レース後半に3つの1級山岳が登場したツール・デ・アルプの最終ステージ。序盤から逃げに乗ったジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)が逃げ切り、ステージ優勝と逆転総合優勝を果たした。
1級山岳が3つ登場するツール・デ・アルプ=マリティーム・ エ・ドゥ・ヴァール2021第3ステージ (c)CorVos
ツール・デ・アルプ=マリティーム・ エ・ドゥ・ヴァール2021第3ステージ ビッグネームが多数集結したツール・デ・アルプ=マリティーム・ エ・ドゥ・ヴァール(UCI2.1)もいよいよ最終日。わずか131kmに合計7つの登りが配置された獲得標高3600m超のクイーンステージで、スタート直後から各チームの思惑が複雑に絡み合った。
スタート直後から登坂距離4.5kmの登りにアタックし、中盤から後半にかけて3つの1級山岳が登場する難コースで逃げたのは16名という大きなグループ。
グルパマFDJは総合4位ルディ・モラールと同8位ヴァランタン・マデュアス(フランス)を含む3名を、トレック・セガフレードは14秒遅れの総合17位ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア)を、そしてイネオス・グレナディアーズはジロ・デ・イタリア覇者テイオ・ゲイガンハート(イギリス)を、そしてアスタナ・プレミアテックはゴルカ・イサギレ(スペイン)をそれぞれ逃げに送り込んだ。
ルディ・モラール(フランス)ら3名を逃げに送り込んだグルパマFDJ (c)CorVos
序盤に生まれた逃げに入ったジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
これまで2日間の登坂力から総合首位マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)と1秒差の2位につけるバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)の戦いになると思われていたが、この超強力なエスケープがイスラエル・スタートアップネイションの戦略を狂わせた。
イスラエルチームは逃げとの間隔を2分程度に保っていたが、グルパマが牽引する逃げは後半区間に入ってもその差をキープ。ダン・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)の牽引もリードを30秒削り取るに留まった。
メイン集団はイスラエル・スタートアップネイションがコントロールする (c)CorVos
ゲイガンハートのアタックで絞り込まれた先頭グループが最後の1級山岳コル・ド・ラ・マドンに入ると、フィニッシュまで30km弱を残してブランビッラがアタック。「グルパマがコントロールする中で体力を温存しつつ、スマートに走ることを心がけた」と言うブランビッラのアタックにゲイガンハートやイサギレが遅れ、唯一対応したマデュアスも残り11kmで脚攣りによって脱落。こうしてブランビッラが総合逆転優勝を賭けた独走態勢に持ち込んだ。
「無線トラブルでレースラジオが聞こえず、後続とのタイム差が分からなかったんだ。チームカーのグレゴリー・ラスト(監督)から『ステージと総合を獲りたいなら全員を振り落とす必要がある』と聞いた。総合ではなくステージを狙うつもりだった」と言うブランビッラは、追いかけるゲイガンハートグループや、総合首位キープのため自ら加速したウッズ率いる第3グループとの距離を保ちながらフィニッシュを目指した。
逃げ切りでステージ優勝を掴んだジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
結局、最後に控えるコル・ド・ニース(登坂距離2.5km)も力強くこなし、猛烈な追撃を交わしたブランビッラが独走勝利。ゲイガンハートらが13秒、ウッズたちが18秒遅れたことで総合優勝をも射止めた。
「最終区間では本当に苦しんだ。全員が僕を捕まえるためにプッシュしていると分かっていた」と振り返るブランビッラにとっては、2016年以来4年ぶりとなる勝利。「長い間待ち望んでいた勝利だ。特にこの難しい期間、僕を支えてくれたチームに感謝したい。この勝利で自分のアシスト役という立ち位置は変わらない。今日は僕たちチームと僕自身のチャンスがあり、うまく流れを引き寄せることができた。本当に嬉しいよ」と、マイヨジョーヌを射止めたブランビッラは謙虚に語っている。
逆転総合優勝を遂げたジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)、マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) (c)CorVos
また、中根英登(日本、EFエデュケーションNIPPO)は「とんでもなく激しかった最終ステージは1度フォローに入っただけでドロップ。今日はもうどうしようもなかったけど、S1、S2と働けたので監督とチームメイトからは労いの言葉を貰えた。それが一番ホッとした。これからまた調子を上げていきます。3日間応援ありがとうございました。」とSNSで振り返っている。


