2021/05/21(金) - 10:09
逃げ選手たちによる熾烈なステージ優勝争いが勃発したジロ第12ステージ。「イタリア人としてキャリア最高の日になった」と語るのはジロ初勝利を挙げたアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)。競り負けたハミルトンや、斜行し降格処分を受けたブランビッラなどのコメントを紹介します。
ステージ1位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)
これがジロ初ステージ優勝かつ、AG2Rシトロエンでの初勝利だ。そしてイタリア人として母国のグランツールで勝利することができ、キャリア最高の日になった。今日の最初の目標はジョフリー(ブシャール)に山岳賞ポイントを取らせることだった。しかし勝利のチャンスが巡ってきて、フィニッシュに向かって集団を絞るため最後の登りでは戦略を立てる必要があった。
ジョフリーが無線で僕を励ましてくれたんだ。その声が力になったので、この勝利は彼のものでもある。ステージ優勝は果たしたので、これから違うジロが始まる。もう一度全力で勝利を目指すよ。
ステージ2位 クリス・ハミルトン(オーストリア、チームDSM)
みんなが期待していた通り、かなりハードな日になった。今大会の最長距離で、獲得標高差もこれまでで最大だった。ニコラス(ロッシュ)と僕が逃げる許可を得て、熾烈なアタック合戦の末、逃げに乗ることができた。それからはできるだけ効率的に、手に内を見せないような走りをした。フィニッシュまで4人で争う展開は熱かった。これまで自分の結果を狙うステージがなかったので、このような機会を与えてくれたチームに感謝している。もちろん勝ちたかったが、グランツールで2位という価値は高い。あれ以上できることもなかったし、今日の結果には満足しているよ。
ステージ3位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)
ステージ優勝が狙えるチャンスだったが、最後で賭けに出なければいけなかった。勝つためには負けも辞さなない覚悟が必要だ。僕にスプリント力があれば集団のままフィニッシュに向かったのだが、58kgで1000Wを越えるのにも苦労するような僕に勝ち目はない。
逃げからステージ優勝を狙うなんて普段はしない。だからこそ、その駆け引きを学ぶためには時間が必要だ。この後に待ち受ける山岳ステージでまたチャンスが巡ってくるだろう。それらのステージでは、駆け引きよりもどれだけ脚があるかが重要になってくる。第1週目の失望があり自分を立て直すのに数日かかったが、まだ自信は失っていない。ステージ優勝を目指して挑戦を続けるよ。
ステージ4位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)
勝利のチャンスを掴めずとても悔しい。スタートから65kmは逃げに乗るためにフルガスだった。そして150km近くを逃げ続け(メイン集団から)タイムを稼いだ。スプリントするチャンスさえなかったのは残念で、まずチームに申し訳なく思う。僕らはジロにステージ優勝を目指してやってきた。しかし今日、その機会を逃してしまった。
ヴェンドラーメの勝利は実力で掴んだものだ。先頭集団で彼が一番速かった。それがわかっていたからこそ、登りや下りで何度も仕掛けたんだ。負ける覚悟を決めながら、勝利に向かい走っていた。こういう結果になってしまったが、次のチャンスに向けて前を向くしかない。調子は良いのでまた頑張りたい。
(斜行による)4位への降格については、審判団の判断を受け入れる。でも僕の意見は、ベネットが後ろにつき、フィニッシュラインが右に寄っていたため、僕が左に斜行しているように見えたのだろう。
ステージ6位&山岳賞 ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)
アンドレアの勝利はとても嬉しい。度々ルームメイトになるとても仲の良い選手だからね。逃げに乗ることで山岳ポイントを加算することができた。ミラノはまだ遠いが、このまま頑張っていきたい。
マリアローザ&ヤングライダー賞 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)
獲得標高差のある全員にとってタフな日だった。何事もなくフィニッシュすることができ満足しているが、とにかくタフなステージだった。最後の登りの入りは勾配があったものの、フィニッシュまで平坦が4kmも続くレイアウトだったし、疲れと明後日(第14ステージの)ゾンコランのことを考えると仕掛けるのはベストな選択ではなかった。
