2020/12/27(日) - 09:34
名コース"ゾルダー"で繰り広げられた高速レース。スーパープレスティージュ第7戦は、レースの半分を独走したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)と、ゴールスプリントでライバルを下したルシンダ・ブラント(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)が勝利している。
シリーズ全8戦で開催されるスーパープレスティージュも既に第7戦。フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダー近郊にあるゾルダーサーキットに男女トップクロッサーたちが再び相まみえた。
1960年代までのF1ベルギーグランプリ開催地である、テラーメンの森に設営されている起伏に富んだサーキットは、2016年に世界選手権を迎えた由緒あるシクロクロスコースでもある。
長いホームストレートで欧州王者エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)がダッシュを決め、最初のボトルネックコーナーでは前方で起きた落車で第6戦勝者のトーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング)が足止めを受ける。世界選手権のダークホースと目される21歳はほぼ最後尾からの追い上げを強いられた。
ライバル関係を築くマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が争うように先頭を固めたが、ファンアールトは1周目に後輪パンクで20番手ほどまで遅れてしまった。
ピドコックが、そしてファンアールトが遅れる中、リードを奪ったのはファンデルプールだった。「パンクで遅れていったファンアールトを復帰させたくなかった。こんなに早く一人になるとは思わなかったけれど、ここで初めてペースアップした」と振り返る世界王者が早くも独走態勢を築き、小柄なイゼルビッドとラース・ファンデルハール(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)コンビが2,3番手。しかし3周目、中継カメラは地面に転がるイゼルビッドの姿を捉えた。
コーナーの立ち上がりでスリップダウンしてフェンスにぶつかり、後続のファンデルハールとコルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンスシクロクロスチーム)に衝突されたイゼルビッドは立ち上がることができず、そのまま救急車に運び込まれてリタイア。肘脱臼の診断が下ったイゼルビッドはスーパープレスティージュ総合リーダーの座から降りることとなってしまった。
ファンケッセルやファンアールト、ファンデルハール、ローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)ら2番手グループの追走を物ともせず、淡々とペースを刻んだファンデルプールはこの日最強だった。「十分なリードを得ていたのでマイペースで走ることができた。調子自体は良かったけれど、一人の時間が長く、決して簡単なレースではなかった」と振り返る世界王者はレース時間の半分以上に渡り、リードを守り抜いた。
ヨーロッパ屈指の高速コースを飛ぶように駆け抜けたファンデルプールがゾルダーで4年連続5度目の勝利。「パンクした瞬間、目標を切り替えて走った」と言うファンアールトは全9周回中の8周目にアタックし2位。調子を上げているファンデルハールが第2戦ルッデルフォールデに続く3位表彰台を射止めている。
また、トーン・アールツ(ベルギー、テレネットバロワーズ・ライオンズ)は7位に甘んじながらも、0ポイントに終わったイゼルビッドを抜いてシリーズリーダーに。一時70番手前後からの追い上げを強いられたピドコックは9位まで挽回し、世界選手権に向けてのコンディションを披露している。
44名がスタートラインに並んだ女子レースで好スタートを切ったのは、「身体の声を聞いて休むことにした」と約2週間レースから離れていたアンマリー・ワースト(オランダ、777)だった。
ハイペースを刻む元欧州王者には絶好調ルシンダ・ブラント(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)や、世界王者セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)、デニセ・ベッツィマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、そしてインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ)といったオランダ勢が追従する。
決まりどころの少ないパワーコース。先頭グループ内ではアタックと追走、そして合流が繰り返され、その中で元U23世界王者のファンデルヘイデンが脱落。今季表彰台を分け合っているオランダ勢が、5位以降を突き放しながらハイペースを刻んだ。
最終周回が近づくと、牽制状態に陥った先頭グループに再びファンデルヘイデンが追いつき、マノン・バッカー(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ)ら3名が背後に迫った状態からブラントがアタックするも不発に。これらメンバーが全員まとまったことで、フィニッシュまで半周を残して先頭グループは8名に膨れ上がった。
間髪入れずベッツィマがアタックするも合流組を再脱落させるに留まり、続いてブラントがペースアップを図る。するとフィニッシュ直前の急勾配登坂で2番手アルバラードが足をつくミスを出してしまう。背後につけていたワーストとベッツィマは降車を強いられ、ただ一人セクションをスムーズにクリアしたブラント優勢でホームストレートへ。ブラントが追いすがるアルバラードを抑え、急激に近寄るワーストとベッツィマを寄せ付けることなく勝利した。
15秒遅れた5位グループではバッカーが先着し、アリシア・フランク(ベルギー、プロキシマス・アルファモーターホームズ・ドルチーニ)がキャリアハイライトとなる8位。プレ五輪にも参加したMTB選手のアン・タウバー(オランダ、CST)が後方スタートから9位に入る快走を見せている。
シリーズ全8戦で開催されるスーパープレスティージュも既に第7戦。フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダー近郊にあるゾルダーサーキットに男女トップクロッサーたちが再び相まみえた。
1960年代までのF1ベルギーグランプリ開催地である、テラーメンの森に設営されている起伏に富んだサーキットは、2016年に世界選手権を迎えた由緒あるシクロクロスコースでもある。
長いホームストレートで欧州王者エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)がダッシュを決め、最初のボトルネックコーナーでは前方で起きた落車で第6戦勝者のトーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング)が足止めを受ける。世界選手権のダークホースと目される21歳はほぼ最後尾からの追い上げを強いられた。
ライバル関係を築くマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が争うように先頭を固めたが、ファンアールトは1周目に後輪パンクで20番手ほどまで遅れてしまった。
