2021/04/22(木) - 10:42
その走りはまさに圧巻。最後のフレーシュ女子レースに挑んだアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス)が圧倒的な力で7連覇を達成。與那嶺恵理(チームティブコSVB)はアシスト役をこなし、56位完走と復調の兆しを掴んでいる。
アルデンヌ女子レースの中で最も歴史が深いのがラ・フレーシュ・ワロンヌ(UCI1.ワールドツアー)。2021年でアムステルゴールドレースが7回、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュが5回を数える一方、「ユイの壁」に挑むフレーシュは今年で24回目の開催を迎えた。
伝統的な4月開催に戻された「ユイの壁決戦」には、アムステルから続いて各チームのエース級選手がずらりと勢揃い。アムステル覇者で過去5度制しているマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)や、2015年から6年連続勝利している世界王者のアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス)、昨年2位のセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)、イタリア王者のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)といったメンバーが、ユイの壁のすぐ近くに設定されたスタート地点に集結した。
「(コース変更で)広い道が全く無くなったので難しい。前に居続けなければならないコース」と與那嶺恵理(チームティブコSVB)が振り返るレースは、序盤から数名の逃げが生まれてはメイン集団に引き戻される展開で進む。
60kmを残したタイミングでシクロクロス世界王者のルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)を含む3名が先行し、1分差を稼いだものの、残り33km地点から始まる1回目の「ユイの壁」ことミュール・ド・ユイ(全長1,300m/平均9.6%)で25秒差まで詰められる。アシストとしてローレン・ステフェンスとクリステン・フォークナーを引き上げる仕事を担っていた與那嶺はここで脱落し、最終的に6分15秒遅れの56位でフィニッシュに辿り着いている。
活性化するメイン集団は残り20km地点のコート・デレッフ(全長2,100m/平均5%)で逃げたブラントたちを捉え、カウンターで飛び出したプラバンツ・ベイル覇者のルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)は残り10km地点のコート・ド・シュマン・デ・ギーズ(全長1,800m/平均6.5%)を乗り越えたものの、「ユイの壁」序盤区間で捉えられる。コート・ド・シュマン・デ・ギーズでのファンフルーテンのアタックに耐えた、僅か9名の選手たちが最大勾配26%に達する「ユイの壁」に挑んだ。
勾配10%台の序盤区間でペースメイクを担ったのは、ユイの壁での勝ち方を知り尽くすファンデルブレッヘンだった。ハイケイデンスでつづら折れを登るアルカンシエルの後方では次々とライバルが脱落し、ファンフルーテンやロンゴボルギーニも徐々に距離を空けてしまう。登坂力で対抗できたのはニエウィアドマただ一人だった。
ファンデルブレッヘンとニエウィアドマが横並びで残り200m地点を通過すると、先にニエウィアドマが腰を上げる。しかしタイミングを見計らいアタックしたファンデルブレッヘンに対し、もはやニエウィアドマに抗う術は残っていなかった。
まさにその強さは圧倒的。今年限りで現役引退するファンデルブレッヘンが、最後のフレーシュで7年連続優勝を達成。「カシアとの素晴らしい勝負だった。最後のフレーシュだなんて不思議な気分だけど、次はこの勝利が誰かのものになる。勝利で締めくくることができて本当に嬉しい。負けなしの7連勝だなんて信じられない気分。アタックにメンバーを乗せなかったという判断ミスがあったぶん一番難しい勝利だった」と、ファンデルブレッヘンは話している。
世界王者は週末に控えるリエージュにも参戦予定。「平坦基調のフィニッシュレイアウトなので自分には合わないけれど、チームとしてベストを尽くしていきたい。でも、まずはこの勝利をお祝いしたい」と加えている。
また、初回のユイまでレース先頭で仕事を担った與那嶺は「位置取りはかなり前で入れましたし、コンディションが良くない割には走れました。今週日曜日のリエージュで春のクラシックレースは終了するので、まずは怪我なく」と話しいている。
アルデンヌ女子レースの中で最も歴史が深いのがラ・フレーシュ・ワロンヌ(UCI1.ワールドツアー)。2021年でアムステルゴールドレースが7回、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュが5回を数える一方、「ユイの壁」に挑むフレーシュは今年で24回目の開催を迎えた。
