オホーツクの中核都市、北見市。四方を魅力的なフィールドに囲まれたこの街で弱虫ペダルのメンバーを中心とした合宿が行われた。プロ選手が何故、北見市を選んだのか。2週間に渡ってこの地を走りこんだ選手らの声をお届けしよう。
北海道らしい起伏のある道を走っていく
ツール・ド・北海道やニセコクラシックなど、その広さにふさわしい壮大な規模のレースの開催地となる北海道。一口に北海道と言っても、地域によって様々な特色があるが、全道の中でも特に自然豊かなのが道東だ。
十勝平野の中心となる帯広、釧路湿原を有する釧路と並び、オホーツクエリアの中核都市となるのが北見市だ。冬には流氷が押し寄せるオホーツク海沿岸から大雪山の北に位置する石北峠まで、東西110kmにも及ぶ広大な面積は北海道の市町村の中でも最大で、なんと香川県の6割に迫るのだという。
そんな北見で、今年弱虫ペダルサイクリングチームのメンバーを中心に国内プロロード選手らが合宿を行った。約2週間ほどの期間を北見を拠点とし、全日本選手権などシーズン後半戦へ向けて走りこんだ。合宿の様子を通して、この北見を中心としたエリアがいかにサイクリストに魅力的なものかをお伝えしていこう。
全日本王者・入部と元王者・畑中を中心に5名が参加した北見合宿
北見へ集まった合宿メンバー 今回主な拠点とした北見市自然休養村センターにて
今回の合宿には弱虫ペダルサイクリングチームからは、現ナショナルチャンピオンである入部正太朗、井上文成、香山飛龍、そして昨年のJフェミニンリーダーである唐見実世子が参加。更に、JCL第5戦 オートポリスロードレースで独走勝利を挙げ、リーダージャージを着用する畑中勇介(キナンサイクリングチーム)も加わった。
プロロードレーサーの合宿と言えば、新城幸也のタイ合宿やナショナルチームの沖縄合宿など、シーズンイン前の厳寒期に練習環境を求めて温暖な地域で行われるというイメージが強い。夏場はレースシーズンでもあり、長期の合宿を行うチームは少ないのではないか、というイメージの読者も多いだろう。
ハイペースを保った練習ができるという
「実を言うとそうでもないんですよ。ここ2年は中止になりましたけど、ツール・ド・北海道があるじゃないですか。毎年コースが変わるので、狙っていくチームは1か月くらい前に現地入りして、コースの下見をするんですよ。そこに合わせて合宿を行うチームもいますね」と夏のキャンプ事情について教えてくれたのは畑中だ。
「シマノ時代に北海道で合宿したことはあるんですけども、確か支笏湖とかの方だったと思うんですよね。でも、走りやすさや走れるフィールドのバリエーションという意味では絶対こっち(北見)のほうが良いです」と入部も力説する。
丘陵地帯を行くトレイン。大きく間隔をあけて抜いてくれるのが嬉しい
既に相当北見の環境を気に入っているようだが、何がそこまで選手を惹きつけるのだろうか。実際、年々暑さが厳しさを増す中で、外での練習時間を確保するとなると北海道の気候は魅力的だろう。
「真夏のレースでパフォーマンスを発揮するための暑熱馴化は確かに必要ではありますが、それはそれとして別に考えるべき」とはプレイングコーチも務める唐見。「高温多湿の本州の真夏の環境では、走るだけで体力が持っていかれてしまう。結果、狙った強度でトレーニングをこなせないんです。その点北見は基本的に涼しいですし、気温が高い日もカラッとしているので過ごしやすい。しっかりとトレーニングを積めるのは大きなメリットです」という。
収穫間近の玉ねぎ畑を貫く道を走っていく
一方、入部が少し触れてくれたように、充実した走行環境も彼らが強く惹かれる要因だという。中にはヨーロッパよりも恵まれたロケーションという声もあった。
「僕らの合宿地としては理想的で、正直ここを越える場所というのは国内海外を問わず、なかなか思いつかないですね。ほぼ信号が無くノンストップで走れるというだけであれば沖縄もそうなんですが、そこに加えてほぼ斜度の変化が無いルートが10㎞単位で取れる。例えば一定出力を一定ケイデンスで1時間キープ、みたいなメニューを外でやれることなんてそうそう無いです。」と豊富な経験を持つ畑中。
サロマ湖とオホーツク海を一望できる高台
入部も「去年、3か月ほど拠点を置いていたイタリアのルッカと環境や景色も似ていますね。ルッカより走りやすいんじゃないかと感じたぐらいです。東西南北、どこへ向かっても走りやすくて、キャラクターが違うコースが取れるのは最高ですよね。美幌峠や津別峠といった山もあるし、斜里方面やサロマ湖方面のオホーツク海沿いのルートは平坦でスピード練習にもってこい。インターバルがやりたい時は内陸の丘陵地帯がピッタリです」と語ってくれた。
更にもう一つ、選手らにとって魅力的なものがあるという。彼らが口を揃えたのはズバリ「セイコーマート」。消費カロリーの激しい自転車選手にとって、リーズナブルかつボリュームのある昼食を補給できるセイコーマートは、香山や井上ら若手にとっても心強い味方だという。特に2人のお気に入りは「100円パスタ」。1コインとは思えないボリュームと味、そして豊富な味のバリエーションで毎日2種類ずつローテーションしているのだとか。
サロマ湖で一服。
凪のサロマでSUPをエンジョイ
おもてなしの一環として用意されたSUPに興じる
すごしやすい気候に恵まれたロケーション、そして最高の補給スポットという3つが揃う道東・オホーツクはサイクリストにとってまさに理想的な環境が広がっている。そして、そのアドバンテージを活かすべく、北見には新たなアスリート向けの施設が誕生した。
競技者向け宿泊施設「北見アスリートステイズ」 全てはアスリートがストレスフリーに過ごせるように
