2021/06/14(月) - 09:48
超級山岳ゴッタルド峠での登坂バトル。ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)がホームレースで勝利を挙げ、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)のアタックを防いだリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が総合優勝に輝いた。
第84回ツール・ド・スイスの最終第8ステージは、前日個人TTのフィニッシュ地点となったアンデルマットを発着する159.5km。昨日のTTコースを逆走して1級山岳オーバーアルプ峠(距離10.1km/平均5.9%)を越え、続いて第6ステージのコースを逆走。1級山岳ルクマニエ峠(距離15.7km/平均5.5%)から長いダウンヒルを経て超級山岳ゴッタルド峠(距離13km/平均6.8%)に挑むという、クイーンステージにふさわしい難関山岳ルートが用意された。
この過酷なクイーンステージの序盤戦は、山岳賞逆転を狙う選手を中心にアタック合戦が繰り広げられ、氷河が横たわるオーバーアルプ峠山頂ではワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトアス)が先頭通過を果たす。ダウンヒルとルクマニエ峠の登りを経てプールスを含む9名が先行し、ここに山岳賞首位アントニオ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)を含む合計6名が合流。再び先頭通過に成功したプールスは合計24ポイントを稼ぎ出した。
先頭グループは50kmにわたる長い下り基調ルートを飛ばし、92km地点にあるこの日の最低標高地点(337m)を通過する。この時点で逃げとメイン集団の差は最大でも3分弱。ここから標高2,084mの超級ゴッタルド峠に向けての長い登坂に取り掛かった。
激しいアタック合戦を経て先頭グループからハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)とティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM)が抜け出して超級山岳ゴッタルド峠後半から始まる石畳区間を駆け上がる。しかしイネオス・グレナディアーズ牽引によるメイン集団がすぐ後方まで迫り、頂上まで3kmを残してペーンシュタイナーを引き戻した。
前日の第7ステージを終えた時点で総合首位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)と総合2位リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)のタイム差は17秒。前日の勢いそのままに逆転総合優勝を狙うウランは山頂まで残り約2kmで動いた。
石畳のつづら折れで加速したウランだったが、守る立場のカラパスはガッチリとウランの背中をフォローする。続いて3分10秒遅れのマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)がアタックすると、ここにステージ優勝を狙うマティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が追いついた。
ウッズはすぐさまカッタネオをちぎり、幾多の歴史が刻まれたゴッタルド峠山頂を先頭通過して山岳賞を確定。ウランは再三に渡って加速したものの、イエロージャージを着るカラパスは崩れるそぶりを見せない。エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ)に守られながら、カラパスはゴッタルド峠のバトルを耐え切った。
アンデルマットの街を目指すハイスピードダウンヒルで先頭ウッズにジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)が追いつき、10〜15秒差を得てカラパスグループから逃げ続ける。石畳が敷かれたトリッキーな市街地コースで大声援に後押しされたマーダーがウッズを抑えて勝利し、9秒遅れの総合グループは争うことなくフィニッシュ。17秒リードを守り抜いたカラパスが第84回ツール・ド・スイス総合優勝に輝いた。
「今日のステージを楽しみにしていたんだ。ホームレースを勝利で締めくくりたいと思っていて、それを叶えることができた」と、今年NTTプロサイクリングからバーレーン・ヴィクトリアスに移籍したマーダーは言う。スイス期待のクライマーとして頭角を現す24歳にとってはジロ・デ・イタリア第6ステージに続くワールドツアー2勝目であり、「チームは完璧で、プールスが逃げ、続いてペーンシュタイナーが彼に追いついたことで脚を貯めることができた。補給や精神的なサポートも十分で、最後の登りでも完璧なポジションでアシストしてくれたんだ」とチームへの感謝を綴っている。
来たるツール・ド・フランスでゲラント・トーマス(イギリス)の重要な山岳アシストとなるカラパスにとって、ワールドツアーでの総合優勝は自身初グランツール優勝となった2019年ジロ・デ・イタリア以来2度目。南米勢の先輩であるウランの攻撃を耐えたカラパスは「素晴らしく美しい勝利だ。チームとして懸命に走り、自分たちの立ち位置を確かめるために全力を尽くし、そして総合優勝を射止めた。自分自身、そしてチームにとっても自信を高める結果だ。美しいレースであり、優勝したことでより素晴らしいレースだと感じているよ。僕の戦績にこの勝利を加えることができたのが本当に特別で嬉しい」と語る。
「スタート時点でリゴ(ウラン)に対してリードは少なかったけれど、調子も良くチームも順調だと分かっていた。攻撃を受けると分かっていたが、結局終盤でもエディが側について全てのアタックに反応してくれた。リゴのアタックにも反応でき、終盤にチームメイトがいたことは本当に大きかった。一緒にフィニッシュできたことは素晴らしかった」と言うカラパス。先日した通りツール・ド・フランスはトーマスと共に、そしてブエルタ・ア・エスパーニャではジロを制したエガン・ベルナル(コロンビア)と共にスタートラインに立つ予定だ。
第84回ツール・ド・スイスの最終第8ステージは、前日個人TTのフィニッシュ地点となったアンデルマットを発着する159.5km。昨日のTTコースを逆走して1級山岳オーバーアルプ峠(距離10.1km/平均5.9%)を越え、続いて第6ステージのコースを逆走。1級山岳ルクマニエ峠(距離15.7km/平均5.5%)から長いダウンヒルを経て超級山岳ゴッタルド峠(距離13km/平均6.8%)に挑むという、クイーンステージにふさわしい難関山岳ルートが用意された。
この過酷なクイーンステージの序盤戦は、山岳賞逆転を狙う選手を中心にアタック合戦が繰り広げられ、氷河が横たわるオーバーアルプ峠山頂ではワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトアス)が先頭通過を果たす。ダウンヒルとルクマニエ峠の登りを経てプールスを含む9名が先行し、ここに山岳賞首位アントニオ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)を含む合計6名が合流。再び先頭通過に成功したプールスは合計24ポイントを稼ぎ出した。
先頭グループは50kmにわたる長い下り基調ルートを飛ばし、92km地点にあるこの日の最低標高地点(337m)を通過する。この時点で逃げとメイン集団の差は最大でも3分弱。ここから標高2,084mの超級ゴッタルド峠に向けての長い登坂に取り掛かった。