登りでアタックも起こったのだが、モトバイクが彼らの近くを走っていたので素早く捉えることができた。再びニバリが下りで仕掛けたが、追うリスクは犯したくなかった。だが彼は素晴らしい選手で、注意しなくれはならない選手の一人だ。
そろそろ平坦ステージ(休息)が必要だ。しかし、こういったステージは時にして難しくもなる。明日は集中しなければならない。グランツールにおいて総合勢に簡単な日はなく、毎日が全力だ。
ポイント賞 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
明日はスプリントステージでベストを尽くす。しかし、フェルナンド(ガビリア)や(ダヴィデ)チモライ、エリア・ヴィヴィアーニなどといったスプリンターたちも、当然勝利を狙っている。何が起こるか楽しみだし、(勝利は)くじ引きみたいなものだ。
ステージ84位 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)
心配してたジーノ(マーダー)がレースをリタイアする事となったが、チームに力を与えてくれた勝利は素晴らしかった。そして2週間共にしたルームメイトを失うのは悲しい…しっかりと治して、また爆走するジーノに期待したい。
昨日のレースは最後50kmを全力疾走、今日のステージは最初50kmを全力疾走(苦笑)。まぁ毎日、全力なのに変わりはないのだけど、、、
今日もまた、ラファが序盤の落車に巻き込まれて、負傷してしまった。チームは5人となったが、よりダミアーノの総合という1つの目標に向かって進んで行くだけです。明日はまっ平らなステージだけど、どうなるかな?
山岳賞で3位につけるも棄権したジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)
残念ながら僕のジロはここで終わりだ。昨日のステージで酷く落車をしてしまい、今日を走る力がなかった。集団から遅れ、このまま走っても何も得るものはないと判断した。チームは5人と小さくなってしまったが、ダミアーノ(カルーゾ)が表彰台圏内にいるので、このままレースを離れるのは心が痛む。彼らの健闘を祈っている。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
ステージ1位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)
これがジロ初ステージ優勝かつ、AG2Rシトロエンでの初勝利だ。そしてイタリア人として母国のグランツールで勝利することができ、キャリア最高の日になった。今日の最初の目標はジョフリー(ブシャール)に山岳賞ポイントを取らせることだった。しかし勝利のチャンスが巡ってきて、フィニッシュに向かって集団を絞るため最後の登りでは戦略を立てる必要があった。
ジョフリーが無線で僕を励ましてくれたんだ。その声が力になったので、この勝利は彼のものでもある。ステージ優勝は果たしたので、これから違うジロが始まる。もう一度全力で勝利を目指すよ。
ステージ2位 クリス・ハミルトン(オーストリア、チームDSM)
みんなが期待していた通り、かなりハードな日になった。今大会の最長距離で、獲得標高差もこれまでで最大だった。ニコラス(ロッシュ)と僕が逃げる許可を得て、熾烈なアタック合戦の末、逃げに乗ることができた。それからはできるだけ効率的に、手に内を見せないような走りをした。フィニッシュまで4人で争う展開は熱かった。これまで自分の結果を狙うステージがなかったので、このような機会を与えてくれたチームに感謝している。もちろん勝ちたかったが、グランツールで2位という価値は高い。あれ以上できることもなかったし、今日の結果には満足しているよ。
ステージ3位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)
ステージ優勝が狙えるチャンスだったが、最後で賭けに出なければいけなかった。勝つためには負けも辞さなない覚悟が必要だ。僕にスプリント力があれば集団のままフィニッシュに向かったのだが、58kgで1000Wを越えるのにも苦労するような僕に勝ち目はない。
逃げからステージ優勝を狙うなんて普段はしない。だからこそ、その駆け引きを学ぶためには時間が必要だ。この後に待ち受ける山岳ステージでまたチャンスが巡ってくるだろう。それらのステージでは、駆け引きよりもどれだけ脚があるかが重要になってくる。第1週目の失望があり自分を立て直すのに数日かかったが、まだ自信は失っていない。ステージ優勝を目指して挑戦を続けるよ。