伝統的な4月開催に戻された「ユイの壁決戦」には、アムステルから続いて各チームのエース級選手がずらりと勢揃い。アムステル覇者で過去5度制しているマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)や、2015年から6年連続勝利している世界王者のアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス)、昨年2位のセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)、イタリア王者のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)といったメンバーが、ユイの壁のすぐ近くに設定されたスタート地点に集結した。
「(コース変更で)広い道が全く無くなったので難しい。前に居続けなければならないコース」と與那嶺恵理(チームティブコSVB)が振り返るレースは、序盤から数名の逃げが生まれてはメイン集団に引き戻される展開で進む。
60kmを残したタイミングでシクロクロス世界王者のルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)を含む3名が先行し、1分差を稼いだものの、残り33km地点から始まる1回目の「ユイの壁」ことミュール・ド・ユイ(全長1,300m/平均9.6%)で25秒差まで詰められる。アシストとしてローレン・ステフェンスとクリステン・フォークナーを引き上げる仕事を担っていた與那嶺はここで脱落し、最終的に6分15秒遅れの56位でフィニッシュに辿り着いている。
活性化するメイン集団は残り20km地点のコート・デレッフ(全長2,100m/平均5%)で逃げたブラントたちを捉え、カウンターで飛び出したプラバンツ・ベイル覇者のルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード)は残り10km地点のコート・ド・シュマン・デ・ギーズ(全長1,800m/平均6.5%)を乗り越えたものの、「ユイの壁」序盤区間で捉えられる。コート・ド・シュマン・デ・ギーズでのファンフルーテンのアタックに耐えた、僅か9名の選手たちが最大勾配26%に達する「ユイの壁」に挑んだ。
勾配10%台の序盤区間でペースメイクを担ったのは、ユイの壁での勝ち方を知り尽くすファンデルブレッヘンだった。ハイケイデンスでつづら折れを登るアルカンシエルの後方では次々とライバルが脱落し、ファンフルーテンやロンゴボルギーニも徐々に距離を空けてしまう。登坂力で対抗できたのはニエウィアドマただ一人だった。
ファンデルブレッヘンとニエウィアドマが横並びで残り200m地点を通過すると、先にニエウィアドマが腰を上げる。しかしタイミングを見計らいアタックしたファンデルブレッヘンに対し、もはやニエウィアドマに抗う術は残っていなかった。
まさにその強さは圧倒的。今年限りで現役引退するファンデルブレッヘンが、最後のフレーシュで7年連続優勝を達成。「カシアとの素晴らしい勝負だった。最後のフレーシュだなんて不思議な気分だけど、次はこの勝利が誰かのものになる。勝利で締めくくることができて本当に嬉しい。負けなしの7連勝だなんて信じられない気分。アタックにメンバーを乗せなかったという判断ミスがあったぶん一番難しい勝利だった」と、ファンデルブレッヘンは話している。
世界王者は週末に控えるリエージュにも参戦予定。「平坦基調のフィニッシュレイアウトなので自分には合わないけれど、チームとしてベストを尽くしていきたい。でも、まずはこの勝利をお祝いしたい」と加えている。
また、初回のユイまでレース先頭で仕事を担った與那嶺は「位置取りはかなり前で入れましたし、コンディションが良くない割には走れました。今週日曜日のリエージュで春のクラシックレースは終了するので、まずは怪我なく」と話しいている。
ラ・フレーシュ・ワロンヌ2021女子結果
1位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス) | 3:28:27 |
2位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 0:02 |
3位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:06 |
4位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | |
5位 | マビ・ガルシア(スペイン、アレBTCリュブリャナ) | 0:22 |
6位 | ジュリエット・ラボウ(フランス、チームDSM) | 0:28 |
7位 | ルス・ウィンダー(アメリカ、トレック・セガフレード) | 0:31 |
8位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:32 |
9位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 0:35 |
10位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | 0:42 |
56位 | 與那嶺恵理(チームティブコSVB) | 6:15 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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