2021/05/01(土) - 17:02
MTB用ペダルに定評のあるクランクブラザーズが、それらに合わせて開発したシューズのMalletとStump。今回はMalletシューズにフォーカスを当てたインプレッションをお届けしよう。
2020年末に発表されたクランクブラザーズのMTB用シューズ"Mallet"。その名前から想像できる通り、同社の同名プロダクトであるエンデューロ向きビンディングペダルとの組み合わせを考慮して開発された一足だ。
ライダーと自転車の数少ない接点となるペダルとシューズを1つのシステムとして捉えるMatch Boxという設計アプローチを採用。一般的なビンディングシューズよりも幅広いクリート装着位置と、エンデューロやダウンヒル向けのポジションとすることで、グラビティ系ライダーのニーズに応えられる一足を実現している。
クリート装着エリアの前後には傾斜がつけられており、泥はけ性とクリートキャッチ性を高めた。MC1コンパウンド複合ラバーのトレッド面はフリクションを抑えており、ペダルリリースも行いやすくしているという。トレッドパターン自体もペダルに合わせたデザインが行われているため、クリートをキャッチしていない状況でも確かなグリップ力を得られるはずだ。
今回はクランクブラザーズのペダルを長年使用し続けてきた大野茂一郎店長(ワイズロード東大和)によるインプレッションをお届けしよう。シューズとしての魅力だけではなく、ビンディングシステムについても語ってもらった。ラインアップ等は登場時の記事を確認してもらいたい。
―インプレッション
長年クランクブラザーズの製品を使ってきたので、今回登場したペダルに合わせて開発されたシューズには期待を寄せていました。今回ビンディング仕様のMalletを使ってみて、シューズ単体というよりも、クランクブラザーズのビンディングシステムの使いやすさに改めて気がつかされました。
クランクブラザーズのビンディングはウィングが前後に開く設計なので、雑に足を乗せてもクリートキャッチできるんですよ。シマノやHTの場合はつま先の方から引っ掛けて、かかとを下すようなイメージでツーステップ必要なのですが、クランクブラザーズの場合クリートのどこかがウィングに当たればキャッチできるワンアクションなイメージがあります。
ステップアウトもクランクブラザーズのシステムの場合は、足を捻りながら前に出すだけでクリートが外れてくれるので、足で地面を踏む動作とステップアウトを一連の動きで済むんです。足を捻ってクリートを外して、足を地面に向かって突き出すのだとツーステップで遅れがでる気がするんですよね。
バネの調整こそできませんが、前後のウィングが開くときにバネの動きを感じ取りやすいんですよ。ペダルの上で爪先の向きが変わったときに突然外れず、クリートが外れるタイミングを察知しやすい。自分でコントロールしやすい点で使いやすさを感じますね。
他のビンディングシステムも慣れてくれば同じことを言えますが、慣れていない人でも使いやすいんじゃないかなと思います。ダウンヒルを走っている時は振動が激しくて足元を気にしている余裕なんてありませんから、ペダルのことに気を取られず、バイクコントロールに集中できる物を選ぶ方が良いでしょう。
ペダルとシューズという面でみてみると、それらの接点をしっかりと感じ取れるシステムだと感じました。昔のMalletペダルはペダルボディが全て金属で、滑るような感覚がありましたが、現在はボディの中央部にプラスチックパーツを使っており、その感覚がなくなりグリップしている上、足裏全体でペダルと接している印象が強くなりました。
ソールのトピックはフラットペダルのStumpに合わせてパターンを作ったことだと思うんですが、Malletも妥協なくソールが作られていますよ。クリートを取り付ける位置が一般的な物よりも親指側かつ土踏まず側にズレています。
