2020/12/28(月) - 17:21
乗車を拒む深い泥に覆われたUCIシクロクロスワールドカップ第3戦で、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)がマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)を3分近く引き離して勝利。女子レースではルシンダ・ブラント(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)がシリーズ開幕3連勝を掴んでいる。
UCIシクロクロスワールドカップ第3戦の舞台は、ベルギー北部のアントウェルペンやヘント、ブリュッセルに囲まれた街デンデルモンデ。草地をメインにしたワールドカップ初登場のコースだが、暴風雨(最大風速80~90km/h)を伴う冬の嵐「ベラ」が襲ったことで、田んぼのようなディープマッドコンディションに。巨大なフライオーバーや細かい登り下りが外されたことで、ひたすら泥をかき分けて進むパワーレースが展開されることとなった。
ハイスピードレースとなった前日のスーパープレスティージュ第7戦と異なる、死力を尽くすようなレースを掌握したのはワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)だった。ファンアールトは1周目に転倒したコルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンスシクロクロスチーム)のバイクが絡んで順位を下げたものの、すぐさま復活。2周目に先頭争いへと復帰した。
ファンアールトはライバルのマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)と共に3番手以降を突き放していくが、さほど時間を要さずファンデルプールすらも置き去りにしてしまう。軽快感すら感じさせるランニングを組み合わせて進むファンアールトが、他を、そして超重馬場のコースを圧倒した。
レース後のインタビューで「とても厳しく、プロになってから最もクレイジーなコースの一つだった。周回を重ねる度にランニングセクションは長くなっていたし、もしユースカテゴリーのレースがあったら全て担ぎになっていたと思う。でも個人的にはとても楽しめたよ」と、冗談交じりに話したファンアールト。「今日は事前情報でワウト向きだと知っていたし、追いつけないと分かってからはすぐ2位に目標を切り替えた」と振り返るファンデルプールとの差は、最終周回突入時点で2分14秒まで広がっていた。
ファンアールトとファンデルプールの後方は、ファンケッセルやクィンティン・ヘルマンス(ベルギー)のトルマンスコンビが固めていたものの、レース中盤に入ってトーン・アールツ(ベルギー、テレネットバロワーズ・ライオンズ)が追い抜き、単独3位に。この日はトーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング)やラース・ファンデルハール(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)といった面々が途中レースを降りている。
集中した表情を崩さず走ったファンアールトは、最終的にファンデルプールを2分49秒、そしてアールツを3分6秒も引き離して勝利。ワールドカップ第2戦ナミュールで2位、そして今回優勝とポイントを大量獲得したため、4位に終わったマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)からランキングリーダーの座を引き継ぐこととなった。
ライバルの先行を許したファンデルプールはアールツの追い上げを交わして2位。「コースが常に自分向きではないことは分かっているけれど、今日のコースはワールドカップには少々そぐわないと思った。しかしワウトのパフォーマンスを損なうものではなく、彼の強さは本当に際立っていた」と、圧倒的な走りを披露したライバルを称えている。
シクロクロス復帰したマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)や、ロードのベルギー王者ロッテ・コペッキー(ロット・スーダル)の参戦で注目を集めた女子レースはパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・フェニックス)やデニセ・ベッツィマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール)の好スタートで幕開ける。スタートでペダルキャッチをミスしたセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)は17〜18番手からの追い上げを強いられるも、すぐさまポジションを挽回していった。
ベッツィマとワールドカップリーダーのルシンダ・ブラント(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)、そして泥レースと好相性の元世界王者サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)がリード。やがてブラントが抜け出し、追い上げてきたアルバラードとともに先頭グループを形成する。泥に弾かれたベッツィマは後退し、この日8位でレースを終えることとなった。
アルカンシエルを纏うアルバラードは暫く先頭を維持していたものの、やがてパワーに勝るブラントが追いつき、重たい芝生区間でリードを奪う。後方ではナミュールで2位に入ったクララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド.com)が着実にポジションを上げ、アルバラードを抜き去ってしまう。こうして表彰台のメンバーが選り分けられた。
「とにかくタフで、どれだけパワーを掛けてもバイクが進まなかった」と振り返るブラントが、アベレージ13km/h台の超低速レースで勝利。ワールドカップで開幕3連勝を収めたことで、シリーズランキングの優勝に今一歩近づいている。
UCIシクロクロスワールドカップ第3戦の舞台は、ベルギー北部のアントウェルペンやヘント、ブリュッセルに囲まれた街デンデルモンデ。草地をメインにしたワールドカップ初登場のコースだが、暴風雨(最大風速80~90km/h)を伴う冬の嵐「ベラ」が襲ったことで、田んぼのようなディープマッドコンディションに。巨大なフライオーバーや細かい登り下りが外されたことで、ひたすら泥をかき分けて進むパワーレースが展開されることとなった。
ハイスピードレースとなった前日のスーパープレスティージュ第7戦と異なる、死力を尽くすようなレースを掌握したのはワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)だった。ファンアールトは1周目に転倒したコルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンスシクロクロスチーム)のバイクが絡んで順位を下げたものの、すぐさま復活。2周目に先頭争いへと復帰した。
ファンアールトはライバルのマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)と共に3番手以降を突き放していくが、さほど時間を要さずファンデルプールすらも置き去りにしてしまう。軽快感すら感じさせるランニングを組み合わせて進むファンアールトが、他を、そして超重馬場のコースを圧倒した。
