2021/05/14(金) - 10:23
バーレーン・ヴィクトリアスとイネオス・グレナディアーズのチーム力が光ったジロ第6ステージ。逃げ切りから勝利を掴んだジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)や、ライバルたちからタイム差を奪ったベルナル、チームカーと衝突したセリーらのコメントを紹介します。
ステージ1位&山岳賞 ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)
昨日は落車でミケル(ランダ)を失うとても悲しい日になった。だから今日は新たな目標であるアグレッシブなレースをしたんだ。マテイ(モホリッチ)と一緒に逃げに乗ったのだが、彼の働きは素晴らしく、何よりも僕を信頼してくれた。彼は昨日から「このステージで勝つのは君だ」と言ってくれ、その思いに勝利という結果で応えることができてよかった。
一番強い選手でなければ逃げないとチャンスは巡ってこない。それを僕は過去のレースから学んでいた。そのため僕ににできることは自分のパワーやスピードに集中し、エネルギーをコントロールすることだけだったんだ。
明日以降のステージではこのまま積極的なレースを続け、チャンスがあれば掴みにいくつもりだ。再び逃げるチャンスがあれば逃げ、アシストを求められれば喜んで実行する。なぜならここは世界で最も美しいジロという夢の舞台なのだからね。バーレーン・ヴィクトリアスの勝利のために、そしてこの素晴らしい機会を全力で楽しみたい。
ステージ2位 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)
当初の作戦はタイムを失わないことだった。脚の状態もわからないなか挑む今大会最初の長い登りを安全に登る予定だった。だがレースが進むにつれ自分の調子の良さに気づき、雨も降ってきたので先頭に出た。アグレッシブなレースになり、最後は向かい風のせいで僕の後ろについた選手たちに力を使わせることができなかった。あまり上手くいかなかったが、タイムを失うこともなく逆に数秒奪うことができた。
厳しいステージだったが、同時に素晴らしいレースになった。僕らは積極的にレースを動かし、作戦にはなかったがフィリッポ(ガンナ)が先頭を引いた。彼らの後ろを走っていても風の強さはわかったので、(ジョナタン)カストロビエホに「いまスピードを上げればライバルたちにダメージを与えられる」と伝えたんだ。フィリッポや他のチームメイトたちが最初の山岳まで全力で引き、思い描いた通りにはいかなかったが、時にはそういう走りも必要なんだ。
ステージ3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)
寒さと雨、そして風の中大きな試練のステージとなった。最後の65〜70kmは本当に厳しく、下りでは寒さでバイクをコントロールするのがやっとだった。だが、チームメイトの助けもあり良い位置にいることができた。今日は特に仕掛けようとは思っておらず、選手たちの後ろで様子をみるつもりだった。このような天候は苦手だが、調子と脚の状態がかなり良かった。自分のコンディションの良さがわかり、明日以降のレースに気持ちよく臨むことができそうだ。
ステージ4位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
最後の登りの感覚は良かった。気温が低く雨もあったため簡単ではなかったが、チームの素晴らしいアシストが僕を守ってくれた。彼らのおかげで最終山岳まで力を維持することができ、良い結果に繋がった。レース開始から6日目にして総合上位に入れたことは自信に繋がったよ。
ステージ11位 サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)
天候が目まぐるしく変化する、またしてもトリッキーなステージになった。自分の走りに問題はなく、無事フィニッシュにたどり着くことができた。先頭でフィニッシュした選手たちから数秒失ったが、多くの総合選手がこのコンディションに苦しめられた。
プロローグ(初日の個人TT)を除き、まだ2日しか総合勢の力が発揮されるステージがないのにも関わらず、平坦ステージにおける風のストレスが大きい。今大会は刻々と変化する天候がレースの難易度を上げ、今後も厳しい戦いが続いていくだろう。
マリアローザ&ヤングライダー賞 アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
もちろん狙ってはいたがこれ以上の喜びと驚きはない。このジロの山を登る脚はあったし、僕よりも総合上位の選手たちよりも良いと思っていた。今日は最高のクライマーたちについていけばよかったので、モチベーションは高かった。タイム差については把握していなかったが、ウラソフが僕の24秒遅れ、レムコが28秒、ベルナルが39秒ということは把握していた。