北見アスリートステイズ
北見の中心地から少し北へ、北見工業大学のすぐそばに新たにオープンした宿泊施設が「北見アスリートステイズ」だ。近くにはこちらもオープンしたばかりのカーリング場「アルゴグラフィックス北見カーリングホール」をはじめ、武道館や陸上競技場など、様々な競技のアスリートの練習や試合等が行える環境が整っている。
そんなロケーションに位置する北見アスリートステイズは、その名の通りアスリート専用の宿泊施設。合宿や試合などで北見へ訪れるアスリートのために建てられており、通常のホテルとは一線を画したサービスが特徴だ。
広々とした間取りの部屋
マッサージチェアも完備
1Fの部屋にはキッチンが備え付けられている
施設は全4階となっており、1~3Fは宿泊ルームに、4Fは食堂およびトレーニングルームとなっている。各宿泊フロアのロビーはそれぞれの部屋の他に大きなデスクやマッサージチェアなどが置かれたミーティングルームとされており、ブリーフィングや試合の振り返りを行うことも出来る。
セキュリティ面も非常に気をつけられており、宿泊時に渡されるIDカードが無いと施設自体に立ち入れないほか、それぞれの宿泊フロア以外のフロアに立ち入ることも出来ないようにコントロールされている。
各フロアにもカードキーが必要となる
北見の町を一望できる食堂では、管理栄養士の組み立てたメニューによるアスリート向けの高たんぱくな食事が提供されるのも大きな特徴。1階の各部屋にはキッチンも完備されているので、もちろん自炊することも可能。なんと買い出しサービスまで行っており、余計な時間を使うことなく、練習に集中できる。
食堂の奥には本格的な器具が揃えられたトレーニングルームが設えられている。ワットバイクやトレッドミル、フリーウェイト用のラック、各種ストレッチアイテム等、様々なワークアウトをこなせるだけの設備が用意され、ボディケアを行うことが可能だ。
栄養たっぷりの夕食は管理栄養士さんによる献立
4階は食堂となる
見晴らしの良い食堂でアスリートフードに舌鼓をうつ
今回は畑中と入部の二人が1日施設を体験することに。「色んなホテルや旅館を使ってきましたが、ここまでアスリート向けに特化した施設というのは無かったですね。正直、アスリートにとって欲しいものが全部揃っています」と入部。
畑中も「ここまでストレスフリーな宿泊施設はないと思います。大部屋で雑魚寝というのも嫌いじゃないですが、やっぱりストレスに感じる選手もいます。キナンには外国人の選手もいますが、ここなら全く問題なく過ごせるはず。来年はぜひ、チームとして訪れたいですね」と、大絶賛だった。
ダンベルやバーベルなどフリーウェイトも充実。鏡張りなのでフォームを確認しながらトレーニング可能
ワットバイクも3台用意される
ストレッチ用のグッズも完備
サイクリストの受け入れ進む北見。9~10月は最高のシーズンに
このようにプロサイクリストたちをも唸らせる環境が、北見には整備されつつある。アスリートステイズは、選手向けの施設となるが、他にも今回選手らが実際に滞在した「北見市自然休養村センター」をはじめ、サイクリストフレンドリーな宿泊施設も数多い。
宿舎とした休養村から出発 スロープ付きで自転車を持ち出しやすいのも嬉しいポイント
広々とした空間に自転車を保管できる自然休養村センター 食事もしっかりとしたものが用意されるという
ランドリーも充実しており、毎日洗濯しても苦にならないのだとか
更に、9月には北見駅に併設されている北見バスターミナルにレンタサイクルやサイクリング情報などを集約したサイクルステーションも設置され、道東サイクリングの基地としてポテンシャルをより高めることに。女満別空港からリムジンバスでバスターミナルに到着すれば、このサイクルステーションは目の前にあり、まさに北見の玄関口にサイクリングの拠点が用意されることとなった。
このサイクルステーションでは、ヤマハのE-BIKEやクロスバイク、フォールディングバイクなど、ビギナーでもオホーツクのライドを楽しめるレンタサイクルが用意されている。ヘルメットも無料で貸出してもらえるうえ、ウェアの有料レンタルもあり、まさに手ぶらでもサイクリングを満喫できる環境が整えられた。
ステーションにはレンタルのみならず、休憩スペースや更衣室、基本的なメンテナンスに対応する工具類なども完備されているため、ツーリングの起点や立ち寄りスポットとしても機能するはず。
ミントカラーが印象的なサイクルステーションが北見に完成した。
更衣室も完備している
ヘルメットやポンプだけでなく、輪行袋なども用意されている
くつろげるスペースも用意されている
更に、北見バスは自転車を2台までそのまま持ち込みできる「BUS & RIDE」を実施中。予約制とはなるが、週末の郊外線にパッキング不要でバス内に自転車を持ち込み可能なサービスだ。サイクルステーションで借りたレンタサイクルでも利用可能となっているため、一気に行動範囲が広がるだろう。
もちろん、予約できずとも輪行袋に収納すれば郊外線は全日とも輪行可能となっている。ツーリング中に不慮のトラブルが起きた場合でも、とりあえずバスに乗ってサイクルステーションまで辿り着けば工具も完備されているので安心だ。市街地にはサイクルショップも営業しているため、自力で修理できずとも、対応してもらえるだろう。
このように、プロサイクリストたちを満足させる環境が広がる北見だが、脚にそこまで自信のない一般サイクリストもこのエリアを十分満喫できるような取り組みも広がっている。更に言えば、この9月から10月にかけては秋の味覚が目白押し。ぜひ自転車旅に出かけてみては。
text&photo:Naoki Yasuoka

