科学的にスポーツ時の栄養補給を研究し、プロダクトを開発するイギリスのSiS。イネオス・グレナディアーズと時間を掛けて開発を進めた補給食シリーズ「BETA FUEL」を紹介しよう。2種類の糖質を配合することで吸収効率を高め、身体への負担を低減したプロダクトだ。



2018年のジロ・デ・イタリア第19ステージ、80kmの独走優勝を果たしたクリストファー・フルーム(当時チームスカイ)。レース中彼が口にしたのはSiSのBETA FUEL(プロトタイプ)だった2018年のジロ・デ・イタリア第19ステージ、80kmの独走優勝を果たしたクリストファー・フルーム(当時チームスカイ)。レース中彼が口にしたのはSiSのBETA FUEL(プロトタイプ)だった (c)CorVos
2018年のジロ・デ・イタリア第19ステージ、クリストファー・フルーム(当時チームスカイ)が、80kmにも及ぶビッグエスケープを成功しステージ優勝、マリアローザを獲得。誰もが驚くような偉業は、世界中のファンの記憶に焼き付いたはずだ。

フルームが活躍した背後にはSiS(Science in Sport)の開発途中にあった補給食の貢献も見逃せない。当時SiSはチームスカイ(現イネオス・グレナディアーズ)とタッグを組み、世界有数のスポーツ科学機関であるリバプール・ジョン・ムーア大学と研究を進めながら、スポーツ用の補給食の開発を進めており、その試作品がジロに投入された。

スタッフからボトルを受け取って下りに向かうクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)スタッフからボトルを受け取って下りに向かうクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
そしてジロという大舞台で投入されたプロトタイプは順調に開発が進められ、2020年のジロで総合優勝したテイオ・ゲイガンハートもトライアル版を使用したという。イネオスの選手たちが使う補給食はBETA FUELというプロダクトとなり、世界に送り出された。

BETA FUELはジェル2種類、ドリンクに溶かすパウダー、固形のチューバーという計4種類が用意されるシリーズ。このシリーズで主眼とするのは持久運動時の炭水化物(吸収されると糖となり、体を動かす原料となる)の摂取だ。

2.5時間以上の運動を行う際は、血糖値を維持し倦怠感の発生を防ぐために1時間あたり80~120gの炭水化物の摂取が推奨されているとSiSは言う。しかし、単純にその量の炭水化物を摂れば良いわけではなく、炭水化物の種類によって1時間あたりに吸収される量が異なる。例えば、マルトデキストリンならば約60g/時間だ。

イネオス・グレナディアーズと共同開発を行ったSiSのBETA FUELイネオス・グレナディアーズと共同開発を行ったSiSのBETA FUEL
その目標と課題を解決するためにBETA FUELでは、マルトデキストリンとフルクトースという2種類の糖質を配合していることが特徴だ。開発がスタートした頃は2:1の割合だったが、現在製品化されているものは2:1.6という割合で配合されているという。

この割合は炭水化物の吸収効率を向上させるとともに、胃腸への負担や吐き気などを抑えることに成功しているという。また、炭水化物の摂取量を1時間あたり約80g~120gに引き上げられ、エンデュランス競技に必要な量をBETA FUELで得られるということになる。

SiS BETA FUEL ENERGY DRINKSiS BETA FUEL ENERGY DRINK
その処方をベースに先述したような製品が展開されており、シチュエーションごとに最適な物を口に運ぶことが可能となっている。基本的な製品は、ボトルの水に溶かして飲むパウダータイプだ。80gの炭水化物を含んでおり、500~600mlの水に溶かしたドリンクを1時間に1本ほど飲むとエネルギー補給として適しているという。

また、600mlの水で溶かした時のドリンクがアイソトニックとなり、身体への吸収が最適化されるという。phも中性とされているため、胃に負担を与えないためゴクゴクと飲み続けられるような作りとなっている。ただ味は非常に甘みが強く、エネルギー源を体に入れている感覚は強め。

1パック当たり80gの炭水化物を補給できることを示している1パック当たり80gの炭水化物を補給できることを示している パウダーは白色だが、フレーバーの香りを非常に感じるパウダーは白色だが、フレーバーの香りを非常に感じる


