2020/11/23(月) - 12:18
シクロクロス全日本選手権まで1週間。マキノ高原を舞台に開催されたJCX第5戦で、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と今井美穂(CO2bicycle)がそれぞれ勝利を飾った。
2020-2021シーズン JCX ナショナルシリーズ第5戦が11月22日 滋賀県高島市マキノ高原で行われた。第3戦、第4戦に予定されていた野辺山シクロクロスが中止になったため、実質、今シーズンのナショナルシリーズ3戦目となる。
翌週の全日本選手権に照準を合わせて、男女エリートはほぼフルメンバーの参戦。先頃MTBクロスカントリーで通算12回目のタイトルを獲得したばかりの山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)は参戦を見合わせたが、男子エリートのスターティンググリッドの最前列にはジュニア、U23、エリートのいずれかで全日本選手権を制した経験のある選手たちが顔を連ねた。
緩やかな斜面に設定されたコースは1周2.6km。フライオーバーの位置は昨年と同じ場所だが、長い直線からターンして再び長めの直線を設定するなど、スイッチバックを多く取り入れたコース設定だった。
午後の試走直後に行われた女子エリートにはMTBクロスカントリーを3連覇達成した今井美穂(CO2bicycle)の他、“ユキノマキノ”以来2年振りにシクロクロスレース参加するという、ロードレースワールドツアラーの與那嶺恵理(OANDAJAPAN)、シクロクロス初参戦のスイスのワールドサイクリングセンターに籍を置く小林あか里(CMC/Aigle)など20名の選手が参加した。
今井がホールショットを決めるが、小林、赤松綾(SimWorks Racing)が果敢に今井から先頭を奪い取ろうとするもフィジカルで何枚も上手である今井は先頭を保持し、1周目から後続を引き離し始めた。最後尾からスタートした與那嶺がターンを越える毎に順位を上げ後半のピットを過ぎた付近で小林を捉え2番手までポジションを上げ今井を追う。3番手に赤松が上がり、それに小林、石田唯(北桑田高校)が続く展開に。1周目完了時点で今井は10秒のリードに成功し、その後もリードを広げ、他の選手が強引に乗車でクリアする登り返しを潔くバイクを降りてダメージを少なくする走りで優勝。2位には與那嶺、3位には赤松が入った。
続いて行われた男子エリート。スタート直前に空は雲で覆われ、天気予報通り雨になるかと思われる中レースが始まった。
ホールショットを奪ったのは沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)で、抜群の登坂スピードでレースを引っ張ると、早くも全日本選手権優勝経験者による先頭集団が形成された。オープニングラップのコントロールラインを通過したのは沢田と織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、小坂光(宇都宮ブリッツェン)、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)。少し離れて横山航太(シマノレーシング)と竹之内悠(ToyoFrame)、村上功太郎(松山大学)、そして積田連(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が続く。この時点で9位争いをする後続は20秒近く遅れをとった。
2周目に積田が先頭パックから脱落し、織田はパンクのためパック最後尾の位置からバイク交換。織田は若干離れてしまったが3周目突入時にはパックに戻った。
その後パックの先頭に出た前田のペースアップによって沢田と二人が抜け出すも決定打には至らない。小坂と織田が間を埋め、竹之内や横山がパックから脱落した一方、村上は中切れを埋める足を見せつけた。
織田はシケインをバニーホップでクリアしたことでリードが生まれ、その差を詰めようと沢田が踏み、前田、村上がそれに続くと小坂が遅れ始める。前田と沢田もバニーホッパーだが、前田は試走で転倒したイメージが拭いきれないためレースでは使用せず、MTB全日本選手権に照準を合わせ飛ぶことに不安があったという沢田も降車を選択。先頭集団の中でシケインをバニーホップで越えていくのは織田ただ一人だけだった。
織田と沢田お互い得意セクションでスピードアップを図ると前田と村上は遅れ、レース中盤に差し掛かると織田はシケインで発生するギャップを利用し執拗にアタックを繰り返し沢田の脚を削っていく。6周目には沢田が差を埋め切れなくなり、最終的に織田が25秒差を付けてフィニッシュ。沢田が2番手に入り、3位は息を吹き返し、沢田まで3秒差に詰め寄った前田だった。
織田は今シーズンのJCXナショナルシリーズで3戦全勝。翌週の全日本選手権の結果によってはシリーズ2戦を残した状態でナショナルシリーズランキングトップが確定する。このレースの出走人数は74名、完走者は24名だった。
男子ジュニアには6名が出走。取手、幕張とJCX2連勝している永野 昇海(イナーメ信濃山形)が現ジュニアチャンピオンの村上 裕二郎(松山工業高校)らにどこまで通用するのか注目されたが、村上が圧倒的な力を見せつけレースを制した。
男子マスターズAでは村田 憲治(京都岩井商会レーシング)が序盤の混戦をリードし田崎 友康(Toyo Frame)の追撃を振り切り勝利。男子マスターズBでは藤井 修(きゅうべえsports)が先頭を譲ることなく優勝した。
来週はいよいよ日本一を決める全日本選手権が、長野県飯山市長峰スポーツ公園で行われる。
2020-2021シーズン JCX ナショナルシリーズ第5戦が11月22日 滋賀県高島市マキノ高原で行われた。第3戦、第4戦に予定されていた野辺山シクロクロスが中止になったため、実質、今シーズンのナショナルシリーズ3戦目となる。
翌週の全日本選手権に照準を合わせて、男女エリートはほぼフルメンバーの参戦。先頃MTBクロスカントリーで通算12回目のタイトルを獲得したばかりの山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)は参戦を見合わせたが、男子エリートのスターティンググリッドの最前列にはジュニア、U23、エリートのいずれかで全日本選手権を制した経験のある選手たちが顔を連ねた。
