2021/04/15(木) - 16:41
ライトウェイプロダクツジャパンが取り扱いを開始したイスラエルのシューズブランド、FLR(エフエルアール)。ニット生地を採用し、優れた履き心地を備えたフラッグシップロードシューズのF-XX KNITをインプレッションしていく。
日本での展開が2021年モデルから開始されたイスラエル発のFLR。ブランドが設立されたのは2009年と比較的若いが、シューズ生産に関しては1990年から手掛けており30年以上の歴史に裏打ちされたノウハウを有するメーカーでもある。
FLRはロード用やオフロード用、ウィンター用まで幅広い種類のシューズをラインアップしている。自社で生産ラインを持っており効率的に製品の設計や製造を行うことができるため、どのモデルも手頃な価格を実現していることが特徴のブランドだ。
フラッグシップモデルのF-XXシリーズはアメリカチャンピオンのアレックス・ハウズ(アメリカ、EFエデュケーションNIPPO)やゲオルク・ツィンマーマン(ドイツ、CCCチーム)などUCIワールドツアーの選手らと協同開発されたプロユースモデル。
その中から今回ピックアップするF-XX KNITは、プロ選手たちが着用するF-XX IIをベースに、アッパー素材にニット生地を採用したフラッグシップシューズだ。ニット生地にはテニスラケットのガットにも使用されている強化ナイロンストリングが三層構造で編み込まれており、非常に優れた耐久性を実現。つま先部とサイドにパンチング加工によるベンチレーションホールを配置し、高い通気性が確保されている。
クロージャーシステムはATOPダイヤル一つの仕様だが、ダイヤルのワイヤーが広範囲に配置されているため、高いフィット感を得ることができる。シューズのタンは足首に接する部分のみ柔らかい合皮があしらわれているため、ライド中にシューズと接する部分が痛くなりにくいはずだ。
アウターソールは剛性指数"14"という非常に高剛性なカーボン製。アレックス・ハウズがアメリカチャンピオンを獲得し、グランツールを走る選手たちの足元を支える納得の仕様だ。ラインアップはブラック、ホワイトの2色が揃う。サイズ展開は39~45までとされている。価格は24,800円(税抜)。それではインプレッションに移ろう。
― 編集部インプレッション
今回、F-XX KNITを試着したのはCW編集部の高木。足のサイズは27.0cm、普段のレースやトレーニングで着用しているシューズはスペシャライズド S-WORKS 7の42サイズ。シマノやジロを履く場合は43サイズを選択している。また、足の幅が広いため、ワイドモデルがラインアップされる場合はそちらを選ぶことが多い。
F-XX KNITをテストするにあたって、借り受けたサイズは42サイズであった。足を入れてみた印象としては、幅広の足でもフィットする作りで、ワイドモデルが無くてもこれで十分。サイズとしても42が適正な大きさ。さらにニット素材特有の柔らかさとフィット感があり、硬い生地による圧迫感がないため非常に快適に履ける。
これまでDMTやフィジークなど、他のブランドのニット生地を採用したシューズを試してきたが、このFLRのニット素材のアッパーはそれらと比較すると柔らか過ぎず、硬過ぎない、程良い柔軟性を持つという印象だ。
アッパー生地が程よい厚みを持っているので、ダイヤルを締め込んでもダイヤル本体が足の甲に食い込み、痛みが発生することはない。痛みで締め込みを妥協することなく、好みのフィット感で履くことができる。また、ワイヤーのルーティングが広範囲かつ絶妙な配置のため、ダイヤル1つの仕様ながら、足先から足首にかけて、足全体を包み込むようにフィットしてくれる。
また、足の甲が高い私にとって、タンが硬いとタンが当たる足首が痛くなることがある。F-XX KNITの場合は、タンの上部が柔らかい合皮素材になっていて、当たっても痛くなることが全く無く、快適なペダリングが可能であった。
通気性に関しては、アッパーのつま先部と両サイドに大きめのパンチング加工と、アウトソールの前部には通気口、インソールにもパンチング加工が施されているおかげで、シューズ内が蒸れることもなく、快適な状態で走ることができた。
ダイヤルはATOPクロージャーシステムを採用している。両サイドからワイヤー巻上げるため、スムーズにシューズの締め具合を調整することが可能だ。ダイヤルの開放はBOAの場合ダイヤルを引き上げるアクションだが、ATOPの場合はダイヤルを締め付ける方向とは逆回転させることで行う。開放されたダイヤルは、そのまま締める方向に回転させると、ギアが噛む仕組みだ。
ニット素材の弱点と言われる伸びに関しては、生地の伸びが影響しやすいと思われるスプリントで感触をテストしてみた。1000Wを超える高いパワーでスプリントをしてみたが、一般的なシューズとほぼ変わらない感覚でスプリントすることができた。
スプリントというシチュエーションにおいては、アウトソールも好印象。特にソールのスタックハイトの低さが際立ち、ペダルを素足で踏んでいるかのようなダイレクト感がある。そのため、スプリントでも力を逃さず、ペダリング時のパワーロスが少ない感覚を受ける。流石、UCIワールドツアーの選手と共同開発されたシューズだけある。まさにレーサー向きのシューズであると改めて確認させられた。
最近のハイエンドシューズは4万円を超えるものが多いが、FLR F-XX KNITの価格は24,800円(税抜)とハイエンドシューズであるものの手に取りやすい価格だ。また、カラーもブラックとホワイトと他のウェアにも合わせやすく使い勝手も良さそうだ。レーサーにはもちろんだが、これからレースデビューをするようなライダーにもオススメしたい一足だ。
FLR F-XX KNIT
カラー:ブラック、ホワイト
アッパー:ニット素材
アウトソール:フルカーボンソール(剛性指数14)
サイズ:39~45