ツール・ド・北海道やニセコクラシックなど、その広さにふさわしい壮大な規模のレースの開催地となる北海道。一口に北海道と言っても、地域によって様々な特色があるが、全道の中でも特に自然豊かなのが道東だ。
十勝平野の中心となる帯広、釧路湿原を有する釧路と並び、オホーツクエリアの中核都市となるのが北見市だ。冬には流氷が押し寄せるオホーツク海沿岸から大雪山の北に位置する石北峠まで、東西110kmにも及ぶ広大な面積は北海道の市町村の中でも最大で、なんと香川県の6割に迫るのだという。
そんな北見で、今年弱虫ペダルサイクリングチームのメンバーを中心に国内プロロード選手らが合宿を行った。約2週間ほどの期間を北見を拠点とし、全日本選手権などシーズン後半戦へ向けて走りこんだ。合宿の様子を通して、この北見を中心としたエリアがいかにサイクリストに魅力的なものかをお伝えしていこう。
全日本王者・入部と元王者・畑中を中心に5名が参加した北見合宿

今回の合宿には弱虫ペダルサイクリングチームからは、現ナショナルチャンピオンである入部正太朗、井上文成、香山飛龍、そして昨年のJフェミニンリーダーである唐見実世子が参加。更に、JCL第5戦 オートポリスロードレースで独走勝利を挙げ、リーダージャージを着用する畑中勇介(キナンサイクリングチーム)も加わった。
プロロードレーサーの合宿と言えば、新城幸也のタイ合宿やナショナルチームの沖縄合宿など、シーズンイン前の厳寒期に練習環境を求めて温暖な地域で行われるというイメージが強い。夏場はレースシーズンでもあり、長期の合宿を行うチームは少ないのではないか、というイメージの読者も多いだろう。