ステージ4位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)
勝利のチャンスを掴めずとても悔しい。スタートから65kmは逃げに乗るためにフルガスだった。そして150km近くを逃げ続け(メイン集団から)タイムを稼いだ。スプリントするチャンスさえなかったのは残念で、まずチームに申し訳なく思う。僕らはジロにステージ優勝を目指してやってきた。しかし今日、その機会を逃してしまった。
ヴェンドラーメの勝利は実力で掴んだものだ。先頭集団で彼が一番速かった。それがわかっていたからこそ、登りや下りで何度も仕掛けたんだ。負ける覚悟を決めながら、勝利に向かい走っていた。こういう結果になってしまったが、次のチャンスに向けて前を向くしかない。調子は良いのでまた頑張りたい。
(斜行による)4位への降格については、審判団の判断を受け入れる。でも僕の意見は、ベネットが後ろにつき、フィニッシュラインが右に寄っていたため、僕が左に斜行しているように見えたのだろう。
ステージ6位&山岳賞 ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)
アンドレアの勝利はとても嬉しい。度々ルームメイトになるとても仲の良い選手だからね。逃げに乗ることで山岳ポイントを加算することができた。ミラノはまだ遠いが、このまま頑張っていきたい。
マリアローザ&ヤングライダー賞 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)
獲得標高差のある全員にとってタフな日だった。何事もなくフィニッシュすることができ満足しているが、とにかくタフなステージだった。最後の登りの入りは勾配があったものの、フィニッシュまで平坦が4kmも続くレイアウトだったし、疲れと明後日(第14ステージの)ゾンコランのことを考えると仕掛けるのはベストな選択ではなかった。
登りでアタックも起こったのだが、モトバイクが彼らの近くを走っていたので素早く捉えることができた。再びニバリが下りで仕掛けたが、追うリスクは犯したくなかった。だが彼は素晴らしい選手で、注意しなくれはならない選手の一人だ。
そろそろ平坦ステージ(休息)が必要だ。しかし、こういったステージは時にして難しくもなる。明日は集中しなければならない。グランツールにおいて総合勢に簡単な日はなく、毎日が全力だ。
ポイント賞 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
明日はスプリントステージでベストを尽くす。しかし、フェルナンド(ガビリア)や(ダヴィデ)チモライ、エリア・ヴィヴィアーニなどといったスプリンターたちも、当然勝利を狙っている。何が起こるか楽しみだし、(勝利は)くじ引きみたいなものだ。
ステージ84位 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)
心配してたジーノ(マーダー)がレースをリタイアする事となったが、チームに力を与えてくれた勝利は素晴らしかった。そして2週間共にしたルームメイトを失うのは悲しい…しっかりと治して、また爆走するジーノに期待したい。
昨日のレースは最後50kmを全力疾走、今日のステージは最初50kmを全力疾走(苦笑)。まぁ毎日、全力なのに変わりはないのだけど、、、
今日もまた、ラファが序盤の落車に巻き込まれて、負傷してしまった。チームは5人となったが、よりダミアーノの総合という1つの目標に向かって進んで行くだけです。明日はまっ平らなステージだけど、どうなるかな?
山岳賞で3位につけるも棄権したジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)
残念ながら僕のジロはここで終わりだ。昨日のステージで酷く落車をしてしまい、今日を走る力がなかった。集団から遅れ、このまま走っても何も得るものはないと判断した。チームは5人と小さくなってしまったが、ダミアーノ(カルーゾ)が表彰台圏内にいるので、このままレースを離れるのは心が痛む。彼らの健闘を祈っている。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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