緩やかな斜面に設定されたコースは1周2.6km。フライオーバーの位置は昨年と同じ場所だが、長い直線からターンして再び長めの直線を設定するなど、スイッチバックを多く取り入れたコース設定だった。
午後の試走直後に行われた女子エリートにはMTBクロスカントリーを3連覇達成した今井美穂(CO2bicycle)の他、“ユキノマキノ”以来2年振りにシクロクロスレース参加するという、ロードレースワールドツアラーの與那嶺恵理(OANDAJAPAN)、シクロクロス初参戦のスイスのワールドサイクリングセンターに籍を置く小林あか里(CMC/Aigle)など20名の選手が参加した。
今井がホールショットを決めるが、小林、赤松綾(SimWorks Racing)が果敢に今井から先頭を奪い取ろうとするもフィジカルで何枚も上手である今井は先頭を保持し、1周目から後続を引き離し始めた。最後尾からスタートした與那嶺がターンを越える毎に順位を上げ後半のピットを過ぎた付近で小林を捉え2番手までポジションを上げ今井を追う。3番手に赤松が上がり、それに小林、石田唯(北桑田高校)が続く展開に。1周目完了時点で今井は10秒のリードに成功し、その後もリードを広げ、他の選手が強引に乗車でクリアする登り返しを潔くバイクを降りてダメージを少なくする走りで優勝。2位には與那嶺、3位には赤松が入った。
続いて行われた男子エリート。スタート直前に空は雲で覆われ、天気予報通り雨になるかと思われる中レースが始まった。
ホールショットを奪ったのは沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)で、抜群の登坂スピードでレースを引っ張ると、早くも全日本選手権優勝経験者による先頭集団が形成された。オープニングラップのコントロールラインを通過したのは沢田と織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、小坂光(宇都宮ブリッツェン)、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)。少し離れて横山航太(シマノレーシング)と竹之内悠(ToyoFrame)、村上功太郎(松山大学)、そして積田連(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が続く。この時点で9位争いをする後続は20秒近く遅れをとった。
2周目に積田が先頭パックから脱落し、織田はパンクのためパック最後尾の位置からバイク交換。織田は若干離れてしまったが3周目突入時にはパックに戻った。
その後パックの先頭に出た前田のペースアップによって沢田と二人が抜け出すも決定打には至らない。小坂と織田が間を埋め、竹之内や横山がパックから脱落した一方、村上は中切れを埋める足を見せつけた。
織田はシケインをバニーホップでクリアしたことでリードが生まれ、その差を詰めようと沢田が踏み、前田、村上がそれに続くと小坂が遅れ始める。前田と沢田もバニーホッパーだが、前田は試走で転倒したイメージが拭いきれないためレースでは使用せず、MTB全日本選手権に照準を合わせ飛ぶことに不安があったという沢田も降車を選択。先頭集団の中でシケインをバニーホップで越えていくのは織田ただ一人だけだった。
織田と沢田お互い得意セクションでスピードアップを図ると前田と村上は遅れ、レース中盤に差し掛かると織田はシケインで発生するギャップを利用し執拗にアタックを繰り返し沢田の脚を削っていく。6周目には沢田が差を埋め切れなくなり、最終的に織田が25秒差を付けてフィニッシュ。沢田が2番手に入り、3位は息を吹き返し、沢田まで3秒差に詰め寄った前田だった。
織田は今シーズンのJCXナショナルシリーズで3戦全勝。翌週の全日本選手権の結果によってはシリーズ2戦を残した状態でナショナルシリーズランキングトップが確定する。このレースの出走人数は74名、完走者は24名だった。
男子ジュニアには6名が出走。取手、幕張とJCX2連勝している永野 昇海(イナーメ信濃山形)が現ジュニアチャンピオンの村上 裕二郎(松山工業高校)らにどこまで通用するのか注目されたが、村上が圧倒的な力を見せつけレースを制した。
男子マスターズAでは村田 憲治(京都岩井商会レーシング)が序盤の混戦をリードし田崎 友康(Toyo Frame)の追撃を振り切り勝利。男子マスターズBでは藤井 修(きゅうべえsports)が先頭を譲ることなく優勝した。
来週はいよいよ日本一を決める全日本選手権が、長野県飯山市長峰スポーツ公園で行われる。
男子エリート(0.1+2.6km×9Laps)結果
1位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 1:01:10 |
2位 | 沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling) | +0:25 |
3位 | 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +0:28 |
女子エリート(0.1+2.6km×6Laps)
1位 | 今井美穂(CO2bicycle) | 47:33 |
2位 | 與那嶺恵理(OANDAJAPAN) | +0:27 |
3位 | 赤松綾(SimWorks Racing) | +0:40 |
男子ジュニア(0.1+2.6km×6Laps)
1位 | 村上裕二郎(松山工業高校) | 42:54 |
2位 | 副島達海(Limited Team 846) | +0:36 |
3位 | 永野昇海(イナーメ信濃山形) | +1:59 |
男子マスターズA(0.1+2.6km×5Laps)
1位 | 村田憲治(京都岩井商会レーシング) | 0:37:35 |
2位 | 田崎友康(Toyo Frame) | +0:05 |
3位 | 自檀地崇(シルクロード) | +0:43 |
text:&photo:Satoshi Oda/Kasukabe Vision FILMz
Amazon.co.jp