通常のポジションだと、グラビティ系のシューズはしっかりと作っていることもあり、シューズとクランクが擦れてしまいますし、もっと足のスタンスを広く構えて踏ん張りたいという気持ちがありました。そんな下り系の人たちの気持ちを汲み取った設計でシューズが生み出されているので、クランクブラザーズは本格的に乗っている人たちが作っている物だけあるなと感心しました。私個人的にも今回のクリート位置は好印象です。
それだけではありません。土踏まずの部分が若干窪んでおり、クリートキャッチを失敗してしまっても、この窪みのおかげでシューズがペダルを捉え、フラットペダルのように足を乗せられるんです。よく考えていると感心してしまいますよ。
今は里山トレイルでこのシューズを使っているのですが、どうしても押し歩きの場面からは逃れられないんですよ。ソールのブロックも低いですし、硬いので歩行性については期待をしていませんでしたが、実際に歩いてみると想像以上にグリップしてくれます。砂地や急斜面の場合は滑ってしまいますが、DHやエンデューロ用に作られたシューズだと考えると必要十分の性能を備えていると思います。
アッパーは硬く作られていて、特に爪先部分がハードです。下っている途中に石や枝がヒットしてもしっかりとガードしてくれる硬さがあるので、安心してライドに集中できます。メッシュなども使われていて、通気性も十分でしょう。今シーズンはこのシューズ一足で通すつもりです。
クロージャーに関してはBOAモデルも靴紐モデルも使わせてもらっているのですが、どちらにもメリット・デメリットがある印象です。BOAはワンタッチでリリースできるのが何よりも魅力ですよね。ただクラッシュした時にBOAダイヤルまで壊してしまう可能性を考えると、壊れる心配のない靴紐という選択肢もまた魅力的です。正直好みで選んでしまっていいと思います。
足首側に備えられたベルクロは、かかとを抑える役割があります。ヒールカップ部分の厚手のパッドとグリッパーでかかとをホールドしてくれていますが、ベルクロでも抑えられ、かつ調整可能なので程よいホールド力で履けるようになっていますね。
私がシューズに求めるものは足がペダルから離れないことです。カカトのホールド力やビンディングで一体になっている感覚がある上で、ペダルとシューズがスリップしない安心感があると、バイクコントロールに集中することができます。
ビンディングであればスピードが速い状況やがれ場での安定性を感じられます。ダウンヒルコースをメインで走る方はビンディングでも良いでしょう。里山ライドのように乗り降りが多い状況であればフラットとビンディングどちらも視野に入ってくると思います。どちらのシステムを使っていても速い人や上手い人はいるので、スタイルで選んでもいいと思いますね。クランクブラザーズはどちらのニーズにも応えてくれるでしょう。
クランクブラザーズ MALLET E BOA
カラー:ブラック/ゴールド ブラックアウトソール
サイズ:25cm-28cm(1cm刻み)
価格:24,800円(税抜)
クランクブラザーズ MALLET E SPEEDLACE
カラー:ブラック/シルバー ブラックアウトソール、グリーン/ブルー ガムアウトソール
サイズ:25cm-28cm(1cm刻み)
価格:20,800円(税抜)
クランクブラザーズ MALLET E LACE
カラー:ブラック/ブルー ブラックアウトソール
サイズ:25cm-28cm(1cm刻み)
価格:17,800円(税抜)
クランクブラザーズ MALLET LACE
カラー:ブラック/レッド ブラックアウトソール、ネイビー/シルバー ガムアウトソール
サイズ:25cm-28cm(1cm刻み)
価格:17,800円(税抜)
インプレッションライダープロフィール
大野茂一郎(ワイズロード東大和)
ワイズロードの中でもMTBに力を入れている店舗の一つ東大和店の店長。90年代のMTBブームからMTBを始め、当初はクロスカントリー系だったが、現在はダウンヒルやエンデューロのレースにたまに出つつ、里山ライドを中心にMTBを遊んでいる。愛車はコメンサルのSUPREME SX。元々は27.5インチのAM系だったが、フロントを29インチ仕様にカスタムして、登りも下りもこなす1台に仕上げているという。
