2021/06/18(金) - 17:46
イギリスの新鋭サイクルパーツブランド、アブソリュートブラックが超低抵抗を誇るチェーンオイルの国内展開を開始。2020年のツールを制したタデイ・ポガチャルや、接戦を演じたログリッチらも愛用するGRAPHEN lubeを紹介しよう。
アブソリュートブラック GRAPHEN lube (c)フタバ商店
全ての乗り物の中でも、極めて機械的なロスが少ないといわれる自転車。それでも、シリアスなレーサーにとって、少しでも損失を抑えることはライバルたちに対してアドバンテージを得るのと同義だ。駆動ロスの中でも大きな割合を占めるチェーンの摩擦抵抗を低減する潤滑油の選択は、今も昔も大きな関心事だ。
様々なブランドが低抵抗を謳う製品を世に出している中で、最近大きな注目を浴びているのがアブソリュートブラックの"GRAPHEN lube"。その名の通り、グラフェンを配合した世界初の炭化水素ベースチェーン潤滑剤だ。
グラフェンとは、炭素原子がハニカム状に共有結合した単原子シート。非常に優れた熱伝導性や導電性を持ち、様々な分野で活用されている最先端素材だが、今回アブソリュートブラックが注目したのは、強度と摩擦係数だ。
あらゆる環境において非常に低い摩擦係数を保つと同時に、どのような素材よりもはるかに強く、付着した金属の表面を摩擦による摩耗から保護する性質を活用することで、圧倒的な低抵抗と長寿命を実現した。更に、空気や水を透過しない独特の性質が金属表面を酸化ストレスから守るという効果もあるという。
マイヨジョーヌを着て最終ステージを走るタデイ・ポガチャル（スロベニア、UAEチームエミレーツ） photo:Kei Tsuji
画期的な性能を謳うGRAPHEN lubeだが、ロードレースの世界においては疑う余地のない結果を残している。世界最高峰のステージレースであるツール・ド・フランスにおいて、総合優勝、山岳賞、新人賞を総なめにした若き英雄、タデイ・ポガチャルの所属するUAEチームエミレーツや、最終TTまでポガチャルと総合成績を争ったプリモシュ・ログリッチの所属するユンボ・ヴィスマが使っているオイルこそが、このGRAPHEN lubeだ。
GRAPHEN lubeはウェット/ドライどちらのコンディションにも関わらず長期間に渡って摩擦を低減、一度の施工で並外れた耐久性を発揮するという。メーカーによるテストではドライコンディションで最大1,800kmの間、他の潤滑油に比べて3～10Wの摩擦軽減を維持したという。
グラフェン配合のためか黒い半固形の潤滑剤となっている (c)フタバ商店
従来の油性潤滑剤ではインナーリンクとローラーの内側に対しての塗布が不均一となるため、潤滑に必要な油膜を形成できず摩擦面同士が接触してしまうことで抵抗を生み出していたという。一方、GRAPHEN lubeは、ワックスベースの半固体潤滑剤であり、金属表面を均一に埋めることで摩擦面同士の接触を防ぐ被膜を形成することが可能となっているという。
この特性とグラフェンの持つ性能の相乗効果がGRAPHEN lubeの耐久性とハイパフォーマンスの源となっている。また、この長時間の摩耗低減効果によって、チェーンに加えてチェーンリングやスプロケットといったドライブトレイン全体の寿命を延ばすという効果もあるという。140mlで21,450円（税込）という高価なケミカルであるが、そういった効果も加味すれば、費用対効果という面でも優れたプロダクトだと言えるかもしれない。
ワックスベースということもあり、性能を最大に発揮するためには初回施工時にはしっかりと脱脂や乾燥、漬け込みといった工程が必要となるが、2度目以降は通常のチェーンオイルとほぼ同じ手順で施工可能となっている。
塗布時に利用しやすいノズルが付属。容量は140mlとなっている lube (c)フタバ商店
実使用においては、レースパフォーマンスを追求するのであれば600km毎、またはレース前日の施工、日常ユースであればドライコンディションであれば900～1200km、または3～4回程度ウェットコンディションでの乗車毎に注油するのが良いとのことだ。この高い耐久性やワックス系ルブならではの汚れづらさを加味すれば、トータルでメンテナンスにかかる手間も抑えてくれそうだ。
今回、日本でアブソリュートブラックの代理店を務めるフタバ商店によって国内での本格展開が開始された。初回入荷は20本限定で8月に入荷予定とのことだ。世界最速のチェーンケミカルの一角であるGRAPHENlube、ぜひ試してみては。詳細のデータなどは本国サイトが詳しい。
