残り600mから平均勾配16%の「壁」に挑むツール・デ・アルプ2日目。激坂の名手マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)がバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)を引き離して今季初勝利。総合逆転も叶えている。
リーダージャージを着用するバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) (c)CorVos
テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
ツール・デ・アルプ=マリティーム・ エ・ドゥ・ヴァール2021第1ステージ 山に囲まれたフランス南東部のヴァル地方を駆け巡るツール・デ・アルプ=マリティーム・ エ・ドゥ・ヴァール(UCI2.1)は2日目。3級と2級山岳が1つずつ用意された175.7kmコースのプロフィールは一見イージーだが、その実獲得標高は3,000mを優に超える。
ほとんど平坦区間の無い細かいアップダウンを繰り返した末に待ち受けるのは、丘の上の街ファイヨンスへ至るノンカテゴリーの「ミュール・ド・ファイヨンス(ファイヨンスの壁)」。残り1.2kmからスタートする登りは前半区間こそ平均勾配6%だが、後半600mの平均勾配は16%まで跳ね上がる文字通りの激坂だ。
逃げるビニヤム・ギルマイ(エリトリア、デルコ)たち (c)CorVos
メイン集団をコントロールするジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード) (c)CorVos
登りと下りを延々こなすコースで逃げたのは、ユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ・プレミアテック)やビニヤム・ギルマイ(エリトリア、デルコ)を含む7名。メイン集団先頭では黄色いリーダージャージのバウケ・モレマ(オランダ)擁するトレック・セガフレードはもちろん、イネオス・グレナディアーズも隊列を組み他チームにプレッシャーを掛けた。
合計2回通過する最終登坂の1回目(残り33km地点)では、山岳系メンバーを揃えたトレック・セガフレードのペースアップによって逃げグループとのタイム差は2分フラットに。この段階で中根英登(日本、EFエデュケーションNIPPO)も集団先頭付近で位置取り役を担った。
ナンス・ペテルス(フランス、AG2Rシトロエン)やピエール・ラトゥール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)が巻き込まれる落車を経ながら(ラトゥールはここでリタイア)、ペースアップを図りつつ最後の登坂勝負へ。フィニッシュが近づくにつれイネオス・グレナディアーズがペースアップを図り、残り2.4kmで最後まで逃げていたメンバーを飲み込むと、ゲラント・トーマス(イギリス)も先頭に。比較的勾配が緩やかな「ミュール・ド・ファイヨンス」序盤ではAG2Rシトロエンやアスタナがペースメイクを担った。
1度めの「ミュール・ド・ファイヨンス」でペースアップを行うケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード) (c)CorVos
モレマを2秒引き離してフィニッシュするマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) (c)CorVos
勾配が跳ね上がる後半区間に入り、真っ先に加速したのはエースナンバーのラトゥールを失ったアレクシー・ヴィエルモ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)。しかし早掛けしたフレンチクライマーも抜け出すには至らず、続いてマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)が発進。モレマやジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)の走りを伺いながら、激坂の名手が強烈なテンポを刻んでいく。
「予定通りリードを維持し、残り300mで加速することができた」と言うウッズは、1分弱に渡って平均580Wを出力してライバルたちをふるい落としていく。リーダージャージを守りたいモレマを2秒、イネオスのエースを担うナルバエスを4秒引き離し、ウッズがイスラエル・スタートアップネイションに今季初勝利を届けた。
マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)は1秒差の総合リーダーに浮上 (c)CorVos
この日スタート時点でモレマから1秒遅れの総合4位につけていたウッズが、1秒差で逆転し首位浮上。7秒差の総合3位にダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)が、10秒差の4位にルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)がひしめく状態で、1級山岳が3つ(最後はコル・ド・ラ・マドン)登場する最終ステージに挑むこととなった。
また、この日チームのために働いた中根は最後まで集団内で粘り、1分40秒遅れの57位でフィニッシュ。「スーパーウルトラキツかった第2ステージ。常にチームメイトの側で集団前方でのスペース確保、アームウォーマー等受け取ったりしながらラストラップへ。激坂で集団は3分の1くらいまで絞られた中に生き残って、強烈なスピードのままラスト1kmの激坂へ。予想通り激しさ増した第2ステージ。明日は最終日」とSNSで振り返っている。