最終山岳では脚の痛みよりもマリアローザのことしか頭になかった。残り距離が少なくなるにつれその思いは大きくなっていき、エースたちによるアタックは予想していたが、遅れを最小限にするだけの力はあった。こういった状況ではモチベーションが力になってくれるからね。
フィニッシュラインを越えた瞬間、周りを見渡し「マリアローザを手に入れた」と思ったのだが、誰も確かな情報を把握していなかった。その2分後、レース運営者が「リーダージャージは君のものだ」と伝えてくれ、信じられないほど嬉しかった。いまだに信じられないし、人生で最も美しい日になったよ。涙がでそうなくらい嬉しい。このジャージを出来る限りの間チームとともに楽しみたい。
ジーノ・マーダーの勝利をアシストしたマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
今日はジーノが逃げからステージ優勝を狙う番で、僕は彼のアシストをするために一緒に逃げた。イネオスが引く集団から十分なタイム差を広げるため全力を尽くし、その努力が実った。この勝利を誇りに思うし、完璧なチームワークだった。このジロで僕らの更なる成功を確信しているし、次のステージが楽しみでしょうがない。
ステージ114位 新城幸也(日本、バーレーン・ヴィクトリアス)
誰がこんな結果を想像出来ただろうか…。昨日のランダのリタイアからでも、チームはしっかりと前を向いて修正出来た。ジーノと一緒に逃げに入っていたマテイ(モホリッチ)とスタートの登りから逃げたダミアーノ(カルーゾ)もしっかりとメイン集団でゴールして、頼もしいチームメイトに脱帽です。
今回のルームメイトでもあるジーノとはパリ~ニースでも一緒で、その悔しさ知ってるからこそ、今日の優勝は尚更嬉しい!山岳ジャージもとって、更にチームのミッションが1つ増えたね(笑)。引き続き、僕は僕の出来るサポートをしっかりしていきたいと思う。
バイクエクスチェンジのチームカーと衝突したピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
カタルーニャで1ヶ月前にもモーターバイクと同様の事故が起こったので、非常に悲しい。背中がとても痛み、少し感情的になってしまった。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
ステージ1位&山岳賞 ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)
昨日は落車でミケル(ランダ)を失うとても悲しい日になった。だから今日は新たな目標であるアグレッシブなレースをしたんだ。マテイ(モホリッチ)と一緒に逃げに乗ったのだが、彼の働きは素晴らしく、何よりも僕を信頼してくれた。彼は昨日から「このステージで勝つのは君だ」と言ってくれ、その思いに勝利という結果で応えることができてよかった。
一番強い選手でなければ逃げないとチャンスは巡ってこない。それを僕は過去のレースから学んでいた。そのため僕ににできることは自分のパワーやスピードに集中し、エネルギーをコントロールすることだけだったんだ。
明日以降のステージではこのまま積極的なレースを続け、チャンスがあれば掴みにいくつもりだ。再び逃げるチャンスがあれば逃げ、アシストを求められれば喜んで実行する。なぜならここは世界で最も美しいジロという夢の舞台なのだからね。バーレーン・ヴィクトリアスの勝利のために、そしてこの素晴らしい機会を全力で楽しみたい。
ステージ2位 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)
当初の作戦はタイムを失わないことだった。脚の状態もわからないなか挑む今大会最初の長い登りを安全に登る予定だった。だがレースが進むにつれ自分の調子の良さに気づき、雨も降ってきたので先頭に出た。アグレッシブなレースになり、最後は向かい風のせいで僕の後ろについた選手たちに力を使わせることができなかった。あまり上手くいかなかったが、タイムを失うこともなく逆に数秒奪うことができた。
厳しいステージだったが、同時に素晴らしいレースになった。僕らは積極的にレースを動かし、作戦にはなかったがフィリッポ(ガンナ)が先頭を引いた。彼らの後ろを走っていても風の強さはわかったので、(ジョナタン)カストロビエホに「いまスピードを上げればライバルたちにダメージを与えられる」と伝えたんだ。フィリッポや他のチームメイトたちが最初の山岳まで全力で引き、思い描いた通りにはいかなかったが、時にはそういう走りも必要なんだ。
