2021/05/15(土) - 08:20
10〜12%の登りをこなしてからの緩斜面スプリント。早駆けしたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)との差を自ら詰め、圧倒的な加速を披露したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が今大会2勝目を掴んだ。
5月14日(金)第7ステージ
ノタレスコ〜テルモリ 181km ★★
アドリア海に沿って南下し、アブルッツォ州からモリーゼ州に入るジロ・デ・イタリア第7ステージ。ステージ中盤にかけて丘上都市の4級山岳キエーティを通過するが、ティレーノ〜アドリアティコのような激坂は登場しない。その後もいくつかの丘を越えるがほぼフラットと言って良く、フィニッシュ手前には10〜12%の登り区間(マリオミラノ通り)が200mに渡って続く。
スプリンターはもちろん、登坂力とスピードを武器にするアタッカーにもチャンスが残されているこの日、ノタレスコのスタートラインに並んだ選手たちの中にドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・アソス)の姿は無く。雨の第6ステージで落車し、昨年手術した左肘を再び痛めたことで帰宅を強いられている。
スタートフラッグが振られると同時に飛び立ったのは、今大会積極的に逃げるウンベルト・マレンゴ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)とシモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク)、そしてマーク・クリスティアン(イギリス、エオーロ・コメタ)の3名。メイン集団はこのファーストアタックを見送り、約4分のリードを許した。
誰もが「厳しかった」と口を揃える前日の雨中消耗戦と、この週末に続く山岳ステージに挟まれたこの日、メイン集団は超まったりペースでレースを進める。ティレーノ〜アドリアティコでおなじみの4級山岳キエーティを何事もなく通過(先頭通過はペロー)し、初日からの今大会通算1000km地点を通過。93km地点の第1中間スプリントではペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がメイン集団の先頭(全体の4位)で5ポイントを加算している。
この日のステージ平均スピードは38km/h台。カレブ・ユアン(オーストラリア)のステージ2勝目を狙うロット・スーダルはトーマス・デヘント(ベルギー)をタイムキーパー役に抜擢し、クベカ・アソスやアルペシン・フェニックスの牽引役たちと共にタイム差を削り取っていく。残り40kmで1分15秒、残り30kmで50秒と、残り20kmで30秒と、余裕を持ったペースメイクで集団スプリントへの準備を整えていった。
落車や横風分断も何もない、極めて平穏なステージ。最後まで協調体制を貫いた逃げグループは残り17kmで飲み込まれ、フーガ(逃げ)ランキングでペローが1位、マレンゴが2位に躍進。力を蓄えた各チームが隊列を並べる中、先頭にはバーレーン・ヴィクトリアス列車を牽引する新城幸也(日本)の姿もあった。
ユンボ・ヴィズマの牽引でラスト4.3kmから始まるランドアバウト連続地帯をクリアし、マリオミラノ通りの登り終盤に飛び出したヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)とダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)も決定的なリードを奪うには至らない。ユアンを従えたジャスパー・デブイスト(ベルギー)が2人をキャッチすると共に、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がロングスパートを仕掛けた。
サプライズアタックを仕掛けたガビリアは大きなリードを得たものの、ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)たちを引き連れながら追撃するユアンが後方から飛んでくる。接触によるメカトラブルで4番手サガンが沈む中、ガビリアの後ろで一瞬タイミングを待ち、一気に踏み込んだユアンがライバルを突き放した。
チモライやティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)を2車身以上突き放し、フィニッシュラインに辿り着いたユアンがチームジャージをアピールし、両手を突き上げる。逃げるガビリアを自ら引き戻し、そのまま圧倒的な力を披露した”ポケットロケット”が第5ステージに続くステージ2勝目を決めた。
18秒間の登りスプリントで、平均1010ワット、平均53.4km/hで踏み込んだユアンはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス)に代わってマリアチクラミーノを獲得。「登坂開始前で既に始まっていたかのようなスプリントだった。だからこそ早めに集団前方に位置取ったけれど、チームは期待以上の走りで応えてくれた。特にジャスパー(デブイスト)の走りは素晴らしく、彼のおかげで脚を貯めることができたんだ」とユアンはチームの働きぶりに感謝している。
翌日からジロは山岳決戦に突入。ユアンを含め、ピュアスプリンターたちは我慢の2日間を過ごし、月曜日の第10ステージに再びチャンスを見出すこととなる。
5月14日(金)第7ステージ
ノタレスコ〜テルモリ 181km ★★
アドリア海に沿って南下し、アブルッツォ州からモリーゼ州に入るジロ・デ・イタリア第7ステージ。ステージ中盤にかけて丘上都市の4級山岳キエーティを通過するが、ティレーノ〜アドリアティコのような激坂は登場しない。その後もいくつかの丘を越えるがほぼフラットと言って良く、フィニッシュ手前には10〜12%の登り区間(マリオミラノ通り)が200mに渡って続く。
スプリンターはもちろん、登坂力とスピードを武器にするアタッカーにもチャンスが残されているこの日、ノタレスコのスタートラインに並んだ選手たちの中にドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・アソス)の姿は無く。雨の第6ステージで落車し、昨年手術した左肘を再び痛めたことで帰宅を強いられている。
スタートフラッグが振られると同時に飛び立ったのは、今大会積極的に逃げるウンベルト・マレンゴ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)とシモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク)、そしてマーク・クリスティアン(イギリス、エオーロ・コメタ)の3名。メイン集団はこのファーストアタックを見送り、約4分のリードを許した。