激しいアタック合戦を経て先頭グループからハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)とティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM)が抜け出して超級山岳ゴッタルド峠後半から始まる石畳区間を駆け上がる。しかしイネオス・グレナディアーズ牽引によるメイン集団がすぐ後方まで迫り、頂上まで3kmを残してペーンシュタイナーを引き戻した。
前日の第7ステージを終えた時点で総合首位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)と総合2位リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)のタイム差は17秒。前日の勢いそのままに逆転総合優勝を狙うウランは山頂まで残り約2kmで動いた。
石畳のつづら折れで加速したウランだったが、守る立場のカラパスはガッチリとウランの背中をフォローする。続いて3分10秒遅れのマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)がアタックすると、ここにステージ優勝を狙うマティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が追いついた。
ウッズはすぐさまカッタネオをちぎり、幾多の歴史が刻まれたゴッタルド峠山頂を先頭通過して山岳賞を確定。ウランは再三に渡って加速したものの、イエロージャージを着るカラパスは崩れるそぶりを見せない。エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ)に守られながら、カラパスはゴッタルド峠のバトルを耐え切った。
アンデルマットの街を目指すハイスピードダウンヒルで先頭ウッズにジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)が追いつき、10〜15秒差を得てカラパスグループから逃げ続ける。石畳が敷かれたトリッキーな市街地コースで大声援に後押しされたマーダーがウッズを抑えて勝利し、9秒遅れの総合グループは争うことなくフィニッシュ。17秒リードを守り抜いたカラパスが第84回ツール・ド・スイス総合優勝に輝いた。
「今日のステージを楽しみにしていたんだ。ホームレースを勝利で締めくくりたいと思っていて、それを叶えることができた」と、今年NTTプロサイクリングからバーレーン・ヴィクトリアスに移籍したマーダーは言う。スイス期待のクライマーとして頭角を現す24歳にとってはジロ・デ・イタリア第6ステージに続くワールドツアー2勝目であり、「チームは完璧で、プールスが逃げ、続いてペーンシュタイナーが彼に追いついたことで脚を貯めることができた。補給や精神的なサポートも十分で、最後の登りでも完璧なポジションでアシストしてくれたんだ」とチームへの感謝を綴っている。
来たるツール・ド・フランスでゲラント・トーマス(イギリス)の重要な山岳アシストとなるカラパスにとって、ワールドツアーでの総合優勝は自身初グランツール優勝となった2019年ジロ・デ・イタリア以来2度目。南米勢の先輩であるウランの攻撃を耐えたカラパスは「素晴らしく美しい勝利だ。チームとして懸命に走り、自分たちの立ち位置を確かめるために全力を尽くし、そして総合優勝を射止めた。自分自身、そしてチームにとっても自信を高める結果だ。美しいレースであり、優勝したことでより素晴らしいレースだと感じているよ。僕の戦績にこの勝利を加えることができたのが本当に特別で嬉しい」と語る。
「スタート時点でリゴ(ウラン)に対してリードは少なかったけれど、調子も良くチームも順調だと分かっていた。攻撃を受けると分かっていたが、結局終盤でもエディが側について全てのアタックに反応してくれた。リゴのアタックにも反応でき、終盤にチームメイトがいたことは本当に大きかった。一緒にフィニッシュできたことは素晴らしかった」と言うカラパス。先日した通りツール・ド・フランスはトーマスと共に、そしてブエルタ・ア・エスパーニャではジロを制したエガン・ベルナル(コロンビア)と共にスタートラインに立つ予定だ。
ツール・ド・スイス2021第8ステージ結果
1位 | ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 4:06:25 |
2位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | |
3位 | マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:09 |
4位 | エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) | |
8位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・アソス) | |
9位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック) | |
10位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:21 |
個人総合成績
1位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | 24:44:01 |
2位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) | 0:17 |
3位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック) | 1:15 |
4位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 1:19 |
5位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | 2:55 |
6位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・アソス) | 3:16 |
7位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 3:43 |
8位 | サム・オーメン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 4:16 |
9位 | マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:39 |
10位 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ) | 5:33 |
その他の特別賞
ポイント賞 | シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO) |
山岳賞 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) |
ヤングライダー賞 | エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィズマ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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