レース後のインタビューで「とても厳しく、プロになってから最もクレイジーなコースの一つだった。周回を重ねる度にランニングセクションは長くなっていたし、もしユースカテゴリーのレースがあったら全て担ぎになっていたと思う。でも個人的にはとても楽しめたよ」と、冗談交じりに話したファンアールト。「今日は事前情報でワウト向きだと知っていたし、追いつけないと分かってからはすぐ2位に目標を切り替えた」と振り返るファンデルプールとの差は、最終周回突入時点で2分14秒まで広がっていた。
ファンアールトとファンデルプールの後方は、ファンケッセルやクィンティン・ヘルマンス(ベルギー)のトルマンスコンビが固めていたものの、レース中盤に入ってトーン・アールツ(ベルギー、テレネットバロワーズ・ライオンズ)が追い抜き、単独3位に。この日はトーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング)やラース・ファンデルハール(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)といった面々が途中レースを降りている。
集中した表情を崩さず走ったファンアールトは、最終的にファンデルプールを2分49秒、そしてアールツを3分6秒も引き離して勝利。ワールドカップ第2戦ナミュールで2位、そして今回優勝とポイントを大量獲得したため、4位に終わったマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)からランキングリーダーの座を引き継ぐこととなった。
ライバルの先行を許したファンデルプールはアールツの追い上げを交わして2位。「コースが常に自分向きではないことは分かっているけれど、今日のコースはワールドカップには少々そぐわないと思った。しかしワウトのパフォーマンスを損なうものではなく、彼の強さは本当に際立っていた」と、圧倒的な走りを披露したライバルを称えている。
シクロクロス復帰したマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)や、ロードのベルギー王者ロッテ・コペッキー(ロット・スーダル)の参戦で注目を集めた女子レースはパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・フェニックス)やデニセ・ベッツィマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール)の好スタートで幕開ける。スタートでペダルキャッチをミスしたセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)は17〜18番手からの追い上げを強いられるも、すぐさまポジションを挽回していった。
ベッツィマとワールドカップリーダーのルシンダ・ブラント(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)、そして泥レースと好相性の元世界王者サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)がリード。やがてブラントが抜け出し、追い上げてきたアルバラードとともに先頭グループを形成する。泥に弾かれたベッツィマは後退し、この日8位でレースを終えることとなった。
アルカンシエルを纏うアルバラードは暫く先頭を維持していたものの、やがてパワーに勝るブラントが追いつき、重たい芝生区間でリードを奪う。後方ではナミュールで2位に入ったクララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド.com)が着実にポジションを上げ、アルバラードを抜き去ってしまう。こうして表彰台のメンバーが選り分けられた。
「とにかくタフで、どれだけパワーを掛けてもバイクが進まなかった」と振り返るブラントが、アベレージ13km/h台の超低速レースで勝利。ワールドカップで開幕3連勝を収めたことで、シリーズランキングの優勝に今一歩近づいている。
UCIシクロクロスワールドカップ2020-2021第3戦 男子エリート結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 1:06:10 |
2位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 2:49 |
3位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネットバロワーズ・ライオンズ) | 3:06 |
4位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 3:42 |
5位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 3:58 |
6位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンスシクロクロスチーム) | 4:14 |
7位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスシクロクロスチーム) | 4:22 |
8位 | ピム・ロンハール(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 4:29 |
9位 | タイス・アールツ(ベルギー、テレネットバロワーズ・ライオンズ) | 4:49 |
10位 | ジャンニ・フェルメルシュ(ベルギー、クレディショップ・フリスタッズ) | 5:04 |
UCIシクロクロスワールドカップ2020-2021第3戦 女子エリート結果
1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ) | 45:27 |
2位 | クララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド.com) | 0:15 |
3位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 0:24 |
4位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:40 |
5位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | 0:45 |
6位 | サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン) | 0:48 |
7位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、ドルチーニ・ファンアイクスポーツ) | 0:54 |
8位 | デニセ・ベッツィマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 1:22 |
9位 | マノン・バッカー(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ) | 1:35 |
10位 | ヤラ・カステリン(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ) | 2:13 |
Amazon.co.jp