ワイズロード東大和
CWレコメンドショップページ
2020年末に発表されたクランクブラザーズのMTB用シューズ"Mallet"。その名前から想像できる通り、同社の同名プロダクトであるエンデューロ向きビンディングペダルとの組み合わせを考慮して開発された一足だ。
ライダーと自転車の数少ない接点となるペダルとシューズを1つのシステムとして捉えるMatch Boxという設計アプローチを採用。一般的なビンディングシューズよりも幅広いクリート装着位置と、エンデューロやダウンヒル向けのポジションとすることで、グラビティ系ライダーのニーズに応えられる一足を実現している。
クリート装着エリアの前後には傾斜がつけられており、泥はけ性とクリートキャッチ性を高めた。MC1コンパウンド複合ラバーのトレッド面はフリクションを抑えており、ペダルリリースも行いやすくしているという。トレッドパターン自体もペダルに合わせたデザインが行われているため、クリートをキャッチしていない状況でも確かなグリップ力を得られるはずだ。
今回はクランクブラザーズのペダルを長年使用し続けてきた大野茂一郎店長(ワイズロード東大和)によるインプレッションをお届けしよう。シューズとしての魅力だけではなく、ビンディングシステムについても語ってもらった。ラインアップ等は登場時の記事を確認してもらいたい。
―インプレッション
長年クランクブラザーズの製品を使ってきたので、今回登場したペダルに合わせて開発されたシューズには期待を寄せていました。今回ビンディング仕様のMalletを使ってみて、シューズ単体というよりも、クランクブラザーズのビンディングシステムの使いやすさに改めて気がつかされました。
クランクブラザーズのビンディングはウィングが前後に開く設計なので、雑に足を乗せてもクリートキャッチできるんですよ。シマノやHTの場合はつま先の方から引っ掛けて、かかとを下すようなイメージでツーステップ必要なのですが、クランクブラザーズの場合クリートのどこかがウィングに当たればキャッチできるワンアクションなイメージがあります。
ステップアウトもクランクブラザーズのシステムの場合は、足を捻りながら前に出すだけでクリートが外れてくれるので、足で地面を踏む動作とステップアウトを一連の動きで済むんです。足を捻ってクリートを外して、足を地面に向かって突き出すのだとツーステップで遅れがでる気がするんですよね。
バネの調整こそできませんが、前後のウィングが開くときにバネの動きを感じ取りやすいんですよ。ペダルの上で爪先の向きが変わったときに突然外れず、クリートが外れるタイミングを察知しやすい。自分でコントロールしやすい点で使いやすさを感じますね。
他のビンディングシステムも慣れてくれば同じことを言えますが、慣れていない人でも使いやすいんじゃないかなと思います。ダウンヒルを走っている時は振動が激しくて足元を気にしている余裕なんてありませんから、ペダルのことに気を取られず、バイクコントロールに集中できる物を選ぶ方が良いでしょう。
ペダルとシューズという面でみてみると、それらの接点をしっかりと感じ取れるシステムだと感じました。昔のMalletペダルはペダルボディが全て金属で、滑るような感覚がありましたが、現在はボディの中央部にプラスチックパーツを使っており、その感覚がなくなりグリップしている上、足裏全体でペダルと接している印象が強くなりました。
ソールのトピックはフラットペダルのStumpに合わせてパターンを作ったことだと思うんですが、Malletも妥協なくソールが作られていますよ。クリートを取り付ける位置が一般的な物よりも親指側かつ土踏まず側にズレています。
通常のポジションだと、グラビティ系のシューズはしっかりと作っていることもあり、シューズとクランクが擦れてしまいますし、もっと足のスタンスを広く構えて踏ん張りたいという気持ちがありました。そんな下り系の人たちの気持ちを汲み取った設計でシューズが生み出されているので、クランクブラザーズは本格的に乗っている人たちが作っている物だけあるなと感心しました。私個人的にも今回のクリート位置は好印象です。