誰もが「厳しかった」と口を揃える前日の雨中消耗戦と、この週末に続く山岳ステージに挟まれたこの日、メイン集団は超まったりペースでレースを進める。ティレーノ〜アドリアティコでおなじみの4級山岳キエーティを何事もなく通過(先頭通過はペロー)し、初日からの今大会通算1000km地点を通過。93km地点の第1中間スプリントではペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がメイン集団の先頭(全体の4位)で5ポイントを加算している。
この日のステージ平均スピードは38km/h台。カレブ・ユアン(オーストラリア)のステージ2勝目を狙うロット・スーダルはトーマス・デヘント(ベルギー)をタイムキーパー役に抜擢し、クベカ・アソスやアルペシン・フェニックスの牽引役たちと共にタイム差を削り取っていく。残り40kmで1分15秒、残り30kmで50秒と、残り20kmで30秒と、余裕を持ったペースメイクで集団スプリントへの準備を整えていった。
落車や横風分断も何もない、極めて平穏なステージ。最後まで協調体制を貫いた逃げグループは残り17kmで飲み込まれ、フーガ(逃げ)ランキングでペローが1位、マレンゴが2位に躍進。力を蓄えた各チームが隊列を並べる中、先頭にはバーレーン・ヴィクトリアス列車を牽引する新城幸也(日本)の姿もあった。
ユンボ・ヴィズマの牽引でラスト4.3kmから始まるランドアバウト連続地帯をクリアし、マリオミラノ通りの登り終盤に飛び出したヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)とダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)も決定的なリードを奪うには至らない。ユアンを従えたジャスパー・デブイスト(ベルギー)が2人をキャッチすると共に、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がロングスパートを仕掛けた。
サプライズアタックを仕掛けたガビリアは大きなリードを得たものの、ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)たちを引き連れながら追撃するユアンが後方から飛んでくる。接触によるメカトラブルで4番手サガンが沈む中、ガビリアの後ろで一瞬タイミングを待ち、一気に踏み込んだユアンがライバルを突き放した。
チモライやティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)を2車身以上突き放し、フィニッシュラインに辿り着いたユアンがチームジャージをアピールし、両手を突き上げる。逃げるガビリアを自ら引き戻し、そのまま圧倒的な力を披露した”ポケットロケット”が第5ステージに続くステージ2勝目を決めた。
18秒間の登りスプリントで、平均1010ワット、平均53.4km/hで踏み込んだユアンはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス)に代わってマリアチクラミーノを獲得。「登坂開始前で既に始まっていたかのようなスプリントだった。だからこそ早めに集団前方に位置取ったけれど、チームは期待以上の走りで応えてくれた。特にジャスパー(デブイスト)の走りは素晴らしく、彼のおかげで脚を貯めることができたんだ」とユアンはチームの働きぶりに感謝している。
翌日からジロは山岳決戦に突入。ユアンを含め、ピュアスプリンターたちは我慢の2日間を過ごし、月曜日の第10ステージに再びチャンスを見出すこととなる。
ジロ・デ・イタリア2021第7ステージ結果
1位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | 4:42:12 |
2位 | ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション) | |
3位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
4位 | マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
5位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
6位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
8位 | マックス・カンター(ドイツ、チームDSM) | |
9位 | フィリッポ・フィオレッリ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ) | |
10位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
62位 | 新城幸也(日本、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
DNS | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、クベカ・アソス) |
マリアローザ 個人総合成績
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | 106pts |
2位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 83pts |
3位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス) | 76pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 26pts |
2位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン) | 18pts |
3位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | 16pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ) | 26:59:18 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:11 |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:00:16 |
チーム総合成績
1位 | バーレーン・ヴィクトリアス | 80:59:58 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | 0:00:39 |
3位 | バイクエクスチェンジ | 0:02:48 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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