「実を言うとそうでもないんですよ。ここ2年は中止になりましたけど、ツール・ド・北海道があるじゃないですか。毎年コースが変わるので、狙っていくチームは1か月くらい前に現地入りして、コースの下見をするんですよ。そこに合わせて合宿を行うチームもいますね」と夏のキャンプ事情について教えてくれたのは畑中だ。
「シマノ時代に北海道で合宿したことはあるんですけども、確か支笏湖とかの方だったと思うんですよね。でも、走りやすさや走れるフィールドのバリエーションという意味では絶対こっち(北見)のほうが良いです」と入部も力説する。

既に相当北見の環境を気に入っているようだが、何がそこまで選手を惹きつけるのだろうか。実際、年々暑さが厳しさを増す中で、外での練習時間を確保するとなると北海道の気候は魅力的だろう。
「真夏のレースでパフォーマンスを発揮するための暑熱馴化は確かに必要ではありますが、それはそれとして別に考えるべき」とはプレイングコーチも務める唐見。「高温多湿の本州の真夏の環境では、走るだけで体力が持っていかれてしまう。結果、狙った強度でトレーニングをこなせないんです。その点北見は基本的に涼しいですし、気温が高い日もカラッとしているので過ごしやすい。しっかりとトレーニングを積めるのは大きなメリットです」という。

一方、入部が少し触れてくれたように、充実した走行環境も彼らが強く惹かれる要因だという。中にはヨーロッパよりも恵まれたロケーションという声もあった。
「僕らの合宿地としては理想的で、正直ここを越える場所というのは国内海外を問わず、なかなか思いつかないですね。ほぼ信号が無くノンストップで走れるというだけであれば沖縄もそうなんですが、そこに加えてほぼ斜度の変化が無いルートが10㎞単位で取れる。例えば一定出力を一定ケイデンスで1時間キープ、みたいなメニューを外でやれることなんてそうそう無いです。」と豊富な経験を持つ畑中。

入部も「去年、3か月ほど拠点を置いていたイタリアのルッカと環境や景色も似ていますね。ルッカより走りやすいんじゃないかと感じたぐらいです。東西南北、どこへ向かっても走りやすくて、キャラクターが違うコースが取れるのは最高ですよね。美幌峠や津別峠といった山もあるし、斜里方面やサロマ湖方面のオホーツク海沿いのルートは平坦でスピード練習にもってこい。インターバルがやりたい時は内陸の丘陵地帯がピッタリです」と語ってくれた。
更にもう一つ、選手らにとって魅力的なものがあるという。彼らが口を揃えたのはズバリ「セイコーマート」。消費カロリーの激しい自転車選手にとって、リーズナブルかつボリュームのある昼食を補給できるセイコーマートは、香山や井上ら若手にとっても心強い味方だという。特に2人のお気に入りは「100円パスタ」。1コインとは思えないボリュームと味、そして豊富な味のバリエーションで毎日2種類ずつローテーションしているのだとか。



すごしやすい気候に恵まれたロケーション、そして最高の補給スポットという3つが揃う道東・オホーツクはサイクリストにとってまさに理想的な環境が広がっている。そして、そのアドバンテージを活かすべく、北見には新たなアスリート向けの施設が誕生した。
競技者向け宿泊施設「北見アスリートステイズ」 全てはアスリートがストレスフリーに過ごせるように

北見の中心地から少し北へ、北見工業大学のすぐそばに新たにオープンした宿泊施設が「北見アスリートステイズ」だ。近くにはこちらもオープンしたばかりのカーリング場「アルゴグラフィックス北見カーリングホール」をはじめ、武道館や陸上競技場など、様々な競技のアスリートの練習や試合等が行える環境が整っている。
そんなロケーションに位置する北見アスリートステイズは、その名の通りアスリート専用の宿泊施設。合宿や試合などで北見へ訪れるアスリートのために建てられており、通常のホテルとは一線を画したサービスが特徴だ。