スタート直後から登坂距離4.5kmの登りにアタックし、中盤から後半にかけて3つの1級山岳が登場する難コースで逃げたのは16名という大きなグループ。
グルパマFDJは総合4位ルディ・モラールと同8位ヴァランタン・マデュアス(フランス)を含む3名を、トレック・セガフレードは14秒遅れの総合17位ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア)を、そしてイネオス・グレナディアーズはジロ・デ・イタリア覇者テイオ・ゲイガンハート(イギリス)を、そしてアスタナ・プレミアテックはゴルカ・イサギレ(スペイン)をそれぞれ逃げに送り込んだ。


これまで2日間の登坂力から総合首位マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)と1秒差の2位につけるバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)の戦いになると思われていたが、この超強力なエスケープがイスラエル・スタートアップネイションの戦略を狂わせた。
イスラエルチームは逃げとの間隔を2分程度に保っていたが、グルパマが牽引する逃げは後半区間に入ってもその差をキープ。ダン・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)の牽引もリードを30秒削り取るに留まった。

ゲイガンハートのアタックで絞り込まれた先頭グループが最後の1級山岳コル・ド・ラ・マドンに入ると、フィニッシュまで30km弱を残してブランビッラがアタック。「グルパマがコントロールする中で体力を温存しつつ、スマートに走ることを心がけた」と言うブランビッラのアタックにゲイガンハートやイサギレが遅れ、唯一対応したマデュアスも残り11kmで脚攣りによって脱落。こうしてブランビッラが総合逆転優勝を賭けた独走態勢に持ち込んだ。
「無線トラブルでレースラジオが聞こえず、後続とのタイム差が分からなかったんだ。チームカーのグレゴリー・ラスト(監督)から『ステージと総合を獲りたいなら全員を振り落とす必要がある』と聞いた。総合ではなくステージを狙うつもりだった」と言うブランビッラは、追いかけるゲイガンハートグループや、総合首位キープのため自ら加速したウッズ率いる第3グループとの距離を保ちながらフィニッシュを目指した。

結局、最後に控えるコル・ド・ニース(登坂距離2.5km)も力強くこなし、猛烈な追撃を交わしたブランビッラが独走勝利。ゲイガンハートらが13秒、ウッズたちが18秒遅れたことで総合優勝をも射止めた。
「最終区間では本当に苦しんだ。全員が僕を捕まえるためにプッシュしていると分かっていた」と振り返るブランビッラにとっては、2016年以来4年ぶりとなる勝利。「長い間待ち望んでいた勝利だ。特にこの難しい期間、僕を支えてくれたチームに感謝したい。この勝利で自分のアシスト役という立ち位置は変わらない。今日は僕たちチームと僕自身のチャンスがあり、うまく流れを引き寄せることができた。本当に嬉しいよ」と、マイヨジョーヌを射止めたブランビッラは謙虚に語っている。

また、中根英登(日本、EFエデュケーションNIPPO)は「とんでもなく激しかった最終ステージは1度フォローに入っただけでドロップ。今日はもうどうしようもなかったけど、S1、S2と働けたので監督とチームメイトからは労いの言葉を貰えた。それが一番ホッとした。これからまた調子を上げていきます。3日間応援ありがとうございました。」とSNSで振り返っている。
ツール・デ・アルプ=マリティーム・ エ・ドゥ・ヴァール2021第3ステージ結果
1位 | ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) | 3:43:32 |
2位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:13 |
3位 | ベン・オコーナー(ニュージーランド、AG2Rシトロエン) | |
4位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | |
5位 | ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ) | |
6位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) | 0:18 |
7位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | |
8位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | |
10位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) |
個人総合成績
1位 | ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) | 12:51:00 |
2位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | 0:05 |
3位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:06 |
4位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | 0:10 |
5位 | ベン・オコーナー(ニュージーランド、AG2Rシトロエン) | 0:11 |
6位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 0:12 |
7位 | ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ) | 0:13 |
8位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) | 0:18 |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | |
10位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:26 |
その他の特別賞
ポイント賞 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
山岳賞 | マーティン・トゥスフェルト(オランダ、チームDSM) | |
ヤングライダー賞 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | |
チーム総合成績 | グルパマFDJ |
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