ステージ3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)
寒さと雨、そして風の中大きな試練のステージとなった。最後の65〜70kmは本当に厳しく、下りでは寒さでバイクをコントロールするのがやっとだった。だが、チームメイトの助けもあり良い位置にいることができた。今日は特に仕掛けようとは思っておらず、選手たちの後ろで様子をみるつもりだった。このような天候は苦手だが、調子と脚の状態がかなり良かった。自分のコンディションの良さがわかり、明日以降のレースに気持ちよく臨むことができそうだ。
ステージ4位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
最後の登りの感覚は良かった。気温が低く雨もあったため簡単ではなかったが、チームの素晴らしいアシストが僕を守ってくれた。彼らのおかげで最終山岳まで力を維持することができ、良い結果に繋がった。レース開始から6日目にして総合上位に入れたことは自信に繋がったよ。
ステージ11位 サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)
天候が目まぐるしく変化する、またしてもトリッキーなステージになった。自分の走りに問題はなく、無事フィニッシュにたどり着くことができた。先頭でフィニッシュした選手たちから数秒失ったが、多くの総合選手がこのコンディションに苦しめられた。
プロローグ(初日の個人TT)を除き、まだ2日しか総合勢の力が発揮されるステージがないのにも関わらず、平坦ステージにおける風のストレスが大きい。今大会は刻々と変化する天候がレースの難易度を上げ、今後も厳しい戦いが続いていくだろう。
マリアローザ&ヤングライダー賞 アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
もちろん狙ってはいたがこれ以上の喜びと驚きはない。このジロの山を登る脚はあったし、僕よりも総合上位の選手たちよりも良いと思っていた。今日は最高のクライマーたちについていけばよかったので、モチベーションは高かった。タイム差については把握していなかったが、ウラソフが僕の24秒遅れ、レムコが28秒、ベルナルが39秒ということは把握していた。
最終山岳では脚の痛みよりもマリアローザのことしか頭になかった。残り距離が少なくなるにつれその思いは大きくなっていき、エースたちによるアタックは予想していたが、遅れを最小限にするだけの力はあった。こういった状況ではモチベーションが力になってくれるからね。
フィニッシュラインを越えた瞬間、周りを見渡し「マリアローザを手に入れた」と思ったのだが、誰も確かな情報を把握していなかった。その2分後、レース運営者が「リーダージャージは君のものだ」と伝えてくれ、信じられないほど嬉しかった。いまだに信じられないし、人生で最も美しい日になったよ。涙がでそうなくらい嬉しい。このジャージを出来る限りの間チームとともに楽しみたい。
ジーノ・マーダーの勝利をアシストしたマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
今日はジーノが逃げからステージ優勝を狙う番で、僕は彼のアシストをするために一緒に逃げた。イネオスが引く集団から十分なタイム差を広げるため全力を尽くし、その努力が実った。この勝利を誇りに思うし、完璧なチームワークだった。このジロで僕らの更なる成功を確信しているし、次のステージが楽しみでしょうがない。
ステージ114位 新城幸也(日本、バーレーン・ヴィクトリアス)
誰がこんな結果を想像出来ただろうか…。昨日のランダのリタイアからでも、チームはしっかりと前を向いて修正出来た。ジーノと一緒に逃げに入っていたマテイ(モホリッチ)とスタートの登りから逃げたダミアーノ(カルーゾ)もしっかりとメイン集団でゴールして、頼もしいチームメイトに脱帽です。
今回のルームメイトでもあるジーノとはパリ~ニースでも一緒で、その悔しさ知ってるからこそ、今日の優勝は尚更嬉しい!山岳ジャージもとって、更にチームのミッションが1つ増えたね(笑)。引き続き、僕は僕の出来るサポートをしっかりしていきたいと思う。
バイクエクスチェンジのチームカーと衝突したピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
カタルーニャで1ヶ月前にもモーターバイクと同様の事故が起こったので、非常に悲しい。背中がとても痛み、少し感情的になってしまった。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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