施設は全4階となっており、1~3Fは宿泊ルームに、4Fは食堂およびトレーニングルームとなっている。各宿泊フロアのロビーはそれぞれの部屋の他に大きなデスクやマッサージチェアなどが置かれたミーティングルームとされており、ブリーフィングや試合の振り返りを行うことも出来る。
セキュリティ面も非常に気をつけられており、宿泊時に渡されるIDカードが無いと施設自体に立ち入れないほか、それぞれの宿泊フロア以外のフロアに立ち入ることも出来ないようにコントロールされている。

北見の町を一望できる食堂では、管理栄養士の組み立てたメニューによるアスリート向けの高たんぱくな食事が提供されるのも大きな特徴。1階の各部屋にはキッチンも完備されているので、もちろん自炊することも可能。なんと買い出しサービスまで行っており、余計な時間を使うことなく、練習に集中できる。
食堂の奥には本格的な器具が揃えられたトレーニングルームが設えられている。ワットバイクやトレッドミル、フリーウェイト用のラック、各種ストレッチアイテム等、様々なワークアウトをこなせるだけの設備が用意され、ボディケアを行うことが可能だ。



今回は畑中と入部の二人が1日施設を体験することに。「色んなホテルや旅館を使ってきましたが、ここまでアスリート向けに特化した施設というのは無かったですね。正直、アスリートにとって欲しいものが全部揃っています」と入部。
畑中も「ここまでストレスフリーな宿泊施設はないと思います。大部屋で雑魚寝というのも嫌いじゃないですが、やっぱりストレスに感じる選手もいます。キナンには外国人の選手もいますが、ここなら全く問題なく過ごせるはず。来年はぜひ、チームとして訪れたいですね」と、大絶賛だった。



サイクリストの受け入れ進む北見。9~10月は最高のシーズンに
このようにプロサイクリストたちをも唸らせる環境が、北見には整備されつつある。アスリートステイズは、選手向けの施設となるが、他にも今回選手らが実際に滞在した「北見市自然休養村センター」をはじめ、サイクリストフレンドリーな宿泊施設も数多い。



更に、9月には北見駅に併設されている北見バスターミナルにレンタサイクルやサイクリング情報などを集約したサイクルステーションも設置され、道東サイクリングの基地としてポテンシャルをより高めることに。女満別空港からリムジンバスでバスターミナルに到着すれば、このサイクルステーションは目の前にあり、まさに北見の玄関口にサイクリングの拠点が用意されることとなった。
このサイクルステーションでは、ヤマハのE-BIKEやクロスバイク、フォールディングバイクなど、ビギナーでもオホーツクのライドを楽しめるレンタサイクルが用意されている。ヘルメットも無料で貸出してもらえるうえ、ウェアの有料レンタルもあり、まさに手ぶらでもサイクリングを満喫できる環境が整えられた。
ステーションにはレンタルのみならず、休憩スペースや更衣室、基本的なメンテナンスに対応する工具類なども完備されているため、ツーリングの起点や立ち寄りスポットとしても機能するはず。




更に、北見バスは自転車を2台までそのまま持ち込みできる「BUS & RIDE」を実施中。予約制とはなるが、週末の郊外線にパッキング不要でバス内に自転車を持ち込み可能なサービスだ。サイクルステーションで借りたレンタサイクルでも利用可能となっているため、一気に行動範囲が広がるだろう。
もちろん、予約できずとも輪行袋に収納すれば郊外線は全日とも輪行可能となっている。ツーリング中に不慮のトラブルが起きた場合でも、とりあえずバスに乗ってサイクルステーションまで辿り着けば工具も完備されているので安心だ。市街地にはサイクルショップも営業しているため、自力で修理できずとも、対応してもらえるだろう。
このように、プロサイクリストたちを満足させる環境が広がる北見だが、脚にそこまで自信のない一般サイクリストもこのエリアを十分満喫できるような取り組みも広がっている。更に言えば、この9月から10月にかけては秋の味覚が目白押し。ぜひ自転車旅に出かけてみては。
text&photo:Naoki Yasuoka
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