ほとんど平坦区間の無い細かいアップダウンを繰り返した末に待ち受けるのは、丘の上の街ファイヨンスへ至るノンカテゴリーの「ミュール・ド・ファイヨンス(ファイヨンスの壁)」。残り1.2kmからスタートする登りは前半区間こそ平均勾配6%だが、後半600mの平均勾配は16%まで跳ね上がる文字通りの激坂だ。


登りと下りを延々こなすコースで逃げたのは、ユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ・プレミアテック)やビニヤム・ギルマイ(エリトリア、デルコ)を含む7名。メイン集団先頭では黄色いリーダージャージのバウケ・モレマ(オランダ)擁するトレック・セガフレードはもちろん、イネオス・グレナディアーズも隊列を組み他チームにプレッシャーを掛けた。
合計2回通過する最終登坂の1回目(残り33km地点)では、山岳系メンバーを揃えたトレック・セガフレードのペースアップによって逃げグループとのタイム差は2分フラットに。この段階で中根英登(日本、EFエデュケーションNIPPO)も集団先頭付近で位置取り役を担った。
ナンス・ペテルス(フランス、AG2Rシトロエン)やピエール・ラトゥール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)が巻き込まれる落車を経ながら(ラトゥールはここでリタイア)、ペースアップを図りつつ最後の登坂勝負へ。フィニッシュが近づくにつれイネオス・グレナディアーズがペースアップを図り、残り2.4kmで最後まで逃げていたメンバーを飲み込むと、ゲラント・トーマス(イギリス)も先頭に。比較的勾配が緩やかな「ミュール・ド・ファイヨンス」序盤ではAG2Rシトロエンやアスタナがペースメイクを担った。


勾配が跳ね上がる後半区間に入り、真っ先に加速したのはエースナンバーのラトゥールを失ったアレクシー・ヴィエルモ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)。しかし早掛けしたフレンチクライマーも抜け出すには至らず、続いてマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)が発進。モレマやジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)の走りを伺いながら、激坂の名手が強烈なテンポを刻んでいく。
「予定通りリードを維持し、残り300mで加速することができた」と言うウッズは、1分弱に渡って平均580Wを出力してライバルたちをふるい落としていく。リーダージャージを守りたいモレマを2秒、イネオスのエースを担うナルバエスを4秒引き離し、ウッズがイスラエル・スタートアップネイションに今季初勝利を届けた。

この日スタート時点でモレマから1秒遅れの総合4位につけていたウッズが、1秒差で逆転し首位浮上。7秒差の総合3位にダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)が、10秒差の4位にルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)がひしめく状態で、1級山岳が3つ(最後はコル・ド・ラ・マドン)登場する最終ステージに挑むこととなった。
また、この日チームのために働いた中根は最後まで集団内で粘り、1分40秒遅れの57位でフィニッシュ。「スーパーウルトラキツかった第2ステージ。常にチームメイトの側で集団前方でのスペース確保、アームウォーマー等受け取ったりしながらラストラップへ。激坂で集団は3分の1くらいまで絞られた中に生き残って、強烈なスピードのままラスト1kmの激坂へ。予想通り激しさ増した第2ステージ。明日は最終日」とSNSで振り返っている。
ツール・デ・アルプ=マリティーム・ エ・ドゥ・ヴァール2021第2ステージ結果
1位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | 4:16:54 |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:02 |
3位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | 0:04 |
4位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 0;07 |
5位 | アレクシー・ヴィエルモ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | 0:10 |
6位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | ベン・オコーナー(ニュージーランド、AG2Rシトロエン) | 0:11 |
8位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 0:13 |
9位 | アリエン・リヴィンズ(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル) | |
10位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) | |
57位 | 中根英登(日本、EFエデュケーションNIPPO) | 1:40 |
個人総合成績
1位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | 9:07:15 |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:01 |
3位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 0:07 |
4位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | 0:10 |
5位 | ベン・オコーナー(ニュージーランド、AG2Rシトロエン) | 0:11 |
6位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 0:13 |
7位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
8位 | ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ) | |
9位 | アリエン・リヴィンズ(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル) | |
10位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) |
その他の特別賞
ポイント賞 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) |
山岳賞 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、デルコ) |
ヤングライダー賞 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | トレック・セガフレード |
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