ピドコックが、そしてファンアールトが遅れる中、リードを奪ったのはファンデルプールだった。「パンクで遅れていったファンアールトを復帰させたくなかった。こんなに早く一人になるとは思わなかったけれど、ここで初めてペースアップした」と振り返る世界王者が早くも独走態勢を築き、小柄なイゼルビッドとラース・ファンデルハール(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)コンビが2,3番手。しかし3周目、中継カメラは地面に転がるイゼルビッドの姿を捉えた。
コーナーの立ち上がりでスリップダウンしてフェンスにぶつかり、後続のファンデルハールとコルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンスシクロクロスチーム)に衝突されたイゼルビッドは立ち上がることができず、そのまま救急車に運び込まれてリタイア。肘脱臼の診断が下ったイゼルビッドはスーパープレスティージュ総合リーダーの座から降りることとなってしまった。
ファンケッセルやファンアールト、ファンデルハール、ローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)ら2番手グループの追走を物ともせず、淡々とペースを刻んだファンデルプールはこの日最強だった。「十分なリードを得ていたのでマイペースで走ることができた。調子自体は良かったけれど、一人の時間が長く、決して簡単なレースではなかった」と振り返る世界王者はレース時間の半分以上に渡り、リードを守り抜いた。
ヨーロッパ屈指の高速コースを飛ぶように駆け抜けたファンデルプールがゾルダーで4年連続5度目の勝利。「パンクした瞬間、目標を切り替えて走った」と言うファンアールトは全9周回中の8周目にアタックし2位。調子を上げているファンデルハールが第2戦ルッデルフォールデに続く3位表彰台を射止めている。
また、トーン・アールツ(ベルギー、テレネットバロワーズ・ライオンズ)は7位に甘んじながらも、0ポイントに終わったイゼルビッドを抜いてシリーズリーダーに。一時70番手前後からの追い上げを強いられたピドコックは9位まで挽回し、世界選手権に向けてのコンディションを披露している。
44名がスタートラインに並んだ女子レースで好スタートを切ったのは、「身体の声を聞いて休むことにした」と約2週間レースから離れていたアンマリー・ワースト(オランダ、777)だった。
ハイペースを刻む元欧州王者には絶好調ルシンダ・ブラント(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ)や、世界王者セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)、デニセ・ベッツィマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、そしてインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ)といったオランダ勢が追従する。
決まりどころの少ないパワーコース。先頭グループ内ではアタックと追走、そして合流が繰り返され、その中で元U23世界王者のファンデルヘイデンが脱落。今季表彰台を分け合っているオランダ勢が、5位以降を突き放しながらハイペースを刻んだ。
最終周回が近づくと、牽制状態に陥った先頭グループに再びファンデルヘイデンが追いつき、マノン・バッカー(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ)ら3名が背後に迫った状態からブラントがアタックするも不発に。これらメンバーが全員まとまったことで、フィニッシュまで半周を残して先頭グループは8名に膨れ上がった。
間髪入れずベッツィマがアタックするも合流組を再脱落させるに留まり、続いてブラントがペースアップを図る。するとフィニッシュ直前の急勾配登坂で2番手アルバラードが足をつくミスを出してしまう。背後につけていたワーストとベッツィマは降車を強いられ、ただ一人セクションをスムーズにクリアしたブラント優勢でホームストレートへ。ブラントが追いすがるアルバラードを抑え、急激に近寄るワーストとベッツィマを寄せ付けることなく勝利した。
15秒遅れた5位グループではバッカーが先着し、アリシア・フランク(ベルギー、プロキシマス・アルファモーターホームズ・ドルチーニ)がキャリアハイライトとなる8位。プレ五輪にも参加したMTB選手のアン・タウバー(オランダ、CST)が後方スタートから9位に入る快走を見せている。
スーパープレスティージュ2020-2021第7戦男子エリート結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 1:02:07 |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 0:38 |
3位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ) | 0:39 |
4位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:44 |
5位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:48 |
6位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンスシクロクロスチーム) | 0:51 |
7位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネットバロワーズ・ライオンズ) | 0:55 |
8位 | ジャンニ・フェルメルシュ(ベルギー、クレディショップ・フリスタッズ) | 0:59 |
9位 | トーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング) | 1:01 |
10位 | ダーン・ソエテ(ベルギー、グループヘンス・マースコンテナーズ) | 1:08 |
スーパープレスティージュ2020-2021第7戦女子エリート結果
1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、テレネットバロワーズ・ライオンズ) | 40:38 |
2位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) | |
3位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | |
4位 | デニセ・ベッツィマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | |
5位 | マノン・バッカー(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ) | 0:15 |
6位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ) | 0:16 |
7位 | アンナ・カイ(イギリス、スターカジノCXチーム) | 0:17 |
8位 | アリシア・フランク(ベルギー、プロキシマス・アルファモーターホームズ・ドルチーニ) | 0:20 |
9位 | アン・タウバー(オランダ、CST) | 0:30 |
10位 | ラウラ・フェルドンショット(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:31 |
text:So Isobe
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