それだけではありません。土踏まずの部分が若干窪んでおり、クリートキャッチを失敗してしまっても、この窪みのおかげでシューズがペダルを捉え、フラットペダルのように足を乗せられるんです。よく考えていると感心してしまいますよ。
今は里山トレイルでこのシューズを使っているのですが、どうしても押し歩きの場面からは逃れられないんですよ。ソールのブロックも低いですし、硬いので歩行性については期待をしていませんでしたが、実際に歩いてみると想像以上にグリップしてくれます。砂地や急斜面の場合は滑ってしまいますが、DHやエンデューロ用に作られたシューズだと考えると必要十分の性能を備えていると思います。
アッパーは硬く作られていて、特に爪先部分がハードです。下っている途中に石や枝がヒットしてもしっかりとガードしてくれる硬さがあるので、安心してライドに集中できます。メッシュなども使われていて、通気性も十分でしょう。今シーズンはこのシューズ一足で通すつもりです。
クロージャーに関してはBOAモデルも靴紐モデルも使わせてもらっているのですが、どちらにもメリット・デメリットがある印象です。BOAはワンタッチでリリースできるのが何よりも魅力ですよね。ただクラッシュした時にBOAダイヤルまで壊してしまう可能性を考えると、壊れる心配のない靴紐という選択肢もまた魅力的です。正直好みで選んでしまっていいと思います。
足首側に備えられたベルクロは、かかとを抑える役割があります。ヒールカップ部分の厚手のパッドとグリッパーでかかとをホールドしてくれていますが、ベルクロでも抑えられ、かつ調整可能なので程よいホールド力で履けるようになっていますね。
私がシューズに求めるものは足がペダルから離れないことです。カカトのホールド力やビンディングで一体になっている感覚がある上で、ペダルとシューズがスリップしない安心感があると、バイクコントロールに集中することができます。
ビンディングであればスピードが速い状況やがれ場での安定性を感じられます。ダウンヒルコースをメインで走る方はビンディングでも良いでしょう。里山ライドのように乗り降りが多い状況であればフラットとビンディングどちらも視野に入ってくると思います。どちらのシステムを使っていても速い人や上手い人はいるので、スタイルで選んでもいいと思いますね。クランクブラザーズはどちらのニーズにも応えてくれるでしょう。
クランクブラザーズ MALLET E BOA
カラー:ブラック/ゴールド ブラックアウトソール
サイズ:25cm-28cm(1cm刻み)
価格:24,800円(税抜)
クランクブラザーズ MALLET E SPEEDLACE
カラー:ブラック/シルバー ブラックアウトソール、グリーン/ブルー ガムアウトソール
サイズ:25cm-28cm(1cm刻み)
価格:20,800円(税抜)
クランクブラザーズ MALLET E LACE
カラー:ブラック/ブルー ブラックアウトソール
サイズ:25cm-28cm(1cm刻み)
価格:17,800円(税抜)
クランクブラザーズ MALLET LACE
カラー:ブラック/レッド ブラックアウトソール、ネイビー/シルバー ガムアウトソール
サイズ:25cm-28cm(1cm刻み)
価格:17,800円(税抜)
インプレッションライダープロフィール
大野茂一郎(ワイズロード東大和)
ワイズロードの中でもMTBに力を入れている店舗の一つ東大和店の店長。90年代のMTBブームからMTBを始め、当初はクロスカントリー系だったが、現在はダウンヒルやエンデューロのレースにたまに出つつ、里山ライドを中心にMTBを遊んでいる。愛車はコメンサルのSUPREME SX。元々は27.5インチのAM系だったが、フロントを29インチ仕様にカスタムして、登りも下りもこなす1台に仕上げているという。
ワイズロード東大和
CWレコメンドショップページ
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