アブソリュートブラック GRAPHENlube
サイズ：140ml
価格：21,450円（税込）
アブソリュートブラック GRAPHEN lube (c)フタバ商店全ての乗り物の中でも、極めて機械的なロスが少ないといわれる自転車。それでも、シリアスなレーサーにとって、少しでも損失を抑えることはライバルたちに対してアドバンテージを得るのと同義だ。駆動ロスの中でも大きな割合を占めるチェーンの摩擦抵抗を低減する潤滑油の選択は、今も昔も大きな関心事だ。
様々なブランドが低抵抗を謳う製品を世に出している中で、最近大きな注目を浴びているのがアブソリュートブラックの"GRAPHEN lube"。その名の通り、グラフェンを配合した世界初の炭化水素ベースチェーン潤滑剤だ。
グラフェンとは、炭素原子がハニカム状に共有結合した単原子シート。非常に優れた熱伝導性や導電性を持ち、様々な分野で活用されている最先端素材だが、今回アブソリュートブラックが注目したのは、強度と摩擦係数だ。
あらゆる環境において非常に低い摩擦係数を保つと同時に、どのような素材よりもはるかに強く、付着した金属の表面を摩擦による摩耗から保護する性質を活用することで、圧倒的な低抵抗と長寿命を実現した。更に、空気や水を透過しない独特の性質が金属表面を酸化ストレスから守るという効果もあるという。
マイヨジョーヌを着て最終ステージを走るタデイ・ポガチャル（スロベニア、UAEチームエミレーツ） photo:Kei Tsuji画期的な性能を謳うGRAPHEN lubeだが、ロードレースの世界においては疑う余地のない結果を残している。世界最高峰のステージレースであるツール・ド・フランスにおいて、総合優勝、山岳賞、新人賞を総なめにした若き英雄、タデイ・ポガチャルの所属するUAEチームエミレーツや、最終TTまでポガチャルと総合成績を争ったプリモシュ・ログリッチの所属するユンボ・ヴィスマが使っているオイルこそが、このGRAPHEN lubeだ。
GRAPHEN lubeはウェット/ドライどちらのコンディションにも関わらず長期間に渡って摩擦を低減、一度の施工で並外れた耐久性を発揮するという。メーカーによるテストではドライコンディションで最大1,800kmの間、他の潤滑油に比べて3～10Wの摩擦軽減を維持したという。
グラフェン配合のためか黒い半固形の潤滑剤となっている (c)フタバ商店従来の油性潤滑剤ではインナーリンクとローラーの内側に対しての塗布が不均一となるため、潤滑に必要な油膜を形成できず摩擦面同士が接触してしまうことで抵抗を生み出していたという。一方、GRAPHEN lubeは、ワックスベースの半固体潤滑剤であり、金属表面を均一に埋めることで摩擦面同士の接触を防ぐ被膜を形成することが可能となっているという。
この特性とグラフェンの持つ性能の相乗効果がGRAPHEN lubeの耐久性とハイパフォーマンスの源となっている。また、この長時間の摩耗低減効果によって、チェーンに加えてチェーンリングやスプロケットといったドライブトレイン全体の寿命を延ばすという効果もあるという。140mlで21,450円（税込）という高価なケミカルであるが、そういった効果も加味すれば、費用対効果という面でも優れたプロダクトだと言えるかもしれない。
ワックスベースということもあり、性能を最大に発揮するためには初回施工時にはしっかりと脱脂や乾燥、漬け込みといった工程が必要となるが、2度目以降は通常のチェーンオイルとほぼ同じ手順で施工可能となっている。
塗布時に利用しやすいノズルが付属。容量は140mlとなっている lube (c)フタバ商店実使用においては、レースパフォーマンスを追求するのであれば600km毎、またはレース前日の施工、日常ユースであればドライコンディションであれば900～1200km、または3～4回程度ウェットコンディションでの乗車毎に注油するのが良いとのことだ。この高い耐久性やワックス系ルブならではの汚れづらさを加味すれば、トータルでメンテナンスにかかる手間も抑えてくれそうだ。
今回、日本でアブソリュートブラックの代理店を務めるフタバ商店によって国内での本格展開が開始された。初回入荷は20本限定で8月に入荷予定とのことだ。世界最速のチェーンケミカルの一角であるGRAPHENlube、ぜひ試してみては。詳細のデータなどは本国サイトが詳しい。
アブソリュートブラック GRAPHENlube
サイズ：140ml
価格：21,450円（税込）
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