パウダー式のBETA FUELは透明のドリンクだが、非常に甘くフレーバーの香りを感じることができるパウダー式のBETA FUELは透明のドリンクだが、非常に甘くフレーバーの香りを感じることができる
ライド中でも補給食を食べ続けられることを考慮して作られたのが2種類のジェルだ。脂肪分や繊維が多く含まれている固形補給食の場合は消化に時間がかかるとともに、膨満感などを感じやすく、ロングライドでは食べ続けることは難しいため、ジェルのように簡単に喉を通せるプロダクトが活躍する。

ジェルはややとろみがかっており、味としても甘みが強めで、各フレーバーの香りを感じられる。印象としては水飴のよう。

SiS BETA FUEL ENERGY GELSiS BETA FUEL ENERGY GEL
ジェルタイプの液体は透明だが、非常にフレーバーの香りが高いジェルタイプの液体は透明だが、非常にフレーバーの香りが高い
スタンダードのジェルは炭水化物が40g含まれており、1時間毎に1~3本を摂取することで、適切な栄養を得ることができるという。

加えて、BETA FUEL + Nootropicsというものも用意されている。ヌートロピックスというのは認知能力を高める作用を持ちつつも、副作用がないサプリメントのことを言う。具体的には1,000mgのL-タウリン、250mgのコグニジン、200mgのカフェイン、200mgのL-テアニンが含まれており、精神的な高揚感を与えてくれるという。推奨量が1日あたり1食のため、レース終盤でここぞというときに投入したいプロダクトだ。

SiS BETA FUEL ENERGY CHEWSSiS BETA FUEL ENERGY CHEWS
ドリンクとジェルだけでは物足りなく感じるのがサイクルスポーツ。長い時間サドルの上で過ごしている時にも空腹感は襲ってくるものであり、ライド序盤ではある程度の膨満感は欲しいところ。自分の口で咀嚼し、飲み込むくらいの固形物は必要だ。

そのニーズに応えるべくSiSがBETA FUELシリーズを完成させるプロダクトとして位置づけているのが、BETA FUEL CHEW BARだ。いわゆるグミのような補給食で、しっかりとした食べごたえを得られることが特徴。内容はBETA FUELそのもののであり、1本あたり40gの炭水化物が含まれている。エナジージェルと組み合わせて食べることで、栄養を得られるはずだ。

一口大の部分に切り込みが入れられているため、噛み切りやすいだろう一口大の部分に切り込みが入れられているため、噛み切りやすいだろう
このように多数の製品で展開されるBETA FUELシリーズのメリットは補給計画を立てやすいことだろう。例えば、ツール・ド・おきなわやニセコクラシックのようなレースに出場する方の場合は、完走時間も想定しやすいためバックポケットに補給食を詰め込む量も管理しやすい。

パワーメーターで数値を管理してトレーニングを行う方であれば、補給食のプランを立てることにも馴染みがあるだろう。イネオス・グレナディアーズのマージナルゲインを積み重ねるように、補給食でもゲインを得ることがパフォーマンス発揮につながってくれるだろう。



製品購入ページ:
https://www.scienceinsport.com/jp/shop-sis/go-range/beta-fuel?utm_sourc…

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※日本語サイトのみでの割引適用となり、UKサイトでは適用対象外です。

SiS BETA FUEL 80
フレーバー:オレンジ、ストロベリー&ライム、レッドベリー
内容量:80g×15パック
一食あたり栄養成分:エネルギー/320kcal、炭水化物/80g、脂質/0g、たんぱく質/0g、食塩/0.01g
価格:15袋 5,490円

SiS BETA FUEL GEL
フレーバー:オレンジ、ストロベリー&ライム
内容量:80ml×30パック
一食あたり栄養成分:エネルギー/158kcal、炭水化物/40g、脂質/0g、たんぱく質/0g、食塩/0.03g
価格:6本1,890円、30本9,290円

SiS BETA FUEL + NOOTROPICS
フレーバー:アップル、レモン&ライム
内容量:80ml×30パック
一食あたり栄養成分:エネルギー/158kcal、炭水化物/40g、食物繊維/2.2g脂質/0g、たんぱく質/0g、食塩/0.11g
価格:6本1,890円、30本9,290円

SiS BETA FUEL ENERGY CHEW
フレーバー:オレンジ、レモン
内容量:60g×20バー
一食あたり栄養成分:エネルギー/190kcal、炭水化物/46g、脂質/0g、たんぱく質/0g、食塩/0.03g
価格:6本1,890円、20本6,090円

※関税については、注文金額が16,666円未満の場合は免税。16,666円以上の場合は関税・消費税が発生
詳しくは→https://www.scienceinsport.com/jp/deliveries-returns

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