユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ・プレミアテック)とジャック・バウアー(ニュージーランド、バイクエクスチェンジ)、そしてカスパー・ピーダスン(デンマーク、チームDSM)がエスケープした。
トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)の出身地付近を走るこの日、EFエデュケーション・NIPPOがメイン集団をコントロール。牽引役を担った別府史之は「今日のステージは昔住んでいたベルギーのZutendaalから近いところで、スタートからゴールまでほぼトレーニングコースだった。今日もリーダージャージのために序盤から先頭を走り仕事を終えた」とレースを振り返っている。
フィニッシュまで50kmを切るとメイン集団は活性化の一途をたどった。「細く曲がりくねったアップダウンコースで集団が絞られ始めたので、僕たちはよりレースを厳しいものにしようとした」と言うジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)のアタックを皮切りにペースアップが図られ、10kmを残して先頭グループを飲み込んだ。
ここから本格的なアタック合戦が始まったものの、登坂区間の難易度が高くないことで決定的な差は生まれない。逆に総合2位カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がメカトラで遅れ、得意と言えないコースレイアウトで粘り続けていた首位シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)もドロップ。再三に渡るマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)のアタックも不発に終わった。
こうして勝負は50名ほどによる緩斜面登坂スプリントに持ち込まれ、モホリッチのリードアウトを得たソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が残り200mを切ってからフル加速体制に。ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)を押さえ込んだコルブレッリだったものの、左側からカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が並びかけ、パス。バイク1台分のリードを稼いだユアンがツール・ド・フランスでの落車リタイア以降初の勝利を掴んだ。
「最初にフィニッシュラインを通過した時、なんてタフなコースなんだと思ったよ。そしてまだ距離を残している段階でアタックが始まり、レース自体が非常にキツイ展開になった。このレースで勝つ最後のチャンスだとわかっていたのでどうしても勝ちたかったんだ。落車からの復帰後初勝利なので本当に嬉しい」と話すユアン。「最初3つのスプリントステージは常にトラブルの連続だった。最初は集団分裂したタイミングでメカトラに見舞われ、別の日は残り15kmでスポーク折れ。調子はよかったのにツキがなかった。今日のようなコースはツキよりもフィジカルの強さが求められるんだ」と加えている。
ビッセガーやアスグリーンが遅れたため、リーダージャージは総合4位から逆転したシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)の手に渡った。同じく丘陵ステージが続くこの先2日間に対し「ライバル全員が僕に攻撃を仕掛ける難しい戦いになる。でも全力を尽くして強いチームメイトとともにリーダージャージを守りたいと思う。このレースは7度目の参加なのでコースもよく分かっているし、どのような展開になるかも予想がつく。キツイレースになるけれど、調子も良いので頑張りたい」と、トップ15が40秒以内にひしめく中、守る立場となったキュングは話している。
これまで平坦ステージが続いたベネルクスツアー(UCIワールドツアー)は後半戦の丘陵ステージへと場所を移した。ベルギー、リンブルグ州の丘陵地帯を駆け巡る192kmの第5ステージにはまんべんなく登坂が散りばめられており、カテゴライズされているものだけで15箇所を数える。一つ一つの難易度は高くないものの、これをチャンスと読んだパンチャーたちが総合成績ジャンプアップを狙ってアタックを繰り出した。
アムステルゴールドレースなど、アルデンヌクラシックの開催地である同地方を駆けるこの日は、胃腸トラブルを抱えながら走っていたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がスタートせず。143名に減ったプロトンからユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ・プレミアテック)とジャック・バウアー(ニュージーランド、バイクエクスチェンジ)、そしてカスパー・ピーダスン(デンマーク、チームDSM)がエスケープした。
トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)の出身地付近を走るこの日、EFエデュケーション・NIPPOがメイン集団をコントロール。牽引役を担った別府史之は「今日のステージは昔住んでいたベルギーのZutendaalから近いところで、スタートからゴールまでほぼトレーニングコースだった。今日もリーダージャージのために序盤から先頭を走り仕事を終えた」とレースを振り返っている。
フィニッシュまで50kmを切るとメイン集団は活性化の一途をたどった。「細く曲がりくねったアップダウンコースで集団が絞られ始めたので、僕たちはよりレースを厳しいものにしようとした」と言うジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)のアタックを皮切りにペースアップが図られ、10kmを残して先頭グループを飲み込んだ。
ここから本格的なアタック合戦が始まったものの、登坂区間の難易度が高くないことで決定的な差は生まれない。逆に総合2位カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がメカトラで遅れ、得意と言えないコースレイアウトで粘り続けていた首位シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)もドロップ。再三に渡るマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)のアタックも不発に終わった。
こうして勝負は50名ほどによる緩斜面登坂スプリントに持ち込まれ、モホリッチのリードアウトを得たソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が残り200mを切ってからフル加速体制に。ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)を押さえ込んだコルブレッリだったものの、左側からカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が並びかけ、パス。バイク1台分のリードを稼いだユアンがツール・ド・フランスでの落車リタイア以降初の勝利を掴んだ。
「最初にフィニッシュラインを通過した時、なんてタフなコースなんだと思ったよ。そしてまだ距離を残している段階でアタックが始まり、レース自体が非常にキツイ展開になった。このレースで勝つ最後のチャンスだとわかっていたのでどうしても勝ちたかったんだ。落車からの復帰後初勝利なので本当に嬉しい」と話すユアン。「最初3つのスプリントステージは常にトラブルの連続だった。最初は集団分裂したタイミングでメカトラに見舞われ、別の日は残り15kmでスポーク折れ。調子はよかったのにツキがなかった。今日のようなコースはツキよりもフィジカルの強さが求められるんだ」と加えている。
ビッセガーやアスグリーンが遅れたため、リーダージャージは総合4位から逆転したシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)の手に渡った。同じく丘陵ステージが続くこの先2日間に対し「ライバル全員が僕に攻撃を仕掛ける難しい戦いになる。でも全力を尽くして強いチームメイトとともにリーダージャージを守りたいと思う。このレースは7度目の参加なのでコースもよく分かっているし、どのような展開になるかも予想がつく。キツイレースになるけれど、調子も良いので頑張りたい」と、トップ15が40秒以内にひしめく中、守る立場となったキュングは話している。
ベネルクスツアー2021第5ステージ結果
1位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | 4:26:24 |
2位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
3位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
4位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
6位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
7位 | マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
8位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
10位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン) |
個人総合成績
1位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 15:28:08 |
2位 | ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 0:02 |
3位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | 0:06 |
4位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ) | 0:06 |
5位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:14 |
6位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:16 |
7位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 0:20 |
8位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:25 |
9位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM) | 0:26 |
10位 | ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:28 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) |
チーム総合成績 | クベカ・ネクストハッシュ |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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