価格:24,800円(税抜)
text:Michinari TAKAGI
日本での展開が2021年モデルから開始されたイスラエル発のFLR。ブランドが設立されたのは2009年と比較的若いが、シューズ生産に関しては1990年から手掛けており30年以上の歴史に裏打ちされたノウハウを有するメーカーでもある。
FLRはロード用やオフロード用、ウィンター用まで幅広い種類のシューズをラインアップしている。自社で生産ラインを持っており効率的に製品の設計や製造を行うことができるため、どのモデルも手頃な価格を実現していることが特徴のブランドだ。
フラッグシップモデルのF-XXシリーズはアメリカチャンピオンのアレックス・ハウズ(アメリカ、EFエデュケーションNIPPO)やゲオルク・ツィンマーマン(ドイツ、CCCチーム)などUCIワールドツアーの選手らと協同開発されたプロユースモデル。
その中から今回ピックアップするF-XX KNITは、プロ選手たちが着用するF-XX IIをベースに、アッパー素材にニット生地を採用したフラッグシップシューズだ。ニット生地にはテニスラケットのガットにも使用されている強化ナイロンストリングが三層構造で編み込まれており、非常に優れた耐久性を実現。つま先部とサイドにパンチング加工によるベンチレーションホールを配置し、高い通気性が確保されている。
クロージャーシステムはATOPダイヤル一つの仕様だが、ダイヤルのワイヤーが広範囲に配置されているため、高いフィット感を得ることができる。シューズのタンは足首に接する部分のみ柔らかい合皮があしらわれているため、ライド中にシューズと接する部分が痛くなりにくいはずだ。
アウターソールは剛性指数"14"という非常に高剛性なカーボン製。アレックス・ハウズがアメリカチャンピオンを獲得し、グランツールを走る選手たちの足元を支える納得の仕様だ。ラインアップはブラック、ホワイトの2色が揃う。サイズ展開は39~45までとされている。価格は24,800円(税抜)。それではインプレッションに移ろう。
― 編集部インプレッション
今回、F-XX KNITを試着したのはCW編集部の高木。足のサイズは27.0cm、普段のレースやトレーニングで着用しているシューズはスペシャライズド S-WORKS 7の42サイズ。シマノやジロを履く場合は43サイズを選択している。また、足の幅が広いため、ワイドモデルがラインアップされる場合はそちらを選ぶことが多い。
F-XX KNITをテストするにあたって、借り受けたサイズは42サイズであった。足を入れてみた印象としては、幅広の足でもフィットする作りで、ワイドモデルが無くてもこれで十分。サイズとしても42が適正な大きさ。さらにニット素材特有の柔らかさとフィット感があり、硬い生地による圧迫感がないため非常に快適に履ける。
これまでDMTやフィジークなど、他のブランドのニット生地を採用したシューズを試してきたが、このFLRのニット素材のアッパーはそれらと比較すると柔らか過ぎず、硬過ぎない、程良い柔軟性を持つという印象だ。
アッパー生地が程よい厚みを持っているので、ダイヤルを締め込んでもダイヤル本体が足の甲に食い込み、痛みが発生することはない。痛みで締め込みを妥協することなく、好みのフィット感で履くことができる。また、ワイヤーのルーティングが広範囲かつ絶妙な配置のため、ダイヤル1つの仕様ながら、足先から足首にかけて、足全体を包み込むようにフィットしてくれる。
また、足の甲が高い私にとって、タンが硬いとタンが当たる足首が痛くなることがある。F-XX KNITの場合は、タンの上部が柔らかい合皮素材になっていて、当たっても痛くなることが全く無く、快適なペダリングが可能であった。
通気性に関しては、アッパーのつま先部と両サイドに大きめのパンチング加工と、アウトソールの前部には通気口、インソールにもパンチング加工が施されているおかげで、シューズ内が蒸れることもなく、快適な状態で走ることができた。
ダイヤルはATOPクロージャーシステムを採用している。両サイドからワイヤー巻上げるため、スムーズにシューズの締め具合を調整することが可能だ。ダイヤルの開放はBOAの場合ダイヤルを引き上げるアクションだが、ATOPの場合はダイヤルを締め付ける方向とは逆回転させることで行う。開放されたダイヤルは、そのまま締める方向に回転させると、ギアが噛む仕組みだ。
ニット素材の弱点と言われる伸びに関しては、生地の伸びが影響しやすいと思われるスプリントで感触をテストしてみた。1000Wを超える高いパワーでスプリントをしてみたが、一般的なシューズとほぼ変わらない感覚でスプリントすることができた。
スプリントというシチュエーションにおいては、アウトソールも好印象。特にソールのスタックハイトの低さが際立ち、ペダルを素足で踏んでいるかのようなダイレクト感がある。そのため、スプリントでも力を逃さず、ペダリング時のパワーロスが少ない感覚を受ける。流石、UCIワールドツアーの選手と共同開発されたシューズだけある。まさにレーサー向きのシューズであると改めて確認させられた。
最近のハイエンドシューズは4万円を超えるものが多いが、FLR F-XX KNITの価格は24,800円(税抜)とハイエンドシューズであるものの手に取りやすい価格だ。また、カラーもブラックとホワイトと他のウェアにも合わせやすく使い勝手も良さそうだ。レーサーにはもちろんだが、これからレースデビューをするようなライダーにもオススメしたい一足だ。
FLR F-XX KNIT
カラー:ブラック、ホワイト
アッパー:ニット素材
アウトソール:フルカーボンソール(剛性指数14)
サイズ:39~45
価格:24,800円(税抜)
text:Michinari TAKAGI
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