宇都宮ブリッツェンは、恒例となった新体制記者発表会を宇都宮市の栃木県庁で開催。3名の新加入選手を含む2021年陣容を発表した。あわせて、清水裕輔監督がゼネラルマネージャーを兼務することも明らかにした。




宇都宮ブリッツェン2021年メンバーと清水裕輔監督宇都宮ブリッツェン2021年メンバーと清水裕輔監督 photo:Satoru Kato
新型コロナウィルス感染拡大の影響を考慮してプレスリリースでの発表に留めるチームが多い中、宇都宮ブリッツェンは例年通り記者発表会を開催。その模様は You Tubeでライブ配信された(アーカイブ動画はこの記事の最下部にあり)。

大久保陣と鈴木龍が引退し、鈴木譲が愛三工業レーシングチームに移籍と、チームの中堅どころが退団することは既に発表されている通り。代わって、小嶋渓円、貝原涼太、及川一総の若手3名が新たに加わる。また、運営会社社長である柿沼章氏に替り、清水裕輔監督がゼネラルマネージャー職を兼務することが発表された。
宇都宮ブリッツェン2021年体制
増田成幸(37)
阿部嵩之(34)
小坂 光(32)
堀 孝明(28)
小野寺玲(25)
西村大輝(26)
中村魁斗(23)
小嶋渓円(23)新加入
貝原涼太(22)新加入
及川一総(22)新加入
清水裕輔(ゼネラルマネージャー兼監督)
キャプテンを務める増田成幸 来年で宇都宮ブリッツェン10年目を迎えるキャプテンを務める増田成幸 来年で宇都宮ブリッツェン10年目を迎える photo:Satoru Kato副キャプテンに就任する阿部嵩之副キャプテンに就任する阿部嵩之 photo:Satoru Kato

キャプテンは引き続き増田成幸が務め、副キャプテンに阿部嵩之が就くことになった。東京五輪代表となった増田は「東京五輪は僕が走ってきたレースの中で一番大きなレースなので、それに向けてしっかり磨いていきたい。同時にキャプテンとして、将来有望な若手選手も入ってきてくれたので、それぞれの持ち味をいかしたチームづくりをしていきたい」と語った。

一方阿部は「今年は契約を更新するということがどれほどすばらしいことかを実感している。来年は副キャプテンを仰せつかることになったので、『全輪駆動』というテーマに加担できるように、しっかりとやっていきたい」と、語った。

阿部の言う『全輪駆動』とは、2021年の宇都宮ブリッツェンのテーマ。選手やスタッフだけでなく、支えてくれる皆様と一緒に前に進んでいこうという想いが込められている。

2021年からゼネラルマネージャーも兼務する清水裕輔監督2021年からゼネラルマネージャーも兼務する清水裕輔監督 photo:Satoru Kato宇都宮ブリッツェン運営会社社長の柿沼章氏宇都宮ブリッツェン運営会社社長の柿沼章氏 photo:Satoru Kato

清水監督は、「全世界的に大変な年となった中、来シーズンの新体制を発表できたことを嬉しく思う。まだ厳しい状況が続くことが予想されるが、来シーズンも走りだけでなく価値あるチームを作っていきたい。それは選手やスタッフだけでなく、運営会社も支えている皆様も含めて価値のあるものを作り上げていきたい」と、2021年のチーム方針を語った。

具体的目標として、新たに始まる「ジャパンサイクルリーグ(JCL)」の初代王者になることを挙げる。清水監督は「楽しみにしている。詳細の発表はまだない状態で、新しいものに不安はつきものではあるが、ロードレースを日本国内で価値あるものとし、地域に還元できるものにするという理念の中、我々も協力して盛り上げていきたい」と、JCLに対する期待を話す。

増田は「僕に限らずチームに所属する選手はどちらのリーグに出場するかについて選択権はないが、監督が言うように新しいリーグが立ち上がることは楽しみではある。ただ一方で、事実として今まであったリーグが真っ二つに分かれてしまうことは隠しようもない事実。この状況を一刻も早く一本化して、ひとつのリーグとして全員が同じレースを走れるようになって欲しいとも思う」と、JCLに対する期待と不安を語った。



新加入3選手コメント

MiNERVA-asahiから移籍する小嶋渓円MiNERVA-asahiから移籍する小嶋渓円 photo:Satoru Kato
JBCF宇都宮ロードレース E1で優勝した小嶋渓円(MiNERVA-asahi)JBCF宇都宮ロードレース E1で優勝した小嶋渓円(MiNERVA-asahi) photo:Satoru Kato増田が東京五輪代表を決めた10月のスペイン遠征で一足早く宇都宮ブリッツェンでのレースを経験した小嶋渓円。今年はMiNERVA-asahiからJBCFのE1クラスタのレースに出場し、宇都宮ロードレースで優勝している。

「スペイン遠征は初めてのヨーロッパで初めての国際レースだったので緊張しましたが、チームの雰囲気が良く、親切にしてもらえてやりやすかったです。レースはまったく力が及ばなかったのですが、増田さんの走りを見て心打たれるものがあり、増田さんのように強くなりたいと思いました。来年はJCLで走ることになりますが、どのレースでも100%のコンディションで走れるようにしていきたいと思っています。国内トップカテゴリーでまだ表彰台に乗ったことがないので、JCLで表彰台に乗れることが目標です」

愛三工業レーシングチームから移籍する貝原涼太愛三工業レーシングチームから移籍する貝原涼太 photo:Satoru Kato
今年11月のJBCFトラックチャンピオンシップを走る貝原涼太今年11月のJBCFトラックチャンピオンシップを走る貝原涼太 photo:Satoru Kato貝原涼太はトラック競技で強さを見せ、日本大学在学中の2018年にインカレのトラック中距離種目で3冠を達成した経験を持つ。今年は愛三工業レーシングチームからプロデビューしたが、2022年の栃木国体を見据え、宇都宮ブリッツェンへの移籍を決めた。

「2022年の栃木国体に向けて、トラックだけでなくロードレースにも力を入れて取り組める環境として選びました。生活の拠点を宇都宮に移し、誘って頂いて一緒に練習しているので、来シーズンが今から楽しみです。今年プロ1年目でしたが、このような状況で結果も伴わずひどい1年になってしまったので、来年こそはと思っています。トラック全日本選手権でチャンピオンを獲ることが目標です」

来年3月に作新学院大学を卒業予定の及川一総来年3月に作新学院大学を卒業予定の及川一総 photo:Satoru Kato
JBCF東日本ロードクラシックDay-2 E1で優勝した及川一総(作新学院大学)JBCF東日本ロードクラシックDay-2 E1で優勝した及川一総(作新学院大学) photo:Satoru Kato来年3月に作新学院大学を卒業予定の及川一総。卒業後はロードレースの選手になることを目指し、宇都宮ブリッツェン加入を果たした。今年はJBCF東日本ロードクラシックDay-2のE1クラスタで優勝している。

「自分が自転車競技を始めた高校生の頃からあこがれのチームなので、そこに自分が入ることがまだ信じられない気分です。来シーズがどうなるのかまだわからないですが、チームの役に立つ選手になりたいと考えています。監督の期待に応えられるようにがんばります」



text&photo:Satoru Kato

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